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会場:Renaissance Hollywood
入場料:40ドル(前売り) 「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2008」は、先の11月23日に東京後楽園で開催された「ヴァナフェス2008 in 後楽園」と対となるイベントで、北米ユーザーに向けて同作の最新情報が公開されたほか、12月の大規模アップデートで実装が予定されている新コンテンツ「モブリンメイズモンガー」の試遊などが行なわれた。 今回発表されたゲームの最新情報に関しては別稿で詳しくお伝えすることにして、本稿では取り急ぎイベント全体の模様をお伝えしたい。また、「ファイナルファンタジー XI」開発チームやスペシャルタスクフォース(STF)へのインタビューも行なったので、そちらもぜひお楽しみに。
■ コミュニティの育成と試遊に重きが置かれたオフラインイベント
会期は昨年の2日間から1日に短縮され、メイン会場のキャパシティも1,000人弱となっていたが、イベントの責任者であるSage Sundi氏によれば、これは内容的な問題ではなく、単純に会場が取れなかったためだという。12月はクリスマスイベントで大規模な会場が軒並み押さえられてしまっており、「12月に大規模オフをやっちゃダメってことだよね」と苦笑しながら反省の弁を述べてくれた。結果として日本以上のプレミアムチケットになってしまったようだ。 ショウ前日の12月5日は泊まりがけで訪れた参加者を対象にしたアーリーレジストレーションとレセプションパーティーが開催され、さながらオフ会の様相を呈した。参加者を見る限りでは、学生らしき20代から、子連れの30代、夫婦同伴で来ている40~50代までと実に幅広く、日本のヴァナフェスに比べると幾分アダルトな印象だ。 6日は、朝の10時から夜の20時までたっぷり10時間、大小8つの会場で各種イベントが行なわれた。メイン会場では、昨年にも増して高い注目を集めたデベロッパーズパネルのほか、オープニングセレモニー、コスチュームコンテスト、アワードセレモニー、ライブコンサートなどが開催された。 そのほかの会場では、今回のイベントの目玉として扱われた「モブリンメイズモンガー」の試遊コーナー、「ヴァナフェス2008」で初披露された新規バトルコンテンツ「The Swarm」の体験コーナー、そしてオリジナルグッズを扱ったショップ、アートコンテスト作品のギャラリー、パートナー/プレミアサイトのブースコーナーなどが用意されていた。
日本で開催されている「ヴァナフェス」は、純粋なライブイベントとして、キッチリ3時間鑑賞を楽しんでもらうという趣旨であるのに対し、「FINAL FANTASY XI Fan Festival」は、主催者側の仕切りは最小限にとどめ、積極的にユーザーの参加を促していくイベントとなっている。時間帯を問わず通路でコスプレーヤーの即席の撮影会が開催されたり、何も行なわれていないメイン会場でユーザー同士でおしゃべりが楽しまれていたりなど、のんびりとしたマイペースの雰囲気が漂う。試遊コーナーでも即席のパーティーであるにも関わらず、しっかり声を掛け合い、終了後は談笑が繰り広げられる。文化の違いを感じる風景である。
さて、試遊コーナーについては、昨年に比べるとバリエーション自体は減ったが、台数そのものは増しており、試遊コーナーは絶えず多くの参加者で賑わっていた。今回は「モブリンメイズモンガー」用に66台、「The Swarm」用に36台、計102台のPCを参加者向けに用意し、多少の待ち時間で参加者全員がプレイできる環境が整えられていた。 「モブリンメイズモンガー」は、メイズの作成にこだわっているパーティーはあまり見られず、いわゆるスカに相当するエレメンタルとバトルするパーティーの姿が目立った。戦いに勝利すると宝箱が出現し、開けると一定量の経験値とモブリンマーブルを獲得できる。「モブリンメイズモンガー」では、このモブリンマーブルという独自のポイントをためて、報酬と交換するというスタイルになるようだ。
「The Swarm」は、「ヴァナフェス」とまったく同じ、ミシックウェポンを装備したキャラクタ6人によるチャレンジ。ただ、わずか5分というバトルタイムの短さが災いして、コツを掴む前に終わるというパーティーが目立っていたように感じられた。パーティーと個人、それぞれに対して成績が表示される機能がありながら、それを活かしていないのも惜しかった。ハイエンド装備による最高率のプレイとはいかなるものなのか見てみたいと思うのは私だけではないだろう。次回に期待したい。
■ 発表内容は日本とほとんど同一。北米でもシャントット博士が人気
内容的には「ヴァナフェス」とまったく同じで、残念ながら特に新情報と言えるようなものは提示されなかった。日本のユーザーからするとやや肩透かし感はぬぐえなかったが、客席の反応はオープニングでの発表と言うこともあり上々だった。ちなみにもっとも反応が大きかったのが「A Shantotto Ascension - The Legend Torn, Her Empire Born(邦題『シャントット帝国の陰謀』)」。追加シナリオのタイトルに“シャントット”の冠が付いているだけで、会場から大歓声がわき起こった。日米共に反応するツボは同じようである。 田中氏に続いて壇上に上がったのは、プランナーの藤戸洋司氏。「ヴァナフェス」で「モブリンメイズモンガー」の担当者として概要を紹介してくれたが、今回も実機を使ってデモを行なってくれた。 「モブリンメイズモンガー」は、メイズバウチャーとメイズルーンの組み合わせによるダンジョン作成と、冒険者が作成した“ダンジョン設計書”を元にモブリンが構築してくれたダンジョンにチャレンジするという大別して2つのフェイズに分かれている。 今回はモンスターを撃破するという内容の「メイズバウチャー07」をベースに、デモや試遊が行なわれたが、はめ込むルーンの数や種類を変えることで、出現するモンスターが変わったり、敵の強さが変化したりなど、プレーヤー側が自由にダンジョンの難易度をチューニングできるところが決定的に新しい。サプライズとしては、バトルサウンドを自由に設定できることが発表された。 一通り見た感じでは、「ナイズル島アサルト」を含む「アサルト」の発展系のバトルコンテンツという印象を持った。アサルトは一度クリアしてしまえば後はルーティンワークの繰り返しとなり、プロセスそのものは単調になってしまう。このため、冒険者の興味を引きつけるため、力業で膨大な数のバリエーションを用意することになっていた。「モブリンメイズモンガー」はその二の舞を防ぐために、プロシージャル的な発想を元に、一定のスケーラビリティを持たせ、ユーザー側で自由にダンジョンの中身をいじれるようにすることで、繰り返し楽しく遊べる仕様へと昇華させている。 「ファイナルファンタジー XI」には、すでに「ナイズル島アサルト」を筆頭に優秀な大規模バトルコンテンツが多数実装されているが、「モブリンメイズモンガー」がそれらに変わる存在になりうるのかどうか、実装後のユーザーの反応が楽しみである。
午後に行なわれたデベロッパーズパネルでは、「ヴァナフェス」で発表された内容のおさらいを中心に、踊り子のメリットポイントグループ2とAF2、そしてQ&Aコーナーではいくつかの新情報も披露された。詳しい内容については、別稿をお待ちいただきたい。
□スクウェア・エニックスのホームページ (2008年12月7日) [Reported by 中村聖司]
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