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会場:パシフィコ横浜
入場料:前売800円、当日1,000円
「バンクェット」は、9月のアップデートで実装された「闘技場」において、7対7で争う対戦ルール。クラスやレベルに制限はなく、最大3名までの補欠メンバーとの入れ替えも可能。10分の制限時間内に、相手を10キルするか、あるいは10分経過後にデッド数が少ないチームの勝利となる。フィールドはクリスタルがなく円形の「マルタム闘技場」となる。
会場で行なわれたワールドマッチでは、エンチャントが不可とされた。これにより戦闘のバランスも変化することになるが、ステータスにランダムな要素が絡まなくなることから、より公平に、実力による試合ができる。ちなみに本来、予選でもエンチャント不可とする予定だったのだが、参加者がエンチャントを行なっていないかのチェックが難しいことから、今回は可能な形で行なわれることになった。今後はこのあたりのシステム整備も行なわれることだろう。
予選の組み合わせを見ていくと、第1リーグはAtziluthワールド代表の「残業組」、Briahワールド代表の「GRADIA†OR」、Etherワールド代表の「ぷねひちるかも」の3組。第2リーグは、Chokmahワールド代表の「1Ring」、Daathワールド代表の「StarShipです。」、そしてGMチームという組み合わせ。 第2リーグについては、GMチームが惨敗で終わるという予定通りの展開で、「1Ring」と「StarShipです。」が順当に決勝に進出。注目される第1リーグでは、「GRADIA†OR」が2勝、「ぷねひちるかも」が1勝1敗、「残業組」が2敗という結果に。ワールドの設置順により、圧倒的にプレイ経験が長いAtziluthワールド代表が真っ先に姿を消すという波乱の展開で、決勝トーナメントを迎えることになった。 試合を見ていると、基本的なメンバー構成と戦略はほぼ共通している。戦闘の流れとしては、まずソーサラーのブリザードカレスで凍らせて敵の足を止め、そこに片手ウォリアーがバッシュを入れてスタン。さらにソーサラーがヘルファイアを入れ、単発攻撃力に優れ貫通力のあるライトニングスピアで追撃して仕留めるという流れだ。状況によっては、凍らせた敵にヘルファイアを入れて、ライトニングスピアを集中させて倒すシーンも見られた。 これが基本となるため、チームメンバーの7人のうち、片手ウォリアーと氷系ソーサラー、炎系ソーサラーの3人は確定。残りの枠として、片手ウォリアー、氷系ソーサラー、炎系ソーサラーを増やして各パートの確率を上げつつ、1~2人は両手ウォリアーやスカウトを入れることで、チームの特色を出していた。 もう1つ、戦いの鍵になっていたのが「極上アイボ焼き」という回復アイテム。アイテムコスト7でHPが300回復と極めて優秀で、瀕死で追われている状態でも、これを食べれば逃れきれることが多い。ただしスタック(重ね置き)できないため大量には持ち込めず、さらに1日1回しか受けられないクエストでのみ入手できるという厳しい条件になっている。この「極上アイボ焼き」をどこまで溜め込み、どこで使用するかも、1キルを争う「バンクェット」においては重要な駆け引きとなる。
会場に来ているユーザーも、このあたりのポイントは心得ており、バッシュが決まった瞬間から歓声が上がった。そこからヘルファイアなどの攻撃が命中し、HPゲージが減っていくたびに歓声が大きくなり、見事に倒しきったり、またあと0.1秒遅れたら倒されていたというタイミングでの「極上アイボ焼き」による回復で逃げ切ると、歓声とともに拍手も送られていた。また画面に映し出されているキャラクタがパニッシングストライクで倒された瞬間は、「あーっ!」という悲鳴のような声が一斉に会場から上がった。試合のポイントが意外とシンプルなだけに、まさにスポーツ観戦をしているかのような大騒ぎになっていた。
準決勝第2試合は、Briah代表「GRADIA†OR」対Chokmah代表「1Ring」。多くのチームが炎系ソーサラーをダメージソースとしているのに対し、「1Ring」はハイブリッド1人を含む2人の両手ウォリアーとスカウトを入れた直接攻撃型という珍しい構成。敵を包囲して攻め入ったときの爆発力はすごかったが、氷系ソーサラーを2枚入れた「GRADIA†OR」が致命的な接近を許さず、逆に見事に集中されたライトニングスピアで着実にキルを稼ぎ、「1Ring」に競り勝った。 トーナメントで敗退した2チームによる3位決定戦では、序盤は「ぷねひちるかも」に的確にキルを取られていた「1Ring」が、徐々に「ぷねひちるかも」を壁際へと追い込んで行き、固まったところに2人の両手ウォリアーが突進。勢いに負けて散り散りになった「ぷねひちるかも」のメンバーを次々と倒し、最後は圧勝の状況で3位を決めた。 「GRADIA†OR」対「StarShipです。」の決勝戦は、2本先取の3ラウンド制で行なわれた。互いに短剣スカウトを1人入れたそっくりのメンバー構成で、実力も拮抗。1戦目から、一方が1キルを取るとほぼ同時に別の場所で1キルを取り返すというシーソーゲームになった。1戦目は「StarShipです。」チームが準決勝と同様のライトニングスピアによる厳しい追撃を見せ、僅差で1勝を収めた。 続く2戦目は、連戦のため「極上アイボ焼き」を使い果たした選手が多く、やや膠着した流れに。その中で短剣スカウトの動きが光り、パニッシングストライクで敵のソーサラーを倒したのをきっかけにして、激しい攻防が始まるという展開が見られた。しかし途中から流れは一気に「GRADIA†OR」チームに傾き、そのままの勢いで快勝。1勝1敗の五分に戻した。 最終戦となる3戦目。再び1戦目を見るような、1キル取るとすぐさま取り返すという緊迫した展開から始まった。これまで比較的遊撃の体制を見せていた「StarShipです。」のソーサラーが、今度は味方と攻撃を集中させる作戦に変更。これが功を奏したか、じわじわとキルで差をつけていき、10分間フルに戦った後にキル差で勝利を決めた。 決勝戦の開始前、「うちがDaath最高の連携ができるチームです」と宣言した「StarShipです。」は、見事に有言実行を果たした。大会後のインタビューでゲームを始めた時期を尋ねると、全員がDaathワールドの誕生とほぼ同時に始めたということだった。後発のサーバーだけに経験量的に不利と思われていたが、「元々、少数戦に興味があって、闘技場の実装前からチュートリアルマップなどで練習していた。その連携を強化していったのが、今回の勝利に繋がったと思う」と話してくれた。
その時々によって敵味方の戦力が変化する戦争に対し、「バンクェット」は基本的に7対7の枠から外れることはない。確かに少数戦では個々の技術も重要にはなるが、敵の戦力を把握し、その上で戦法を柔軟に変えることができれば、戦争ではとてもできない劇的な逆転も実現できる。今回の大会で、戦争とは違う戦略、違う面白さがあることを実感できた人も多いのではないだろうか。
□ゲームポットのホームページ http://www.gamepot.co.jp/ □「ゲームポットフェスタ2007」のページ http://www.gamepotfesta.jp/ □「ファンタジーアース ゼロ」のページ http://www.fezero.jp/ □「バンクェット ~Decisive Battle 2007~」のページ http://www.fezero.jp/banquet/banquet_main.aspx □関連情報 【12月17日】ゲームポット、リアルイベント「ゲームポットフェスタ2007」開催 「パンヤ」、「FEZ」に人気集中。来場者数は約5,000人 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071217/gpf.htm 【12月10日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」 累計登録会員数40万人を突破 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071210/fez.htm 【11月27日】オンラインゲームレビュー「ファンタジーアース ゼロ」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071127/fez.htm 【11月14日】ゲームポット、「ゲームポットフェスタ2007」発表会を開催 全10タイトルの最新情報と、新作「Wizardry Online」を公開 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071114/gp.htm 【10月31日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」 全国大会開催決定。12月16日にオフラインで決勝戦を実施 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071031/fez.htm 【9月22日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」 初のオフラインイベント開催。新クラスの情報などを公開 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070922/fez.htm (2007年12月17日) [Reported by 石田賀津男]
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