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【連載第85回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

PSPで“撮る”“観る”を楽しむ「ちょっとショット」
シリコンで固定する新方式のDS Liteカバーなどを紹介


当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。



 PSPがカメラになる、という公式アクセサリー「ちょっとショット」を早速レポート。名称どおり「ちょっと」写真を撮るというコンセプトがPSPに加わることで、どんな楽しみが得られるのか? カメラとしての実力はどうか? 詳細を探っていく。他にも、DS Lite用グッズから、ロアスのブックカバータイプの合皮カバーとシリコンカバーが組み合わさった製品「ニンテンドーDS Lite用シンプルカバー」、HORIの多彩な収納をもつ布製ケース「ウォレットポーチDS Lite」、さらにPSP用グッズからHORIの「シリコンカバーポータブル」をレポートする。

【今週のおしながき】
「ちょっとショット」
「ニンテンドーDS Lite用シンプルカバー」
「ウォレットポーチDS Lite」
「シリコンカバーポータブル」



● 撮る・見るを遊びにして“ちょっと”楽しむ「ちょっとショット」

「ちょっとショット」

    メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
    価格:5,000円
    サイズ(カメラ):縦cm×横cm×厚さcm
    重量(カメラ):9g
    カメラ、編集ソフト「ちょっとショットEdit」、カメラ専用ケース付属

 「ちょっとショット」は、USB端子に接続する「カメラユニット」と、撮影・編集用UMDソフト「ちょっとショットEdit」がセットになった製品。PSPのUSB端子を活用する製品としては、2005年の11月17日に発売された「トークマン」のUSBマイクロホン以来となる。

◆ 外観をチェック

「ちょっとショット」のカメラユニット。撮影中はレンズ左にある小さなランプが赤く光る
 カメラユニットは全体がシルバーに塗装されているが、プラスチック製。レンズは手前と奥に190度回転し、被写体撮りと自分撮りに対応する。レンズのリングを回すことで通常モードと接写用のマクロモードを切り替え可能だ。一見カメラ機能だけにも思えるが、側面にはモノラルマイクがついていて、音声も録音できる。

 USB端子用のコネクタが中央にあり、左には指で回せるネジがある。右側はUMDスロットの開閉に影響してしまうためか、ネジではなくネジ穴にはまる突起がある。カメラユニットの重量は9gと非常に軽量だ。また、カメラユニット収納用のケースが付属している。グレーの半透明プラスチック製で、サイズは縦3.7cm×横4.7cm×厚さ2.0cm。4gと軽い。その他、カメラユニットのスペックは以下の通り。

・有効画素数は131万画素。レンズは広角レンズF2.8、35mm換算で28mm
・通常モードの最適撮影距離は、40cm~無限。マクロモードの最適撮影距離は7cm
・記録フォーマットは静止画がJPEG 動画はMotion JPEG

マイクはカメラユニットの側面に取り付けられている。マイクを回すとレンズが回転する 写真内左はPSPの前面側に、右は背面側へ最大までレンズを回転させた状態だ こちらはカメラユニット専用のプラスチックケース

◆ 実際に使ってみた

カメラユニットをPSPに装着。1つのネジを回すだけで着脱できる
 当初から「ちょっとショット」に感じていたのは、携帯電話のカメラ撮影機能の手軽さに勝てるのだろうか? それともまったく異なる魅力があるのだろうか? という疑問だ。もはや単純にいろんなシチュエーションで手軽に記録するということでは、携帯電話に比するものはない。携帯ゲーム機ならではの撮影する楽しさはあるのだろうか?

 「ちょっとショット」の機能は大きく分けて、「静止画撮影のフォトモード」、「動画撮影のムービーモード」、「静止画・動画の編集機能」となる。これらの使い勝手などレポートしつつ、「ちょっとショット」ならでは、という楽しみを探っていこう。

 先に「ちょっとショットの」連続使用時間をお伝えしおくと、省電力機能を全てオフ、画面の明るさを最大という設定で、静止画撮影を3分ごとに行なったところ、標準バッテリーで約4時間30分撮影ができた。予想以上のバッテリーの持ちだ。また、電源オン時から撮影準備が整うまでは40秒ほどかかるが、スリープモードを使えば、約3秒ほどで撮影準備完了となる。

・静止画を撮影する

 撮影には「ちょっとショットEdit」を併用する。カメラユニットをPSPに装着し、「ちょっとショットEdit」をUMDスロットに挿入して起動する。メイン画面には、撮影モードとなる「VIDEO」と「PHOTO」、撮影した静止画や動画を閲覧する「ALBUM」と「SLIDE SHOW」、編集モードとなる「EDIT」と「TEMPLATE」という6つのメニューが並ぶ。

 メイン画面から「PHOTO」を選択して静止画を撮影してみよる。記録解像度はPSPの液晶画面と同じ480×272ピクセルと、VGAサイズとなる640×480ピクセルから選択でき、フォーマットはJPEGのみとなっている。ファイルサイズは、480×272ピクセルの画像で60~80KB、640×480では110~180KBであった。

 PSPの画面には、カメラユニットに写る映像がライブビューで表示される。シャッターはL/Rボタンと○ボタンに割り当てられていて、L/Rボタンを使えば一般的なカメラと同じ感覚になるのが嬉しい。PSPを撮影するために構えたとき、横幅の広さに最初は違和感を覚えるものの、ほどよい重量があるため安定し、思いのほか撮影には向いているのではないかと感じた。方向キーの上下はデジタルズームの操作。倍率は明記されていないが、ズーム無しと最大ズームで撮影した画像を比較してみると、およそ4倍程だった。

 静止画の画質は、全体的にシャープでくっきりとした印象だが、特にデジタルズーム使用時は、特有のジャギが目立つ。やはり画質は携帯電話などと比べても良いとは言えないだろう。シャッタースピードや露出といった設定はいずれも固定。手ブレが起こらないほどのシャッタースピードで固定されていて、周囲の明るさに応じてISO感度が自動調整される。また、通常モードでは明るさが足りないときに使う高感度撮影モードもある。

 ちなみに、撮影をした瞬間には必ずシャッター音が出力される。音量調整やミュートは影響されず、イヤホンを接続している時でもスピーカーからシャッター音が出力される。シャッター音は、“カシャッ”という音の他、銃声やビールの栓を抜く音といったユニークなものなど、4種類から選べる。

カメラユニットを接写モードにすれば、ここまで対象に寄った写真が撮影できる こちらは、最大までズームをして撮影した写真だ 光がほとんど当たらない場所で撮影。写真内左は高感度撮影モード、右は通常モード

 カメラ自体の作りとしてはあまり本格的ではなく、あくまで「ちょっと撮りたい」という方向性を感じさせるもの。これだけでは、携帯電話のカメラ機能などに負けてしまうところなのだが、「ちょっとショット」には、遊び心を感じる撮影モードがあった。

 写真の周りに柄を合成したり、顔に髪の毛や目を加えるフレームでは、柄やカメラの映像がリアルタイムに変化し続けるものがある。例えば、“おみくじ”ではルーレットのように大吉や小吉、凶といった文字が表示され、シャッターを押した瞬間におみくじの結果が合成される。撮るたびに結果が異なるというわけだ。

 また、“水中”フレームでは、カメラで映しだされた映像がゆらゆらとリアルタイムに変形する。模様や柄が加わるだけでなく、このようにPSPの描画能力を生かしたフレームで、撮影を楽しくさせてくれるところが、“ならでは”の機能といえるだろう。他にも、音に反応して撮影・保存を自動的に繰り返すといった、マイクを使った撮影モードも面白い。

写真は“おみくじ”フレームのプレビュー。おみくじの結果が高速に変化するフレームだ 撮影の度に、項目と数値が変化する“スキャナー”フレーム こちらは、カメラの映像が揺らめく“水中”フレームで撮影した

・動画を撮影する

 次に、動画を撮影してみた。基本的な操作は静止画の撮影と同様だ。メイン画面から「VIDEO」を選択、PSPの画面に表示される映像を見ながら、シャッターボタンで録画開始と停止の操作をする。撮影開始と終了を伝える音が必ず出力されるのも同じ。動画は、1つに付き最大15秒まで撮影可能。圧縮形式はMotion Jpegのみ、解像度は480×272ピクセル、フレームレートは1秒間に30フレームとなっている。音声は前述のとおりモノラルだ。ファイルサイズは、15秒で8,960KBであった。

 撮影した動画の画質は、圧縮フォーマットにMotion Jpegを使っていることもあり静止画に近い質感。秒回30フレームの動画はスムーズに感じられる。音声はモノラルで若干こもったように聞こえるが、街中の環境音もしっかりと記録されており感度は十分だろう。480×272ピクセルという、動画にしては大きめの解像度とワイドサイズの比率は携帯電話などの動画撮影機能よりも迫力がある。

 気になるのは、15秒という撮影時間の短さ、それと撮影動画のファイルサイズだろうか。以前発売されていたPSPのバリューパックに付属していた32MBのメモリースティック PRO デュオでは15秒の動画を3本程度しか記録できない。思う存分楽しむなら、大容量のものが必要になるだろう。

 動画の撮影モードでは、0.5秒/1秒/10秒/30秒間隔で自動的に撮影された静止画を動画として記録できる“間欠撮影”が面白い。下に車の運転席から見た映像を“間欠撮影”で記録した動画を掲載しているのでチェックしてみて欲しい。今回は、カメラのレンズを上に向け、PSPをダッシュボードの上に寝かせて設置している。また、滑り止めを防止するため、家庭用の滑り止めマットを引いた。ドライブレコーダーとまではいかないが、このようにドライブの思い出を映像で残しておける。

 その他には、クレイアニメーションのような動画を撮影できる“コマ撮り”撮影、“高感度撮影”モードが用意されている。フレームのような映像を飾るモードはないが、次に取り上げる編集機能で映像を盛り上げる動画に仕上げることができる。

通常撮影モードで、走行する電車を撮影した
動画はこちら AVI形式 6.8MB 15秒 ZIP圧縮】
“間欠撮影”でドライブの模様を記録。撮影間隔は1秒に設定
動画はこちら AVI形式 4.1MB 10秒 ZIP圧縮】

・手軽な編集が面白い

こちらは“ALBUM”の画面だ
 撮影した静止画や動画は“ALBUM”で管理される。画面の下側には、1ページ当たり15枚のサムネイルが並び、上側には撮影日時やファイルサイズが表示される。15枚のサムネイルを読み込むときには、静止画で約3秒、動画では6秒程度の時間がかかるが、ストレスは感じない速さだ。全画面で撮影したものを次々に見ていきたい場合は、「SLIDE SHOW」モードが便利。スライドやフェード、回転といった切り替え効果も用意されている。

 “EDIT”は、静止画や動画を編集するモードだ。静止画では、文字や吹き出しを挿入する“テロップ”、汗や矢印といったマークを追加していく“スタンプ”、モザイクやボカシなどの“エフェクト”に対応。これらの効果は1つの画像に重ねてかけられるが、エフェクトは1つ、テロップは4つ、スタンプは2つまでと制限がある。幾つかの効果をかけた後でも、1つずつ表示位置やサイズを調整できるため、全体のバランスをチェックしながら作り込んでいけるのが嬉しい。ただ、露出やコントラスト、ホワイトバランスなど、静止画の基本的なレタッチができないのは残念。

 動画の編集というと少々手間がかかるように感じるが、「ちょっとショットEdit」での動画編集操作は非常に快適で面白い。画面の下には10分割された動画のサムネイルが表示される。L/Rボタンを使うと倍速でスムーズなコマ送りができ、ストレスを感じない。編集した内容は即座に反映され、プレビューで確認しながら作業を進められる。

 用意されている効果は、静止画と同じテロップやスタンプ、エフェクトの他、フェードインやフェードアウト、画面の切り替えを演出するワイプ、BGMや効果音、アフレコ、音声のピッチを変えるものも用意されている。効果音の追加では、繰り返し再生される動画を観ながらタイミングを合わせてボタンを押せばいい。このような直感的な編集操作はゲーム的な面白さも感じた。

 動画に関しては、10種類のテンプレートが用意されている。その中の“衝撃告白映像”では、映像内にモザイクをかけ、音声のトーンを上げ、テロップを追加するという効果を一括で行なえる。テレビでよく見る演出を手軽に作成できる機能だ。

 撮影、編集した動画は「ちょっとショットEdit」独自のフォーマットで記録されているため、PCへ転送するにはAVI形式に変換する必要がある。変換にかかる時間は1つのソースあたり約40秒。さらに、メモリースティックに7,860KBの空き容量が必要だ。やはり、動画を楽しむためには大容量のメモリースティックDuoを用意しておきたい。また、静止画とAVIに変換した動画は、PSP本体の“フォト”と“ビデオ”から閲覧できる。撮影には必須の「ちょっとショットEdit」だが、閲覧にソフトを必要としないのは嬉しいところだ。

右下のテロップに加えて、スタンプの“額縁”、エフェクトの“グレア”の効果をかけた静止画 動画編集中の写真だ。画面下部に効果1つに付き1本のメーターが表示され、効果がかかっている箇所がひと目でわかる 動画にフェードイン/アウト、効果音、走査線の“エフェクト”、“正逆再生”を加えてみた
動画はこちら AVI形式 6.1MB 13秒 ZIP圧縮】

 今回のレポートでは主に屋外で持ち歩きつつ撮影してみたのだが、最も気になったのは持ち運び。カメラユニット装着後はPSPの縦幅が2cmほど増してしまい、純正の本体ケースやPSPにフィットサイズのケースには収まらない。担当所員は第5回でレポートしたコーエーの「オール イン ガード “オーバル”」を使用したが、カメラユニットを装着したまま持ち運びたいのであれば、本製品のような本体収納スペースに余裕がある本体ケースを用意したいところ。

 当初から感じていた、携帯電話のカメラ撮影機能の手軽さや魅力に勝てるのだろうか、といった疑問だが、カメラの基本性能である「記録する」という要素では日進月歩の携帯電話と比べるとやはり見劣りがする。だが、「ちょっとショット」の魅力は、撮影すること自体を遊びにすることや、本作ならではの編集機能で楽しめること。これからのシーズン、忘年会や飲み会といった席で“ちょっと”撮って面白おかしくみんなで楽しむ。こういった使い方に注力した製品だ。特に、撮影したものを皆で見るというときには、PSPならではのワイドで大きい液晶画面も十分に魅力を発揮するだろう。


● ケースとシリコンカバーが合体「ニンテンドーDS Lite用シンプルカバー」

「ニンテンドーDS Lite用シンプルカバー」

    メーカー:ロアス
    価格:オープン(購入価格:1,380円)
    サイズ:縦13.8cm×横9.0cm×厚さ3.2cm
    重量:56g
    カラー:ホワイト、ブラウン、ブラック
    任天堂ライセンス商品

◆ 外観をチェック

写真は、ホワイトカラーの「ニンテンドーDS Lite用シンプルカバー」。表面にはDS Liteのメタルプレートが光る
 DS Liteを収納する合皮製のカバーとシリコンカバーが合体したカバーだ。カバー素材である合成皮革は鈍い光沢があり、しっとりと肌触りがよい。カバーの下側にDS Liteのロゴが刻まれたメタルプレートがついていて、ロゴの向きに合わせて縦にしてみるとブックカバーのような印象を与える。

 カバーの厚みは4.3mm。スポンジが挟まれていて指を押し付けると2mm程度沈む。その下には、硬い板が挟まれているのを感じ取れた。カバーの開閉はベルト通しと、背面から伸びるベルトで行なう。ベルトの長さは7.5cmで、ベルト通しの固定力は固め。長く使っていると多少伸びてゆるむ可能性はあるが、ガッチリ固定できる。ベルトの先端は楕円状にとがっているのでベルト通しに通しやすく扱いやすかった。

 また、カバーの側面には円筒型のホルダーが2つあり、純正タッチペンを1本固定できる。純正タッチペンにピッタリフィットするホルダーなので、DS Lite本体のタッチペンホルダーに収まる太さのタッチペンのみ固定できた。このカバーを使っていると本体のタッチペンが取り出せないため、このタッチペンホルダーを活用することになるのだ。

 カバー内部は上半分が表面と同じ合皮、DS Liteを収納する下半分にはフェルト生地のようなしっとりした布地が貼られている。また下半分には、このカバーの大きな特徴であるシリコンカバーが付いている。ここにDS Liteを収めてカバーと固定するというわけだ。ただ、シリコンカバーといっても、厚さは0.2mm程度と非常に薄く、指で押したときに弾力性は感じない。表面はザラツキがあり、ビニールのような触り心地だ。本体を収納する内部はツルツル、指触りとしてはシリコンカバーのようにサラサラしていた。

 シリコンカバーの前面はタッチスクリーン部分が大きく開けられており、十字ボタンと4ボタン周りも円形にギリギリのサイズで切り抜かれている。スタートボタン、セレクトボタンも同様に円形に開けられている。また、十字ボタンと基本ボタン周辺には非常に薄いプラスチック製の板が挟まっていて、強度が高められている。側面を見てみると、GBAカートリッジスロット、ACアダプター端子、電源スイッチ、ボリューム、タッチペンホルダー部分と全てに穴が開けられている。

写真はカバーを広げた状態。カバーの背面はフラットになっていて、テーブルに置いても安定してプレイできる。開閉用の長いベルトは癖が付いているため垂直に立ったままになる シリコンカバーをアップで撮影してみた。目の細かいナイロンのような細かいでこぼこが見える

◆ 実際に使ってみた

DS Liteにカバーを装着した。シリコンカバーによって、本体下側の大部分が傷や汚れから保護される
 シリコンカバーにDS Lite本体を差し込んでみると、フィットしていて隙間はほとんど無い。だが、窮屈を感じるほどではなくスムーズに装着できた。着脱はどちらも簡単だ。シリコンカバーがかなり薄いため、装着後の厚みも比較的スリムだ。

 装着後、カバーごと本体を手に持つと、カバー背面の合皮の感触がすべりを抑え、内部挟まれたスポンジに指が2mm程度沈む。未装着時よりもホールド感は良い。ボタン周りを触ってみても、シリコンカバーが薄いためか、操作にほとんど影響を感じなかった。シリコンカバーのザラツキに多少の違和感を覚えるぐらいだろうか。L/Rボタンを含む背面はカバーがないため、変わらぬ操作感を得られた。

 ただ、DS Liteを縦向きにしてプレイしたときや、仰向けになって寝ながらプレイしたときに少し問題がある。DS Lite本体の重みでシリコンカバーから2mm程度上側にズレてしまうことがあった。少しのズレではあるが、シリコンカバーがボタンやタッチスクリーンに被ってしまう。DS Liteの背面を指で押さえながらプレイすればズレを抑えることはできるものの、未装着時と比べると気になる点だ。

 カバーを開いたとき、下側から伸びている長いベルトが、タッチスクリーンへ被さるように曲がってくるのも気になる。プレイする前にベルトを真っ直ぐに伸ばすよう、下側に一度曲げて癖をつける必要があった。だが、ベルトが長いため、GBAカートリッジを装着したままでもカバーを利用することができるという、よい点もある。

 カバーの上半分は、斜め下方向へ垂れ下がった状態になる。未装着時に比べて前方に重みを感じた。上側のカバーを底面に折り込んで持つのもありだが、背の部分に大きくカバーを持つのでやや持ちにくくなってしまう。

 装着したままでも、DSカードやGBAカートリッジの交換、電源、ボリュームの操作、充電は可能なのだが、本体に収納したタッチペンは取り出せなくなった。それゆえ、カバーにあるタッチペンホルダーを使うことになる。

装着後の厚みは約3.5cmとスリム。カバーと本体周辺には約2mmの余裕がある。 GBAカートリッジを挿入したままでもしっかりとベルトを固定できる プレイ中は写真のようにカバー上部が垂れ下がるため、若干ではあるが重心が前方に傾く

 外側を包むカバーに、シリコンカバーを使って固定するという方式が目新しい製品。本体の着脱が簡単なため、気軽に使い分けできるのが嬉しい。また、GBAカートリッジを装着したままでも問題なく使えるのもグッド。カバーの感触も良く、ホールド力が増し操作性は向上する。こうしたグッズには見た目の一体感、総合的なデザイン性も大きく満足感に関わるが、この点に関しても良質な製品だ。

 残念な点としては、やはりシリコンカバーから本体がずれてしまう現象が大きい。シリコンカバーの内部がもう少し吸着力があると良かったのではないだろうか。また、カバーの重さが加わるため、重心も前方にかかる。さりげなく大きいのがメタルプレートの存在で、実はないほうが良かったのでは……。と、感じてしまった。シンプルという名前を追求するなら、あまり飾りはつけてほしくなかった。


● 耐久性抜群のコデューラ素材を使った布製3つ折りポーチ「ウォレットポーチDS Lite」

「ウォレットポーチDS Lite」

    メーカー:HORI
    価格:1,780円
    サイズ:縦10.0cm×横15.9cm×厚さ3.1cm
    重量:50g
    カラー:ホワイト、ブルー、ブラック
    任天堂ライセンス商品

◆ 外観をチェック

 3つ折りタイプの布地ケース。ケースの表面には「コデューラ」という、あまり馴染みのない生地が使用されている。公式サイトによると、この生地はナイロンの2倍、ポリエステルの3倍、コットンの10倍の耐久性があるという。ケース表面の編み目は粗く、指が引っかかるようなザラツキ感がある。水滴を垂らしてみたところ、サッと吸収された。防滴効果は無いようだ。

 ケースには、厚さ1mm程度のクッションが挟まれているが、ケース全体は柔らかい。前面には素材の名前である「CORDURA」のタグとDSマーク、背面にはDS Liteのロゴがプリントされている。ケースの外周部は太めの縁取りがされていて、素材の話もさることながら、頑丈さを感じさせる。開閉部はマジックテープとボタンホックの2つで固定する。

 ケースを開いてみると、中央に本体収納スペースがあり、下部には3つのDSカード用ポケット、多目的ポケット、タッチペン収納ポケットがある。内部の素材は、ケース表面よりも目が細かくツルツルとした感触。本体収納スペースの内部はしっとりとした別の素材が使われていて、本体に擦り傷が付くような不安を全く感じさせない。

ブルーカラーの「ウォレットポーチDS Lite」。ボタンホックや「コデューラ」のタグがデザインのアクセントになっている ボタンホックはマジックテープ内に設けられている。マジックテープは縦2.2cm×横12.8cmと大きめのサイズ 本体収納スペース、多目的ポケット、タッチペン収納ポケットはマジックテープで閉じられる

◆ 実際に使ってみた

本体収納スペースにDS Liteを収納。上側にはかなりの余裕ができる
 DS Liteを収納してみると、上側に7mm程度の隙間ができた。本体は完全には収まらず、5mm程度頭を出した状態になる。隙間に指が楽に入り出し入れは簡単。左右はあまり余裕がないものの、厚さ2mm程度のシリコンカバーやプラスチックカバーを装着したままでも収納できた。しかし、シリコンカバーの場合、収納スペース内部の布地との摩擦が強く起こりスムーズに出し入れできなかった。

 DSカード用ポケットのサイズは、幅4.3cm、深さ4.2cmで、DSカードが完全に収まるサイズ。スペースに余裕があるため、指を入れて楽に取り出せた。ポケットの布地は薄く、DSカードのタイトルシールが透けて見えるのだが、どのタイトルを収納したかまでは視認できないという微妙なところ。

 DSカード収納ポケットの下には、幅14.2cm、深さ7.4cmの多目的ポケットがある。ポケットの入り口の内部には中央にマジックテープがあり口を半分ほど閉じられる。多目的ポケットの広さは、GBAカートリッジを3本、余裕を持って収納できるほど大きい。だが、DSカードポケットにDSカード3枚、GBAカートリッジを縦に3本収めた状態では、ケースをマジックテープで何とか閉じられるものの、ボタンホックまで届かない。横向きに2本であれば、ボタンホックもしっかり使えた。同じようにボタンホックは使えなくなるが、純正イヤホンマイクも収納できた。

 タッチペン用ポケットの幅はタッチペンに比べてかなり余裕があり純正タッチペンのサイズなら2本収納できた、ここにもマジックテープ固定のフタが付いているので脱落の不安は無い。

このようにタイトルシールが透けて見える。DSカードはポケット内に指を入れてつまみ出せる 多目的ポケットは、GBAカートリッジを2本横に並べられるほど幅が広い タッチペン用ポケットには2、3本のDS Lite純正タッチペンを収められる

 3つ折り式になっていること、DSカード用ポケットと多目的ポケットが2段になっていることから、収納物同士が絶対に接触しない安全性が嬉しい。第82回でレポートしたコロンバスサークルの「ウオレットセット」に非常に良く似た製品だが、ベルトループやカラビナが付いていないので、バッグ等を使う持ち運び方に限定されるが、その分厚みが薄くなっている。

 多目的ポケットの横幅が広いため、GBAカートリッジだけでなく、イヤホンやイヤホンマイクなどサイズの大きいアイテムも持ち運べるのが嬉しい。だが、収納量に応じて厚みが増していくため、あまり詰め込むと窮屈な見た目になっていく。また、開閉部のマジックテープはサイズが大きく固定力も強いため、ケースを開けるときに“バリバリ”と甲高い音が鳴る。静かな屋内や電車内ではこの音が響くのが気になるところだ。

 厚みが出すぎるとボタンホックが閉じられなくなるのだが、ケースを閉じるだけならマジックテープだけでも十分かもしれない。実際に使っているときにも、マジックテープの使い勝手がよく、ボタンホックを止めないときも多かったが、とくに問題はない。割り切って、ボタンホックは飾りと考えてしまってもいいかもしれない。

ケース内にDS LiteとDSカード3枚、GBAカートリッジ2本収納したときの厚さは約5.3cmになる こちらはDSカード3枚に純正イヤホンマイクを収めた状態。ここまで厚みが増してもマジックテープでしっかり閉じられる 写真右は「ウオレットセット」。左の「ウォレットポーチDS Lite」のほうがひと回り小さい


● 細かな部分までがっちり包み込む「シリコンカバーポータブル」

「シリコンカバーポータブル」

    メーカー:HORI
    価格:1,029円
    重量:40g
    カラー:ホワイト、ブラック

◆ 外観をチェック

 PSP本体の全面を包み込むシリコンカバー。素材のシリコンは表面がサラサラとしていて、グリップ性は低く感じるが、触り心地は良い。カバーの厚みは2.1mmだが、方向キー、4ボタン、アナログパッド周辺は一段くぼんでいて0.9mmと薄くなっている。方向キーやアナログパッド、前面の4ボタン、L/Rボタン部分が繰り抜かれ、特に4ボタン部は、ボタン1つにつき1つの穴が開いているのが特徴。

 PSP下部のボタン類はカバーで覆われているが、シリコンカバーに各ボタンの形状が型どられていて、ボタンの文字やマークが刻まれている。そのままカバーの上から押す作りだ。PSPの上側から背面にかけては大きく開けられていて、UDMスロット下側までスペースが続いている。また、前面と底面のスピーカー部も穴が空けられていて、全体に各箇所のアクセス性はよいのだが、メモリースティックDuoスロットだけはふさがっている。データの転送にはUSBケーブルを活用したほうが良い。

 特徴としては、まず背中側の左右一面についている突起が挙げられる。手に持ったときにこの直径1mm、高さ0.5mmの突起があたり、ホールド力を高めている。

液晶画面やUMDスロット周辺、操作部分が大きく繰り抜かれている。カバーの形状が崩れることはなく、見た目からもカバーの厚さ、そして頑丈さを感じるところだ 背中側に設けられている突起。高さは低いが、指で触れるとグリップ性の向上を実感できる

◆ 実際に使ってみた

PSP本体にカバーを装着中。厚みがあるため思いきり引っ張っても破損する気配は無い
 装着後のサイズは、縦7.8cm×横17.2cm×厚さ2.6cm。未装着時は縦7.4cm×横16.7cm×厚さ2.4cm。2.1mmと厚みがあるため、全体に大きくなったように感じる。カバー前面の左右のフチが盛り上がっているのが目立ち、未装着時よりも輪郭がはっきりすることも大きなポイントだろう。

 手で持ってみると、表面がサラサラしているためカバー素材によるグリップ力向上は感じられない。だが、背面の小さな突起で滑りにくくなったという印象を受ける。また、UMDスロットの形に繰り抜かれたカバー背面のフチに指が掛かるため、未装着時よりもホールド感が高まる。

 方向キーとアナログパッドの操作感は、周辺部が薄くなっていることもあり良好。だが、前面の4ボタンが少し埋まってしまい、ボタンが反応しないことこそ無いものの、奥まで押し込んだという感覚が薄くなる。L/Rボタンは、内側の9mm程度がカバーに隠れてしまい、人差し指でL/Rボタンの角を押す場合、指先にカバーが触れることに違和感を覚える。操作自体は問題なくできた。

 PSP下部のボタン類を押してみると、カバーの上から押すこともあり、クリック感が低下していた。しかし、反応自体は良好で、強めに押す必要も無かった。

 また、電源スイッチ、ワイヤレスLANスイッチ周辺部のカバーが薄くなっていないので、カバーの厚みでスイッチを指の腹で操作するのが難しい。USB端子周辺は、端子の手前部分ギリギリまでカバーされている。USBケーブルを接続する場合は、カバーを少しずらしてから差し込む必要があった。

カバーを装着してみた。PSPのパーツとカバーの繰り抜かれた箇所はピッタリと合わさり、加工精度は高い。また、電源ランプが透けてはっきり見える程度の透明度がある。充電状況の確認も可能だ

 カバー背面のフチに指を引っ掛けられるようになることでホールド感が増すのが良い。本体を傷や汚れから守るだけでなく、グリップグッズとしても役立つと感じた。4ボタンを押したときの感触など、少々残念に思うところもあるが、カバーしている面積が大きいため、指紋による皮脂汚れがほとんど気にならなくなるのが大きい。

 ちなみに今回レポートしている「ちょっとショット」のカメラユニットや、「トークマン」のマイクも、カバーをずらすことでそのまま装着できた。ただ、「ちょっとショット」を使うときに、メモリースティックDuoスロットにアクセスできなくなるのは少々残念かもしれない。

OPENスイッチは未装着時と変わらず扱いやすい。UMDスロットもスムーズに開く 写真のように、UMDスロット周辺のフチに指をかけてホールドできる カバーのフチが若干盛り上がるものの、「ちょっとショット」のカメラユニットは問題なく装着できた


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(2006年11月6日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]



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