|
韓国では10月27日からクローズドβテストが始まっており、毎週土曜、日曜日の2日間に10時間に限ってプレイすることができる。最初の週は約200ユーザーで始まり、週を追うごとに徐々に参加者を増やしてテストが続けられている。韓国のユーザーの反応は上々で、その後に韓国で開催されたG★ 2007では、NCSoftブースに多数設置された試遊台に多くのユーザーがかじりついていたのが非常に印象的だった。 テスト公開初日となった27、28日の登場種族は「天族」、「竜族」のみでキャラクタのレベルキャップは10までの制限が付けられた。また、キャラクタのレベル9で転職することができ、キャラクタの作成から転職したキャラクタを少々楽しむ程度で所要時間にして4、5時間程のものだった。 しかし、生まれ降りた「天族」キャラクタの失われた記憶を取り戻していくというストーリーとゲーム内容との連携は非常にユニークで、RvRを楽しむまでの道のりもさまざまな工夫でキャラクタが成長した後の将来像を見せる工夫がなされており、サービスに向けて期待は高まるばかり。さすがは「リネージュ II」を生み出したNCSoftといったところである。 本稿ではクローズドβテストから得られた「AION」の魅力をお伝えしていく。なお、G★で公開された最新情報についてはG★現地レポートをご覧いただきたい。
■ 「竜族」との戦いで記憶を失くした「天族」のプレーヤー。「ミッション」をたどって記憶を取り戻せ!
時が経ち分断された世界の狭間に「アビス」という異空間が生まれ、竜族も再び出現することになった。「AION」を脅かす竜族と、竜族を自分たちの手で倒して神の座を狙う天族と魔族の三つ巴の戦いがバックストーリーに描かれている。 「天族」には戦士、ローグ、マジシャン、プリーストの4つのクラスが登場する。プレーヤーは、「ポエータ」のアカリオス草原で目を覚ます光景から始まる、スタート地点にいるNPC「傭兵団監視兵エルフィース」から「こんなところで何をしている! 監視兵ミレスが探しているからサッサッと行け」という風に、他の区域のNPCと会いに行くクエストへと繋がり、各NPCの悩みを解決しながら旅を続けていくことになる。 「AION」のストーリーは「ミッション」と「クエスト」の2種類の方法でたどることができる。ミッションはその地域を網羅する連続クエストや転職などの本作の主なストーリーを辿るもので、「クエスト」は報酬にEXPやアイテムが貰える一般的なお使い系のクエストだ。いずれもハント、アイテム獲得、NPCとの会話といった基本的なクエスト方式が取られている。 プレーヤーは最初の街「アカリオス村」に向かい、「ポエータ」地域に散らばるミッションを次々にクリアしていくことから本編がスタートする。最初にプレーヤーに与えられるミッションは傭兵団長カリオンから指令を受け、アカリオス池の副団長ムラネスを悩ます「ケルビーム」というモンスターを狩っていく。 この地域のミッションのポイントとなるのが木のNPC「ダミヌー」の存在だ。ミッションの中盤にさしかかると「ダミヌー」が途切れ途切れながらもキャラクタのかつての記憶を追想させてくれる。「ダミヌー」の与えてくれる回想シーンは途中で途切れてしまうので、記憶を失くした真相に辿り着くことはできないが、「天族」のユーザーキャラクタと「竜族」が空中戦(RvR)を戦っている姿を映し出してくれる。 回想シーンによるとキャラクタは「天族」の軍人だったようだ。プレーヤーは「天族」軍の英雄だったが、「竜族」軍団長「オリッサー」に破られ、「アビス」の戦場から落下して記憶を失くしてしまったというのだ。記憶をなくしてしまった真相はわかったが、その後どうやって生き残ったか、またそれより前の記憶は謎のまま転職クエストは完了し、さらなる記憶を取り戻すための旅が始まる。 プレーヤーキャラクタは、レベルが9になると転職クエスト受けることができる。「AION」の世界では転職した状態を「デヴァー」、それ以前の状態を「ヒューマン」と呼ぶ。「デヴァー」とは「半神(Demigod)」という意味があり、「AION」の世界では英雄とされる特別な存在だ。 この転職クエストをクリアすると、プレーヤーはそれぞれのクラスから派生するサブクラスを選択する。サブクラスについては次章にて詳述するが、初心者の街「ポエータ」から離れ、天族の首都「エリシウム」へと進んでいく。
本作では追想シーンに形をかえて、将来プレーヤーが体験するであろうカッコ良くて壮大なプレイイメージを開始初期から提示してくれるシステムが取り入れられている。ストーリーを読むようにすっきりと見せているのが好印象だ。プレイ時間が長いものとなるMMORPGの導入期において、ユーザーへの道しるべの見せ方としては非常に素晴らしいと感じた。
■ 4つのメインクラスから分かれた8つのサブクラス、多様な連係スキルに注目
「戦士」
「ローグ」
「マジシャン」
「プリースト」 筆者はクローズドβテストで戦士系の剣星とマジシャン系の精霊星をプレイしてみた。戦士系は高い防御力と攻撃力で近接戦闘を得意とするクラスとなっている。パーティプレイでも敵のターゲットを維持するタンク役として重宝されるクラスだ。 戦闘は敵を1度マウスでクリックすると通常攻撃を自動で行ないながら、キーボードで適宜スキルを使うスタイルだ。同じスキルの再使用時間が10秒以上となっているので、スキルが少ない低レベルだと地味な戦いになるが、スキルが多くなるほどどんどん派手なになっていく。 面白いパラメータでは、誰がモンスターの攻撃対象になるかを決めるAggroという値がある。これはパーティープレイのしっかりしたMMORPGでは必ず導入されているヘイト(敵対心)システムで、パーティー内でもっともAggroが高い人が敵からの攻撃を受けることになる。 Aggroは敵に与えたダメージ、パーティーメンバーに対するヒーリング、Aggroを高めるスキルによって上下するので、戦闘中は極力防御力の高い戦士系のクラスにAggro値を高く維持させ、グループ全体のダメージ量を調節することが大事だ。 攻撃スキルの中で本作の方向性を特徴づけるのは、連続でスキルを繰り出していくうちに、一定確率で特別なコンボスキルが飛び出すことだ。たとえば、強く斬りつける「猛烈な一撃」を発動し続けていると、一定時間の間に限りコンボスキル「気合」を発動することができる。 アイコンの変化で使用可能かが表示され、時間が経つか他の系統のスキルを使用すると次の発動まで使えなくなってしまう。「気合」スキルは20秒間、キャラクタの攻撃力を1.5倍、防御力を2倍に上げるスキル、非常に強力なだけに発動したら状況が極端に変わることもしばしばだ。同じ系統では「会心の一撃」というコンボスキルで、こちらは2.5倍の強さで攻撃する一発技だ。コンボスキル自体は非常に強力なのだが、あまりに強力かつ偶然に基づいて発動するため、PvPでもこうした偶然性を引き継ぐのかは気になるところだ。
精霊星に転職すると精霊(ペット)を1つ召還することができる。今回のクローズドβテストでは炎の精霊1種類のみが実装されており、精霊にモンスターを攻撃させつつ、精霊用のスキルもプレーヤーが命令を出して発動させることができる。精霊といってもプレーヤー並みに「硬い」ため、タンク役として頼もしい相棒になりそうだ。
■ 最初の地域「ポエータ」にはアカリウス村など多数のエリアが登場。テンポ良く進めるストーリー運びが嬉しい
プレーヤーは転職するまでは「ポエータ」でプレイすることになり、転職によって「エリシウム」の出入りや他の場所へと移動することが可能となる。もっとも今回のテストでのレベルキャップは10なので、「ベルテロン」以降は敵が強すぎてプレイにならなかった。 「AION」で最も上手いと感じたところはマップとクエストの連動だ。1つのエリアは様々なマップから構成されているが、本作のクエストはある地域で受けると次のエリア内で完結するような連続クエストが多い。クエストを受けた場所と狩場を行き来するような無駄足が少ない上に、自然にエリア中のすべてのマップに行くことができるようになっているのだ。 例えば、「ポエータ」の最初の街となる「アカリウス村」や街の前に広がるフィールド「アカリオス池」からクエストを貰うと、次のエリアである「ディオーネの森」で完了することが多いし、アカリオス街へ戻るクエストがあっても長い距離を何度も往復しなければならないようなことはない。 メインクエストの筋から遠まわりするクエストがない上、同時に複数のクエストを進めることができるので、快適に進めていくことができた。また、ほとんどの一般クエストにいたるまで、開始時にムービーを織り交ぜながら詳細な説明を入れている。ただのテキストでの指示でなく、映像も一緒に使うことで理解がし易かった。 レベル10になって「ベルテロン」地域に入る頃からは自由に飛行ができるようになる。飛行はレベルやスキルに関係無く誰でも飛べるのだが、飛べることができる場所は街の周辺だけで、2分おきに1分間しか飛べないので短い感じではある。しかし、クエストの中には空中でこなせなければならないものもあり、一度は飛び回るシーンにぶつかるだろう。 第1次CBTでは「AION」の序盤しか見られなかったが、まずクエストの高い完成度が印象に残った。レベル上げには飽きることなく自然にストーリーを楽しみながらいつの間に転職レベルに達してしてしまった印象だ。 システム面では、ゲーム全体のクオリティの高さと共に、戦闘システムにおけるコンボシステムの偶然性が、本作の本領となるPvPやRvRでどのように表現されるかが気になるところだ。
総評として、滑り出しとしてはほぼ完璧というべきだろう。プレイしたユーザー達の意見を見る限りでも、クエストの進行や戦闘システムなど納得できる完成度だったようだ。特に本作のキモであるPvPモードは、G★で公開された時にはキャラクタレベルが低く、評価しがたいこともあったので、今後のβテストの内容にも引き続き注目していきたい。
(C) NCsoft Corporation.
□ NCSoftのホームページ(韓国語) (2007年11月27日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|