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今回実施された第3次クローズドβテストでは、サーバー環境が強化され、2サーバーでのスタートとなった。ラグやサーバーの重さが解消されるなどシステム面の不具合が一気に改善され快適にプレイできるようになった。 そして、「ホドミメス」エリア、「プロンテラ」エリアに次ぐ第3のエリアとして、鉄と蒸気機関をテーマとした近代都市「コグニート」エリアが実装された。コグニートは中世的な「RO2」の世界には不釣合いな、巨大な列車砲や鉄門がそびえる近代工業地域だ。最初こそ違和感を感じたものの、「RO2」の世界にしっかり落とし込まれ、「RO」の鋼鉄都市「アインブロック」をイメージさせる武骨な世界を再現できている。 システム面では、第2回レポートでお伝えした、NPCやユーザーキャラクタ同士の「当たり判定」が無くなり、キャラクタ同士が接触してもそのまま透過するようになった。また、ユーザー間の取引をサポートする経済システムが実装され、プロンテラのマーケットNPCを通じてアイテムの売買が行なえるようになった。 ユーザー同士のインタラクションでは、エモーションの種類が追加されたほか、武器の様態を変化させる「オオゼ」や装飾品が数多く追加され、ユーザーキャラクタの個性の表現方法のバリエーションが大幅に広がった。さらにはイスに腰掛けたり、座っている女性キャラクタに膝枕をしてもらうことができるといったキャラクタのインタラクションが追加された。その表現もなかなか秀逸で、キャラクタの個性と合わせて今回もっとも面白かったアップデートとなった。
その一方で、経験値のバランスはかなり厳しいものになり、レベル上げが難しくなった。待望の新エリアはレベル制限されたために、レベル上げを得意とする韓国のユーザーでさえも到達できた人が限られたほどだった。5月28日より始まるオープンβテストでは、経験値バランスがどう変わるのか要注目である。 ■ レベル25以上対象の新エリア「コグニート」。そびえ立つ列車砲は圧巻!!
コグニートエリアへは、初心者の街「ホドミメス」と王都「プロンテラ」を結ぶ港から、反対側の汽船に乗ることで向かうことができる。対象レベル25以上からとあり、レベル30以上の強敵揃いの地域だ。 コグニートはエリア全体5マップで、街部分にあたるコグニートノブレス地区、コグニートスラム地区の2マップの他、コグニート外郭西部、コグニート外郭東部、マリ要塞内部の3マップからなる。
筆者はクローズドβ最終日にようやくコグニートを訪れたが、あまりの人の少なさに愕然とした。復活地点の街の中心部に数十人のユーザーが常時たむろしているプロンテラと異なり、エリア全体でも多くて数十人といったところ。この閑散とした状況は、開発側としてもやや誤算だったのではないだろうか。
■ マーケットシステム実装! 散在する露店方式から一括集約方式へ
マーケットシステムでは、自分が所持しているアイテムを、出品期間や数量に応じた手数料を支払うことにより、マーケットの商品一覧に並べることができる。購入者は、値段や種類、名前などで検索して、好みのアイテムを購入することができる。「ファイナルファンタジー XI」の競売によく似たシステムだ。 「RO」では、商人系やスーパーノービスなどの職業で露店を出し、商売する場所や露店のタイトル、アイテムの並べ方を自由に変えられ、「お店屋さん」を楽しむことができた。購入希望者にとっても、ひとつひとつ値付けもアイテムもがらっと異なる露店の群れを見て歩くウィンドウショッピング的な楽しみがあったが、「RO2」ではこれはなくなった。 マーケットシステムは登録されたアイテムに検索をかければすぐに望みの商品に到達できるものの、やや無機質な印象は否めない。しかし、マーケットには10日間という短い期間にも参加したユーザーによってさまざまなアイテムが並べられ、アイテムによるおおよその相場ができあがっていたことは興味深かった。
人気のあったアイテムは、武器の様態を変化させることのできる「オオゼ」。武器のビジュアルを変化させるためのものだが、見た目に変化をつけるアイテムは人気が高く、いずれも高額で取引されていた。
■ 毛先をもてあそんだり、時々おでこを小突いたりする萌え萌え要素満載の「膝枕システム」 第3次クローズドβテストで目玉要素となったのが「膝枕システム」だ。萌え系の演出として実に良くできている。座っている女性キャラクタに膝枕を依頼し、許可を得ると、男性キャラクタが女性キャラの膝の上に頭を乗せて寝そべる。ハートマークがフワフワと浮かび、ほのぼのとした雰囲気になる。 このシステムのユニークなところは、膝を載せてハートマークが出て終わりではないところだ。男性キャラが女性キャラの髪の毛を片手で触ってくるくると巻きつけて何かしゃべっている。すかさず「こいつ~」と男性キャラのおでこを人差し指でツンツンする女性キャラ。時々口を動かすギミックが絶妙で、この「萌え」表現には筆者もついついニヤけてしまった。 環境へのインタラクションの面では、イスやベンチにも腰掛けることができるようになった。イスなどの腰掛けられる場所はカーソルを合わせると右クリックで座れるように設定されており、すべての段差がある場所で腰掛けられるわけではない。ベンチやイスはそれぞれ1人掛けや3人掛けのように定員が決まっており、今後そうした場所が増えていくものと考えられる。
布団に包まったり、頬を張ったりなど、オブジェクトやキャラクタに対するインタラクションがどのように進化していくのか非常に楽しみである。
■ 戦闘システムやレベルバランスに腐心。新種族のアップデートに期待
また、ポーションが店から買えなくなりドロップからのみとなった。店売りではポーションの代用の芋などが購入できるようになったが、ゲーム開始直後では手の出ない値段設定になっている。さらには消費アイテムの使用ディレイが伸び、戦闘そのものの難易度は格段に上がった印象だ。 そればかりかパーティープレイでの取得経験値ボーナスが削除され、ユーザーにとって効率的にEXPを稼ぐ手段が少なくなってしまった。パーティーを組んでいても、自分たちと同じくらいのレベルの敵でなければ相手にならず、ヒーラーであるエンチャンターの存在は必須というわけだ。こうした点で、ホドミメス島でレベルアップを挫折してしまったユーザーも多かったのではないだろうか。 テストの締めはスクリーンショット撮影会となった。新エリアに到達できたユーザーが少なかったためか、プロンテラとホドミメスの2箇所で行なわれた。テストの途中からでも経験値バランスを変えるなど、より多くのユーザーに新要素を体験してもらえる環境づくりが次回の課題となるだろう。 総評としては、新エリアをほとんどのユーザーが満喫できなかったという面がある一方で、毎回変わる経験値や戦闘のバランスからも長期的なゲーム運営を見越したGravityのゲームバランスへのこだわりと前向きに捉えたい。単純な戦闘面の難易度調整だけでなく、ゲーム全体のバランスが決められるにはもう少し時間がかかるかもしれない。 また、今回「オオゼ」や装飾品が大幅に増え、環境へのインタラクションが可能になるなど、キャラクタの個性表現が大きく可能となった点は高く評価したい。ノーマン以外の新種族や新エリアの実装と併せて、こうしたゲームを側面から楽しくする要素の進化にも期待したいところだ。
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□Gravityのホームページ (2007年5月17日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦 尋一]
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