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会場:Anaheim Hilton
入場料:85ドル(前売り) 初日の今日は、朝の9時間から夜21時までにかけて、多少押し気味のスケジュールながらも、数多くのステージイベントとアクティビティが実施された。中でも注目を集めたのは、ゲームイベントらしく、2度に分けて行なわれた開発者のプレゼンテーションと、開発者が勢揃いしたデベロッパーズパネルだった。それらの細かい内容については別稿にてお届けすることにして、本稿では取り急ぎ初日の模様をダイジェストでお届けしたい。
■ 既存18ジョブの調整プランが公開。白に睡眠魔法、獣にペット挑発アビ、シーフに敵対心を盗むアビなど
ジョブ調整の発表が行なわれたのはデベロッパーズパネルの前座として行なわれた開発者プレゼンテーション。登壇者は、バトルディレクターの松井聡彦氏と同プランナーの権代光俊氏のふたり。 今回対象となったのは、既存の18ジョブ。「アルタナの神兵」の導入をふまえて、すべてのジョブバランスが再調整されることになる。実装時期は、「アルタナの神兵」事前バージョンアップが実施される11月20日から「来年」までと幅広く、「アルタナの神兵」の発売と同時に全ジョブのバランスが変わるわけではないところに注意が必要だ。 発表の冒頭でふたりからは、前回のバージョンアップで実施した両手武器の調整が不評だったことから、再々調整を行なう、つまり弱体化する方針が報告された。予想通り会場からは大ブーイングが巻き起こり、「すいません」と頭を下げる一幕もあった。 続いて既存ジョブの調整プランが語られたが、日本とは大きく異なる会場の反応に驚かされた。ジョブのパネルが映し出されるたびに、絶叫のような歓声と口笛、そしてわずかなブーイングが混ざり、調整プランが報告されると、大きな拍手と大歓声、中には立ち上がってガッツポーズするユーザーまでおり、一方、斜め下の修正プランの場合は容赦なく大ブーイングが巻き起こるなど、とにかく大騒ぎだ。 それでは以下、各ジョブの調整内容を紹介していくが、詳細については別稿にてお伝えするつもりなので、ここでは概略のみ紹介しておきたい。なお、特に記載がない限り、実装時期は次々回以降(11月20日以降)となる。
・戦士
モンク
・白魔道士(11/20のバージョンアップで導入)
・黒魔道士
・赤魔道士 ・シーフ(11/20のバージョンアップで導入) 対象としたPTメンバーの敵対心の半分をぬすんで、自身の敵対心とするアビリティ「アカンプリス」を追加。敵対心をとりすぎてしまった後衛を救ったり、絶対回避を活用するために有効。
・ナイト
・暗黒
・獣使い(11/20のバージョンアップで導入)
・吟遊詩人
・狩人(11/20のバージョンアップで導入)
新アビリティ「ベロシティショット」を追加。
・侍
・忍者
・竜騎士
・召喚士
・青魔道士
・コルセア
・からくり士
18ジョブ中、11月20日にアップデートが予定されているのが、白魔道士、シーフ、獣使い、狩人の4ジョブだ。アップデートが間近なだけあって、内容、方向性ともに具体的だった。中でも大きな歓声に包まれたのがシーフと獣使いで、共に既存の役回りそのものに修正を加えられることになる。 シーフの場合は、もともとの持ち味だった敵対心コントロール技能に加え、新たに自らが敵対心を肩代わりする技能が追加される。これにより、敵対心を稼ぎすぎた後衛や前衛を救済するだけでなく、盾役としての立ち回りも現実味を帯びてくる。 獣使いの場合は、1人と1匹で一人前のアタッカーというペットジョブの概念を変え、自らが稼いだ敵対心を、ペットに預けてしまう新コマンド「ひきつけろ」により、アタッカーとしての能力を研ぎ澄ませば研ぎ澄ますほど、盾役としての能力に磨きが掛かるという、極めてユニークな能力が得られることになった。「まってろ」によるHP回復や、「いたわる」のリキャスト短縮化、および状態異常回復機能の追加など、いずれもペット盾を指向しており、獣使いがナイト、忍者に次ぐ“第三の盾”に化ける可能性もある。今回のジョブ調整の目玉といっていいだろう。
この両ジョブと、戦士を加えた3ジョブは、“盾役解禁”に近いニュアンスを備えており、実質的な盾役不足調整アップデートと言えそうだ。これは、「アルタナ祭り in 大阪」でのメディア向け質疑応答の中で、盾役不足への懸念に対する回答として「最初は盾ジョブと呼ばれるものを作ろうかなという話もあったのですが。基本的には、ジョブとしては作らない……。今すぐは答えられないです(権代氏)」という謎かけに対する明快な答えと言えそうだ。 ■ 初日のサプライズは「ウィンドウ表示モード」。田中氏自らが発表
「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」は、終日イベントを丸々2日間実施するという非常に長いゲームイベントだ。日本では一部のLANパーティーイベント以外考えられない長さであり、あまりの長さにやや呆然としてしまうところがあるが、北米の参加者たちは手慣れた様子で、気負うことなく思い思いに自由な行動を取っていた。 まず、ステージイベントから見ていくと、オープニングセレモニーにいきなりサプライズがあった。プロデューサーの田中弘道氏が登壇し、2日間のイベントの概要を説明したあと、「これを見てください」と切り出し、「ファイナルファンタジー XI」のウィンドウ表示モードが初公開された。LIVEメッセンジャーで「『FFXI』でもやるか?」、「もうやってるよ」、「えっ?」というやりとりの後に、公式サイトのライブヴァナ・ディールの小窓が拡大し、実はこれがゲーム画面だったというシナリオ。 来場者は、「なんだこのチャットは」と笑いながら眺めていたが、ライブヴァナ・ディールの小窓の映像が実はゲーム画面だということがわかると拍手喝采に包まれた。サムネイルサイズまで縮小でき、さらにスケーラブルかつリアルタイムに表示サイズを変更できるウィンドウ表示モードの高機能ぶりには驚かされた。実装は11月20日が予定されている。これでPCがゲームに占領されるのは惜しいという理由でPS2やXbox 360でプレイしていたユーザーが、PCに乗り換えるケースが増えてきそうだ。 その後実施されたステージイベントも活況を呈していた。「タルタルマラソン」では当日登録を行なった30名の来場者が、マムークを舞台に白/黒レベル1のタルタルでマラソン大会が行なわれた。マムークの入り口から奥の拠点までインビジスニークなしで敵中を突破するというわかりやすい内容で、可愛いタルタルが見事な回避術でマムージャを避けたり、マムージャに絡まれたりするたびに大歓声が上がった。 ヴァナ・ディールクイズショウでは、アイテムの価格や、地名/人名のスペル、装備品の組み合わせを答えるものまで難問珍問が続出した。ユニークなのは、会場の来場者が思い思い答えをステージに向かって叫びまくるところで、来場者全員参加のイベントといった印象だった。 ムービーコンテストは、応募期間が短かったためか、公開されたのはわずか6作品だったものの、クオリティが高い作品ばかりが集まった。ひとつ特徴的なのはタルタルに対する圧倒的な人気の高さだ。タルタルを主役級に据えた作品が多かっただけでなく、タルタルが登場するだけで場が沸騰したような歓声に包まれる。Sage Sundi氏も「なんなんだろうね?」と理由がよくわからない様子だったが、北米ユーザーはタルタル好きが多いというのは確かなようだ。
■ 各種アクティビティが活況。「Mercenary Camp」に勝利者も誕生
ガイド役のスタッフがヘッドセットを通じて案内し、新エリアを順々に見せていくという企画だったようだが、20人規模のツアーということで、参加者たちは思い思いの場所に散らばってバトルを始めてしまうなど、なかなか企画通りにはいかなかったようだ。終了から次の回までの準備に30分以上かかるなど段取りもあまりよくなく、ゲームパッドの用意もないなど、ちょっと雑だったかなという印象だ。 ちなみに新エリアは、デルフラントとノルバレンのちょうど中間に位置する入り江の中にある島で、Vunkerl Inlet。タブナジア群島を彷彿とさせる原生林と海流と橋が特徴的なエリアだ。ツアーの詳しい内容については別稿でお届けしたい。 その隣では、「アルタナ祭り in 大阪」で好評を博した新バトルコンテンツ「Mercenary Camp」が24台規模で実施されていた。五蛇将と戦える高難易度バトルとして、大阪のイベントでは完敗を喫していたが、今回は気の合う仲間同士でチャレンジできるだけでなく、大観衆の前ではなかったためか、奇跡的に勝利するグループも誕生していた。 たまたまその1戦を最初から最後まで観戦する幸運に恵まれたが、シーフのうまさが際だっていた。ヘイトコントロール能力をうまく使って、戦士、モンク、そして自分にターゲットを分散させ、相手の猛攻を避けていた。また、私も初めて知ったが、このバトルに勝利すると、五蛇将とパーティーメンバー6人が一画面に収まる記念撮影モードが報酬として用意されている。 それから、「アトモスチャレンジ」は、前日のレポートでお伝えした「アルタナの神兵」のアトモスとはまったく関係が無く、テストサーバーであるアトモスサーバーで行なうイベントのことだった。まっさらな新サーバー状態のアトモスに18キャラクタが降り立ち、今日明日の2日間で18グループのメンバーが代わる代わるプレイして、レベルや獲得ギル数を競うというもの。 競売の出品がゼロ、アイテムの値段も初期状態というシチュエーションで、冒険者はどのようにレベルを上げ、ギルを稼いでいくのか。また、パーティーを組むのか、ソロプレイにこだわるのか、どうやってサポートジョブを取るのかなど、人間行動学的な興味をひかれるロングイベントである。初日は、三国周辺でソロでのレベル上げが、明日はいよいよジュノに目指して出発という流れになりそうだ。「アトモスチャレンジ」の結果は明日のレポートで詳しくお伝えしたい。 そのほかヒーローズコンバットやヒロインズコンバットコーナーや、「FF XI」をモチーフにした縁日仕立てのカーニバルゲームコーナー、ミスラさんたちと記念撮影できるフォトブース、グッズが購入できるマーチャンダイズストアなど、1日遊べるボリュームだった。 ただ、来場者が一番多くの時間を割いていたのは、フレンドとの交流だ。メインステージには、サーバー名が記された30の丸テーブルが配置され、そこで活発な交流が行なわれていた。終日コスプレ衣装のままという来場者も少なくなく、日本人の目からするとやや異様だが、リラックスしてコミュニケーションを取っている姿を見ると、これはオンラインゲームビジネスにおけるひとつの完成形だと思わせてくれる。明日はコスチュームコンテストやデベロッパーズパネル、スペシャルイベントなどさまざまなイベントが予定されている。引き続き明日もレポートをお伝えするつもりだ。
□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年11月17日) [Reported by 中村聖司]
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