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会場:幕張メッセ
入場料:1,000円(前売700円) 今回のタイトーブースは、昨年11月に開催された新製品内覧会の出展タイトルがメイン。時期的に厳しかった面もあるが、それでもキッズ向けからメダルまで幅広いラインナップを取り揃えるあたりは、さすがアーケード老舗の貫禄といったところか。 来場者の注目を集めていたのは、なんといってもスクウェア・エニックスのキッズ向けカードゲーム「ドラゴンクエストモンスター バトルロード」。展示のみでプレイはできなかったが、コーナー上に上映されるプロモーション映像に多くの人が見入っていた。
本誌既報のタイトルは軽く触れるにとどめて、まずは初のお披露目となったレースゲーム「CHASE H.Q.2」からご紹介していこう。
● CHASE H.Q.2
「ナンシーナンシーって、ゲーム本編の話はどうなってるんだよ!」と怒られそうなのでこのあたりに止めておくが、肝心の内容は「これぞまさしくチェイスH.Q!」といったところ。やや光沢がかったトゥーンシェードのグラフィックに目を奪われがちだが、逃走車両を追い詰めていくジリジリといたプレイ感覚は、あの頃と同じか、それ以上といっていい。 ゲーム開始直後、プレーヤーは「パトカー」、「マッスルカー」、「スポーツカー」の3タイプから好きなクルマを選択。それぞれハンドリング、車体をぶつけたときの威力、トップスピードなど性能が異なる。カラーは3色から選択可能。新車なのだろうか。いずれもピカピカで、これからコイツを逃走車両にガンガンぶつけるかと思うと、ゲームながら「勿体ないなぁ」などと考えてしまう。 海外で先行稼動するためか、出展筐体は一部メッセージを除き北米仕様。実写調のナンシーも英語でアドバイスしてくるため、英語が苦手な筆者は画面内の方向指示に従って逃走車両を追跡する。操作系は、ハンドル、アクセル、ブレーキ、ギア(ローとハイ)、ニトロボタン、ビューチェンジボタン(ボンネットと後方の2段階)。このほか、ゲームに何ら影響はないが筐体上のパトライト点滅用ボタンが用意されている。 マイカーの動きは滑らかでストレス皆無。ただし逃走車両はそれこそ必死で逃げているため、追いすがるには相応のテクニックが必要。進行ルートにはニトロアイテムが落ちていたり、要所にショートカットが設定されていたりする。ステージによってはレース中のNASCARコースを逆走するという刺激的なシチュエーションまで存在する。 逃走車両にはライフゲージが設定されており、マイカーをぶつけてダメージを与え、これをゼロにすると逮捕。コツコツ当てるのではなく、ニトロで壁に押し付けて連続でぶつけると高得点と大ダメージが狙いやすい。ただし、ニトロは3つまでしかストックできず持続時間も短め。要所で使わないと、いざというとき本当に困ることになる。なお、逃走車両の停止に成功すると、プレーヤーの階級がスコアに応じて上昇。階級は訓練生から始まり、巡査、巡査部長、警部補、警部、署長まで上がっていくようだ。
とっつきやすいカジュアルなレースゲームだが、きちんと追い詰めるには考えないと必ずどこかでつまづく。ニトロ発動時の疾走感、狙いが的中して逃走車両に大ダメージを与えられたときの爽快感。このあたりのバランスが実にいい感じで、失敗するたびに悔しくて何度も再チャレンジしたくなる。個人的には同社ブースイチオシ。正式稼動時期は未定。
(C)TAITO CORP.2006
● ドラゴンクエスト モンスターバトルロード(スクウェア・エニックス)
既報のとおり、カードを使ってモンスターを呼び出し、3体のモンスターで1つのチームを作成。3対3でバトルを行なう。モンスターカードは、筐体手前にあるカードリーダーでスキャンして読み込ませる。モンスターカードには、ヒットポイントや能力パラメータのほか、筐体に設置されている2つのボタンそれぞれに対応した必殺技と威力が記されている。 興味深いのは、モンスターには特殊な組み合わせが存在すること。筐体前面のインストラクションにはゴーレムとスライムを組み合わせたときのヒントが記されており、こうした組み合わせを探すのもゲームの大きな楽しみのひとつになりそう。また、技ボタンを素早く入力したり、攻撃にあわせてタイミングよくボタンを叩くとオーブに“勇気”が溜まるという。このあたりもバトルに与える影響が少なくなさそうだ。 プロモーション映像を見ると、筐体中央にある“勇者の剣”は、勇者が助けてくれるスペシャルカード使用時など、特定条件でギミックが作動する模様。従来のキッズ向けカードゲームにはこうした“仕掛け”があまり無かっただけに、子供たちにどのように受け止められるかが気になるところ。
コーナーにはサンプルカードのほか、バインダー、カードケースなどの関連グッズも展示されていた。派手なアクションが炸裂する戦闘シーン、コレクション意欲を刺激するモンスターカードの絵柄と、ドラクエファンならずとも興味をそそられる要素が随所に散りばめられている。今夏稼動予定。
(C)2007 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)KOICHI SUGIYAMA
● ダイノマックス
今回のティラノサウルスは“化石”となり立体ギミックとして抽選機の役割を果たす。メダルを払い出すのは、ティラノサウルス同様に人気の高いトリケラトプス。筐体内をグルグル回る様子は圧巻で、シートに座って見上げたときの姿は迫力に満ちている。
本作は最大8人まで同時プレイが可能。スタートチェッカーめがけてメダルを投入し、通貨させると前面にある15インチ液晶モニタ内のスロットが回転。デュアルスクリーンになっており、3D映像を駆使した立体感のある演出が楽しめる。3月稼動予定。
(C)TAITO CORP.2006
● バトルファンタジア
ファンタジックな世界観と、緻密なグラフィック。スクリーンショットを見ただけでは伝わりづらいかもしれないが、これが実に滑らかに動く。ただし、滑らかに動くといってもスピード感を損なわないギリギリのレベルで調節されており、このあたりのさじ加減は数多の2D格闘ゲームを手がけてきたアークシステムワークスならではといえる。
既報のとおり、相手の攻撃タイミングに合わせてガチボタンを使う「ガチバトルシステム」など、意欲的な取り組みが本作にはいくつか見受けられる。相手の攻撃にあわせる「ガチマッチ」、ガードしつつ吹っとばす「ガチドライブ」、いずれも失敗したときの隙が大きいため、リスク・リターンの関係がはっきりしているのが特徴。使いこなすごとに、自信のスキルアップが実感できる。4月稼動予定。
(C)2006 ARC SYSTEM WORKS CO.,LTD
■ AMI AMIブースはビデオゲームを中心とした出展内容で、今回もショーの開催時期に合わせてケイブが開発した新作シューティングゲーム「むちむちポーク!」が出展されており、来場者の注目を集めていた。 その他、クイズゲームの「すくすく犬福2」をはじめ、パズルゲーム「のーコネパズル たころん」、メダルゲームの「メダル麻雀もうかり番長」が昨年秋のAMショーに続いて出展されていた。
「のーコネパズル たころん」、「メダル麻雀もうかり番長」の両タイトルについては昨年のAMショーブースレポートで既に取り上げているので、今回のレポートでは初出展となった「むちむちポーク!」と「すくすく犬福2」の2タイトルに絞ってお伝えしていくことにしよう。
●「むちむちポーク!」 ケイブお得意の縦スクロールシューティングゲーム。自機は3種類の(むちむちボディの)ヒロインで、それぞれ移動速度や攻撃の性能が異なっている。8方向レバーで自機を動かし、オート連射つきのショット、特殊攻撃の「ラードアタック」、およびボンバーの3種類の武器で敵を攻撃する。 昨年同社から発売された、多数の女性キャラが登場する異色の作品「ピンクスゥイーツ」ほどではないが、ヒロインについては“萌え路線”を強調したデザインになっている。ただし敵のキャラクタに関してはこの限りではなく、内容はあくまでハードなシューティングだ。 今回のウリは、ラードアタックを使った得点稼ぎ。この特殊攻撃で敵を倒すと金塊が出現し、これを回収すると高得点が加算される。耐久力の高い大型の敵や、複数の敵をまとめて倒すとより大きな金塊が出るようになっているようだ。 ラードアタックを使用するとゲージが消費され、ゼロになると撃てなくなってしまうが、敵を倒したときに出現するブタを回収するとゲージが回復するようになっている。この攻撃をいかにうまく利用して得点稼ぎパターンを構築するかが、プレーヤーの腕の見せどころとなるだろう。 また、自機がパワーアップするとオプションが装着され、各キャラクタごとにオプションから発射されるショットの性能がまったく異なっているのも注目したいポイント。広範囲をカバーする拡散ショット、当たると爆発して周囲の敵を巻き込むスプレッド型、および一度狙った敵を自動的にロックオンしてくれるタイプとがあり、それぞれ異なる攻略法を考えてプレイできるのが嬉しい。
昨年登場した「虫姫さま ふたり」に比較すると、画面中が弾幕で覆い尽くされるような場面は特に見られず、弾のスピード自体もそれほど速くはないようだった。今回の出展では初級モードしかプレイできなかったこともあるが、初心者にもなるべく楽しめるように配慮した作品に仕上がりそうだ。
(C)2007 CAVE CO.,LTD.
●「すくすく犬福2」 '98年にビデオシステムから発売された「すくすく犬福」の続編となるクイズゲームで、今回開発を担当したのはハムスター。ルールは前作と同じで、3択または4択形式で出題されるクイズに答えていく形式で2人同時プレイも可能。クイズの成績などに応じて、プレーヤーと行動をともにするかわいらしいペット“犬福”が成長していく姿を楽しめる。 かつて前作を遊んだ記憶をたどりつつプレイしてみたが、クイズのジャンルが前よりも幅広くなりバラエティに富んでいるという印象。以前の作品ではマンガ・アニメに関する出題が頻出するのが特徴であったが、今回は特定のジャンルに偏って出題されることはないようだ。ときどきボタン連打などの簡単なミニゲームが発生したり、なるべく早い時間に正解することで高得点が得られるシステムなども引き続き継承されているので、前作を知るプレーヤーであれば特に違和感なく楽しめることだろう。ただし、全100問のクイズに挑戦する“クイズ地獄”モードは残念ながら今回は登場しない。
クイズだけでなく、成績に応じて“犬福”の力や素早さなどのパラメーターが変化し、これらの数値によって“でぶ福”や“ちび福”などのユニークな姿が見られ楽しさも健在。前作同様に多くの女性ファンの支持を集め、全国各地のゲームセンターで長期間稼動のヒット作となるかどうか、ぜひ注目したい作品だ。
(C)2007 HAMSTER Co. (C)VIDEO SYSTEM (C)横山浩子
□タイトーのホームページ http://www.taito.co.jp/ □AMIのホームページ http://www.ami-toy.co.jp/ □全日本アミューズメント施設営業者協会連合会のホームページ http://www.aou.or.jp/ □「AOU2007 アミューズメント・エキスポ」のページ http://www.aou.or.jp/04/expo/expo2004.htm □関連情報 【2月16日】「AOU2007アミューズメント・エキスポ」開幕 「鉄拳6」、「オトメディウス」など新規タイトル出展 http://watch.impress.co.jp/docs/20070216/aou1.htm 【2006年12月12日】スクウェア・エニックス、DS「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」発表 Wi-Fiで4人同時プレイに対応したオンラインアクションRPG http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061212/dq.htm 【2006年11月14日】タイトー、「新製品内覧会」開催 シンプルで読みあいが楽しい「バトルファンタジア」がメイン http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061114/taito.htm 【2006年9月15日】「第44回アミューズメントマシンショー」ブースレポート ~タイトー編~ SNKプレイモア、タイトーのシステム基板「TAITO Type X2」で「KOF XII」を開発 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060915/taito.htm 【2006年2月17日】「AOU2006 アミューズメント・エキスポ」ブースレポート ~タイトー編~ 「チェイスH.Q.」と「バトルギア」続編を映像出展 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060217/aou_tt.htm (2006年2月16日) [Reported by 豊臣和孝/鴫原盛之]
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