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Windows用アクションMMORPG「ファンタジーアース ゼロ(以下、FEZ)」は、12月21日でサービス開始から1周年を迎えた。先日行なわれた株式会社ゲームポットのオフラインイベント「ゲームポットフェスタ2007」では、同社の看板タイトルである「スカッとゴルフ パンヤ」に勝るとも劣らないほどの集客を見せ、本作の勢いを見せつけた。 今回、この1周年記念日に、運営元のゲームポットと、開発元のNHN Japan株式会社のスタッフにお話を伺うことができた。サービス開始からこれまでの動きやサービスの方針、また今後のアップデートや、プレイしていて気になるところなど、あらゆる角度から質問をぶつけてみた。 お答えいただいたのは、ゲームポットからは「FEZ」プロデューサーの和賀潤氏と、「FEZ」ディレクターの松本将輝氏。NHN Japanからは、開発ディレクターの鈴木康仁氏と、プランナーの大庭崇史氏、木崎昌幸氏。またゲームポットで「FEZ」サービス当初から9月までプロデューサーを務め、現在はエンタテインメント事業本部マネージャーとして全タイトルを見ている前島一仁氏にも、サービス当初の話題についてご参加いただいた。
先に「FEZ」についての歴史をおさらいしておくと、2006年12月に株式会社スクウェア・エニックスが、「ファンタジーアース ザ リング オブ ドミニオン(以下、FERoD)」のサービスをゲームポットへ移管。その際にタイトルが「FEZ」に変更された。サービス開始1周年というのは、「FEZ」になってからのタイミングとなる。
■ 「ゲームポットフェスタ2007」は反省もしつつ満足な結果。来年も大会を開催!
和賀氏 : あれだけ会場が盛り上がったことには驚きました。おっしゃるとおり「パンヤ」よりも人が多いのではと思えるほどでした。会場も熱気があって、スキルを使ったときや魅せる動きがあったときには「おおー」と声があがったり。オフラインでの大会をやるのは初めてでしたが、これだけ盛り上がったのはユーザーさんのプレイによるもので、そういうところでも驚かされました。反省点としては、ユーザーさんが実力を発揮できる環境が整っていなかった部分がありました。今後はその辺りを改善して、来年は万全の体制でオフライン大会を行い、素晴らしい大会にしていきたいと思っています。ちなみに今回の大会は、松本が企画を担当しておりました。 松本氏 : 初めてのことで自分の見通しの甘いところがあり、ルールの変更などもありました。「FEZ」は大規模戦がメインなので、こういう小規模なものに人が来るのかなと思っていたら、非常に多くの方からエントリーして頂けました。入賞者に話を聞くと、普段から少数戦が好きだという意見が多かったです。「FEZ」は大規模戦がメインではあるのですが、小規模戦が好きだという人がいることも今回わかったので、そういった方面でも少しずつ力を入れていけたらなということを再認識できました。 ――開発側としては、戦いの様子を見ていかがだったでしょうか。予想を超えた内容でしたか? 大庭氏 : 私は家で中継を見ていました。こちらも好評だったようですが、「FEZ」が画面に映されているときに、実況が聞けなかったのが残念だとか、全体視点が欲しかったという意見もあったので、次回やるのであればその辺りを生かして欲しいですね。
木崎氏 : プレーヤーの連携がすごくうまくて、シールドバッシュを決めたとしても、そこで決定打にならず必ず誰かがフォローに来て、逆にシールドバッシュに飛び込んだらヘルファイアやブリザードカレスでチャンスが逆にピンチになったりとか。その辺りの連携の切り替えはすごいなと感じました。後は「極上アイボ焼き」を準備していた数に驚きました(笑)。
■ アイテム課金の採用は、「対戦相手を呼ぶため」 ――話を一気に昔に戻して、「FEZ」が始まる前から順にお伺いしていきます。私は「FERoD」の頃からプレイしていましたが、正直なところ、「FERoD」の最後のほうはかなり苦しい状態のように見えました。そこでゲームポットさんにサービスが移管されたわけですが、この中にどういう勝機を見出して「FEZ」というタイトルにしたのでしょうか。 和賀氏 : 私も「FERoD」から1ユーザーとしてプレイしていました。クライアントをパッケージ販売していたということで、かなりユーザーも限られていましたが、ゲーム自体は面白く、操作性がFPSに似ていて日本人向けではないと言われていたものの、実際にやってみるとライトに遊べました。キャラクタもかわいいですし、戦争も短時間で、レベル上げもきつくなく、今までのMMORPGに疲れたプレーヤーが遊びやすいようになっていました。また、アイテム課金にすれば、「FERoD」が抱えている問題も解消できるのではないかという話もあり、こういう流れになりました。 ――それが今は、植田社長も「今うちで一番勢いのあるタイトル」とおっしゃるほどになりました。これほど大きく盛り上がることは予想されていましたか? 和賀氏 : 盛り上がるゲームになるとは思っていましたが、まだまだこれからです。 ――40万IDというユーザー数も見通しどおりですか? 和賀氏 : 今年の目標としては、ある程度想定している形では来ていると思います。 ――ゲームポットさんにサービスが移管されてから最も大きな違いというのは、やはりアイテム課金になったことだと思います。月額課金をやめた理由や狙いはどこにありますか? 先程、ゲーム自体は面白いとおっしゃいましたし、それならば月額課金でも問題ないわけですよね。 和賀氏 : アイテム課金におけるメリットが「FEZ」にマッチしていたということです。アイテム課金は基本料金が無料ということで、ユーザーが入ってきます。「FEZ」は対戦ゲームですので、やはり対戦相手がいないと面白くないし盛り上がりません。当初は課金アイテムのバランスアイテムについて相当悩んだこともありましたが、ユーザーが増えればゲームが盛り上がるという狙いがありました。まずは遊んでもらって、多くのユーザーを取り入れて、対戦してもらって盛り上がっていただければと。 松本氏 : 対戦相手がいないと成立しないゲームなので、そういった意味では無料で遊んでくれるだけでも、コンテンツの活性化につながる部分はあります。 ――対戦ゲームだから、対戦相手がいなければ面白くない。であれば無料でも対戦相手となるユーザーを集めたほうがいいということですね。
和賀氏 : 1日のプレイ時間が非常に短い人が多いゲームなので、月額課金だとプレイまで踏み切れないという人が結構いるようです。社会人が家に帰ってきて1、2戦やってというユーザが多いみたいですし。プレイするときだけお金を払うというアイテム課金が合っているのではないかと思います。
■ 装備品の好調な売れ行きは“運営の想定外” ――次は、現在のサービスについていくつかお伺いします。まずアイテム課金について、装備品では装備できるレベルが違うだけで、ゲーム内のアイテムでも最終的に強さは同じになります。ただし、消費アイテムのエンチャントによって能力は向上します。こういうバランス付けは非常にうまいと思います。これはどういう発想から生まれた仕組みなのでしょうか。 前島氏 : アイテム課金化するときに一番悩んだところです。ゲームをよく知らない人は、普通のアイテム課金のMMORPGのように「課金アイテムを強くしたらいいんでしょう?」といっていたんですが、このゲームは協力して勝つところが楽しいのであって、1人が多人数相手に全員倒しましたというのはないと思うんです。そこを考えたとき、やっぱりお金をかけてやってくれる人も大事ですが、お金を使わずに長い時間かけて遊んでくれる人も大事だなと思ったので、お金を出しているから能力の最大値が違うというのは極力避けましょうというのがコンセプトとしてはありました。ゲーム内で頑張れば、お金を出している人と同じ最大能力の装備が揃いますし、頑張ればお金を出している人も倒せるというバランスにしたかったので、それは自分のプロデューサーをおりた今でも守られていてよかったと思います。 ――しかし、今は無料のリングアイテムがあるとはいえ、基本的にエンチャントアイテムは有料です。ここのお金の取り方はどういうアイデアなのでしょうか。強さを同じにしなければならないというなら、エンチャントは話が違うことになります。 和賀氏 : 最初から、今のようにリングで出したいという部分はありました。
前島氏 : 僕の中では、装備品は1回買ったらもう2回目は買われないのではないかという不安がありました。消費アイテムは1戦争当たりにどれくらい使ってくれるという計算が立てば、運営としてはうまくやっていけるので、消費が効くようなハイリジェネレートやエンチャントを、ビジネス的に売り上げの主として考えて、装備は一過性のものだと考えていました。「FERoD」の頃から積み上げていた装備もかなりありましたし、デザイン的にもいいものばかりだったので、これから新しいデザインを入れても、なかなか買われないだろうなと思っていました。その頃からもう、装備の強化などは視野に入っていたので、なおさら防具などは売れなくなるんだろうなと。逆に9月ごろに、リングでも課金エンチャントと同じものを買えるようにしたのは、その辺りで見込みが立ったのでクリアにしたというところです。
前島氏 : ここまでになるとは、正直予想していませんでした。1種類、多くて2種類買っていただければいいほうかなと思っていました。こんなことを言うとデザイナーの人に怒られてしまいますけれども。 大庭氏 : うちは結構買ってもらえると思っていました(笑)。 前島氏 : キャラクタのモデルがアニメやフィギュアっぽいイメージがあったので、一部の本当にコアな人は買うんだろうなと思っていたのですが、ここまで多くの人に買っていただけるのは驚きですね。 ――私も方向的にはコアなゲーマーなので、見た目は気にしないほうなのですが、そう言いつつも、先日デザインコンテストから実装された扇形の短剣なんかはいいなと思いました。 大庭氏 : 運営移管の時はまだマルチタームにいたのですが、当時から、うち(NHN Japan)にアバターという、見た目だけでもビジネスとして成り立つものがありましたので、全然売れないとは思っていませんでした。もちろん能力が同じという前提ですが。 ――ただ予想ははるかに越えていると。 和賀氏 : はい。新しいものが出るたびに買われる方が多いですね。 ――では続いてお金の話を。スキルリセットとクラスチェンジについて、これは有料で提供されていますが、これは無料か有料かを決める際にどういう話し合いがあったのでしょうか。 大庭氏 : 今は闘技場でも両方出ていますので、一応無料でも入手できます。 前島氏 : 元々スキルリセットに関しては、当初の構想から「FERoD」をアイテム課金化する際に運営がゲームを維持するためにお金をいただく要素としてはありでしょうという話でした。「FEZ」はスキルの組み換えでかなりゲーム性が変わるので、本来ならば無料もありかなとも考えていましたが、他のアイテム課金のゲームのようにすごく高くする気はなくて、値段を200円に抑えたのは、何回かやってほしいなという思いがあったからです。無料で入手できるようになったのも、ある程度見込みとして立ったというのがあります。そういった中で、イベントでスキルリセット1週間無料とかもやります。それでスキルリセットをしてもらって、このスキルは面白いと思っていただければ、期間が終わった後もプレイしていただけるのではと思っています。 和賀氏 : 最初は非常に安く、スキルリセットが50円という話もありましたね。 松本氏 : スキルリセットもクラスチェンジも、無料で自由に付け替えられるようになると、キャラクタとしての一貫性がなくなります。クラスチェンジのときに話したのですが、無料にするとアップデートなどでちょっと強いクラスがあると、簡単にそちらに偏ってしまうことになるので、それは敷居を設けないとバランス的にも厳しいんじゃないかという考えがありました。ただし価格はなるべく低めに、ということです。 ――次も似たような話ですが、先にも少し出た闘技場について伺います。こちらは闘技場参加券がリングで売られていますが、闘技場参加証も有料アイテムとして売られています。これは完全無料で開放したほうが、ゲームの要素として広がるのでいいのではないか、という発想もあると思います。この点はいかがでしょうか。 前島氏 : 僕もそう思います(笑)。 大庭氏 : 今のシステムだと、本来課金でしか変えない羽や壷も手に入るので、そこは何戦したらこのくらいという、リングとオーブの価値で計算しています。闘技場の企画段階では、リングではなく、1日1回、券がもらえてという形だったんです。ただ、壷などを無料にしたいという話とともに、リングを消費することになりました。 木崎氏 : 戦争を売りにしたゲームですので、戦争を楽しんでもらった結果、リングをもらって、そのリングで闘技場を遊んでもらうという形にしました。闘技場だけに人が来てしまうと、売りである戦争に人がいなくて本来の面白さが伝わりにくくならないかな? という懸念もありましたので。初めて「FEZ」をプレイした人が、戦争の面白さを体験される前に止めてしまったりしますと、開発としても、とても残念ですから。 前島氏 : 最近の闘技場を見ると、過疎っている感があるので、何とかしたいなと思っています。朝方だと戦争が1つか2つしかなくて、参加できずに浮いてしまっている人がいるので、そういう人の救済に使えるはずなのに、そこがうまく使えていない。これは何とかしたいですね。 ――ではお金の話はこれくらいにして、次はアップデートのタイミングについてお伺いします。当初は1週間に1回何かしらの要素が入るというハイペースで行なわれていましたが、途中から4週間ごとにすると明言されました。実際に4週間にしてみて、それ以前と以後で、特に開発のほうはどう変わりましたか? 鈴木氏 : 毎週アップデートしていたときは、どうしても追いかけ追いかけになって、作業している人もずっと半徹夜みたいな状況で、した。1カ月付きっきりみたいな状況もあって、精神的にも、体力的にもきついところがありました。現在の形にして、かなり落ち着いて作業できているので、ミスも減ってきていると思います。 前島氏 : 毎週毎週、パッチを当てるための準備作業やデバッグに時間をとられていたので、それを別のところに割けるようになりました。毎週やっていた頃は、一度消したはずのバグが戻っていたりしたことも何度かあって。管理が追いつかなくなり、4週間にしました。 ――そもそも1週間でやろうという話はどこかで決めていたのですか?
前島氏 : 元々そういう構想でしたし、理想だと思っていました。オンラインゲームの楽しみは、ベースが楽しいことは前提で、何かしらの変化が訪れることだと思っています。毎週毎週変化があれば、やることがなくてログインした人も楽しめるので、それで毎週アップデートできるといいと思っていました。でも毎週アップデートするのは体制的にも維持が難しいということで、4週間にさせていただきました。
■ SNSは概ね完成。今後も機能追加やコミュニティ強化を検討
和賀氏 : 一通りの機能はほぼ入っていまして、今後はユーザーさんからいただいた要望を元にアップデートを進めていきます。 前島氏 : 10月頃までは毎月アップデートをしていましたが、今後は要望次第かなと思います。 ――具体的に、どういった要望が多いのでしょうか。 和賀氏 : ゲーム内の情報を使って連動させるような要素ですね。あとは不便な点も残っていますので、その点の改善の要望が多いなという印象を受けます。 松本氏 : 代表的なものでは、日記で画像が上にしか出せないので、文章に追従して置けるようにしてほしいといった、日記の利便性を求めるユーザーが多いですね。ゲーム内との連動に関しては、参加した戦争の結果や国の勝率も見られて、結構満足されているようです。 ――どんどん便利になっていて、利用しているユーザーも増えているのではないかと思います。何割程度のユーザーが利用しているかという数字は出ているのでしょうか? 前島氏 : 前にデータを取ったときには、1カ月以内にゲームをプレイしたアクティブユーザーの9割以上は使っているようでした。 木崎氏 : SNSの利用者の9割は、ほぼ毎日ゲームにログインしています。ゲームにログインするときには、一緒にSNSも見るという形ですね。そこの関連性はすごくよくなってきたなと思います。 ――今後、SNSに大きく入れていきたい要素はありますか? 木崎氏 : 入れたい要素ということならば、戦争のログみたいなものですね。 前島氏 : 戦争の時系列がわかるようなログですね。何分にここにオベリスクが建ちました、といった情報が表示されるものです。ここでこれが壊されたから負けたんだ、といったことが後から見た人がわかる形になるといいなというところです。 ――それは面白いですね。そのデータが整理されて、Flashか何かでバーを動かすと戦場の流れがグラフィカルに見える物なども欲しいです。 大庭氏 : それは開発でもみんな欲しい機能です(笑)。実装を考えはしたのですが、ログを送信したり溜め込んだりするのにすごく負荷がかかってしまって、通常のゲームのほうがまともに動かなくなってしまうので、今は見送っています。 和賀氏 : 今進めているところでは、日記を書かれているユーザーさんは多いのにそれに対するコメントがなかったりと、ユーザー間の繋がりがまだ薄い部分があるので、そこを強化するようなシステムを入れようという話は進んでいます。 松本氏 : 例えば、自分と同じような単語を使っている日記を抽出して結びつけるとか。
和賀氏 : すでに実装されていますが、自分が入った戦争のプレーヤーの名前から、その人に日記に飛べるとかですね。そういったものを今後入れていこうと考えています。
■ 新クラスから国王登場まで……今後のアップデート内容をチェック ――では話の方向をゲームに戻しまして、今後のアップデートの話を伺っていきます。以前、「ゲームポット懇親会」で我々記者を呼んでいただいてお話しされた際には、和賀さんが結構すごいことをおっしゃっいました。この辺りの情報で、何か進展したものはありますか?
和賀氏 : ある程度進んでいるものでは、新マップと新建築物があります。新マップに関しては、今までは公開テストでバランスのチェックを行なってからゲームに実装していましたが、公開テストを入れるとその後に調整が入るので、実装が2カ月先など時間がかかってしまいました。そこで今回は、ゲーム内の訓練場でテストを行なえる環境を作って、GMが部屋を作れるようにして、希望者が参加してバランスを確認してもらうという流れにしていこうと考えています。そのマップは、今月末に実装する予定です。今後も新マップに関しては、優先して実装していきます。
大庭氏 : このマップは、“うずまき型”(始まりの大地など)と呼ばれているものの改変になります。 和賀氏 : 真ん中がとても特殊で、ラクダの背中みたいになっています。
木崎氏 : D:8の導線が切れていたところが繋がって、外周で回れるようになりました。
和賀氏 : そういった意見を集める場所をSNSにコミュニティとして作りまして、新マップに関するバランスなどの意見を集めて、やりとりをして開発に活かしていきます。 木崎氏 : マップ担当からは、ユーザーの評判があまりにも悪いようなら、破棄してもかまわないくらいの気持ちで作っていると聞いています。そういったご意見をいただければ、その辺りの判断材料にはなりますので、よろしくお願いします。 ――ここに新マップが2つあるわけですが、これが実装されるということになれば、エリアが増えることがなければ、今あるエリアのマップが変わることになるわけですよね?
和賀氏 : マップのデザインやクリスタルの配置に関しては、現状のままずっといくというわけではなく、過去にも何度か変えているように、今後も変えていく形で考えています。今回も入れ替える形になりますが、場所はまだ決まっていません。
和賀氏 : 仕様などの企画的な部分は固まっています。 大庭氏 : スキルツリーをいったん決めて、あとはどんなスキルがあるかという想定を作り終えたところです。あとは実装に入るところです。 ――順調には進んでいると。 大庭氏 : 順調……ですかね(笑)。 ――予定としては、確か来年春くらいの実装とおっしゃいましたよね。 大庭氏 : そこは触れてはいけないところです。 ――いやいや、ここは触れなければいけないところです(笑)。 和賀氏 : 当初は来年春くらいとしていたのですが、こういった新マップですとか、他の実装の部分やバランス改善を求める声がありまして、そちらのほうにいったん力をさくつもりです。新クラスに全力を注ぐと、アップデートがなくなってしまいます。大きな実装内容になりますので、ちょこちょこと新マップなどを入れていきながら、同時進行で進めていきたいと思っています。 ――これは個人的な興味なのですが、新クラスが入るとゲーム内容が大きく変わります。そこで「FEZ」のタイトルは変更しないのですか? 例えば「ファンタジーアース ゼロ2」とか。 鈴木氏 : 状況によっては変わる事もありえますが、今のところその予定はありません。 ――次に、アクセサリについてはいかがでしょうか。 木崎氏 : 基本の設計は完成していまして、後は実装するという段階です。形としては、今のところは仮称ですが「潜在能力」という形で、条件を満たしたときに今までなかったような効果や、エンチャントに付随するような効果を発揮するというものです。具体的には、HPが赤くなっているときだけ防御力が上がるとか、移動速度が下がるけれども防御力が上がったりとか。他にはゲーム内時間で夜間だけ能力を発揮するなどですね。 ――アクセサリは装備品の1つになるのですか? 木崎氏 : そうですね。新しく装備品の部位が2つ追加される予定で、両方ともアクセサリ用になります。 ――戦争中の付け外しは可能になるのですか? 木崎氏 : そのつもりで作っています。 ――ということは、山のようにアクセサリを持ち込んで、状況によってガチャガチャ付け替えることも考えられるわけですね。 木崎氏 : そうですね。戦況に応じた付け替えを楽しんでいただければと思います。 しかし付け替えをしないと弱いということではなく、スコアの細かな積み重ねとして付け替えテクニックも必要になってくるような形にしたいですね。 ――わかりました。では次に、新しい建築物や召喚獣についてはいかがでしょうか。 木崎氏 : 検討方向としては、新建築物を先に出すという形です。 ――今の状況から考えて、新しい建築物というと、どういう方向性を考えられているのでしょう? 木崎氏 : これはまだ確実ではないのですが、考えている範囲では、今は戦争によっては同じ場所で膠着している状況が続くことがあるので、そこに例えば2分間だけ建築できるという条件付きで、すごく強力なものを建てて、その間に戦線を押し上げていったり、逆に押されたほうはそこに建ててまた押し返したりといった、戦争に動きが出るような新建築物を考えています。 ――なるほど、スーパーAT(Arrow Tower)みたいなものでしょうか? 木崎氏 : それもあるのですが、その範囲内にいる相手の回復アイテムを一切使えなくするとかですね。ただレイスの時のように、闇が広すぎるとか、影響力が強すぎると戦争が面白くないという話になるので、その辺はじっくり考えているところです。 ――戦争の新ルールという話もありました。こちらはいかがですか? 和賀氏 : こちらも仕様を策定している段階というところです。 ――今は単純に50対50がぶつかりあって、相手のゲージを削りきるというだけなのですが、それ以外の構想的なものはあるのでしょうか。 和賀氏 : 個人的には、称号をかけた戦いなどをやりたいです。勝つと称号が手に入り、負けたら一気にランクが下がる、みたいなものです。現在の全て統一されたものではなく、目標戦ような特別な意識のある戦争を行いたいと考えています。 ――入れ方がちょっと難しいですね。今までだと普通にキープを立てたら戦闘開始ですが、どのルールになるのか戦争が始まるまでわからないと怖いですし。 大庭氏 : フィールドやゲーム内の時間でわけれたらな、と思っています。中央大陸の一部では必ずこのルール、という風にはできるかもしれませんし、この場所はいつもルールがランダムでどうなるかわからないというのも、あっても面白いですよね。 和賀氏 : 9月の「FESTA Autumn Festival 2007」で少し話に出ていましたが、フィールドマップが今は全部50対50になっているのを、あるマップだけ70対70とか、30対30とかにできるので、そういった部分を含めてルールの変更を行ないたいと思います。 大庭氏 : 既存のルールの調整みたいなものは、もしかしたら結構早くできるかもしれません。人数の変更とか、召喚不可とか。召喚不可は通常マップではゲームにならないと思うのですが。ルールに関しては、闘技場のほうで色々やっているので、そちらでというわけではないのですが、闘技場での仕組みと、通常の戦争での仕組みを共通にしようと考えているんですよ。例えば新しいルールを作成する時に、闘技場の無茶なルールを通常の戦争でできるようにシステム的に作って、それから調整していかないとという感じですね。その手始めとしては、アイテムコストがいくつだとか、攻撃側が何人、防衛側が何人だとかいう、細かいパラメータ調整の部分が先に入れられるかもしれないという感じです。
――そういう話を聞いていくと、市街戦の話にも繋がっていきそうなのですが、そちらはいかがでしょう?
木崎氏 : 市街地戦を入れてしまうと、その市街地戦をやりたいがために本土が炎上したりとか、弱い国だけが不利益を被る可能性があります。そこに新規のユーザーさんが入ってくると問題もあるので、もしかすると闘技場の新マップなどで出す可能性はありますね。 大庭氏 : 私としては、マップが“街並み”であるということが「市街戦」という意味である、として捉えています。 松本氏 : ユーザーが考えている市街戦というのが、首都でも戦えることなのか、建物がいっぱいある新マップなのかということですよね。 大庭氏 : それは両方を想定されていると思います。 和賀氏 : 開発の状況はいかがでしょうか。 木崎氏 : テストはしていますが、細かな調整とどこに入れるかという落とし込みがまだですね。 鈴木氏 : 新クラスと同じくらい重い内容だ、という認識です。 ――あと残りの要素としては、モンスターにAIを入れるという話がありました。 大庭氏 : mobのAIと書かれてしまったので言及しづらいのですが、ポップの時間調整をするというのがまず1点。これによって、今は夜間だけGhoulが出てきますが、それ以外に、あまりやりたくはないですが、1日に1回しか出てこないモンスターなども設定できるようになります。AIのほうは、今はあからさまに食らったら反撃、という風になっているので、そちらをまず修正したいと思っています。反撃しやすい奴としにくい奴を設定したりとか。あと、できればやりたいと思ってプログラマに打診しているのが、何かのきっかけで何かの行動を起こすというものです。例えば、魔法攻撃を受けたら逃げ出すとか、逆に弓を受けたら怒ってやってくるとか。そういう仕組みを作りたいなという風には今言ってあります。 ――そうすると、1回でドラスティックに入れるというよりは、少しずつ改善していこうという方向でしょうか。 大庭氏 : そうですね。反撃部分と何かのアクションという視点で見た場合では、反撃部分が先に入るということで、段階的にはなるかと思います。その辺りが片付いたら、ボス戦などもやりたいですね。 ――あとは国王の参戦という話ですね。これは色々な意味に取れると思うのですが。 和賀氏 : 国王の出番が今は非常に少なく、ストーリー部分も全然入れていないということもあります。 ――キャラクタモデルもないんですよね? 木崎氏 : そうですね、残念ながら今は1枚絵しかありません。 和賀氏 : 将来的には、国王をゲーム内に出したいなと考えています。とりあえず最初はクエストでストーリーを出すといった形で考えています。あとはセリフなども以前から変わっていない部分もありますので、国王の内側を出すようなセリフを増やしたりとか、街で国王が喋ってくれたりとか。ストーリー性、世界観をどんどん足していって、国家・国王の存在感を高めていきたいですね。 鈴木氏 : 今いる王様はどうなるかわからないですけどね。 ――それはものすごい話なのですが(笑)。 鈴木氏 : 「FEZ」が10年、20年と続いていったら「いつまでナイアスが生きてるんだ?」とかあるかもしれませんし(笑)。 ――オチが付いたところで次のお話に。既存クラスにも新スキルを入れようという話をされていたと思いますが、こちらはいかがでしょうか。 大庭氏 : 基本的には新クラスと同時に入れる方向で進めています。新スキルを入れるとなると、今あるスキルツリー自体が変更になるはずです。例えばですが、いまシールドバッシュが入っているところに、急に違うスキルが入っても、ユーザーさんは納得してくれません。その場合は、ツリーごと変更という形になって、ユーザーさんのスキルを一度全てリセットして取り直していただくということになると思います。 ――今はウォリアーでは、片手スキル全部と共通スキル全部、という取り方ができます。こういうバランスも変わってくる可能性があるのでしょうか。今は全部取れるものが取れなくなったり、逆にもっと多くのスキルを取れるようになったりという形ですね。 大庭氏 : コンセプトは変わらないのですが、ツリーによっては今以上に取捨選択が起きる可能性があります。新しく増えたスキルを取るためには、今までの何かを犠牲にしなければならない、という状況にはなるかもしれません。 ――これは全く個人的な意見ですが、「FERoD」の頃はそんなにいっぱいスキルを取れませんでした。短剣スキルだと、全て短剣に振っても1つくらいはMAXにできないとか。今は1キャラクラで大体なんでもできてしまうので、あのくらいのバランスのほうが個性が出ていいのかなと思います。 大庭氏 : 特にソーサラーに関して、それをよく言われます。炎を全部取ったら、氷や雷は一切使わなくていいじゃないか、という意見も結構あります。ただスカウトに関しては、できれば弓と短剣をバランスよく取って欲しいというコンセプトなので、そこに関しては今だと6本あるツリーから3本を選んでくださいという形式にしてあります。 和賀氏 : スキルレベルも今は3までですが、1つだけ極めると強くなるという風にやりたいという要望もあります。ただし、既存のクラスバランスについては、新スキルとは別に調整しようと考えています。 大庭氏 : 結構長いことバランスをいじっていないので、来年頭くらいに何かやるつもりです。 ――エンチャントの新要素についてはいかがでしょうか? 鈍足軽減効果などの新たな効果を、一度イベントでテストされましたが。 和賀氏 : イベントの時には効果を下げすぎたところもあって、思った以上の反応が来ませんでした。ただエンチャントについては、随時新しいものを入れていきたいですね。販売する際にもオーブではなくゲーム内通貨(リングやゴールド)で購入できるような形を考えています。 ――エンチャントの話題ということで先に伺ってしまいますが、「サモンアタックゲイン」などは何とかならないのでしょうか? 大庭氏 : mobと召喚獣の両方に有効にしようかという案は出ています。mob狩りの時に有効になりますという形で使っていただいて、そのまま戦争では召喚獣に有効ということで。お気に入りの武器だったりすると、一度外さなければいけなかったりで面倒ですが。そちらは今は可能かどうか確認をしているところで、実現されるかどうかは微妙なところです。 木崎氏 : 「サモンアタックゲイン」をつけたまま召喚になったら強くなる、というアイデアも以前は出ていましたね。 大庭氏 : ただ召喚は、みんなでクリスタルを集めて出したものということで、あまりエンチャントしたから強いという風にはしたくないんです。 和賀氏 : エンチャントを持っている人でないと召喚できないという状況にもなりえますから。 ――でもそれを言うと、エンチャントしていない歩兵は前に出るなという話になりますよね。 大庭氏 : 歩兵は1人で出られるからまだいいのですが、召喚獣はみんなで集めたクリスタルを使いますから、有効に使ってくれないと困ると言われる可能性が高い、ということです。 ――では新要素の最後、カジノの現状はいかがでしょうか。 和賀氏 : Flashを使ったWEBベースのカジノと、ゲーム内のスクリプトを使ったものを進めています。 鈴木氏 : 来年頭くらいに、グラフィカルな面はほとんどない形にはなりますが、ちょっとした数当てゲームの実装を考えています。1つは、ワールド全体の戦争でのデッド数を24時間カウントして、何デッドしたかを当てるというもの。そしてハイ&ローっぽいものが1つ。あとはNPCが作った4桁の数を当てるヒット&ブローを作っています。 和賀氏 : どれもリングで遊べる内容になっています。 ――それをやることで、何かしらのアイテムなどがもらえるという仕組みですか? 大庭氏 : アイテムがもらえたり、リングが増えたりといった仕組みですね。 鈴木氏 : 総デッド数を当てるものは、その1/10のリングがもらえる予定です。 ――どれくらいのデッド数になるのか想像できないのですが……。 鈴木氏 : いま試験的に調べているところでは、結構な数になってます。デッド数の1/10のリングが賞品になるので当たった時には、かなり喜んでもらえると思いますよ。 和賀氏 : もう一方の、今あるルーレットのようなFlashを使ったゲームについては運営のほうで進めています。 松本氏 : 少し前に、どういったものが欲しいですかとアンケートをとったところ、カードゲームが上位にきていたので、こういったものをFlashでグラフィカルに表示して遊べないか検討中です。賭ける対象をリングにして気軽に遊べるようにしたいですね。 ――基本的に、お金を使わせないという趣旨なのですか? 和賀氏 : オーブで購入できるルーレットなのですが、高価なので、気軽に遊べるものを追加していきたいと思っています。これは全て遊技場に入っていきます。今のカジノはただのアイテム出しになっていますので、時間の空いているときにカジノで遊ぼうと思ってもらえるような部分を作っていきたいですね。遊技場をゲーム内のコンテンツとして立てたいということです。 大庭氏 : ナイトで競馬もやりたいなという話もありました。もしやるなら本格的に作りたいですね。 和賀氏 : 意外でしたが、アンケートでは、普通のトランプゲームをやりたいという声が多かったですね。 ――単純に、戦争と戦争の合間にでもみんなが集まって、10分でも遊べる場所が欲しいということなんでしょうね。ではほかにアップデートについて面白そうなネタはありますか? このゲームはあまり先のスケジュールを出さないので、それが伺えるならいいタイミングかなと思っています。 和賀氏 : 基本的な線として戦争と闘技場という主軸が決まっています。このゲームの生命線となるところですし、ユーザさんからの要望も多くいただいています。
松本氏 : ユーザーさんからの要望が急に高まるところもあるので、スケジュールの予定はありますが、それを伸ばしてでも、要望が多い要素を入れていくというのは、これまでにも何度かありました。そういうことで、ある程度スケジュールの変化は出てしまうのかなと思います。大きな枠では新クラスなどもありますが、合間合間を考えると、随時要望にお答えしていくという感じになりますね。
■ 「FEZ」の気になるところを質問! “若本ボイス”の実装はあるのか!
鈴木氏 : 軽量化に関しては、随時プログラムのほうで試行錯誤して行なっているところです。前回はちょっと不具合があって不本意ながら取り下げましたが、それについても不具合の修正をしまして、内部的にはある程度できています。来年の早い時期に入れたいと思っています。 ――見た目の方向でのアップグレードというのは? 鈴木氏 : 全体的に変えることになるので、相当な変更になると思います。 大庭氏 : 「ファンタジーアース」の初期のコンセプトとして、ローポリゴンだけど可愛らしいとか、見た目やモーションでそういった表現をしていこうというのがありました。ポリゴン数を増やしてクオリティを上げるといったことはおそらくないと思います。描画処理を少しでも軽くしたいのでローポリゴンで、という目的もあります。 和賀氏 : モーションなどは今後変える可能性はあります。 ――モーションを変えるといえば、不具合情報の中に「女性の片手ウォリアーの歩き方が気持ち悪いので直してください」というのがありましたよね。 松本氏 : 逆にあれがいいという声もありました(笑)。 大庭氏 : 私も最初すごく違和感がありましたけど、見慣れるとそうでもないんですよね。 和賀氏 : 男ソーサラーの座り方の話もありましたね。中腰になるのが。他にも新モーションは考えていきます。 松本氏 : 街の専用座りモーションが欲しいという声は時々来ます。 ――では次に行きます。レベル40になっているユーザーも増えていますが、戦争に出るメリットが少ない状態です。クラスチェンジが入って別のクラスになればいいという状況にはなっていますが、やはりレベル40で戦いたいという気持ちはあります。そこに対するメリットや、何かしら目標になるものは考えられていますか? 和賀氏 : やりこみ要素などは考えているところです。例えばレベル40で戦争に出ると、経験値はもらえないけれどリングをもらえるとか。早期に改善したいと考えています。 大庭氏 : 実際にはやらないと思いますが、レベル99まで一気に開放して、上げられるだけあげればいいんじゃないかという話もありました。 木崎氏 : そのメリットは、mobに強くなるというものを想定していました。例えば、中央大陸にPOPするLv47などの敵に勝ちやすくなる、という感じです。 ――対人戦では強くはならないけれども、mobに対して強くなるのと、自分が頑張っているのが見えると。 大庭氏 : やれることがないのも困るんですが、やれるにしても限度があると。例えばレベルキャップ開放後の高レベル専用装備というのも考えてはいたのですが、「これを装備したいのに、このレベルまで上げなきゃいけないのは面倒だ」と言われてしまいそうで。この件に関しては、今はちょっと攻めあぐねている感じです。 ――では次、部隊レベルについてです。今は1人で2,000ポイント(部隊レベル5相当)を稼いでいる人もいますが、この辺りに追加要素は考えられていますか? 松本氏 : 部隊レベルは今、5がMAXです。その上も用意してはいますが、単純に開放していくだけでもまたMAXになって終わってしまうので、その辺りに条件をつけて、部隊のレアリティというか、部隊レベルを上げることがやりこみ要素となるようにしたいと思っています。今は小隊、中隊と部隊服があるので、大隊服とか。あとは一定以上は闘技場で部隊同士で戦わないと部隊レベルが上がらないとか。せっかく部隊という枠組みがあるので、単純に戦争だけではなくて、そういう要素を絡めた上で何かしら開放できたらなと考えています。5で止めようという考えはなくて、部隊のやりこみ要素の一環にしようという構想はあります。 ――これは個人的な希望ですが、今は部隊のスコア表示が2,000で打ち止めになっていますよね。これを素直に増えるようにしておくだけでも面白いのではないでしょうか。 大庭氏 : レベル5で打ち止めであればその方向も考えていたのですが、6以降も想定していますので、その場合、6以降が入ったときに一気に10まで上がってしまうとまずいので、今は止めています。ですので、レベルが上がるのとは別に、稼いだトータルを表示するというのはありかと思います。 ――では次に、バランス調整について伺います。先程も少し話がでて、各クラス間のバランス調整が止まっているということでした。ユーザーも戦略を練ってくるので、クラスの役割や特性がその時々によって変わっていきます。今後はユーザーの動きにあわせて調整していこうという考えはお持ちでしょうか? 和賀氏 : 大会があり、調整ができなかった部分がありました(大会中にクラスの能力が変化すると、大会の進行にも影響するため)。現状に満足することなくゲームをよりよくするためにも、調整は続けていきたいと考えています。ただし、ゲームに大きく影響を与える項目となりますので、テストを行なった上で導入します。詳細については近々、公式サイトで発表します。 ――SNSが入ったおかげで、戦争にどのクラスが何人入ったかが明確に見えるようになりました。最近のユーザーの中では、スカウトの数が増えるほど戦争に負けるという話があったりします。こういった声があることは認識されていますか? 松本氏 : スカウトは支援的な役割が強いクラスなので、過剰に人数が集まると歩兵力に差がでてしまう部分はあると思います。つまり、スカウトを単純に強くすればいいという話ではないと思います。その辺りは、要望を素直に聞いて調整を入れます、ということにはしたくありません。基本的に「FEZ」には、このクラスはこうあるべきというコンセプトがあるので、そこは崩さずにユーザーさんの意見を合わせて、微妙に調整していきたいと思います。今は、公式サイトでもSNSでも、ソーサラーが若干強すぎるのではないかという声が多いので、その辺りに手を加えていきたいとは考えています。人の声を集めればすぐ直しますよというわけではなく、そこはバランスと、我々が考えている構想を合わせて、少しずつ修正していきたいと思っています。 ――個人的な印象としては、クラスのバランスも気になりますが、それ以上にマップが平坦になっていると感じています。これはユーザーの投票を受け付けた結果、高低差の大きなマップが嫌われているというのだろうと思いますが、そのために弓スカウトや雷ソーサラーなどの高低差無視の攻撃が、相対的に弱くなっているのではないかと思っています。マップはもっと特色のあるものを入れていくべきなのではないでしょうか? 松本氏 : 今回入る2つのマップのうちの1つは、そこが重要になってくるはずです。その点は運営も開発も感じていたので、新マップを試していただいて、ユーザーさんの反応を見て、こういうものが欲しいという意見があれば、それを踏まえて作成していきたいと思います。 ――では次に進みます。召喚のバランスについて、レイスが支援能力的には優れていますが、対人で強いというコンセプトから外れていると感じています。近寄ってギロチンソードを振れば確かに強いですが、今のユーザーはそこも研究していて、前に出ると片手ウォリアーにシールドバッシュされますし、横から回ろうとすると弓スカウトがイーグルショットで狙い撃ってきます。結局前に出られなくて、アイスバインドを撃つだけになりがちです。レイスをもっと対人に強化する案はないのでしょうか? 大庭氏 : ジャンプ中のスキル発動が元々そういう想定で入れたかったのですが、実装的な問題がありまして、入れられない状況です。レイス自体は歩兵に対して強いんですが、歩兵に対して弱いじゃん、というところもあるので、そこに対して弱いというところを変えたいとは思っています。 ――私はレイスも結構やるのですが、一番問題を感じているのは、歩兵と違ってステップができないところです。前に出ると、ブリザードカレスを撃たれた瞬間に避けられないという状況になるので、そこが何かしら改善されるといいのかなとは思っています。 大庭氏 : 状態異常無効くらいでもいいのかもしれませんね。 木崎氏 : 闇の使者なのに、闇を食らって見えないって変ですよね(笑)。 松本氏 : 強ければ強いだけナイトの重要性が高まるという意味もあるのですが、その分、歩兵時にやられてしまうことも多いため、ストレスに感じてしまうといった意見もいただいています。その辺りのバランスをとるのは非常に難しいですね。 ――他の召喚はいかがでしょうか。ドラゴンが出てもあまり逆転に結びつかないという声は前からあったと思いますが。 木崎氏 : ドラゴンも対人に強いというイメージで、「負けているからとりあえずキルを稼ごう」という流れになりがちです。調整方向としては状況を打開するため、建築物に強く、オベリスクを破壊して支配領域を広げるという風にしたいと思っています。ただ、最初に負けていて、ドラゴンが出たら勝ってしまうということになれば、今まで歩兵で押していた意味がなくなりますので、そこは注意をしながら調整していきたいと思っています。 大庭氏 : 今は攻撃が1種類しかなく、それが純粋に強いという形になっているので、用途に合わせて何種類かスキルを付けようという感じですね。建築に強いですとか、召喚に対してだけ強い攻撃でナイトを追い払ったり、レイスのいるところに行ってやっつけたり。レイスを倒すくらいなら門を壊したほうが早いですが(笑)。 ――次はゲームの内容から少し外れます。「FEZ」のディレクトリの中を覗くと、聞いたことのないサウンドデータやボイスデータが入っています。先日の「ゲームポットフェスタ2007」では、若本規夫さんの声も使われていました。ユーザーさんからはこの声を入れてくれという声がかなり上がっていると思いますが、この辺りの拡張ですとか、声を選べる機能などは考えられているのでしょうか? 和賀氏 : 詳しくは言えないのですが、好きな声をつけられたりといったことは考えています。実装部分で色々問題があるので、今はそこを進めていて、将来的には入れたいと思っています。 ――あとは私の個人的なプレイ時間帯とかぶる、午前4時なのですが、猛烈にラグが発生します。これは何なんでしょうか? 大庭氏 : わかっていたら直したいのですが……(笑)。4時にワープが起きるという現象と、Felixワールドで断続的に起きている切断については調査しているのですが、未だに原因が特定できていません。スタッフも4時、5時に接続して調査を行なっています。Felixワールドも同様に調査しているのですが、Felixだけ起こるというのもよくわからない現象です。 ――ちなみに4時だけ重いというのは、全ワールド共通の動きなのですか? 大庭氏 : そうです。ただAtziluthワールドとEtherワールドでは特に出やすい状況です。4時前にログインした人が、4時以降に入った人を見るとラグが出るのですが、4時前にログインした人同士ではラグがないという、変な状況なんです。 鈴木氏 : おかしいなと思ったら、ログインしなおしてもらうと直るんです。
――いいところまで掴んでいるように見えて難しいといったところでしょうか。ユーザー的には、4時以降にラグが出たらログインしなおしましょうということで。
――では、私からの質問はこのくらいにさせていただこうと思います。最後に、「FEZ」のユーザーとこの記事の読者に対して一言ずつお願いします。 ――長時間インタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。 (C)2005-2007 SQUARE ENIX CO., Ltd. All Rights Reserved. Licensed to Gamepot Inc.
□ゲームポットのホームページ (2007年12月27日) [Reported by 石田賀津男]
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