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【DS「ワールド・デストラクション ~導かれし意思~」】 9月18日発売
価格:5,980円
「WDプロジェクト」は、豪華な声優を擁して実力派クリエイター陣が制作するRPGを核にしながら、アニメ、コミックスなど、さまざまなメディアで展開される一大プロジェクト。今回の発表会ではその全貌が明らかになったので紹介していこう。 ここ数年顕著だが、セガは内製タイトルだけでなく、チュンソフトをはじめ様々なクリエイターとの共同開発を強力に推し進めているのは周知の通り。「WDプロジェクト」の核となる「ワールド・デストラクション ~導かれし意思~」も、そんな新たなセガの戦略の1タイトルとして開発が進められてきた。
最初に登壇した株式会社セガ取締役国内CS事業部長の前田雅尚氏は、「ゲームだけという枠に囚われていては、拡がりをみせるのは難しい。ゲームだけではなくあらゆるメディアに網を張り、それぞれのターゲット層を吸い上げていく。そしてプロジェクト全体を拡大していく、ということがRPGというジャンルでは重要」と語り、さまざまなメディアとの連係の意義を強調。「ヒットするツボというものがあるなら、そのツボはすべて押せているのではないか」と本作に対する自信を伺わせた。
■ 「WD」は最高のクリエイターが集結したタイトルに
その上で「リメイクではない新規RPGタイトルを幅広いユーザー層を誇るニンテンドーDSで立ち上げ、ゲームだけではなく、テレビアニメ・コミック連載とクロスメディア展開を行ないます」「この『WD』という世界観を作り上げるにあたって、各分野の最高のクリエイターに集まっていただき、それぞれの作品について魂を込めていただいたおかげで、ユーザーの皆さんに楽しんでいただけるタイトルになったと自負している」と語った。
・主人公が世界を破壊する!?通常のRPGとは正反対の世界観 ムービー再生後には、「WD」の世界観について紹介が行なわれた。その中で、下里氏は「本作では、砂がひとつのキーワード。この世界には水で構成された海はなく、赤や青といった特殊な色をしています。また砂自体に特殊な効果があり、そこに住む住人達はその砂を利用して生活しています。そして、この砂こそが、世界の秘密の一端となっています」と、砂にまつわる謎をほのめかした。
また、「この世界は人間が獣人に支配される世界で、ゆがんだ世界を取り戻したいという人間と、今の秩序を守りたいという獣人の対決が背景にあり、主人公の所属する『世界撲滅委員会』が獣人の『世界救済委員会』に立ち向かうという、通常のRPGとは反対の対立構造となっています」と、一見すると主人公が悪者と取られかねない、独特の世界観を紹介した。
「ただ、物語的にはそうやって始まった物語がどう転がっていくのか、撲滅されるべき世界とは何なのか? 何かを憎むとか潰してしまうという意思にはかなりのエネルギーがいる。そういったエネルギーを持ち続けるキャラクタ達とは何なのか? 」ということを描きたくて物語を書き進めていった」と、設定の裏話を披露した。 続いて音楽のコンセプトについて光田氏は、「今回チェコフィル交響楽団を使ってオープニングのテーマ曲を録音したのですが、ヨーロッパは弦楽器の演奏が優れている、ということでチェコフィルで録音しました。コーラスについて、最初は少年のみの予定だったのですが、ゲームの世界観的に透明感があったほうがいいだろう、ということで少女を数名追加しました。自分のイメージ通りにできた楽曲なので自分自身も気に入っています」と語った。 最後に、ゲームの特長について御影氏が説明。「ニンテンドーDSのゲームはマップが少ないことがあるのですが、今回は僕のわがままを聞いてもらって2ギガビットROMを採用し、豊富なマップを演出させてもらってます。また、ダンジョンもカメラが360度回転する、というところもかなりがんばって作っています。キャラクタについてもドットが多くて、イベントでもいろいろと動いています。イベント数も何百個もある上に動く演出をやっています」と、DS離れ(?)したボリュームをアピール。 さらに本作の特長的なシステムとして“ワードエクイップシステム”をについても「声をたくさん入れて必殺技や連係コンボの前にカッコイイ決めゼリフを入れると攻撃力が高かったり、ゲーム中アイテムを買うときに値切る、なんてことができるボイスもあります」と大容量ROMならではのシステムを紹介していた。 本作の見所についても、「300個近いイベントの中でキャラクタが動きまくるなど、『今この時代にこれだけドット職人を集めたの?(笑)』というほどドットを打ちまくりました。この作品を通して昔懐かしいドット演出のRPGを楽しんでいただけると嬉しいです」と、イベントの演出やキャラクタの動きに注目してほしい、と訴えた。 この発表会終了後にタッチ&トライコーナーが設けられ、今回の発表会のために制作されたバージョンをプレイすることができた。本作の基本情報に関しては、過去記事や公式サイトをごらんいただきたい。2画面を使った戦闘は、攻撃対象を選択して攻撃方法をボタンで決めると自動的に攻撃が開始される形。 会場でスタッフに確認したところ、DSタイトルということで気になる操作スタイルに関しては、基本的に移動時にもプレイしやすいよう、両手で持ってプレイするスタイルを重視しており、ボタン操作のみとするようだ。
また、ネットワークを利用した要素も特に考えていないとのこと。下里氏が発表会で述べていたとおり、“基本的に古くからある1人用のRPGを踏襲した”ゲームデザインと言っていい。DSならではの要素が少ないのは少し寂しいが、それゆえに操作や機能で戸惑うことも少ないといえるだろう。
■ 意外な(?)キャスティングが魅力の声優陣 本作の主要キャラクタを演じるキャスト陣およびテーマソングを歌うアーティストも紹介、ゲストとしても舞台に登場した。声優に本業の声優さんだけでなく、役者さんや女優さんを起用することは昨今のゲームタイトルでも珍しくなくなってきたが、本作にはゲスト声優として、水嶋ヒロさん、市川由衣さんが登場する。
そして、悩める理想主義者であり、主人公のライバルとなるナジャ・グレフ役に抜擢されたのは、水嶋ヒロさん。「ナジャはクールで知的なだけでなく、世界の平和を守ってものすごく努力している一面もある、素敵なキャラクタだなと思いました。自分の声は俳優向きではないんじゃないか? と一時期コンプレックスに感じていたこともあったので、僕の声が気に入っていただけて、その中で選んでいただけたのであれば、ものすごく嬉しいなと思います。『WD』は世界に誇れるタイトルになってほしい。もしも英語版があるならば準備しておきますので、よろしくお願いします」と語り、早くも世界進出に向けて意気込んでいた(笑)。 声優陣最後のゲストとなった市川由衣さんが演じるのは、最後の竜族であるリ・ア=ドラグネール。「ドラマなどでは、目線や体を使って表現するのですが、今回は声にいろいろな感情を込めて表現しなくてはいけないので、すごく難しかったです。リ・アちゃんは見た目は可愛いらしくて、着ている服も可愛いなと思ったんですが、実は竜族の最後の1人ということで、300年以上生きていて、たまにズバっと深いセリフを言ったりして面白かったです」と語った。当日の衣装もリ・アを意識してみたとのことで、リ・アというキャラクタをかなり気に入っている様子だった。
ゲーム版のオープニングテーマソング「Crash」は6月18日リリースのミニアルバム「CHOICE IS YOURS」に収録される。また、アニメ版のオープニングテーマソングは「ZERφ」は、ALI PROJECTの宝野アリカ作詞で、8月にシングルとしていずれもavex traxよりリリースされる予定だ。
■ アニメ、コミックス先行で世界観を共有しながらクロス展開
本プロジェクトの特徴は、ゲームに先立って、アニメとコミックスのクロスメディア展開がターゲットに入っているところ。アニメ版となる「WD ~世界撲滅の六人~」はプロダクション I.Gが制作。7月7日より、毎週月曜日深夜1時30分より、テレビ東京系列にて放送される。コミックスは「WD ~ふたりの天使~」として7月26日発売の電撃「マ)王」9月号より連載開始予定。いずれも世界観を共有しつつも、独自の展開を見せるという。タイトルが共通だが、サブタイトルがそれぞれ異なるあたりにも注目していきたいところだ。
(C) SEGA キャラクター原案:田中久仁彦
□セガのホームページ (2008年5月30日) [Reported by 菅原哲二 Photo by 佐伯憲司]
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