【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Microsoft、ゲームカンファレンス「X06」
ピーター・モリニュー氏、世界を支配し、全てが有機的に繋がり
真にロールプレイができる「Fable2」

9月28日 開催 (現地時間)

開催場所:スペイン、バルセロナ

ピーター・モリニュー氏は設定画などを指し示しながら説明していった
 米Microsoftが欧州市場をターゲットとした、ゲームカンファレンス「X06」がスペインのバルセロナで開催されている。初日の9月27日には発表会が開催され、Xbox 360用新作RTS「Halo Wars」が発表されるなど世界中のプレスの注目を集めている。

 2日目となる28日には会場となるコンベンションセンターにおいて、Xbox 360で発売されるゲームの試遊台がズラリと列んだほか、ファーストパーティが制作している作品の開発者によるデモンストレーションと共同インタビューが行なわれた。

 日本からの報道陣向けに公開された内容を順次取り上げていくが、まずはゲームデザイナーとして世界的に有名なピーター・モリニュー氏が出席したXbox 360用新作RPG「Fable2」からお届けする。人気デザイナーであるモリニュー氏のインタビュースロットは人気の的で、毎回多くの人が集まっていたようだ。そんな中でモリニュー氏は身振り手振りを交えながら解説を行なった。


 モリニュー氏は開口一番「本日は皆さんにあまりお見せするものはないので、お話を中心に進めていく」と発言し、数枚のキャラクタ、風景などの設定画が公開されるに留まった。モリニュー氏は続けて「ひとつのレベルを創るのに52日かかるなど、今回は非常に複雑な作業となっています。今回はビジュアルをお見せするより我々がどういったビジョンで『Fable2』を作っているのかをお話ししたい」とし、コンセプトについて語りはじめた。

    モリニュー氏:
     「3つの重要なパートがありまして、ひとつは世界、もうひとつは物語の中に登場するキャラクタ、そして3つめが戦闘シーンとなります。今回制作しているのは『Fable2』ということで続編タイトルとなるわけですが、普通、続編タイトルを制作するときはユーザーがどのようなものを求めているのか調査して追加していくというやり方をするのですが、私たちの場合そう言ったアプローチは取りませんでした。私たちは非常にユニークな形でアプローチしています。

     ロールプレイングゲームというのは普通、善と悪に分かれるわけですが、このゲームではそう言ったアプローチではなく、非常に意外性があり、競合他社の作品……「マスエフェクト」とか「ASSASSIN'S CREED」、こういったタイトルはいいゲームですが……我々はこれらよりももっと違った世界を見せています。

     どのようにロールプレイを実現するかと言うことですが、先ほど挙げた3つのパートのうちのひとつめ、“世界”についてお話しします。RPGの世界を作るときですが、まず必要なのはフリーローミングであるという点です。これはどこにでも行ける機能と言うことで、たとえば屋根の上に急に登ったりすることができると言うことです。また、シミュレーションがきちんとできていることもあげられますが、これも『Fable2』では実現しています。

     しかしそう言った当たり前の要素以外に我々が行なっているのは、ダイナミックリージョンということで、これは前作が終わったあといただいた、様々な意見を元に考えたことです。たとえば森林の中にキャンプがあったとします。このキャンプに訪れたときにどういったことが起こるのか? と言うことです。10年前にこのキャンプを訪れていて、キャンプを助け、親切にしたのであれば、今度来るときは村に発展しているかもしれない。さらに10年後に行けば街になっているかもしれないし、そう言った進化を見届けることができます。

     しかし、そう言ったロールプレイだけでは面白くありませんので、もしこのキャンプの人々を皆殺しにしてしまったらどうでしょう? そうすれば当然10年後に来てもそこは林のままです。こういった10年、20年後どのようになっているのかを見ることができるようになったという点が、『Fable2』で新たに可能となったシミュレーションの要素です。ですので自分の起こした小さな変化が、10年後、20年後、30年後に世界の中で大きな変化に発展することを見届けることができます。

     次にお話ししたいのは、私が子供の頃に遊んでいたRPGのゲームの中にはお城や牢屋、町や村などが登場しました。しかし、その当時なかったフィーチャーというのは、所有するという要素です。たとえば城や国などを所有することができませんでした。しかし、『Fable2』では目に見えるもの全てを所有でき、そしてそれに対して家賃を取ったりお金を取ることもできます。たとえば市や町であれば、そこの長になるだろうし、お城であれば城主、教会であれば司教になるといった具合です。このようにしてプレーヤーは富を築いていくことになります。お金の金額を貯めることが重要なのではなく、この何でも所有することができ、そのことで起こりうることをシミュレートできるという点が重要なのです。

     なぜかと言えば、たとえば教会ですが、自分の所有している教会で戦いが起こっていれば、自分でその戦いを制圧しなければなりません。つまり、教会を所有すれば、そこから派生的に複雑なコンテンツが生まれ楽しめることとなります。全てのものを所有しようとすれば、数百時間かかるくらいコンテンツがリッチになっています。

     もしそんな機能はいらないというのであれば、ストーリーをずっと追って最後までゲームをプレイすればいいのです。しかしゲームが終わった段階で、なにも所有しないで終わることになります」


 前作でもプレーヤーの関与したことによってプレーヤー自身の評価に反映する要素があったが、今作ではさらに推し進め、プレーヤーの行動が世界全体に波及していくこととなるようだ。

 ここでモリニュー氏の話題はキャラクタへと移る。

    モリニュー氏:
     「我々が『Fable』で非常に上手くできたことのひとつについて、勧善懲悪を描いたRPGを超えたという点なのです。ゲームの中でおそらく初めてできたと言うことなのではないのでしょうか。つまりいい人と悪い人だけというわけではないと言うことです。

     メインキャラクタについてですが、男性か女性かを選択することができます。つまり自分が女性になることができるのです。なにも主人公がヒーローである必要性はありません。ロールプレイなのですからヒロインでもいいわけです。

     しかし、ここまでならそれほど驚くことではないかもしれません。これ以外の要素として、“無条件の愛を得ることができる”という点です。『Fable』でも女性と交際できましたが、今回はさらに結婚もできます。結婚すればプレーヤーが女性であれば子供を産むこともあります。また、子供を作らない選択もあるわけです。つまり子供ができると言うことは、家族ができるというわけです。家に帰れば家族が待っています。たとえば自分が誰かを倒して帰ってくれば、子供が『お父さん、今日はすごくいい仕事をしたね!』と子供が無条件の愛を示してくれるのです。それによって自分は幸福感を得ることができます。

     さらに、自分が悪い人間になっていくと、その影響は子供にまで及びます。プレーヤーが悪役になれば、息子も入れ墨を入れたり、いじめをしたりするような子供となります。つまり家族との関わりが発生します。家族への配慮が必要となるのです。もしお金が無くなれば家族は餓えてしまいます。ですから家族を食べさせなければなりません。また、もし餓えているときにアップルパイ1つを持ち家に帰ってきたとします。そのとき『お父さん、何か食べ物ない?』と駆け寄る子供に対して、その場で食べてしまうこともできます。残酷なことですが、このゲームはロールプレイですから、そう言ったことも可能となるのです。それがこれまでとの革新的に違う点で、家族という位置づけが重要となってきます。

     シミュレートはそこまで及ぶと言うことで、たとえば見栄えの悪い人と結婚すれば、子供にまで遺伝します。いま、お話ししたように家族の無償の愛というのがこのゲームの重要な要素となっています」


 キャラクタの設定も“ロールプレイ”という観点からは重要だ。キャラクタの制作だが、基本的な要素は前作を踏襲するという。しかしXbox 360と言うことで、キャラクタをモーフィングして外見を変えることができるという。たとえば入れ墨や髪型を変えるという点をモリニュー氏は挙げている。髪の毛はなんと伸びていくという。

 こういった話を聞くと、ひたすら自由度が高いだけのゲーム化と思われがちだが、モリニュー氏によれば違うようだ。

    モリニュー氏:
     「我々はストーリーも重要視しています。非常に練り込んでいます。ストーリー作りに時間をかけています。これまではストーリーの見せ方についても出来なかったことですが、今日では可能となった方法でストーリーを表現しています。

     ストーリーの始まりはこうです。鳥が飛んでいて、それをカメラが追いかけます。この広大なシーンを観てプレーヤーがこの世界を支配しているかのような気持ちになってくれるかと思います。自分がヒーローであり、パワフルであり、責任感を持ってこの世界に挑むのだという感覚をこのシーンから受けてくれると思います。

     ここから鳥は森を抜け街に入り、お城に向かいお城の上から鳥は上から糞を落とします。カメラはその糞を追いかけるとプレーヤーキャラクタの頭上に糞が落ちてしまいます。そのキャラクタがプレーヤーなのです。そのヒーローは本当に平凡なただの人、ただの子供という状態から始まるということで、そこから自力でヒーローとなっていくという設定です」


 最後の話題は“戦闘”についてだ。

    モリニュー氏:
     「戦闘シーンについては、前作の『Fable』では失敗したと言っても良いかもしれません。うまくいかなかった点でもあります。しかしそこから学ぶべく、ただの続編というわけではなく今作では革新的に変えています。刀を振って、何でも斬れるようにしてしまうと大変なことになってしまうので、刀を振ったときのリアクションですとかそういったものは、自分の位置によって変わってきます。

     また、自分が非常に強いファイターであれば大きな刀を持てるでしょうし、自分の動きも、壁際と広いスペースでは同じようにボタンを押しても変わってきます。つまり自分の位置によってボタンの押した感触が違ってくるという点です。これは、制限されたスペースでの戦闘を想定しているからです。たとえばジャッキー・チェンならば狭い部屋の中で闘うとき、イスなど色々な道具を使って戦うとか、様々な制限下での戦いとなることがありますが、本作でもそう言った戦いが描かれます。


 ピーター・モリニュー氏は最後に「私がLionHead Studioを設立した理由は、みんなを驚かせたいという理由からです。前作では失敗してしまいましたので、それとは全く違うものにしたいと思いました。今回は非常にうまくいっていますし、楽しみにしています。もし今回、このゲームがダメだったら、私はこのゲームデザインをやめるべきだと思っているくらいです」とコメント。不退転の決意で挑んでいるのだという。

 ここまででも、すでにこれまでのRPGと言う枠を超え、「人生シミュレータ」といった感覚だが、「Fable2」ではさらなるフィーチャーがあるのだという。この点については「非常にバカバカしいアイディアですが、重要な要素となっています。来年の3月までにはお見せできるようにしたいですね」と語り締めくくった。2007年3月と言えばGDCが開催される時期だ。そこではまた新たなる情報が明らかにされることを期待したい。

ピーター・モリニュー氏は以前開催されたGDCでも発言しているが、「Fable」の失敗を認めている。これは一概に作品の質という問題ではなく、仕様を盛り込みすぎることで開発期間が増大化するということ。モリニュー氏はこの点を認めており、「Fable2」について「非常に順調である」と今回発言している。しかし、プレゼンテーションは設定画などの公開に留まっている


□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「X06」のページ
http://www.xbox.com/en-US/community/news/events/x06/default.htm
□関連情報
【9月28日】Microsoft、ゲームカンファレンス「X06」を開催
RTS「Halo Wars」やピーター・ジャクソンとのコラボを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060927/x06.htm

(2006年9月29日)

[Reported by 船津稔]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.