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6月21日16時からオープンβテストが始まり、より多くのユーザーが触れることが可能となる「モンスターハンター フロンティア オンライン (MHF)」。本作はコンシューマで人気を博しているアクションゲーム「モンスターハンター」シリーズでは初となるWindows版である。 しかしながら、PCゲームファンの中には、「モンスターハンター」ってなんぞや? という方や、タイトルは知っていてもそのゲーム内容は詳しく知らない、という方もおられるだろう。本連載では、そんな読者に向けて「『MHF』を遊ばないのはもったいない!」と言わんばかりに、本作の魅力を1から伝えていく。
なお本連載においては、正式サービス開始以後も無料でプレイできる「トライアルコース」までの内容を対象としている。ベテランハンターの方々には少々物足りないかもしれないが、あくまで初心者を対象とした読み物としてご理解いただきたい。
■ 「モンスターハンター」ってなんですか?
ハンターたちが目的とするものは、日々の糧ではなく、存在そのものが人々の脅威となるモンスターの討伐と、その肉体から得られるレアで有用な素材の入手だ。このことから本作におけるハンターとは、大自然の中で生きる賞金稼ぎのような存在だといえる。 狩りの対象となるモンスターは、恐竜のような巨大な肉体をもつ爬虫類らしいものをはじめ、サルのような哺乳類や水生生物、昆虫のようなものもいる。狩りのフィールドは密林や砂漠、沼地など、いかにも秘境といった場所ばかり。ファンタジー世界のような印象を受けるかもしれないが、凶悪なモンスターでも夜は巣で眠っていたり、草食のモンスターが草を食んでいたりと、実に生物らしさを感じさせる。これも「モンスターハンター」ならではの世界観を作り上げる一因となっている。
ハンターは片手剣や大剣、ランス、ボウガンなど、全11系統の武器を扱える。武器によって狩りの仕方は大きく異なるが、魔法のような超自然的な力は存在しない。しかし火薬のような効果を持つアイテムで爆弾をしかけ大爆発させるなど、派手な戦法をとることもできる。人の肉体と英知を駆使してモンスターと渡り合うという狩りに終始するのも、世界観構築の一助となっている。
ゲームとしての「モンスターハンター」を見ると、まず何より先に、あくまでアクションゲームであり、RPGではないことを強調しておきたい。本作には経験値の概念がなく、いくらモンスターを倒してもレベルアップはしないので、直接的なハンターの強化にはつながらない。ハンターの強さは、装備する武器・防具と、本人の腕前が全て。そのため、より強力なアイテムを入手することがゲームの目的となるわけだ。ただ時間をかけるだけでは意味がなく、「次はこのアイテムを手に入れる」という目的意識が必要となる点で、従来のRPGとは大きな差別化が図られている。 なお、ハンターには職業という概念も存在せず、装備する武器によってできることやクエストメンバー(パーティ)の中での役割が変わる。装備品を変更するという少ない負担だけでいろんな遊び方が楽しめるというのも、これまでになかったゲーム性のオンラインゲームであるといえよう。
そして「モンスターハンター」シリーズにおいて変わらずに残り続けている要素が、「多人数プレイを志向したゲーム性」である。中でも「MHF」は、インターネット接続が必須となっており、オンラインプレイに特化している。システム面でも、ハンター同士で作るコミュニティ「猟団」をはじめ、サーバー上のルームの収容人数の増加、Skypeによるボイスチャットのサポートなど、オンラインゲームとしての遊びやすさが強化されている。
■ 「モンスターハンター」の魅力は何ですか?
ゲームを始めていきなり「今日からあなたはハンターです」と言われても、いったい何をすればいいのか戸惑ってしまうかもしれない。1人のハンターとして本作の世界に降り立った後、どのようにハンターライフを始めればいいのかを、順を追って見て行こう。 まず初めに、酒場の中に存在するハンターズギルドに登録することで、1人のハンターとして認められる。これにより、いくらかの準備資金が手渡された後、クエストを受けられるようになる。 クエストは、特定のモンスターの狩猟や、アイテムの採集など、複数用意されている。指示された内容を達成すれば、お金やアイテムを報酬として受け取れるという仕組みだ。舞台となるフィールドは、密林、砂漠、沼地など数種類あり、生息するモンスターの種類もフィールドごとに異なる。
クエストの中には、「キノコを取って来い」といったものもあり、必ずしも戦闘が必要になるわけではない。ただ、ハンターに敵意を向けてくるモンスターが出現することがあるため、必然的に撃退する必要はあるだろう。ちなみにモンスターは、それぞれ固有の行動パターンを持っている。何回も狩りに出ることでそのパターンを学習すれば、今まで苦戦した強いモンスターを倒せるようになる、というアクションゲームらしいバランスが取られている。
クエストは目標の達成が主目的になるのは当然だが、それ以外にも目的とは関係のないモンスターを倒したり、採集や採掘をして、さまざまな素材を入手できる。これらの素材を街の中の武具工房に持っていき、料金を支払うことで、武器・防具の生産や強化ができる。 前述のとおり、ハンター自身の成長というRPG的要素が存在しない「モンスターハンター」では、装備品の強化・生産はハンターの強化に直結している。例えば、すべてのハンターが初期装備として持っている「ハンターナイフ」という片手剣は、「ハンターナイフ改」、「ハンターカリンガ」とより強力な武器に強化できる。「ハンターナイフ」では倒すのに苦労したモンスターも、「ハンターカリンガ」では3、4回攻撃しただけで倒せてしまう。さらに強力な武器を作り出すためには、それなりの努力を強いられるが、それだけの価値があることを狩りを通じて確かめられるわけだ。 自分の手で集めてきた素材を使って新たなものを生み出す、というだけでもなかなかの達成感が得られるが、本作はそこでは終わらない。努力して集めた素材から作った強力な武器で、これまでは歯が立たなかった宿敵ともいえるモンスターに立ち向かい、激闘の末に仕留める! ここでもまた新たな達成感が得られる。 そして倒したモンスターからは新しい素材が手に入り、その素材から作り出した武具を使って、さらに強いモンスターを倒しに行く。そのモンスターからは、さらに新しい素材が手に入り、その素材で武具を作り出してモンスターを倒しに行く……。このサイクルを繰り返すことで、自分が強くなっていく実感とともに、終わりのない達成感を味わえる。数字だけでキャラクタの成長を表現してしまうRPGでは味わえない、本作ならではの喜びがここにある。
ちなみにクエストを達成することで、ハンターにはポイントが与えられ、それによってHR(ハンターランク)が上昇していく。HRが上がると新しいクエストがハンターズギルドから斡旋され、今までよりも強力なモンスターを狩りに行けるという仕組みになっている。
そして何より「モンスターハンター」の面白さを語る上で欠かせない重要な要素が、人と協力して困難を乗り越える楽しさである。 「モンスターハンター」でハンターが挑むことになるモンスターは、巨大で強力なものが多い。特にボスクラスのモンスターたちは、1人で立ち向かうには厳しいバランスになっており、たとえ行動パターンを完全に読んでいても長期戦を強いられる。しかし、一緒に戦う人数が多いとそれだけモンスターに与えるダメージも多くなり、スムーズに狩りを進めやすい。そしてその戦果として、1人では手に入れることができなかった素材を入手できる。
初めは「強いモンスターを倒し、新しい素材を手に入れる」というメリットのためにクエストメンバーを集めていても、それを続けていれば、いつのまにか生死を共にした仲間になっている。それこそがオンラインゲームの最大の魅力といえるだろう。
オープンβテストから1週間後の6月28日には、正式サービスの開始が予定されている。本作はクライアントソフトは無料配布ながら、「ハンターライフコース」と呼ばれる定額課金制を採用しており、30日1,400円、60日2,660円、90日3,780円という価格設定となっている。 ここで注目すべき点は、HR2までは無料となる「トライアルコース」の存在だ。これはクエストを達成してHR2になった時点で遊べなくなるのではなく、HR3以上のクエストを受けるには、課金が必要になるという意味だ。つまり、HR2までのクエストならば、いくらでも無料で遊ぶことができる。 プレイを続けていけば、低難易度のクエストだけでは満足できなくなるだろうが、本作の面白さは「トライアルコース」でも十分に理解できるはずだ。「モンスターハンター」をプレイしたことがない人も、まずは一度、本作に触れてみてはいかがだろうか。
次回からは「MHF」の内容に踏み込んでいく。第2回は、実際にモンスターから素材を集めて、防具を作るところを紹介していく予定。ゲームとあわせて、こちらもぜひご期待いただきたい。
□カプコンのホームページ (2007年6月21日) [Reported by 眞鍋航希]
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