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会場:幕張メッセ
今回「Lievo」はテクモブースの半分占めるスペースで、「モンスターファームオンライン」、「ハルカ」、「WarRock」、「ミックマスター」、「ギャロップレーサーオンライン」、「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」(「LOTRO」)6タイトルを出展した。 全てのタイトルにスタッフがつき、来場者にゲームのプレイを説明したり、クライアントCDを配布したりとタイトルのアピールに積極的だった。「LOTRO」ブースではコスチュームに身を固めたイメージガール「指輪っ娘」もスタッフに加わり、プレイのサポートを行なっていた。 イベントスペースでは各タイトルの紹介に加え、「Lievoイメージガールオーディション」や「WarRock」の対戦イベントなども行なわれ、華やかな雰囲気だった。オンラインゲームメーカーが多数出展した昨年と違い、今年はオンラインゲームタイトルの出展も少ないが、「Lievo」ブースは“これから”を感じさせる勢いがあった。
本稿では初登場となる「モンスターファームオンライン」と「ハルカ」の試遊レポート、そして9月27日に行なわれる「LOTRO」のアップデート情報を紹介したい。どのタイトルもユーザーの反応が楽しみな作品である。
■ 戦闘も成長もモンスターが主役、対戦要素も目玉となる「モンスターファームオンライン」
シンプルなフィールドとプレーヤーを待ち立っているNPC、キャラクタの東洋風の衣装、クリックでの移動と、右クリックでの視点移動……。「モンスターファームオンライン」の画面から感じる第一印象は極めて韓国産MMORPGに近い。異なっている点は全てのプレーヤーがペットを連れている点だ。 「モンスターファームオンライン」の最大の特徴はこのプレーヤーが連れているペットこそがゲームの主役と言うところだ。プレーヤーキャラクタにはステータスがなく、経験値やスキル、ステータス、成長要素などは全てペットのモンスターのものだ。本作は自分だけのモンスターを育てていくオンラインゲームなのだ。これはコンシューマゲームの「モンスターファーム」シリーズから受け継がれている要素である。 ペットモンスターの作成もシリーズを受け継いでいる。妖精型の「ディナシー」、鶏のような「シグエ」などモンスターのタイプは選択できるがモンスターの体色や性格などはCD(DVD)で決定されるのだ。モンスター作成を選ぶと連動してPCのディスクトレイが出てくる、アイドルのCDか他のゲームソフトか、CDによっては最初から強力なモンスターを召喚できるかもしれない。 モンスターは経験を積むことでより強力な存在となる。体の大きさが違ったり、角が生えてきたり体色が変化したりとより個性的に変化する。また、ペットモンスターは年齢を持っている。年を取りすぎるとステータスが落ちたり成長が鈍くなる。この時は神殿に行きモンスターを転生させたり、合成させたりすることができる。出会いと別れを繰り返しながら、自分だけのモンスターを追求するのが本作の醍醐味なのだ。 戦闘システムもユニークだ。本作ではモンスターに「遠」、「中」、「近」の攻撃と、「行け」、「もどれ」という命令ができる。モンスターによって得意な距離が設定されていて、それはターゲットを囲む円の色で確認することができる。敵が遠い場合は青色、中距離は黄色、近距離は赤になる。自分のモンスターの得意なスキル、距離に合わせて「行け」と「もどれ」を使うことで有効に攻撃ができる。
スタッフによればこの距離を使った駆け引きはモンスター以上に「対戦」で有効になるという。試遊バージョンでは実装されていなかったが、ワールドトライアルで実装されるテストとして体験した際、プレーヤーの読み合いが熱くなる。またパーティvsパーティの時にはモンスターの得意な戦い方をさせるにはどうしていくか、読み合いと判断の素早さ、正確さが問われる。「モンスターファーム」シリーズは「対戦」も大きなセールスポイント。本作もこれは継承され、積極的に戦いを楽しめる作品になるという。
この他、生産要素やアイテム合成などのアイデアもあるということで、本作がどのような感触を持つ作品になるかは予想ができない。シリーズを受け継ぎながら独特のオンラインゲームになりそうである。個人的には戦闘の駆け引きに、日本の開発者ならではのバランスと戦略性を期待したい。
■ SFと武侠もののユニークな融合、世界観と派手な演出、「ハルカ」
「黄易(ウォン・イー)」という香港のベストセラー小説家の作品からいくつかのエピソードをピックアップしている本作のユニークなところは「武侠もの」と「SF」が混じり合っているところだ。プレーヤーはタイムマシンを使う未来人であり、スタート時には、中国の秦の時代を目指していたところ、タイムマシンの故障で隋の時代にたどり着いてしまう。当初の目的はタイムマシンを直すため冒険をすることになる。この後様々な時代を行き来することになるという。 試遊台でのキャラクタは鎧以外は全てその時代のものを使用しているという設定だ。華やかな古代中国の都に、体の線をはっきりと現わすボディースーツを着ている男が立っているのは、独特の雰囲気がある。課金アイテムの中にはバイクや真っ赤なオープンカーなどもあるようでさらにユニークな世界が展開するようだが、今回は残念ながらアイテムモールはオープンしていなかった。 キャラクタの操作などのインターフェースは韓国・台湾製MMORPGを踏襲しており、オンラインゲームプレーヤーならすぐになじめる。この他「PDA」を使って情報を調べたり、マップを表示して目的地をクリックすると障害物を自動的に回避して移動するなど、便利な機能を一通り実装している。「攻城戦」や「インスタンスダンジョン」なども盛り込まれており、ゲーム要素はかなり充実しているという。特に1日に1回しかパーティーで挑戦できないインスタンスダンジョンでの「時限ミッション」は人気だという。 「ハルカ」では武器は中国武術で使用される刀や棍などを使う。獅子の頭のような形をした拳を覆うナックルなどもある。キャラクタには武器に対応したスキルが多数用意されている。独特だと感じたのが各武器初期スキルが一定時間自分の力を増すものになっており、これを発動させて戦う所だ。より派手な攻撃スキルの他、特別なポイントを使って一定時間更に攻撃をアップさせる「我武者羅(がむしゃら)」という能力も持っている。 ちょっと気になったのは、初期スキル発動中は常に気力が減少しており、体力と気力を回復するため初期から1回戦闘が終わると座って回復をして行かなくてはいけない。ゲームショウのバージョンではスキルが強いわりにキャラクタののレベルが低く、実際のゲームとはバランスがどうなるかが見えなかったが、この休憩時間を短縮させる課金アイテムもあるとのことで、回復のための休憩を織り交ぜて戦う、という展開になりそうだ。 小説をベースとしたストーリー性の高いクエストや、各フィールドの特別な地域に登場するボス、イベントシーンなどこの他にも本作は多彩な要素が盛り込まれているという。ちょっと残念だったのは、「ハルカ」の試遊台がイベントステージの真向かいにあるため、ひっきりなしに開催されるイベントに背を向けてゲームをプレイする、という気持ちになかなかなれない。このためビジネスデイでは試遊台に座るユーザーが少なかった。他の出展タイトルに比べグラフィックスのテイストが、第一印象として「ありふれたMMORPG」に見えてしまう部分もあるかな、とも思った。
多くのMMORPGがリリースされている台湾市場で瞬く間にNo1の地位を獲得した本作の魅力は課金アイテムが盛り込まれる正式サービスで明らかになるだろう。PvPやPK、自動的に資源を採取するAIシステムなど今回体験できない要素も非常に多い。何よりも古代の中国世界にスポーツカーが爆走するような混沌な世界を早く見てみたい。正式サービスが楽しみな作品である。
■ モンスタープレイを強化し、より激しい戦闘展開する「LOTRO」。年内に更にもう一度アップデートを実施
「LOTRO」ユーザーにとって最も興味のある9月27日に実装が予定されている大型アップデート「第十巻 王の都」はイベントでその要素を触れるという形で、試遊台で要素を先行体験できない部分は少し物足りない部分も感じてしまう。 一方で、今回のゲームショウに合わせた、というところもあるが「指輪っ娘」のがんばりは評価したい。“仕事”の一面を持ちながら彼女たちはこのイベントで活躍するためゲーム内でレベルアップに励みどのメンバーもレベル40近くまで成長した(現在のレベルキャップは50)。 メンバーの中には40人を超えるメンバーを持つキンシップ(ギルド)リーダーも誕生した。彼女たちがゲーム世界を活発にした一面は確かにあり、ゲームの中で冒険を共にした彼女たちに実際に会うのが楽しみ、というユーザーも多そうだ。一般日では「off会」の雰囲気も出てくるかもしれない。 「第十巻 王の都」は「九巻」で実装された巨大な泉イヴンディムのほとりにある「アンヌーミナス」という廃墟となった都が実装される。ここでは今まで以上に激しく善と悪が激しく争うことになるという。アンヌーミナスでは30ものクエストが用意され、更に高レベルキャラクタ向け連続クエスト「エピック第10巻」が実装される。このエピックは14ものチャプターが用意されており、かなり濃密な冒険が体験できそうだ。この他にも、「エルド・ルイン」や「塚山丘陵」といった既存の地域にもクエストが追加される。 今回のアップデートの目玉が「モンスタープレイのバランス変更」だ。「LOTRO」ではプレーヤーキャラクタがレベル10になるとオークやワーグなどのモンスターキャラクタを作ることができる。モンスタープレーヤー(MP)はレベル40以上のプレーヤーキャラクタが参加できる「エテン高地」でRvRを楽しむことができる。MPの消耗品の価格が下げられるなど、先行して実装されているアメリカではMP側が有利になったという声も大きく、実際のバランスを体験してみるのが楽しみだ。 さらに宿命点というポイントを消費することでMP側は「トロル」、プレーヤー側は「野伏」に一定時間変身できる。変身するとキャラクタの力が大きく増し、戦い方によっては不利な状況を覆すことができるという。変身できるプレーヤー数は勢力のバランスによって制限がかかっており、有利な場合は少ないプレーヤーしか変身できない。この他にも拠点の防衛と攻撃にも新要素が盛り込まれる。アップデート後のエテン高地では今までとはひと味違った戦いが展開しそうだ。 この他、生産やキャプテン、ハンターといったプレーヤーのクラスにも新要素が加えられる。マップをクリックすると別のマップが出てしまう、といった不具合も修正される。また、「名声」という要素が追加され、特定の勢力での追加クエストや専用地域でのアクセスが可能になるという。
イベントではさらに次のアップデート「BOOK11(仮)」の年内実施も発表された。自分の家やキンシップの拠点を持つことができる「ハウジングシステム」、さらに「指輪物語」を代表する強力なモンスター「バルログ」も登場するという。そして「指輪物語」の主人公フロドを追いかけ、物語でも重要な役割を担うことになるゴラム(ゴクリ)との出会いも用意されている。キャラクタのレベルキャップは解除されるか? など、詳細が気になるところだ。まずは「第十巻 王の都」の実装、そして今後の情報を待ちたい。
Published by Gamepot Inc. (C)TECMO,LTD.2006
□「Lievo」のページ (2007年9月22日) [Reported by 勝田哲也]
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