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会場:アパホテル&リゾート東京ベイ幕張
多くの来場者に不満を残すイベントとなってしまったが、本作初のイベントで運営側の想像をはるかに越える来場者があったことには、私も驚かされた。本作の前身である「ファンタジーアースザ リング オブ ドミニオン」では、秋葉原のネットカフェでイベントを行なったことがあったが、その際には事前応募を受け付けていたにも関わらず、当日参加できてしまったほどだっただけに、さすがにここまでの人気は想像できなかった。いずれにせよ同社には、今後オフラインイベントを開催する際の課題にしてもらいたいものだ。ちなみに現在、公式サイトには本件のお詫びが掲載されている。 ではイベントの内容について紹介していく。まずは9月25日のアップデートにおいて実装される「闘技場」の体験会が行なわれた。「訓練所」に似たシステムながら、参加することで専用のポイントを獲得でき、それを使って「闘技場」限定のアイテムを入手できるという具体的なメリットがある。会場では10対10で敵軍のオベリスクを破壊することのみでゲージを減らせる「オベクラッシュ」と、5対5で敵を倒すことのみでゲージを減らせる「トルクマイヤ」の2つの試遊台が用意されていた。
2時間ほど体験会が行われた後、開発者を招いてのカンファレンスとトークショーが行なわれた。9月25日のアップデートはもちろん、今後のアップデート計画や、期待の新クラスについての話題もあったので、詳しくみていきたい。
■ 今後のアップデートスケジュール
9月25日のアップデート内容については、既に公式サイトにも掲載されているとおり、「闘技場」と「カジノ」の実装が目玉となっている。「カジノ」については、当初はルーレットのみ実装し、その後もユーザー同士で遊べるものを追加するなど、「みんなが集まって遊べる場所」を目指した拡張が行なうとしている。 続いて、10月以降のアップデート内容について、6項目を挙げて発表された。1つ目は「装備強化」。外見で装備を選びたい人のために、装備の性能を高めるシステムが導入される。ただし既存の装備の性能を考慮したものになるとしており、現状を上回る性能を持たせるわけではなことを示した。具体的な強化の方法については言明されなかったが、課金による方法だけでなく、無課金でも可能な仕組みも用意するとした。 2つ目は「容姿変更」。読んで字のごとく、外見を変えるシステムとなる。仕組みは現在検討中としているが、「女性キャラクタの胸は変更できません」と釘を刺して会場の笑いを取った。 3つ目は「アクセサリ」。現在は能力を向上させる仕組みとして「エンチャント」があるが、これとは別の新たな仕組みとなる。単純に攻撃力や防御力を上げるだけではなく、属性値を変化させるものなども検討しているという。 4つ目は「市街戦」。首都での戦闘を行なうもので、内部的なテストも行なわれており、概ね良好な結果を得ているという。ただ、これは必然的にどのタイミングで「市街戦」を発生させるかも検討が必要になるため、可能だからといってすぐに実装されるという類のものではないだろう。 5つ目は「召喚獣の追加」。人によっては新クラスと並ぶほど興味が沸くところであろう。これについては、全くの新種を考えるだけでなく、今ある召喚獣の強化版という形での検討も行なっているとした。 6つ目は「MobAI」。現状はただプレーヤーに接近してきて攻撃するだけで、AIと呼べるほどのものは用意されていないため、今後まともなAIの実装を検討しているということのようだ。これによって、ボスモンスターの実装も可能になるのではないかと話していた。 このほかシステム面において、大陸マップでチャットができるようにする仕組みも検討しているとした。マップの移動時に他のプレーヤーと打ち合わせができなくなる面倒さは、「FEZ」のプレーヤーならば誰しも感じているはず。ぜひ早期の実装を期待したい。
カンファレンスの最後には、新クラスの話題を展開。ここでイラストを発表する予定だったようだが、「忘れてきました」と苦しい理由で公開できずに終わってしまった。ただこれについては、「来週にはお見せできる」とコメントがあった。また実装時期について、「次の春くらいには出せるようにしたい」と見通しを明らかにした。
■ 新クラスは「戦闘特化型」、「罠使用型」、「支援型」の3つ
最大の話題はやはり新クラスについて。来年春に実装予定の新クラスは全部で3つになり、それぞれ「戦闘特化型」、「罠使用型」、「支援型」と特徴付けられていることが明らかにされた。 「戦闘特化型」は、近接戦闘に特化したタイプのクラス。戦場での立ち位置は「ウォリアー」に近い形になるとしながら、「よりテクニカルになる」とした。具体的には、「ウォリアー」の特徴の1つ「エンダーペイン」を持たないこと、連続で攻撃を宛て続けることでボーナスを得られることなど。使用する武器は、「両手剣」であることが明らかにされた。これは「ウォリアー」で実装の要望が高かったものの、「両手斧」のモーションでは違和感があるため、違うクラスでの実装を決めたそうだ。 「罠使用型」は、罠を使用して戦うという、新たなシステムの上に乗るクラスとなる。罠は設置するものと、敵に投げるものがあるという。罠のアイデアとしては、開けると爆発する宝箱などもあったそうで、「してやったり感」を味わえるようにしたいという。クラスのコンセプトイメージは軍人だそうで、武器はパンチやキックなど素手による戦いを基本にしたものになるという。 「支援型」は、味方の強化を主体としたクラス。ただし「全クラスがアタッカー」というポリシーのもと、「支援もできるタイプ」という方針で開発が進められているようだ。具体的には、支援効果の時間を短くし、前線に出ないと成り立たないようなバランスにしてあるという。武器は「楽器」だそうで、クラスのイメージもはっきりと見えてくる。ちなみみ防御力は「ソーサラー並」だそうだ。 このほかの話題もかいつまんで紹介していく。今回実装される「闘技場」に関してでは、数カ月に1回のペースで新たなルールを実装したいとしている。またこの「闘技場」を使った大会も開くとし、11月にオンライン予選、12月にオフラインで決勝大会を行ないたいという具体的なスケジュールも示された。
あとはやや夢物語的なものが多い。戦場の仕組みについては、「人数が違うフィールドがあってもいいのではないか」とし、少人数だけでなく、今のPCスペックならば100対100なども可能であろうという話も出た。また以前から言われている、スコアに見えない戦争への貢献度を評価するシステムも検討しているとした。ただこれは新クラスにも関わることとしており、早期に実装される見込みはやや薄いようだ。
■ 開発陣へのインタビュー ~NHN Japanでも開発に支障なし トークショーの終了後、記者を集めて簡単なインタビューの時間が取られた。ここではトークショーで聞けなかったいくつかの質問を投げてみた。 まず、開発元のマルチタームがNHN Japanに吸収合併されたことについて鈴木氏に尋ねたところ、「基本的には運営チームはそのまま存続し、旧マルチタームと同じような体制で開発を進められるようにしている。ユーザーの皆さんも心配に思っているかもしれないが、その辺りは変わらずにやっていく」と力強い答えが得られた。前島氏も、「今までの付き合い方を変えず、NHN Japanさんとして開発チームと付き合っていく。開発状況に影響が出るとは全く考えていない」とした。 次に、新クラスの実装がやや先になることが見えたところで、「現状の3クラスのバランスをどう考えているか」と尋ねてみた。これについては大庭氏が答え、「現状で比較的バランスが取れていると考えている。アップデートでスキル調整を楽しみにしているユーザーさんも多いと思うが、そのために今のバランスを崩すことはしたくない」とし、大幅なバランス調整は今後しばらく行なわないという考えを示した。その代わりに、「エンチャント」の追加や「アクセサリ」の実装で、「個性を出せるような調整をしたい」としている。 召喚獣については、「ドラゴン」の仕様の調整や、「レイス」のジャンプ攻撃については継続して検討している様子を見せ、「バランスを再考する必要はあると思っている」とした。ただこの点については前島氏から補足として、「『レイス』を調整すると、歩兵への影響も大きく、さらに『ナイト』の調整も必要になる。1つだけの召喚獣にフィーチャーした修正ではなく、全体を見て調整したい」とコメントされた。 建築物については、「今後もできるだけ増やしたい。どんなものにするかはまだ言えないが、新しいものを盛り込む価値はある」と前向きな姿勢を示した。また先日実装された「エクリプス」について、「効果が薄いかと思ったが、実際に使ってみると強かった。その辺りの調整をしながら、ひと段落したら次を、という流れにしたい」としている。 アップデートの話題のほかに、さらに突っ込んで「次回作は考えているか」と尋ねてみたところ、「今のところ考えていない。まだまだ『FEZ』にはポテンシャルがある」との答えだった。ただ前島氏からは、「次回作を出すのであれば、プレーヤーのデータは必ず引き継げるようにしたい」という考えが示された。
このほか、プレーヤーの男女比率は7対3程度で(登録上のデータ)、同社の他のタイトルに比べると女性の比率が高いという。また女性ネタにかかって「ケイの性別は?」という質問が出たが、やはり「極秘です」とのことだった。
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□ゲームポットのホームページ (2007年9月22日) [Reported by 石田賀津男]
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