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G-Star 2008現地レポート

NCSoftブースレポート
オープンβスタート2日で同時接続17万人突破の「AION」
“お見合い”など多彩なモードのダンスゲーム「LoveBeat」を出展

11月13日~16日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
子供2,000ウォン(前売り1,000ウォン)


 G-Star 2008で、NCSoftは翼を持つ種族が戦うMMORPG「AION」と、オンラインダンスゲーム「LoveBeat」の2本を出展した。

 NCSoftのブースは例年同様多くの来場者が訪れる人気のスポットだったが、“最新作のアピール”という面ではトーンダウンは否めない。ユーザーの中には7月31日に韓国のメディアに発表されたNCSoftの最新作「Blade&Soul」の出展を期待していた人もいただろう。

 「AION」は11月11日にオープンβテストを、「LoveBeat」は11月5日から正式サービスを開始している。「AION」は韓国ユーザーが長い間待ち望んだ作品であり、「LoveBeat」は派手なステージでの対戦プレイで大きく盛り上がった。ユーザーを楽しませるステージ構成と演出は会場でもトップクラスのメーカーである。  今回のNCSoftはG-Star 2008を新作発表の場ではなく、来場者にタップリ遊んでもらうタイトルで迎えるという方針をとったと言えるだろう。新作を意欲的に発表し、限定されたコンテンツで会場でタイトルを紹介したNEXONと対照をなすスタイルである。本稿では、タイトルとそれぞれの会場の様子を紹介したい。


■ 「リネージュII」の次を担うゲームとして期待のかかる「AION」。本当のスタートはこれから

20台近くの試遊台を設置、会場用のアカウントの他、自分のアカウントを使ってのゲームプレイを楽しむこともできた
空を飛ぶことができるのが本作の特徴だが、現在は街と街の移動など特別なときしか飛ぶことができない
 韓国のオンラインゲーム業界において、2008年末最大の注目作は間違いなく「AION」だろう。2006年5月のE3で発表されてから2年半、11月11日よりオープンβが開始された。正式サービスは未定だが、月額課金を予定している。

 オープンβ初日には25台ものサーバーがオープン、同時接続者数が増加、11月14日の午後3時頃に、ブース内で「同時接続17万突破」がアナウンスされると会場から拍手が上がった。大作と呼ばれるMMORPGでも久々となる大ヒットだ。

 会場では20台近くの試遊台で「AION」をプレイすることができた。広い空間を取って、プレイ待ちの人がいる場合は行列を作り、スタッフが割り振るなど手慣れた印象を受ける。また、コンパニオンがゲームを知らないプレーヤーにはアドバイスをしていたが、とにかく「AION」をプレイしたい! という、席に着くなり画面を食い入るように見つめてプレイをするユーザーもいた。

 筆者は「G★2007」以来「AION」を見た。昨年はストーリー性が高い一本道のシングルゲームだったが、オープンβの「AION」はNPCのいるキャンプでクエストを受け、フィールドにいる敵を倒す、なんとなく“普通のMMORPG”になってしまったなあ、という印象を持った。

 しかし、フィールドの書き込みと、植物、モンスターのデザインなど、1つ1つが美しく、かつ細かく描き込まれていて、各要素をチェックするほど作品へのスタッフの気合いが感じられる。街へ移動する空を飛ぶシーンもムービーのように美しく、また、同じように空を飛ぶキャラクタとすれ違ったりして、1つ1つのアクションが面白い。“次世代”を感じる革新性は感じないが、現在のMMORPGの技術をより高いレベルで表現している作品だという印象を持った。

 弊誌でも何度かお伝えしている「AION」は天使のような美しい容姿の“天族”、浅黒い肌に鋭い表情を浮かべる“魔族”、そして強大な“竜族”の3つどもえの戦いがテーマとなるMMORPGだ。韓国では「リネージュII」に続く韓国ゲーム業界を牽引するタイトルとして注目されている。

 現在、「AION」は天族と魔族が実装されており、レベル30まで育成が可能だという。クエストは世界観と密接に関わっており、プレーヤーはゲームを進めることで世界への知識を深めていける。全部で1,500以上のクエストが用意されているとのことだ。

 現時点では、プレーヤー達は3種族が空を飛び戦う異空間のような戦場「アビス」へ向かう直前までキャラクタを育成し、クエストを進めることができるという。天族、魔族のプレーヤーはスタート地点は全く別な場所からスタートする。2つの種族は現時点で完全に隔絶されていて触れあうことはない。

 大盛況、という状況もあり現在は1アカウント1キャラクタの制限がかけられている。もう一方の種族のキャラクタを同一アカウントで作れるようになるかは未定だ。レベル30というと最近のMMORPGではキャップとして低く、ゲームによってはすぐに到達してしまいそうだが、「AION」の場合は数日では簡単にたどり着けない、というバランスだという。

 プレーヤーは種族を選んだ後、「戦士」、「ローグ」、「マジシャン」、「プリースト」の4つの職業から1つを選択する。そしてレベル10から2種類のサブクラスの内1つを選択する。今後もより専門的な職業へ分岐していく予定だという。現時点では、第3の種族である竜族はまだ姿を現わしていない。

 今後、注目したいのはアビスへの道だろう。「AION」はこれまで何度か作品のコンセプトが紹介されているが、その柱となるのが、3種族のぶつかり合いであり、その戦いの舞台となるのがアビスなのだ。ユニークなのは、竜族はNPC扱いで、天族、魔族のプレーヤー達のアクションに応じて敵対したり、協力したりする、ということだ。

 プレーヤーキャラクタは天族、魔族共に“翼”を持っている。開発初期には体から生える実態を持った翼だったが、現在は光の羽のようなものに変更されている。現時点ではプレーヤーは自由に翼を広げて飛ぶのではなく、街と街の間のポータルを利用する時の移動の演出で使われるといったところだ。

 昨年の「G★2007」で発表されたアビスのコンセプトでは、プレーヤー達はアビスでは翼を使って飛翔し、3つどもえの戦いを繰り広げるという。コンセプトでは宇宙空間のような異世界であり、アビス世界の覇権を狙う天族と魔族の戦いに竜族が介入してくるとのことで、「AION」が初期から発表し、大きくアピールしている本作の“コンセプト”はこの3つの種族の戦いにある。この戦いが、どの時点で実装されるかは興味のひかれる。現在は残念ながら発表されていない。そこからが「AION」の本当のスタートと言うことになりそうである。

 やはり、この完成度が高い基本システムに、どこまで革新的なシステムを盛り込むかが、「AION」の大きなテーマになりそうだ。NCSoftは「リネージュ」、「リネージュII」と韓国MMORPG業界のトップに君臨し続け、これを越えるゲームは現われなかった。「AION」がそのトップの座につく可能性は充分ある。現時点で最も注目されるゲームであることは間違いない。

今回はアカウントを持ち寄ったプレーヤーが多かったためか、さまざまな場面が展開していた
街やフィールドキャラクタなど非常に細かく描き込まれているのがわかる。全体的に引き気味の視点でプレイしている人が多かった
巨大な植物や、ムービーシーンなどストーリーも気になる。日本での展開は未定だがプレイしてみたい作品だ


■ この人にプロポーズ! お見合い要素など多彩なモードを盛り込んだ「LoveBeat」

ステージの上で8人でプレイできた。プレイ待ちのたくさんの列ができるほどの盛況だった
ステージ以外でも試遊台があり、フリープレイができた。ファッションにこだわる女性ユーザーも
 「AION」のコーナーは白を基調としていて、プレイ待ちの行列はあるものの、全体的にゆったりとプレイできたが、もう半分の「LoveBeat」のコーナーは音楽が大音量で常に流れる華やかな雰囲気となっていた。

 「LoveBeat」は11月5日から基本プレイ無料のアイテム課金制となる正式サービスをスターとしているオンラインダンスゲームだ。プレーヤーは左から右へ進むゲージに従い、方向キーやスペースを押してダンスを踊っていく。うまくいくことでスポットライトが当てられたり、コマンドなしで踊りを披露するボーナスタイムに突入するなど様々な演出が挿入されていく。

 会場では男女どちらのプレーヤーも見られた。ダンスゲームは全体的にタイミング重視で、うまいプレーヤーは少なく、特に女性プレーヤーはミスしている人も多いのだが、楽しそうにプレイしていた。特にオシャレが楽しいようで、ダンスするよりもキャラクタのカスタマイズに夢中、というプレーヤーもいた。ブースには大きなステージが設置されていて、そこで8人同時のプレイを楽しむことができた。

 「LoveBeat」の大きな特徴は多彩なゲームモードだ、最大8人で戦える個人戦、チームバトル、失敗が続くプレーヤーは踊りが続けられなくなってしまうチームサバイバルなど基本要素はもちろん、他にもユニークな対戦ルールが9つも入っている。基本的な要素としては個人戦モードと、2人で挑戦できるカップルモードがあり、ここに様々なアレンジが加えられる、という感じだ。

 トラップモードは、基本的には個人戦なのだが、表示されているバーに入力するとトラップが発動する仕掛けがあり、これまで以上に注意力が必要となる。爆弾モードは順番にプレーヤーに爆弾が渡され、爆弾を持っているときにミスをすると操作ができなくなったりさらに悪い状況に陥ってしまう。個人戦を基本としているモードでは、成績により立つ順番が異なり、成功することで真ん中でライトを浴びてダンスすることができるのだ。

 カップルモードは決められたパートナーと踊るが、ミスが続くと強制的に着ぐるみを着せられてしまう。好きな服装でダンスするのが本作の楽しさだが、間抜けな馬の衣装を着せられて踊るのはかなり屈辱だ。カップルモードのアレンジで一番ユニークなのがミーティングパーティー(お見合い)モードだろう。このモードでは、頻繁にプレーヤーが入れ替わる。お互いの息が合えば凝ったダンスが展開する。

 このモードの面白いのはダンス終了時である。お気に入りのパートナーはだれだったかを選択するのだ。うまいプレーヤー、服のデザインのコーディネートがいいプレーヤー、踊りながらも気の利いたメッセージを発したプレーヤーなどは人気を集める。

 男女の名前が並んだフィールドに好意を持ったプレーヤーに向けて線が引かれる。この画面は、日本のバラエティ番組のような演出だ。成立したカップルはポーズを取って記念写真が撮れ、さらにメッセンジャーのアドレス交換などができ、親睦を深めることができるのだ。

 ブースのステージでは個人戦の他、ミーティングパーティーも行なわれていて、露骨にうまいプレーヤーに好意が集中しているのが面白かった。ステージ上ではプレイしている人も実際に見ることができる、ひょっとしたら外見が関係しているかも、とも思ったが、ステージ上のプレーヤーはもうゲームに夢中で他のプレーヤーの姿まで頭に入っていないようだった。

 ステージに意気揚々と立つが、あんまりダンスがうまくなく、ずっと馬のかぶり物をかぶらされている、というプレーヤーも多かったが、来場者は全く関係なし二列に並びステージでゲームを挑戦している。上手い下手にかまわず、とにかくステージに立ってキャラクタを操作したいという来場者の熱意は、日本のプレーヤーと少し違うかな、とも思った。

 「LoveBeat」はリズムアクションにアバター要素を加えヒットした「Audition」と比べ、キャラクタがあか抜けていて、それでいて強制的に着ぐるみを着せるなど演出を取り入れている。ミーティングパーティーは男女の思惑が露骨に出る瞬間がやはり面白い。

 ただ、後発としてどうなるか、というのはこれからと言うところだろう。「Audition」と同じコンセプトのゲームが多数制作されたが、「Audition」自身はキャラクタを継続しながらエデュケーション要素を盛り込んだ「Audition English」を発表している現状は興味深い。今後の展開に注目したいところだ。

中央のバーに表示されるボタンを押していく。成功が続くと、スポットライトなど演出が凝ったものに
ファッション要素。右は8人での対戦。優秀者は前方で踊ることができる
ミーティングパーティー。失敗したプレーヤーは馬のかぶり物を着せられる。お見合いに成功するとラブラブな姿を見せつけることができる

□NCSoftのホームページ(韓国語)
http://www.ncsoft.com/kor/index.asp
□PlayNCのホームページ(韓国語)
http://www.plaync.co.kr/
□「AION」のページ(韓国語)
http://aion.plaync.co.kr/
□「LoveBeat」のページ(韓国語)
http://lovebeat.plaync.co.kr/
□G-Star 2008のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□関連情報
【4月8日】韓国大手NCSoftが15階建ての新社屋「NCSoft R&D Center」を公開
「Love Beat」、「魔法学校アルピカ」など今年注目の新作をピックアップ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080408/korea_26.htm
【2007年11月27日】NC待望の新作MMORPG「AION」CBTレポート
デヴァーとなり翼を広げろ!! これが韓国産次世代MMOの姿だ!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071127/korea_17.htm
【2007年11月8日】韓国最大規模のゲームショウ「G★ 2007」が開催
今年のトレンドは海外タイトル。BtoBコーナーが大盛況
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071108/gstar_01.htm
G★2007 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071111/gslink.htm

(2008年11月15日)

[Reported by 勝田哲也]



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