【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★DSゲームレビュー★

2画面戦闘とカスタムで世界は変えられる!?
「ワールド・デストラクション ~導かれし意思~」

  • ジャンル:ロールプレイング
  • 発売元:株式会社セガ
  • 価格:5,980円
  • プラットフォーム:ニンテンドーDS
  • 発売日:発売中(9月25日)
  • CEROレーティング:B(12才以上対象)



 「ワールド・デストラクション」はコミック「ワールド・デストラクション ~ふたりの天使~」、アニメ「ワールド・デストラクション ~世界撲滅の六人~」と複数メディアで展開している、セガを主体とした気合の入ったコンテンツ。ゲームの開発は「ルミナスアーク」シリーズで知られる株式会社イメージエポックが担当している。

 さっそく、本作について特徴などを紹介していこう。



■ 不思議なストーリーと豪華な声優陣

 歪んだ世界を撲滅したい人間側の“世界撲滅委員会”と、今の秩序を守りたい獣人側の“世界救済委員会”が対立している中、平穏に暮らす少年キリエ。突如、「バルニのキリエ、撲滅委員会入り! すべてを滅ぼす力で世界を撲滅へと導く! こうご期待!」と書かれた大量のビラが舞い降りてくる。突然のことに戸惑うキリエ。そんな彼と、世界撲滅委員会を中心に物語は進んでいく。

 主人公であるキリエ・イルニス役に宮野真守さん、ヒロインのモルテ・アーシェラ役に坂本真綾さん、トッピー・トプラン役には古谷 徹さんなど、アニメとは一部異なるものの、豪華な声優陣を起用している本作。キャストに関しては公式サイトを確認してほしい。DSらしからぬ(?)ボイス有りのシーンが多く登場し、キャラクタを引き立て、物語を盛り上げてくれる。

謎だらけのストーリー。「世界撲滅委員会」とは一体!?キリエにどんな運命が待っているのか?



■ 基本的なゲーム性 

 本作は、見下ろし型のフィールドを移動し、コマンド選択式の戦闘をしながら物語を進めていくベーシックなロールプレイングゲームとなっている。操作はタッチペンではなく、十字ボタンとボタンで行なうスタイルだ。

 フィールドでは上画面にマップが表示され、下画面にキャラクタが表示される。マップはとても頼りになるので、迷わず移動するのに重宝する。

 移動は十字ボタンで行なう。走りながら移動するため、移動スピードは速く、移動によるストレスはあまりないだろう。×ボタンを押しながら移動すれば歩くこともできる。細い道や複雑な形状のマップではキャラクタがひっかかりやすいので、なるべく道の中央を歩くといい。

上画面のマップは使い勝手がいい。うまく活用して冒険を進めよう 下画面左上のアイコンがアクティブならL/Rボタンでカメラを45度回転可能



■ 2画面表示を使った戦闘画面

 戦闘は上画面と下画面の両方を見ながら進める。

 上画面には味方のステータスが表示される。HPやSPなど生死に関わる重要なインフォメーションなので随時チェックすべきだ。また、飛行タイプの敵がいる場合にも上画面に表示される。

 下画面には味方のキャラクタ、コマンド、行動アイコン(敵と味方の行動順番)、地上タイプの敵、BPゲージなどが表示される。BPはバトルポイントの略でキャラクタが自分の番で行動できる回数を示している。

上下の画面にそれぞれ重要な情報が表示されている 飛行タイプの敵は上画面に表示されるので見逃さないように


 コマンド選択は4択からX/Y/A/Bの4ボタンを使って選んでいく形式になっていて、慣れるとスムーズにコマンドを選択できるように作られている。コマンド選択後、対象を選ぶときには十字ボタンを使う。

 例えば、初期から持っている補助スキルを使用する場合は、A→Y→Aとボタンを押せば使えるわけだ。コマンドを一通り覚えて、素早くボタンを押してコマンドを選択できるようになると戦闘がより楽しくなってくる。

下画面のコマンドをボタンで選んで行動を決定 切り替えを含め、ボタンだけで行動が決定できる

コマンド選択の流れ
Xボタン ブロウ 威力は強いが命中が低い単発攻撃。地上と空中向きの2種類があり、「打ち上げ」、「気絶」などの特殊効果を与える場合がある。
Yボタン ラッシュ 威力は弱いが命中が高い複数ヒット攻撃。地上と空中向きの2種類があり、ヒット数を増やすことでコンボによる効果が狙える。
Aボタン 切り替え コマンドを切り替える。
Bボタン 防御 防御をする。残っているBPがGP(ガードポイント)に変換され、ポイント回数分だけ敵の攻撃をガードできる。防御を選択すると、残りBPに関係なく行動は終了となる。
↓Aボタンでコマンドを切り替えした場合↓
Xボタン 攻撃スキル 攻撃スキルを表示する。スキル表示後、X/Y/Aボタンで攻撃スキルを選択する。Bボタンで戻る。
Xボタン 補助スキル 補助スキルを表示する。スキル表示後、X/Y/Aボタンで補助スキルを選択する。Bボタンで戻る。
Aボタン アイテム アイテム一覧を表示する。アイテム一覧表示後、Aボタンでアイテムを使用する。Bボタンで戻る。アイテムを使用すると、残りBPに関係なく行動は終了となる。



■ BP(バトルポイント) 

 BP(バトルポイント)とはキャラクタが自分のターンで行動できる回数を示していて、コマンド1回で1ポイント消費する。BPの初期値は「士気」、「装備」、「ボイスセット」の3つから決定される。BPを考えながら行動していくことが戦闘を有利に展開するポイントだ。

 「士気」には高い/普通/低いの3段階があり、装備、ボイスセット(後述)などの影響を受けて決定される。

 「ボイスセット」は物語を進めていくと入手でき、各キャラクタ毎に専用のものが用意されている。戦闘開始時に全員の士気を上げたり、戦闘中に行動順が早くなったり、獲得経験値が2倍になるなど、効果は様々だ。1キャラクタに4つまでセットできるので、手に入れたらすぐにセットしよう。

 このBPは消費するだけでなく、以下の条件を満たすと自分のターン内で増えていく。BPが増えれば行動回数が増える。行動回数が増えれば、その分攻撃回数を増やしたり、回復スキルを使ったりと有利に展開できる。

BPが増える条件
ヒット数 1人のキャラクタによるコンボが10ヒットを超えると、10ヒット毎に+1される。
敵の状態変化 攻撃で敵が「気絶」、「打ち上げ」などになった場合に+1される。
クリティカル 攻撃がクリティカルヒットした場合に+1されるが、1行動中に1回しかカウントされない。また、特例として連携(後述)による攻撃ではBPを消費しない。

 「BPが0になる」、「防御」、「アイテム使用」、「ターゲットした敵を倒す」のどれかで、行動中のキャラクタのターンが終了となる。

ラッシュを使ってクリティカルを狙う 見事にクリティカルヒット。BPが+1され行動回数が増えた

 ラッシュは複数ヒットなので、クリティカルヒットのチャンスがヒット数分増える。ラッシュでクリティカルヒットとヒット数稼ぎを狙って、BPを増やしていくといいだろう。残り1BPまでラッシュを使って、最後にブロウを狙っていくのが筆者のオススメだ。

 自分の行動順内でBPが6ポイントに達すると、必殺技が出せるようになる。必殺技はX/Y/A/Bボタンで構成されたコマンドの入力に成功すると威力が上がっていく仕組みだ。威力は「最速」、「普通」、「時間切れ」の3段階となっている。素早く入力するようにしたい。

BPが6となり必殺技が発動条件を満たした。コマンドにも必殺技が表示されている コマンドを素早く入力して威力の高い必殺技を出そう コマンド入力が早ければ早いほどダメージが上がる


 攻撃によって相手が「打ち上げ」、「気絶」になると、次のブロウやラッシュが追撃専用コマンドに変わり、強力な追撃が可能になる。しっかり追撃を決めてダメージを与えていきたい。

 さらに、追撃が可能な状態で追撃せずに行動を終了し、次が味方のターンだと連携が発生する。これは自動で発生し、追撃した味方はBPを消費せずに連携攻撃を行なう。

相手を気絶させた。次の攻撃を味方に託し、ターンエンド 次に行動できるキャラクタが味方だと連携が発動。BP消費なしでダメージを与えられる



■ 戦闘を優位に進めるために必要な「カスタム」

 カスタムではブロウ、ラッシュなどの追撃やスキルをカスタムポイントを使って強化できるシステムだ。カスタムポイントは敵を倒した場合に経験値やお金と一緒に入手できる。

 カスタムは一部を除き、攻撃は「攻撃」と「命中」に、スキルは「効果」と「SP」にポイントを振って強化する。これが面白いシステムになっている。カスタムポイントを振れる上限があり、カスタムポイントが無限にあったとしても2つのパラメータの両方をMAXにはできないのだ。攻撃特化、命中特化、バランス型など、どのようにカスタムするか悩むのが楽しい。また、カスタムをしていくと新たに攻撃やスキルを覚えることもある。

 カスタムに関する注意点を下記にまとめたので参考にしてほしい。

  1. 攻撃やスキルにはそれぞれレベルが設定されており、そのレベル分しかカスタムできない。特定条件を満たすとレベルは上がっていく。
  2. 一定のカスタムを行なうとカスタムレベルアップボーナスが発動し、「特性強化」、「カスタム枠+2」、「カスタムレベル上限(カスタムレベルの上限を+5する)」のボーナスが得られる。
  3. カスタムレベルアップボーナスを使い、ゲージ上限までカスタムすると、フルカスタムレベルアップボーナスが発動し、会心5や必中などのボーナスが得られる。
  4. ラッシュに限り、特性を強化すると「連撃」が「連結」に変化する。「連結」した攻撃は1回の行動で出すことができる。例えば、ラッシュ1とラッシュ2を連結すれば、1BPでラッシュ1~ラッシュ2と続けて攻撃するようになる。
  5. カスタムできる上限までポイントを振った段階で「カスタム枠+2」と「カスタムレベル上限」の選択肢が出た場合、「カスタム枠+2」を選択しても、カスタムできる上限に達しているのでポイントを振ることはできない。
  6. ポイントを一度振ると特定のアイテムを使わない限り、元に戻すことはできないので慎重に振る必要がある。

 どのようにカスタムポイントを振っていけばいいのか。特化してカスタムするのも正解だし、バランス良くカスタムするのも間違いとは言い切れない。筆者の感想としてはこうだ。

 まずラッシュなどの攻撃について。「攻撃」に振っていくと非常に雑魚戦が楽になる。だが適正レベルで臨むボス戦では「攻撃」だけに振っていると攻撃が当たらないケースが多かった。そこで「命中」を重視して振っていくことをオススメする。攻撃力がいくら高くても当たらなければダメージは0なのだ。

 また、ラッシュの特性強化で得られる「連結」は必ず選択してほしい。最大3つの技まで連結できるので、たった1BPの行動でラッシュ1~ラッシュ2~ラッシュ3と攻撃が出る。キャラクタによっては10ヒットも狙えるようになるほど。ヒット数が増えればBPが稼げ、与えるダメージも増える。さらにバトル終了後に得られるカスタムポイントは、敵毎に設定されたポイント数に加えて、ヒット数が増えるとポイントが増えるので、ヒット数が稼げる「連結」はメリットだらけだ。

 スキルについては、序盤ではポイントが余っていたり、回復値や攻撃値が足りないなと思ったら振る程度でよいだろう。「効果」に振りすぎると消費SPが高すぎて困ることになるだろう。

カスタムポイントを使って、攻撃や命中を強化 一定数カスタムすると、カスタムレベルアップボーナスが発動 連結すると、1回の行動で複数の攻撃が連続して出るようになる
カスタム前はたった2ヒットだったのが…… ラッシュ1~3を全て連結すると、1回の行動で10ヒットに!



■ 最後に 

 「キャラもの」の一言では片付けられないゲーム性を持つ本作。難易度もなかなか高く、しっかりとレベルを上げてプレイしなければ全滅することもしばしば。ボス戦→イベント→ボス戦と続くなど、セーブできるポイント無しに進行する場合もあるので回復アイテムは切らさないように準備したい。

 筆者は序盤のイベントで見事に武器の装備変更を忘れてしまい、「なんか妙に敵が強いな……」と思ったら、あっさり全滅してセーブポイントからやり直すことになった。ロールプレイングゲームでは当たり前の「武器や防具などの装備はチェックしよう」、「セーブはこまめに」を改めて思い出させてくれた。

 アニメやコミックのファンの方々だけではなく、歯ごたえあるロールプレイングゲームが遊びたい方に本作はオススメだ。また、ゲームをして「ワールド・デストラクション」に興味を持ったら、アニメやコミックも楽しんでみてはいかがだろうか。

(C)SEGA

□株式会社セガのホームページ
http://sega.jp/
□株式会社イメージエポックのホームページ
http://imageepoch.co.jp/
□「ワールド・デストラクション ~導かれし意思~」のページ
http://wd.sega.jp/game/index.html
□「ワールド・デストラクション」のページ
http://wd.sega.jp/
□関連情報
【8月25日】セガ、「ワールド・デストラクション」プロジェクトトークイベント
リ・ア=ドラグネール役の小林ゆうさんのデモプレイで大盛り上がり
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080825/wd.htm
【8月5日】ボイスを集める新システムや世界設定などを紹介
セガ、DS「ワールド・デストラクション ~導かれし意思~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080805/wd.htm
【7月7日】セガ、DS「ワールド・デストラクション ~導かれし意思~」
予約特典は光田氏の選曲による楽曲が収録されるサントラ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080707/wd.htm
【5月30日】セガ、「ワールド・ディストラクション プロジェクト」発表会を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080530/wd.htm
【4月28日】セガ、DS「ワールド・デストラクション」
実力派クリエイター陣の手がける新作RPGが登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080428/wd.htm

(2008年10月24日)

[Reported by 木原 卓]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.