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会場:JCBホール
入場料:3,000円
今回は残念ながら拡張ディスクの発表はなかったものの、その代わりに3本もの「追加シナリオ」を発表。前例のないサプライズの発表に、新しい時代の始まりを予感させてくれた。 その他のイベントについては、恒例の「ファイナルファンタジー XI」プロデューサー田中弘道氏を筆頭とした開発/運営チームスタッフによるトークセッションのほか、来場者同士の即席パーティーによるスペシャルバトルフィールド、チョコボレースの1着を占う第二回アルタナ記念杯、〆はこちらも定番の「THE STAR ONIONS」スペシャルライブなどが開催された。 この2週間後の12月6日からは、米国ロサンゼルスにて北米ユーザーを対象にしたオフラインイベント「FINAL FANTASY FAN FESTIVAL 2008」の開催が予定されており、予想された「アルタナの新兵」関連の情報に関しては、少々出し惜しみ感もあったが、初心者向けの施策あり、12月のバージョンアップ情報あり、スペシャルタスクチームの最新レポートありと、「FF XI」ファンには楽しめるイベントとなったようだ。 それではさっそく、新規コンテンツの発表を中心に、イベントの模様をお伝えしたい。なお、気になるトークセッションの模様については、別稿にて詳しくお伝えする。
■ 「FF XI」が運営7年にして新展開!! 3本の「追加シナリオ」を発表
今回発表されたのは、「石の見る夢 ~ヴァナ・ディール最終頌 魂の返歌」、「戦慄! モグ祭りの夜 ~ヴァナ・ディール 史上最小の作戦」、「シャントット帝国の陰謀 ~ ヴァナ・ディール史上最凶の作戦」の3タイトル。今回は残念ながら映像での公開は行なわれなかったが、企画そのものはかなり進んでいるようで、ある程度踏み込んだ話が披露された。 現時点では、発売日、価格共に未定としているが、発売時期については「石の見る夢 ~ヴァナ・ディール最終頌 魂の返歌」の2009年春を皮切りに、数カ月おきにリリースする予定で、価格については「1,000円前後(田中氏)」という。提供方法は、ディスクの形態は取らず、Play Onlineのオプショナルサービスを通じてダウンロード販売される。 プレイには「FF XI」本編に加えて、拡張データディスク「ジラートの幻影」の両方が必要となる。ということは、本編エリアとジラートエリアを舞台としたストーリーが展開されると考えて良いだろう。公式発表はこの程度だが、イベントではプロデューサーの田中氏と、シナリオ担当の加藤正人氏より、もう少し詳しい概要が紹介されたので、以下にまとめておきたい。 それはトークセッション第2部の終了後に唐突に発表された。トークセッションの〆として登壇者全員の挨拶が終わり、ステージが暗転した後、厳かな音楽と共に、3つのタイトルロゴが公開された。次に予定されている「THE STAR ONIONS」コンサートの準備時間を埋めるための何かのパロディなのかと思いきや、次々にタイトルが披露され、3つのタイトルが並ぶことによって、これが真面目な“何か”であることが理解できた。 司会者の「ひろみちおにいさーん」のかけ声で、トークセッション第二部に続いて再び大きな拍手で迎えられた田中弘道氏は、「これが現在開発している追加シナリオの3作品になります」といきなり宣言。「今までの拡張版とは違うコンセプトで、アドオンという形で追加していくことを考えています」と続けた。 「『アルタナの神兵』に続くものなのか?」という質問に対しては、「『アルタナ』に関しては、これからも当分バージョンアップが続いていきます」として暗にこれを否定し、続けて「これは従来の拡張版ではなく、長編のシナリオという形のものです。開発チームも『アルタナ』バージョンアップチームとは異なり、特別編成しています」と、新規の開発パイプラインを使った新規プロジェクトであることを強調した。 「追加シナリオとはどういうものか?」という質問に対しては、「従来の拡張版は、新しいマップを追加して世界を広げていく横の広がりをメインにしていたが、既存のマップをベースに今まで語られていない秘密を掘り下げていく縦方向のコンテンツになる」と語ってくれた。 ストーリーについては、「拡張版ほどのボリュームはないが、各コンテンツごとに1話完結型のシナリオになっていて、1本当たり1~2カ月でクリアできるものを想定している。クエストの序盤の方はレベル30からスタートして、最終的にクリアするにはレベル75のパーティープレイは必要になるだろう」とし、気になるクリア時の報酬については、笑顔で「高レベル向けのものになるのではないか」と期待させるコメントで締めくくった。 気になるシナリオライターは、「FF XI」本編および、最初の拡張ディスク「ジラートの幻影」までのミッションのプロットを手がけた加藤正人氏が6年ぶりにカムバックすることが明かされた。加藤氏の代表作は「クロノ・トリガー」で、先日発売された「クロノ・トリガーDS」では監修および追加シナリオを担当したという。 スペシャルゲストとして大量のスモークと共に登場した加藤氏は、田中氏に「おかえりなさい、ヴァナディールに」と笑顔で迎えられ、新規プロジェクトに参画した経緯として、「田中さんからメールが届きまして、『FF XI』のシナリオを書けと言われ、オンラインゲームのシナリオは大変だし、縛りもあってきついんで、こりゃ参ったなと思いながらも仕方ないかということで引き受けました(笑)」と田中氏を隣に照れながら報告した。 続いて加藤氏は各タイトルの概要説明を行なった。
加藤氏は最後に「自分も7年ぶりのヴァナディールの話を書かせていただけるということで、それなりに気合いを入れて作っています。ユニークで、変な物語になっていると思います。皆さん期待して待っていてください」と挨拶し、大きな拍手に包まれた。 今回発表された3つの追加コンテンツは、既存の「FF XI」のバージョンアップの方法論を打ち破る新規コンテンツとして大いに期待したい存在だが、コンテンツの構成要素、ストーリーをドライブする手法、新しい遊びの有無、既存世界との整合性などなど、肝心なところが不明なことばかりだ。また、ユーザーにとってモチベーションとなるようなコアの楽しみが何なのかもまだ見えてきていない。こうした部分は、開発の進捗に合わせて徐々に公開されることになりそうだが、続報と共にしっかりとした作り込みを期待したいところだ。
■ アダマンタスが上からガンガン落ちてくる新バトルフィールド「スウォーム」解禁!!
具体的には、グスゲン鉱山の地下エリアを使ったバトルフィールドとなっており、一階に繋がる穴からどんどんモンスターが落ちてくる。戦士、モンク、シーフ、赤魔道士、白魔道士、黒魔道士の6人パーティーでそれをいかに効率よく撃破できるかを競うという内容になっている。 過去のバトルフィールド戦は、即席のパーティーで勝利を狙うには難易度が高すぎ、結果としてほとんどすべてのパーティーが敗退という残念な結果に終わっていた。今回はこれまでの反省を踏まえ、基本コンセプトをシビアな団体戦から、ザコモンスターをただひたすら倒しまくる掃討戦に変え、爽快感を第一にした新感覚のバトルフィールドに仕上げた。「ヴァナフェス2006」で実施された「雲霞の如し」に近い内容だ。 ただ、今回「雲霞の如し」と大きく違っていたのは、キャラクタレベルが60から75に引き上げられ、なおかつ装備品がハイエンドで統一されていたことだ。武器はなんと、「FF XI」ユーザーがいまもっとも欲しいアイテムと言えるミシックウェポンで、さらに防具もコアユーザー御用達のアタッカー装備に身を包み、思う存分ミシックWSとミシックウェポンのみで発動するアフターマスの効果を楽しむことができた。 落下してくるモンスターは、クロウラーや甲虫といったオーソドックスなもののほかに、アダマンタスやボム、スライム、マンドラゴラ、ゴブリンといった特殊なモンスターも出現し、彼らを倒すとHPが回復したり、テンポラリアイテムが手に入ったり、爆弾が使えたりなどのメリットがある。連続して撃破するとチェーンとなり、チェーンを増やしていくと撃破ポイントにもボーナスが付くという仕組みである。 イベントでは2組同時に2戦が行なわれた。1戦目は逃げるモンスターをうまく捕まえられず、やきもきさせられるシーンが目立ったが、雰囲気を掴んだ後の2戦目では、パーティープレイの役割は無視して全員がアタッカーという立ち回りで気の向くままに攻撃を楽しんだ。 注目を集めたのは、白/忍で、メインにミシックウェポンのヤグルシュ、サブにクラーケンクラブ、頭はマートキャップ、胴はレヴランドメイルという、超アタッカー装備の白魔道士だろうか。要領を掴んでくると、ガ系でひとまとめにして次々に撃破していた。何もしないとモンスター達は端に逃げていくため、この戦術は有効だ。 結果は2万点台後半のポイントで2組目Aチームが勝利を収めた。優勝チームには、全員に「FF XI」ロゴ入りのオリジナルiPod Touchがプレゼントされた。余談だが、こうした使用する場面を限定した上で、高級装備でプレイするという遊びは、常設コンテンツとしても有効だと思う。「ミシックウェポンでチャレンジできるバトルフィールド」みたいなコンテンツの追加を期待したいところだ。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2008年11月23日) [Reported by 中村聖司]
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