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【パタポン2 ドンチャカ♪】
価格:4,980円(UMD版)
CEROレーティング:A(全年齢対象)
「パタポン2 ドンチャカ♪」は、リズムに合わせてコマンドを入力することで画面内のパタポンを行進させたり、敵を攻撃したり、守ったりさせる一種の音楽ゲーム (同社のジャンル表記はコマンド・カーニバル)。流れてくる音楽に合わせテンポ良く「パタ (□)・パタ (□)・パタ (□)・ポン (○)」や「ポン (○)・ポン (○)・パタ (□)・ポン (○)」といったコマンドを入力。リズムを奏でる4つのタイコが用意されており、それが、○、△、□、×の4つのボタンに対応している。前述のように様々なコマンドが用意されているので、それぞれの場面で特定のコマンドを4拍子のリズムに合わせて入力し、パタポン軍を操る。価格は、UMD版が4,980円、ダウンロード版が3,800円、PSP同梱版の「Winterギフトパック」が23,800円。CEROレーティングはA(全年齢対象)。 2007年12月に発売された前作に引き続き発売された2作目となる本作は、ヒーローパタポンや“とりポン”や“ろぼポン”といった新たなパタポンの登場、さらにステージ数、アイテム数、ボス数などが倍増するなどボリュームアップはもちろん、プレイするにあたってより気持ちよくなるようなシステムの改良も施されている。
そして一番の大きな追加項目は、2つの協力プレイの導入だ。最大4人まで参加することができ、参加人数が足らなければCPUキャラクタがサポートしてくれる。タマゴを運びながら敵を倒して進軍していく「マルチミッション」と、もうひとつはコマンドに合わせてタイコを叩く「ドンチャカ♪」がある。「ドンチャカ♪」はクリアするとタマゴが割れレアアイテムやヒーローマスクなどが手に入る嬉しい特典付きだ。現在「PLAYSTATION Store」で無料で手に入れることができる同作の体験版でも「マルチミッション」は楽しむことができる。
今でこそシリーズ2作目が発売されたが、1作目の制作時は苦難の連続だったようだ。小谷氏は制作の初期段階で「どんなゲームか?」とプレゼンテーションなどで尋ねられたとき「神様となりタイコをたたいてパタポンを引き連れてセッションするように冒険する」と答えると「みな、頭にクエスチョンマークが浮かんでいるようだった」とその面白さを伝えるのに苦労したとか。小谷氏はゲームを完成させて実際に遊んでもらわない限り面白さは伝わらないと考えたようだが、長い制作期間の間に「ゲームになるの? 面白いの??」と周りから言われ、一時は制作中止になりかけたこともあったとか。足立氏も「開発当初から参加することは珍しいが『世の中に本当に出るのか?』という中で開発を続けた」と厳しかった当時を振り返った。 ちなみに「パタポン」を制作するきっかけは、小谷氏があちこちネットを見ていたときにたまたまフランス人のアーティストの「Rolitoland」のページを見たところからスタートしたという。このページには、ゲームにも出てくる目だけのキャラクタが描かれており、それを見た瞬間小谷氏の頭には「パタポンがたくさん列んでタイコの音に合わせ荒野を行進していくイメージが浮かんだ」のだとか。足立氏は「小谷氏が嬉しそうな顔で説明するんですよ(笑)。私もエスニックな音楽が好きなので協力していきました」と、足立氏も巻き込み本格的にゲーム制作がはじまった。 ゲーム制作を始めた当初はこれらのキャラクタに名前は付いていなかった。そこで、キャラクタを作り上げたRolitolandに名前の作成を依頼したところ、メールで十数個の案が送られてきたという。小谷氏にとってはフランス語で読めないものもあったというが、その中で目にとまったのが「パタポン」……いや「パタポンしか目に入らなかった (小谷氏)」というのが本当のところだとか。「パタポン」とは「いたずらっ子」という意味で、フランス語の古語でラテン語にちかいという。小谷氏は、「子供のように可愛くコマンドで歩き回る」ということから意を得ていると感じ、その日中に「パタ・パタ・パタ・ポン」というコマンドも決定したのだとか。 ゲームにはたくさんのパタポンが登場し、歌を披露してくれる。あの音楽はたくさんの人によって録音されているのかと思いきや、「実際はひとり (足立氏)」という驚きの答えが返ってきた。「近所にゲームが好きな子供がいるので……」ということ12歳のBLICO君にお願いすることとなったが、足立氏は「彼でなければ『パタポン』は成り立たない」と最後にはしっくり来たようだった。録音もかなり時間が掛かり、BLICO君に自分なりに「良いパタポン」、「悪いパタポン」、「音痴なパタポン」など設定を考えてもらい、録音に挑んだのだとか。 さらに足立氏は「小谷氏のイメージを引き出すのが大変でした」と曲作りの大変さを振り返った。煮詰まると共通の趣味だというサーフィンをしながら色々な話をして足立氏なりに曲作りを夜通し進め、一度小谷氏に曲を提出すると歌詞が出来上がってきて、ここで学校から帰ってきたBLICO君と録音作業にはいるという流れだったという。さらにBLICO君には、出来上がった曲を1回聴いてもらい一度それを忘れてもらい、その後ライブで歌ってもらって再度曲を収録するという手の込んだ方法で苦心の末に作り込まれた音楽が、この「パタポン」の曲なのである。 そうやって1作目が発売された後、小谷氏は「あちこちで反応を探っていくとみんなに楽しんでもらえたようだ。とにかく“パタ・パタ・パタ・ポン”という音楽が頭から離れないという意見が多く、それが嬉しかった」と語った。足立氏も「音楽は世界の共通語だから、そういった反応は嬉しい。音楽で世界の人に楽しんでもらえ、自分をアピールすることができたことで安心した」と続けた。 そしていよいよ2作目を制作する気運が高まってきたとき、小谷氏は「アレもコレもしたいと思った」とか。小谷氏は「『パタポン』は1作目でゲームの面白さは完成している」と言い、2作目ではより深化させる方向で作り上げたいと考えていたという。このため、プロデューサーから「マルチプレイをお願い!」と言われた時は、「それはねーだろう!!」と思ったのだとか。 マルチプレイにまったく興味を持てなかった小谷氏だが、インターネットの掲示板などを見ると「マルチプレイはあり得ないだろう」といった書き込みがあり、それはそれで悔しくなり結果的にマルチプレイを作り上げることになった。作り上げた今となっては、「みんなでプレイすることで、深めるんじゃなくて広めることができたと思っている」と締めくくった。 一番最後に小谷氏は「私はストイックに遊ぶのが好き。1作目のデータを引き継ぐこともできるので、素材を集めて最強の部隊を作って遊ぶのもひとつのプレイスタイル。そこから最初に戻り、最初から苦労しながらパタポン達とゲームを進めるのも良い」としながらも、「1作目は神様 (プレーヤー) とパタポンの2人だけのすごく楽しいセッションだったわけですが、2作目では2人だけのものからみんなで楽しむという広がりがある。そこが1番ジャンプアップした要素だと思うので、自分で育てたパタポンを持ち寄ってみんなで楽しんで欲しいですね」とコメントして締めくくった。 足立氏も「今回はジャストの瞬間を出したときの気持ちいい感覚を一工夫しているし、タイコの音も良くなっている。気付いたら口ずさんでいる。ぜひとも手にとって体験して欲しい」とアピールして締めくくった。
前述の通り、PLAYSTATION Storeでは体験版が配信されている。かなり遊び応えのある体験版で、ここで遊んだデータは製品版に引き継ぐことができるという優れもの。ぜひとも一度手軽にジャストでコマンドを叩いたときの気持ちよさを体験して欲しい。 (C)Sony Computer Entertainment Inc. (C)Rolito/Interlink
□プレイステーションのホームページ (2008年11月27日) [Reported by 船津稔]
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