素晴らしきかな魂アイテム
【魂コラム】「魂アイテム」を手にしたときの幸せをさらに大きく!
こだわりを愛するユーザーと、それに応える送り手達への応援連載始動
2018年7月24日 12:00
【ライター:勝田哲也】
ここでは執筆するライターと、お気に入りのアイテムを提示していきたい。勝田哲也は、洋ゲーと玩具を愛するライター。超合金魂や、METAL BUILDなど凝ったギミックの商品が好きで、特に「DX超合金マクロス」シリーズはコレクションしている。千葉の田舎に戻り、田んぼの中を散歩する日々。最近のお気に入りは「超合金魂 ゴールドライタン 24金メッキ仕上げ」。まさかこの金ぴかにここまで魅了されるとは思わなかった(絵:橘 梓乃)
今回より連載企画「素晴らしきかな魂アイテム」がスタートする。この連載は毎週火曜日更新で、BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の商品や取り組みをピックアップし、開発者達が込めた想いを取り上げたり、ユーザー視点でアイテムの素晴らしさを語るレビューや、イベントやモチーフとなるキャラクターの楽しさをライター目線で考えるコラムなどを掲載する予定だ。
超合金、ロボット魂、S.H.Figuarts……コレクターズ事業部は様々なブランド名の商品を展開しており、総称として「TAMASHII NATIONS」と呼んでいる。それらの商品は、様々な技術が盛り込まれ、ギミック、可動、造形などこだわりに満ちた設計と、“おもちゃ”としての遊びごたえを両立している。そういった商品を手にしたユーザーは手の中の商品を細かくチェックし、ギミックを試しながら、この素晴らしいアイテムを世に生み出した開発者に感謝し、買った自分を褒めてやりたくなる。開発者、ユーザーの想いが合わさり、特別な「魂アイテム」が生まれるのだ。
連載「素晴らしきかな魂アイテム」は、開発者の想いとユーザーの夢が込められた「魂アイテム」に対し、どのような想いが込められているか、どのような想いを感じるかを提示していきたい。インタビューでは、そのアイテムはどのようにして生み出されたかを直接開発者に聞き、ライター陣のコラムによって、1ユーザーの感想を語り、イベントや商品の感想も語っていく。読者が購入し、遊ぶアイテムの魅力を様々な角度から掘り下げ、素晴らしさを実感していこう、という企画なのだ。毎週火曜日、キャラクターやギミック、造形など様々なこだわりを愛する人達が、楽しく読んでもらえる連載を目指していこうと思う。
こだわり、ユーザーを驚かせようという挑戦、さらには戦略まで語る開発者インタビュー
「素晴らしきかな魂アイテム」の“幹”となるコンテンツは開発者インタビューとなる【魂インタビュー】である。弊誌は、2014年のロケットパンチ! 三段変形! 「超合金 ハローキティ」を触ってみたを皮切りに、コレクターズ事業部の開発者インタビューを行なってきた。「素晴らしきかな魂アイテム」の表紙ではこれら過去のインタビューのリンクを掲載しているので、ぜひ振り返り、過去の記事も読んで欲しい。
1つ1つ想い入れを語ればキリがないが、本稿では印象に残っている記事をいくつかピックアップしていきたい。まずは最新となるフィギュアが苦手とする布の表現に、「真骨彫製法」はいかにチャレンジしたか?。「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーウィザード フレイムスタイル」をテーマに、フィギュアでしかなしえないマントの表現に開発者、そして工場がどのように挑んだかのインタビューである。
話を聞いたのは、最初のインタビューを行ない、その後も様々な商品を語っているシリーズの統括プロデューサーを務める寺野彰氏と、企画担当プロデューサーの岡本圭介氏。寺野氏は超合金関連から実写ヒーロー関連に担当が変わり、そのスタートの話を聞いたものとなる。寺野氏には“歴史”に輝く変形合体! 「超合金 トイ・ストーリー」インタビューといったユニークなモチーフのものから、寺野氏の子供の頃の夢を叶えたという、ポスターのみに描かれた“幻”、「超合金 メカゴジラ(生頼範義ポスターVer.)」などなど、様々なインタビューを行なっているので、ぜひピックアップして欲しい。
筆者が話を聞いて特に衝撃を受けたのは、「ガンダム」へ挑戦、全てのMSを一貫した「ver. A.N.I.M.E.」規格で!での「ROBOT魂 ガンダム ver. A.N.I.M.E.」シリーズ担当者・野口勉氏が描く“展望”である。アニメ「機動戦士ガンダム」の登場MSを、アニメのフォルムそのままのシルエットでアリながら、アニメの様々なポーズを再現できるという脅威の関節設計で、ファンから大きな評価を受けている。
野口氏の凄さは、この「ver. A.N.I.M.E.」のフォーマットで、現時点でで1年戦争のMSほとんどを再現し、さらにOVA「ポケットの中の戦争」も網羅しようとしていること。これらを構想し、明確な販売計画を提示し、会社に理解を得ながら、この壮大な構想を実現しようというプロデューサーとしての視点である。筆者が最初にインタビューした「ROBOT魂 シャア専用ザク ver. A.N.I.M.E.」インタビューから、野口氏の話を追いかけていくのもとても楽しいと思う。
開発者のモチーフやギミックへの強い想い入れ、という視点でもいくつも興味深いインタビューがある。「METAL ROBOT魂 ダブルオーライザー」設計デザイン担当坂埜竜氏インタビューでは、原型師である坂埜氏の指の先、膝の曲がり方にまでこだわる想い入れを聞くことができた。モチーフ元はあるが、そこからどのような立体物を作り出していくか、キャラクターへの想いをいかに結晶化していくか、それらを語りながら、試作品のポーズをとらせていく坂埜氏の話はとても引き込まれた。
モチーフに対して強い想い入れを語ってくれたのが、新たなフィギュア世界を提示する造形! 「S.H.Figuarts ブルース・リー」で話を聞いた二条忠則氏だ。二条氏はブルース・リーが創設した拳法・截拳道を始め、彼の生き様、哲学など様々なものを深く調べていた経験があり、その想いをフィギュアに込めた。敵の攻撃をさばき、目をはたき隙を作らせるという截拳道の技を再現できる“平手”パーツを同梱するなど、こだわりがとても楽しかった。
このように、1つ1つのインタビューでも再度語りたくなるポイントばかりである。1度読んだという方もぜひ読み直してみて欲しい。モノ作り、モチーフへの取り組みや、アイディアの活用などゲームファンも共感できる部分が多いだろう。そしてこういったインタビューが「素晴らしきかな魂アイテム」の大きな目玉コンテンツとなるのである。
ホビーライターだからできる、商品の掘り下げと、文化を支える人達への取材
「開発者の想い入れを取り上げる」というのは、「素晴らしきかな魂アイテム」の大きなテーマの1つだが、この連載では、さらに範囲を広げて“魂アイテム”の魅力、そしてこの商品を支えている人達や、ファンの想いも取り上げていきたいと思っている。
1つは【魂レビュー】である。商品を購入し、その魅力をユーザーの1人として掘り下げ、語っていく。筆者の場合はインタビューで開発者から魅力を聞くと、もうそのアイテムを欲しくてたまらなくなるが、自分が趣味に使える予算は限られている。その中で吟味し、葛藤し、購入を決心する。多くの人が葛藤を経て、決意と共に商品を買っていると思う。その「手に入れた自分なりの決断」を語っていきたい。
これまでも弊誌では「超合金魂 ゴールドライタン 24金メッキ仕上げ」レビュー、「DX超合金 Sv-262Hs ドラケンIII」レビュー、「METAL BUILD デスティニーガンダム(ハイネ機)」レビューといったレビューも掲載していたが、あえて連載のバックナンバーには入れていない。今後、「素晴らしきかな魂アイテム」では筆者だけでなく、数人のライターが連載を担当し、レビューだけでなく様々な企画にそれぞれの想いを持って、「魂アイテム」への感想を語っていく予定だ。
また、コレクターズ事業部のイベント「魂ネイション」や、ホビーショーでの出展などを取材しているが、よりライターの主観を強くし、1ファンとしての想い入れを語る【魂コラム】も執筆予定だ。新商品の発表のモチーフキャラクターや、発表されたギミックに全力でフォーカスしたような、まだ発売されていない商品に対して熱く想いをぶつけるようなコラムも面白いのではないだろうか。
この他にも、大型玩具店や家電量販店の担当者に「TAMASHII NATIONS」への想い入れも聞いてみたいし、コレクターズ事業部のショールーム「TAMASHII NATIONS AKIBA SHOWROOM」の取材もしっかりしてみたい。開発者だけでなく、「魂アイテム」を支える人達を取材する【魂レポート】も挑戦したいところだ。この連載枠を使って、多彩な企画を盛り込んでいきたい。
その商品の発売を知り、欲しいと思い、発売日を待ち望み、入手した「魂アイテム」は大事な宝物だ。細部まで眺め、ギミックを楽しみ、イメージをふくらませてポーズをとらせる。価値を見出したユーザーにとって「魂アイテム」を手にしている時間は幸せな時間である。
「玩具との出会いは一期一会」という開発者達の言葉がある。欲しいと思ったときに手にできず、「あのとき買っていればな」と苦い思いを抱いている人も少なくはないだろう。だからこそ、素晴らしい「魂アイテム」に出会う機会を増やしていきたいし、出会ったときの幸せを大きくしたい。「素晴らしきかな魂アイテム」は、そういう思いで連載していこうと思う。