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開催地:スペイン・バルセロナ
今回の「X06」で実際にプレイできるタイトルの中で、欧米などのプレスにもっとも人気があったのが「Gears of War」だ。試遊台は常に埋まっており、人だかりができている。E3でも人気を集めており、世界的な年末商戦で言えば、台風の目となることは確実だ。
その「Gears of War」のリードデザイナーで、生みの親とも言えるのが、Epic GamesのCliffyB氏だ。彼は昨年の東京ゲームショウ2005の発表会でも登壇し「Gears of War」のデモプレイを行なっている。彼自身による説明と若干の質疑応答の様子をまとめて、ここに掲載する。
基本的には3Dシューティングで、ガンガン撃っていくことになるが、このゲームではジャンプはない。FPSでは基本アクションとしてジャンプで避けるという要素が確立されているが、「Gears of War」ではこのテクニックは必要ない。この点についてCliffyB氏は「ジャンプで敵の弾を避けるというのは変だろう?」と説明。 操作自体は非常にシンプルで、ほぼA、B、L、Rで事足りる。もっと絞り込めばAとRトリガーだけでもいい。Rトリガーは射撃。Aボタンが重要な意味を持っており、Aボタンを押すことで物陰に隠れられる(カバー)。銃弾をかいくぐってカバーに入り、Lトリガーで照準を表示させ物陰から銃撃(Rトリガー)する。これが基本動作となる。そして、このAボタンは状況によって様々な動作に割り当てられている。たとえば柵のようなものがあれば乗り越え、物陰に近づけばカバーに入る。Aボタンを押しっぱなしにするとダッシュだ。 CliffyB氏はこのカバーという動作をゲームシステムの根幹に持ってきたことについて「これまでのFPSであれば、物陰に向かい右を向いて壁に張り付いて……といった動作が必要だろう? でもそれは不自然じゃないか。それに慌てているときだったら、飛び込むように物陰につっこむだろう? そういったことを表現したかった」としている。 このようにシンプルな操作体系だが、ゲームプレイに大きな存在感を与えているのがチェーンソーだ。これはプレーヤーの持つ銃に付いており、接近戦には絶大なる効果を発揮する。うまく攻撃が決まれば敵がバリバリと血を吹き出し倒れていく。対応ボタンはBボタンとなるが、さらにBボタンを押しながらRボタンを押すと空吹かしすることができる。対戦をするとわかるのだが、あちこちでこのチェーンソーの音が聞こえ、かなりの恐怖感を与える効果がある。敵の背後でチェーンソーをふかして恐怖に陥れて、一気に粉砕というのが正しい戦い方なのだろう。 武器は様々な物が用意されており、レーザーポインターで3秒ほどターゲッティングすると上空から迫撃砲が降り注ぐといった派手な武器も用意されているという。またマルチプレイでは、武器によってスキルを生かした戦い方ができるという。スナイパーやロケットランチャーのプロとして戦いに挑むこともできるわけだ。 爆弾を投げるときに軌道が表示されたり、ゲーム進行に関係がある何かがある場所ではヒントとなるアイコンが出るなど、ゲーム自体の印象は非常にパワフルだが、様々な気配りがなされていて、初心者でも楽しめる要素がある。一方で硝煙が揺らぐと熱で一瞬背景が揺らいだり、武器のリロードをタイミング良く行なうとボーナスが入るが、ミスをすると弾詰まりするなど、マニアックな表現も盛り込まれている。このアクティブリロードシステムについては武器によってタイミングが違うなど、やり込み要素ともなっている。リロードはこの手のゲームでは生死を分ける重要な要素であることを考えると、その部分がやり込み要素と直結しているのは面白いところだろう。 「Gears of War」ではストーリーを進める上で仲間と一緒に進めていくが、仲間のAIに対しては、「頭を下げろ!」や「避けろ!!」など必要最低限のことしかオーダーできないという。これは戦場という極限状態の場所ではこれくらいしかできないという考えからだ。 CliffyB氏は「早い人は10時間くらいでクリアしてしまうと思うけど。あまりオススメはしませんね。というのも様々な場所でカバーできるようにデザインしているので、それを楽しんで欲しい」と語った。レベルデザインも凝ったものが用意されているようだ。
対戦プレイを実際に体験した感触では、カバーに入る瞬間のタイミングをきちんと掴んでおかないと、違う方向にカバーで入ってしまい狙い撃ちされる可能性があるという点だ。もちろんプレイしていくうちに覚えてしまえば問題ない。そして何よりもチェーンソーだろう。チェーンソーでの近接戦闘になると、画面が血しぶきで大変なこととなる。しかし開発者も接近戦となると一斉に「B! B! B! B! B!」と連呼!! ハードな表現には賛否両論がありそうだが、これもまたゲームの楽しみのひとつではないだろうか。
ちなみに日本での発売もすでに決定しているが、ローカライズされることは確実。CliffyB氏は「表現がトーンダウンしてしまうのは残念だが、仕方のないこと」と残念そう。しかし、CliffyB氏は「三人称視点だし、ものすごく大きな怪物なども出てきて、日本でもウケる要素はあると思う」と最後にコメントしていた。実際にプレイしたらこの迫力、リアリティはやみつきになると思う。ぜひとも日本でも注目して頂きたい作品だ。 □Xboxのホームページ http://www.xbox.com/ja-jp/ □「X06」のページ http://www.xbox.com/en-US/community/news/events/x06/default.htm □関連情報 【9月29日】ピーター・モリニュー氏、世界を支配し、全てが有機的に繋がる 真にロールプレイができる「Fable2」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060929/fable2.htm 【9月28日】Microsoft、ゲームカンファレンス「X06」を開催 RTS「Halo Wars」やピーター・ジャクソンとのコラボを発表 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060927/x06.htm 【9月23日】Xbox 360特別インタビュー Part.2:Allan Willard氏 「ギアーズ オブ ウォー」は物語に深みを与えることに注力した http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060923/gow.htm 【5月12日】【E3 2006】Microsoftブースレポート Xbox 360特別編 ~会期中に行なわれたデモプレイ、ミニインタビューを総まとめ Part.1~ http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060512/xbox1.htm (2006年9月29日) [Reported by 船津稔]
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