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会場:Los Angeles Convention Center
■ Gears of War 昨年のカンファレンスから注目を一身に浴び続けている新スタイルのFPS(TPS)である本作は、一般向けのプレイアブル出展はなく、完全に隔離されたミニシアター形式のクローズドブース内での実機プレイ映像のみが公開されていた。
ブースに入場するすべての人にワイヤレスヘッドフォンが配布され、音すら外に漏らさないという徹底した規制ぶりに期待度も上がる。鑑賞するシートは傾斜のついた平面になっており、そこに座るスタイルになっていた。簡単な説明のあと、プレイがスタート。ヘッドフォンから爆音が流れるとともに、床面の下に設置されていたウーファースピーカーから重低音が飛び出し、見るものすべてに臨場感をもたらすシチュエーションを効果的に作り出していた。
気になるプレイ内容は、とあるステージを実際に解説者がプレイしながら説明するスタイルで進められた。主人公のマーカス・フェニックスが相棒と共に建物の外に出てヘリと合流するミッションなのだが、進行ルートが複数あり、どのようにプレーヤーが選択するかでローコストたちとの交戦状況が変化するようだ。
武器は最初の時点で4種類を所持しており、十字ボタンを使用することで切り替えが可能。確認できたのは、ハンドガン、アサルトライフル、ショットガン、遠心力で遠くへ投げるグレネードの4つだ。なかでも注目はアサルトライフル。サブ装備として近接戦闘用のチェーンソーが付いていて、特定のボタンを押して敵に接近すると演出が切り替わり、一撃で相手を切り裂く爽快なシーンが見られる。 またAボタンを押すことでオブジェクトに隠れて敵の攻撃を回避するシーンがあるのだが、そこから横への飛び出し、オブジェクトを飛び越える動き、隠れたまま腕だけ出しての銃撃、半身を乗り出して敵に照準を合わせての射撃など多彩なアクションが可能であることもみてとれた。最新のUnreal Engineによる背景の美麗なグラフィックもさることながら、プレーヤーの重厚な動きとリアルなアクションは筆舌に尽くしがたい物がある。
最後はヘリに乗り込もうとするマーカスたちの背後に、いままで公表されることのなかった巨大なクモ型のローコストが現われるところでプレイは終了。鑑賞が終わったあとは観客すべてがスタンディングオベーションを贈っていたのが印象的であった。今年中に発売される作品のなかでも、特に注目していきたいタイトルと言えるだろう。
プレイに際しては、鑑賞時に強く感じられた重厚さやアクションの美しさ、カメラワークのセンスなどが再確認できた。武器それぞれの使い分けによる戦略、相手のスキを付いてチェーンソーを打ち込む楽しさ、マップ上に配置された武器を回収し、有利な状況を展開させていく戦略性など、ソロプレイにはない中毒性の高さ、面白さは特筆モノ。リアルすぎる戦闘と残虐なシーンも目立つ内容だけに日本での販売は危ぶまれるかもしれないが「ぜひともリリースして欲しい!」と強く願ってやまない名作だと、ここで断言しておこう。
■ 「Too Human」
ここから先は、Microsoftブース内でおこなわれたデモプレイ形式のミニインタビューをお届けしよう。本稿で紹介していくのは、Silicon Knightsの「Too Human」、Bioware 「Mass Effect」、Rare「Viva Pinata」、Real Time Worlds「Riot Act」の4タイトル。いずれもデモを実際にプレイしながら、開発者が解説をして魅力を伝えていく内容になっている。
● Silicon Knights「Too Human」カメラワークとテクニカルな特殊動作を紹介
本インタビューでは、プレイの解説をSilicon Knightsの社長兼、本作のプロデューサーでもあるDenis Dyack氏が、プレイはデザイナーのKen氏が担当した。まずは、主人公の“特別な動き”に関する話から紹介されていく。
Ken氏が操作している画面を見ると、主人公がジャンプした状態のまま静止し、空中から次々に眼下の敵を攻撃していた。このアクションは“エアコンバット”というもので、空中にいながら武器を振り戦うアクションだ。武器を振る斬撃のエフェクトは地上の敵に伸びていき、次々に多数の敵を捉えていった。Silicon Knightsの開発陣でもプレイが上手いスタッフの中には、一度エアコンバットをはじめると、地上に降りることなく敵を殲滅するとのこと。本作の中でもテクニカルな要素になりそうだ。
続いては“アイスフォレスト”という新たなレベル(ステージ)を紹介。このレベルは、生物的な動きをする機械の敵が多数生息する場所で、未来世界のような建造物がところどころ凍りついている。建造物があるにも関わらず人のいる雰囲気などは当然感じられず、代わりに機械の敵がいる不気味な場所だ。 ここでは、先ほどまで装備していた剣ではなく、フェーチャーというスタイルの攻撃を紹介。手にはハルバードのような先端に刃のある棒状の武器を装備していた。この武器は伸縮させて、遠距離の敵を攻撃可能。この点が剣と銃を使っていた先ほどとは異なる。ほかにもハンマーや盾など、様々な装備品があり、ひとつひとつに個性的な特徴があるという。 次々にKen氏が敵をなぎ倒していると、画面の右下にコントローラのボタンのような表示が点滅した。このときに対応する色のコントローラボタンを押すと“スペシャルムーブ”という攻撃が発動するということだ。スペシャルムーブもまた、100種類以上の種類があり、それは発動するコントローラボタンによっても異なるし、主人公のカスタマイズ次第でも変わる。百種類という数は、これらスペシャルムーブが変化する要素の全てを含めての数ということだ。 デモプレイのラストはキャンサーというボス敵との戦い。他の敵よりも巨大でとても強力な敵だ。ボスにはそれぞれに特徴があり、例えばこのキャンサーでは、死角をついた頭上からの攻撃が弱点だという。ボスによってくいつもの種類がある武器をいろいろな使い方で試していくような、パズル的な要素もあるのかもしれない。 最後に最も強調していたのが、本作のカメラワークはシネマ的に、かつカジュアルゲーマーでも難なく操作できるよう考えられているということだ。これは筆者も驚いて聞き返したのだが、ここまででプレイしたきた中でKen氏は一度もカメラ操作をしなかったというのだ。あらゆる場面でズームインズームアウトが効果的に行なわれ、画面の角度も印象的な見え方になるよう動いていた。これがプレーヤーの手ではなく、ゲームシステムが行なっていたのである。 こういった3Dアクションジャンルのタイトルには、「Too Human」同様に爽快感を魅力にしているものも多いが、その爽快感が効果的に得られるかどうかはカメラワークが快適に行なわれるか、もしくは行なえるかが強く関わってくる。本作はその点に気を配り、シネマ的でありながら、どんなユーザーにも楽しめるように注力しているということだ。
なお、本作の構想自体は'94年からあったもので、長く考えてきたタイトルであり、これまでにSilicon Knightsが関わってきた「エターナルダークネス」や「メタルギアソリッドツインスネーク」で得てきた経験を集約したタイトルであることが伝えられ、インタビューが締めくくられた。
□「Silicon Knights」のページ http://www.siliconknights.com/
□Microsoftのホームページ (2006年5月12日) [Reported by 山村智美/迫水紀文]
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