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【連載第69回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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「プレイスタンド DS Lite」でキッチンにDSを持ち込もう!
単体購入可能なPSP用方向キーアダプタも登場 |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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今回のゲームグッズ研究所は、HORIから発売されたニンテンドーDS/DS Lite用スタンド「プレイスタンド DS Lite」をレポートする。これまでにもDSやPSP用のスタンドをいくつかレポートしてきたが、これらは充電や動画の視聴が目的となっていた。一方、「プレイスタンド DS Lite」は、操作性を向上させるためのスタンドという位置付けだ。
タッチペンのみで操作できるタイトルでは、DSやDS Liteを机や床に置いてプレイする人も少なくないはず。ただ、角度を付けられないタッチスクリーン側は、視認性が若干悪くなり、頭を前に出して覗き込むような体勢でプレイすることになる。この問題を解決し、快適なプレイ環境を作れるのが「プレイスタンド DS Lite」だ。特に、任天堂のDS用タイトル「しゃべる! DSお料理ナビ」を購入した人には、是非一読して頂きたい。
後半では、PSPの方向キーとアナログパッドの操作性を向上させるグッズ「Extra Button Kit」をレポート。当連載第67回でPSP用方向キーアダプタを2つ紹介したが、これらはバンダイナムコゲームス「鉄拳 DARK RESURRECTION」と、カプコン「ストリートファイターZERO3↑↑(ダブルアッパー)」の購入者特典であった。「Extra Button Kit」にはPSP用方向キーアダプタが2種類含まれており、ゲーム周辺機器のネット通販サイト「マックスギア」にて販売されている。単体で入手できるPSP用方向キーアダプタをレポートするのは今回が初めてのこと。操作性がどれだけ向上するのか、詳しくチェックしてみた。
● 「しゃべる! DSお料理ナビ」にピッタリなDS/DS Lite用スタンド。タッチスクリーンの操作性も向上!
・「プレイスタンド DS Lite」
メーカー:HORI
価格:1,554円
重量:約120g
DS/DS Lite対応
◆ 外観をチェック
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「プレイスタンド DS Lite」のパッケージ内容。写真内左上がテーブル、左下がベース、右がアタッチメントとなっている |
「プレイスタンド DS Lite」は、DS/DS Lite対応のスタンドだ。DS LiteはDSよりも本体サイズが小さくなっているが、付属のアタッチメントを装着することで、DS Liteにも対応している。スタンドは半透明のプラスチック製で、DS/DS Liteを設置する“テーブル”と、土台となる“ベース”で構成されている。テーブルの背面には、下側と左右にベースを固定するための溝が設けられていて、下側をベースにはめ込むとDS/DS Liteを横向きに設置できる。左側をはめ込めば右利き用の縦向き、右側では左利き用の縦向きに設置できる仕組みだ。
テーブル部分の下部両端と上部には、スポンジが貼り付けられた脱落防止用のガイドが設けられている。各ガイドの幅はDS本体のサイズに合わせられているので、DS Liteを設置するときは、スポンジが貼り付けられたL字型のアタッチメントを下部両端のガイド付近に装着する。
ベース部分は厚さ約3mmの分厚いプラスチックが使われている。また、底面に4つ取り付けられている直径1.5cmのスポンジにはグリップ力を高める加工がなされており、DS/DS Liteをバランスよく支えられる安定性を確保している。スタンドの角度は、約10度ずつ8段階で調整可能。手前に約70度の角度をつけた状態を1段階目とすると、7段階目で水平になり、8段階目では奥に約10度倒れた状態になるという具合だ。
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写真は「プレイスタンド DS Lite」のベースにテーブルを挿し込んだ状態。DS本体を横向きに置くスタイルとなる |
ベースの形状は、上辺が約10cm、底辺はDS Liteの横幅とほぼ同じ13cm、高さ9.5cmの台形。四隅にあるのが滑り止め用のスポンジだ |
テーブル下部にDS Lite設置用のアタッチメントを2つ装着した |
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写真左は手前に最大まで起こした状態、写真右は奥に最大まで倒した状態になっている。この範囲で約10度ずつ8段階の角度調整が可能 |
テーブルを90度傾けてベースに装着すれば、DS/DS Liteを縦に設置できる。ベースとテーブルはひとつの突起で軽くロックされるが着脱はスムーズ |
◆ 実際に使ってみる
それでは早速、ゲームをプレイしながら「プレイスタンド DS Lite」の使い勝手をチェックしていこう。今回のテストで使用したタイトルは、任天堂の「しゃべる! DSお料理ナビ」、「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」、そして「メトロイド プライム ハンターズ」。利用シーンや操作方法がそれぞれ異なるタイトルをチョイスしてみた。
・「しゃべる! DSお料理ナビ」
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「しゃべる! DSお料理ナビ」の画面写真だ。上画面で料理の手順を映像とテキストで表示し、下画面にはタッチペン操作用のアイコンと時計が並ぶ |
任天堂の「しゃべる! DSお料理ナビ」は、肉・魚料理からデザートまで合計200種類以上ものレシピを収録した“料理本”ソフトだ。調理方法の説明では、材料や分量の表示はもちろんのこと、料理の手順を音声や映像でサポート。さらにマイクを使った音声操作も可能。料理中にキッチンで利用することが多くなる本作では、「プレイスタンド DS Lite」の活躍が期待できそうだ。
「しゃべる! DSお料理ナビ」は横向きで使用するタイトルである。まずはDSから「プレイスタンド DS Lite」に設置してみた。設置といっても、「プレイスタンド DS Lite」のテーブルにあるガイドに合わせてDS本体を置くだけで良い。テーブル下部両端のガイドは、DS本体を若干の圧力で左右から挟み込んでいる感じではあるが、テーブル上部のガイドとDS本体の間には1mm程度の隙間ができる。DS本体はガッチリと固定されるわけではなく、テーブル下部のガイドだけで支えられている。
次はDS Liteの設置だ。DS Lite設置用のアタッチメントを挿し込みDS Lite本体を置いてみると、アタッチメントの左右に約1mm程度の隙間が発生した。上部のガイドにはほとんど隙間がない状態だ。しかし、アタッチメントの固定力が弱く、DS Liteを設置した状態でL/Rボタンを押すとアタッチメントに力が加わりフックの一部が外れてしまう。DS Liteがスタンドから脱落することはないが、もう少しガッチリと固定できたほうがよかったと感じた。
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DS本体を横向きで設置した。写真右を見ていただければわかると思うが、テーブル上部のガイドは本体に触れていない。テーブル下部のガイドだけでDS本体を支えている |
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こちらはDS Liteを横向きで置いた写真。写真中央では、アタッチメントとDS Lite側面の間に約1mmの隙間ができている。しかし、スポンジのグリップ力によりタッチペン操作中に本体がズレることはない |
さて、担当所員自宅のキッチンで、「しゃべる! DSお料理ナビ」と「プレイスタンド DS Lite」を使って実際に料理を作ってみた。キッチン台の高さは約90cm、奥行きは約65cm。このキッチン台の奥へ「プレイスタンド DS Lite」に設置したDS Liteとスタンド未使用時のDS Liteを置き、身長167cmの人が見下ろした状態を再現した写真を以下に掲載してみた。なお、DS Liteの画面の明るさは最大輝度となっている。
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写真右が「プレイスタンド DS Lite」を使用、左は未使用時のDS Liteだ。未使用時ではタッチスクリーン側の画面がほとんど見えないのがわかるだろう。「プレイスタンド DS Lite」を使った場合は、上画面に加えてタッチスクリーンもハッキリと見える |
スタンド未使用時の状態では、視野角の問題でタッチスクリーンがほとんど見えなくなってしまう。そのため、画面を見たり操作するときには身を乗り出さなければならない。一方、約60度の角度に傾けた「プレイスタンド DS Lite」に設置した状態では、ご覧の通り上画面もタッチスクリーンも難なく見えるようになる。DSでも同様の結果だ。
もっとも、マイクによる音声操作機能を備えた「しゃべる! DSお料理ナビ」は、料理中にタッチスクリーンを操作する必要はなく、料理の手順も上画面だけ見えれば十分理解できる。しかし、利用する食材の再確認や、食材の保存方法、料理用語をチェックできるお料理辞典を見たいときは、タッチスクリーンによる操作が必要。また、現在時刻を表示する“時計”はタッチスクリーンのみに表示される。手際良く料理を完成させるには時間配分が重要でもあり、簡単に時刻を確認できるようになるのは嬉しい。
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ベースの窪みはタッチペン置き場として活用できる |
実際にDS Liteを「プレイスタンド DS Lite」に設置した状態でタッチペン操作をしてみたところ、スタンドがぐらつくこともなく良好な操作感が得られた。スタンドの設置面はステンレスだが、ベース底面にあるスポンジの滑り止め効果はかなり高く、操作中にベースが動くことは一切ない。タッチペンをどこに置くべきか迷うところだが、ベースの表面にある長細い窪みがタッチペン置き場として役立つ。窪みの幅が広いため収まりはそれほど良くないものの、無防備にキッチン台に置くよりは安心だ。
さらに、スタンド使用時のほうがマイクの反応が良いことに気が付く。DS Liteはヒンジ中央にマイクを備えている。上の写真を見るとわかりやすいのだが、スタンド未使用時よりもスタンドを使ったときのほうが口元からマイクまでの距離が5cmほど縮まっている。これがマイクの反応向上に影響しているのかもしれない。
そしてもう1つ。水を扱うキッチンでは、DS/DS Lite本体をキッチン台に直接おくのは少々不安が残る。水滴が本体底面に付着すると、バッテリーボックスやL/Rボタンの隙間に侵入する可能性が高い。このような不安を緩和できるのも「プレイスタンド DS Lite」のポイントである。
・「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」
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縦持ちで「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」の「漢字書取」をプレイ中 |
DS/DS Liteを縦に持ってプレイする「もっと脳を鍛える大人のトレーニング」。ゲーム中に出題される計算問題や漢字の読み書きの答えをタッチスクリーンに書いたり、マイクを使って声で答えたりしていく内容だ。また、DS/DS Lite本体を縦(90度回転させる)に持ってプレイするタイトルでもある。
まずは、「プレイスタンド DS Lite」に、DS/DS Liteを縦向きに設置する。DSを縦に設置した場合、テーブル下部のガイドひとつと、テーブル上部のガイド2つで支えられるのだが、DSが左側に3度ほど傾いた状態になる。DS LiteではDSのような傾きはなくピッタリと設置できた。ちなみに、「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」は右利きと左利きの操作に対応している。「プレイスタンド DS Lite」のテーブル背面左にある溝にベースをはめれば右利きスタイル、背面右にある溝では左利きスタイルでDS/DS Liteを設置できる。
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写真左はDS、右はDS Liteを右利きスタイルで縦に設置した状態。DSでは右上のガイドと本体の間に約2mmの隙間が発生し、3度ほど傾いてしまうのが気になるところだ |
「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」で「プレイスタンド DS Lite」を使う利点は、DS/DS Lite本体を手で持たずにプレイできるということ。DSは274g、DS Liteは215gの重量がある。人によっては、片手で本体を持ち続けると疲れを感じるだろう。「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」はタッチペンとマイクだけで操作できるので、本体を机に置いた状態でもプレイできる。しかし、画面を見るために前のめりの姿勢を強いられ、これも疲労に繋がってしまう。
広い範囲で角度を付けられる「プレイスタンド DS Lite」であれば、背筋を伸ばした状態でも画面を確認できる。また、今回はツルツルとした机の上でプレイしたのだが、タッチペンの圧力でベースが動くことはなかった。「しゃべる! DSお料理ナビ」で使ったときも同じ結果であり、ベースの安定感は非常に高い。
ただし、横向きで設置したときとは異なり、タッチペンでタッチスクリーンに触れるごとに、テーブル部分が前後へ細かくブレることがあった。縦置きでは、テーブルとベースの接合部分とタッチスクリーンの距離が横置きよりも長くなっている。タッチペンでタッチする場所が接合部分から離れるほど、てこの原理で圧力が高まっていき、テーブル自体がしなってしまうのだ。「もっと脳を鍛える大人のトレーニング」にはタッチペンで漢字を書いて答えるトレーニングがあるのだが、このブレにより画数の多い漢字は若干書きにくいと感じた。気になる人は「プレイスタンド DS Lite」のテーブル部分を手で軽く押さえると良いだろう。
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写真左はDS Liteを縦に置き、タッチスクリーンの中心をタッチした状態。右は横に置いて同じ操作をした状態だ。縦置きの場合、テーブルとベースの接合部分からタッチした箇所までの距離が長い |
・「メトロイド プライム ハンターズ」
読者の方の中には、十字ボタンやL/Rボタンによる操作が必須なタイトルで、「プレイスタンド DS Lite」が役に立つのか知りたい人もいるだろう。「メトロイド プライム ハンターズ」は、一人称視点の3Dシューティングゲーム。十字ボタンで移動、タッチスクリーン操作で照準を合わせて、Lボタンでショットというのが基本操作になる。つまり、DS Lite本体の重量とタッチペンによる圧力を左腕の力だけで支える必要がある。
人によって異なるところではあるが、左腕に負荷が集中するこのプレイスタイルでは、疲労が溜まるスピードが早まり、タッチペン操作にブレが生じる。また、DSやDS Lite本体を左手で持ってLボタンや十字ボタンを押すと、それと同時に本体も大きくブレてしまう。このブレが照準のブレに影響するのだ。「プレイスタンド DS Lite」に設置すると、本体を持つ腕の動きによるブレはもちろんのこと、各ボタンを操作した時のブレもほとんど発生しなくなる。
ただし先述のとおり、DS LiteではLボタンを押したときに、アタッチメントのフックが一部外れてしまう。スポンジのグリップ力のおかげでスタンドから本体が脱落することはなく、一部のフックが外れたままでも快適に操作できたが、少々惜しい。
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写真左はDS、右はDS Liteで「メトロイド プライム ハンターズ」をプレイしている場面。ベースの設置面からタッチスクリーンまでの距離はDSもDS Liteもほとんど変わらないが、テーブルのガイド部分から方向ボタンの距離はDSのほうが短くなる。そのため、DSのほうが若干ではあるがプレイしやすい |
ここでは、「メトロイド プライム ハンターズ」のマルチプレイモードでCPUの敵を3体加えて、バトルロイヤルルールのCPU戦をプレイしてみた。プレイ中、DS/DS Lite本体を手で持ったときよりも照準が定まりやすく感じたのだが、プレイ後に表示される命中率を見て納得。スタンド未使用時の命中率は30%前後だったのだが、スタンド使用後の命中率が45%程度まで上昇していたのだ。
もちろん、CPUの動きは対戦ごとに異なるので、全く同じテスト環境とは言えない。しかし、何度プレイしても、スタンド使用時の命中率は40%程度、未使用時には30%程度に落ちる。この結果から、タッチペン操作の精度が向上しているのは明らかだ。
以上、3タイトルで「プレイスタンド DS Lite」を使ってみたが、“料理中にも「しゃべる! DSお料理ナビ」の機能を最大限に生かしたい”、“DS/DS Liteを水によるトラブルから守りたい”という人にとって、「プレイスタンド DS Lite」を使うのは非常に効果的と言える。
「メトロイド プライム ハンターズ」のスコアや対戦成績が伸び悩んでいるという人にもオススメだ。また、今後発売予定となっている任天堂の「マリオバスケ3on3」や「スターフォックス コマンド」も、本体を片手で持ち、タッチペンを使うという操作方法を採用している。今回チェックした「メトロイド プライム ハンターズ」のように、シビアなタッチペン操作が必要なのかはわからないが、同様の効果を得られる可能性もあるだろう。
● PSP用方向キーアダプタの効果を徹底チェック。操作性向上グッズの決定版!?
「Extra Button Kit」
メーカー:PantherLord
購入価格:735円
海外のゲーム周辺機器メーカーPantherLordの「Extra Button Kit」は形状が異なるPSP用方向キーアダプタを2種類、そして、純正アナログパッドと取替え可能なアナログスティックを5種類セットにした製品。このパッケージだけで、方向キーとアナログパッドの操作性をまとめて向上できる。なお、国内のネット通販サイト「マックスギア」では、「PSP用コントローラアダプタ+スティックセット」として販売されている。
◆ 外観をチェック
まずは、方向キーアダプタ2種類からチェックしていこう。ひとつは円形の板に十字型の突起を設けた十字タイプ。直径は、PSPの方向キーとほぼ同じ23.8mm、高さは約4.7mmとなっている。もうひとつは、PSPの方向キーの上下左右にあたる部分がなだらかなカーブで盛り上がり、斜め方向がへこんでいる曲面タイプ。直径と高さは十字タイプと同じだ。両タイプ共に、背面には厚さ約0.6mmのゴム式粘着テープが4つ取り付けられている。この粘着テープでPSPの方向キーに固定して使用する。
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写真内左が十字タイプ、右が曲面タイプ。曲面タイプは、斜め方向に親指の先がちょうど収まるようにへこんでいる特殊な形状だ |
十字タイプは中央からキーの先端に向かって高くなっている。曲面タイプは、上下左右部分と斜め部分で2.4mm程度の落差がある |
背面にあらかじめ取り付けられた粘着テープ。形状にはばらつきがあるようだ。茶色の部分は粘着面の保護紙となっている |
次はアナログスティックだ。サイズや形状が異なる5種類のアナログスティックがあるが、今回のレポートでは、サイズによって「ノーマルタイプ」、「ミドルタイプ」、「ワイドタイプ」に分け、さらに3種類存在する「ミドルタイプ」ではA、B、Cをつけて記述する。
「ノーマルタイプ」は、サイズも表面に刻まれたマス目状の刻みも純正アナログパッドと同等。同じものがもう1つ付属している。「ミドルタイプ」は、アナログスティック先端の表面に、同心円状の溝が刻まれた「ミドルタイプA」、中央が窪んだ「ミドルタイプB」、凹面状になっている「ミドルタイプC」の3種類を用意。「ワイドタイプ」は、「ミドルタイプC」と形状は同じでサイズが大きい。下に写真とサイズを記した表を掲載したので、先端の形状と高さの差に注目してみて欲しい。
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写真左が正面、写真右が側面から撮影したアナログスティック。写真内上段左は純正アナログパッドだ。上段中央は純正アナログパッドと同等の「ノーマルタイプ」、上段右は「ミドルタイプA」。下段は、左から「ミドルタイプB」、「ミドルタイプC」、「ワイドタイプ」の順に並んでいる |
タイプ | 先端の直径(mm) | 全体の高さ(mm) | 特徴 |
ノーマルタイプ | 11.3 | 3.4 | 純正とほぼ同等 |
ミドルタイプA | 15.6 | 7.2 | 同心円状の溝 |
ミドルタイプB | 15.6 | 7.8 | 中央にへこみ |
ミドルタイプB | 15.6 | 8.6 | 上下左右に突起 |
ワイドタイプ | 19.9 | 12.4 | 上下左右に突起 |
参考:純正アナログパッド | 11.2 | 3.4 | 上下左右に突起 |
◆ 実際に使ってみる
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粘着テープの保護紙を3箇所剥がした写真だ。粘着素材の間には細い繊維が挟まれている |
方向キーアダプタは、背面に取り付けられた粘着テープの保護紙を剥がし、PSPの方向キーへ被せるように貼り付ける。装着感は、粘着テープの粘着力はかなり強いものの、固定力は若干弱いという印象。方向キーアダプタをつまんで真横に強い力を加えると装着位置が微妙にズレるものの、強い力でキーを入力してもズレることはなかった。
取り外しについてだが、一度剥がすと粘着テープの粘着素材がPSPの方向キーと方向キーアダプタの背面に残る。粘着素材を取り除かなければ再度装着できるが、固定力が急激に弱まりキー入力中にもズレてしまうため着脱を繰り返すのはオススメできない。
PSPの方向キーに方向キーアダプタを装着することで、斜め方向を多用する格闘ゲームで操作性の向上を実感できるというのは、当連載第67回でレポートしたとおりである。十字タイプは、「サイキョー流道場公認サポートパッド」と全く変わらない操作感。曲面タイプは、斜め方向部分がへこんでいるため、斜め方向を入力したことを指先でハッキリと感じ取れる。これは、「コントローラー・アダプタ」と似た感触だ。
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写真はPSP十字タイプの方向キーパッドを装着したところ。装着後のキーの高さは約6.8mm |
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こちらはPSPに曲面タイプの方向キーパッドを装着した写真。高さは方向キータイプと同じく約6.8mm |
今回は、バンダイナムコゲームスの「鉄拳 DARK RESURRECTION」を使い、方向キーアダプタ使用時と未使用時で、技のコマンド入力の成功率がどれだけ異なるのか詳しくチェックしてみた。テスト方法は以下の通りだ。
まず、担当所員が一度も使用したことがない3キャラクタから、1つずつ斜め方向の入力があるコマンドを選ぶ。次に、十字タイプ装着時と未装着時の状態で、1P側の位置のときにそれぞれの技が15回成功するまで練習をする。これは、コマンドの入力タイミングとキーの癖をある程度つかむためだ。2P側の位置ではコマンドの入力方向が逆になるが、こちらでは練習をしていない。その後、十字タイプ装着時と曲面タイプ装着時、未装着時の状態で、1P側と2P側の位置から15回ずつコマンドを繰り返し入力し、成功回数を記録した。
それでは、テストしたキャラクタと技のコマンドを紹介していこう。1つは、リー・チャオランの“サマーソルトキック(小)”。コマンドは“しゃがんだ状態から、右上、○”だ。下方向に入力した状態から斜め上方向に素早く入力する。コマンド中の右上が上になったときには、斜め上ではなく真上の“サマーソルトキック(小)”になるが、これは失敗としてカウントする。また、右上を長めに押すと“サマーソルトキック(大)”になるが、これも失敗とした。
2つめは、マーシャル・ロウの“スライディング”。コマンドは“しゃがんだ状態から、左下、下、左下、×”。3つめは、ジャック5の“エクスプローダー”。コマンドは“左、左下、下、右下、右、右下、□”。左から右へ下に半回転させた後に再び右下へ入力する技だ。以下の表に、その結果をまとめてみた。
技名 | サマーソルトキック(小) | スライディング | エクスプローダー |
キャラクターの位置 | 1P側 | 2P側 | 1P側 | 2P側 | 1P側 | 2P側 |
十字タイプ装着時成功数 | 14 | 12 | 13 | 11 | 11 | 9 |
曲面タイプ装着時成功数 | 12 | 14 | 13 | 12 | 12 | 11 |
未装着時成功数 | 9 | 11 | 10 | 8 | 9 | 3 |
今回の実験では、テスト中にもコマンドの入力操作が上達していく可能性もあるので、少々偏りのある実験ではある。しかし、表を見ていただければわかると思うが、全てのコマンドにおいて、方向キーアダプタを装着したときのほうが、未装着時よりも3~4回ほど成功回数が多くなっている。特に、今回チェックした中でもっとも複雑なコマンドであるジャック5の“エクスプローダー”の2P側では、6~8回もの差が見られた。さらに練習を重ねることで、装着時と未装着時の成功回数の差は縮まるとは思うが、格闘ゲームではコマンド入力の失敗が、対戦結果に大きく影響する。有利に対戦を進めたいのであれば、方向キーアダプタを使うのが近道とも言えよう。
さて、「鉄拳 DARK RESURRECTION」の他にも様々なPSP用タイトルでチェックしてみたが、その中でも“方向キーアダプタを装着したほうが断然プレイしやすくなる”と感じたのは、コナミデジタルエンタテインメントの「グラディウス ポータブル」だ。本作には、「グラディウス」、「グラディウスII」、「グラディウスIII」、「グラディウスIV」、そして「グラディウス外伝」という横スクロールタイプの2Dシューティングゲームが収録されている。自機の移動には、方向キーに加えてアナログパッドにも対応している。
2Dシューティングゲームでは、斜め方向への移動は重要な要素だ。“それならアナログパッドで操作すればいいのでは? ”と思うかもしれないが、アナログパッドは方向キーに比べてストロークが長い。そのため、右方向へ移動中、とっさに左へ移動方向を変えたとき、コンマ数秒単位ではあるがワンテンポ遅れたような違和感を覚える。また、弾や障害物の間すり抜けるときに、方向キーをちょっとだけ押して数ドット単位で移動することがある。アナログパッドではこの操作が難しいのだ。
以上の理由から、担当所員は「グラディウス ポータブル」を方向キーでプレイしていたのだが、PSPの方向キーでは斜め方向の移動で操作ミスを起こすことがあった。例えば、右斜め下方向へ移動している最中に右方向の入力が途切れて突然下方向に移動してしまうといった具合だ。このような操作ミスも、方向キーアダプタを装着することですんなりと解決できた。斜め右下から斜め左上への移動の切り替えが素早くできるようになったのも嬉しいところ。ここまで操作性が変わるのかと驚かされた。
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純正アナログパッドを外して露出した突起にアナログスティックを挿し込む |
次に、「Extra Button Kit」のアナログスティックを使っていこう。装着方法は、純正アナログパッドを指でつまんで引き抜き、露出した突起にアナログスティックを差し込むだけだ。外した純正アナログパッドは紛失しないよう、しっかりと保管しておきたい。
以下に、純正アナログパッドと5種類のアナログスティックをPSPに装着した写真を掲載したので、方向キーとの位置関係と高さに注目してチェックしてみて欲しい。
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純正アナログパッドを装着した状態の写真だ。装着後の高さは1.8mm |
こちらは「ノーマルタイプ」を装着。高さは純正アナログパッドと同じ1.8mmだ |
「ミドルタイプA」は純正アナログパッドよりも3.8mm高い5.6mmとなる |
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「ミドルタイプB」を装着したときの高さは6.2mm |
「ミドルタイプC」は、ミドルタイプの中では最も高い7.1mm |
5種類のアナログスティックの中で大きいサイズの「ワイドタイプ」。高さは10.8mmだ |
「Extra Button Kit」のアナログスティックの一部は、当連載第53回でレポートした、サイバーガジェット「CYBER・アナログスティックキット」 と、グリーンハウス「クリスタルカバー&ソフトラバーパッド」のアナログスティックと良く似た形状のものが含まれている。
「ミドルタイプB」、「ミドルタイプC」と「ワイドタイプ」は、それぞれ「クリスタルカバー&ソフトラバーパッド」の「ショートタイプ」、「CYBER・アナログスティックキット」の「ミドルタイプA」と「ワイドタイプA」とほぼ同様の操作感を得られる。ただし、アナログパッド先端表面はラバーコーティングが施されておらず、またツルツルした感触なためグリップ力は微妙に落ちる。
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方向キーアダプタの曲面タイプを装着したPSPに「ミドルタイプA」を装着し、親指を置いた写真 |
特徴的なのはアナログスティック表面に同心円状の溝が刻まれた「ミドルタイプA」。担当所員が使用した限りではあるが、今回の「Extra Button Kit」、そして「CYBER・アナログスティックキット」と「クリスタルカバー&ソフトラバーパッド」のアナログスティックの中で一番使いと感じたのが「ミドルタイプA」だ。
まず、純正アナログパッドでは、指先に汗をかいたときに突然滑りやすくなるのだが、「ミドルタイプA」では、同心円状の溝が親指の指紋をガッチリ捕らえるため非常に滑りにくい。また、先端が盛り上がっていることから、親指を押し付けたときに先端を包み込むように親指がへこむ。アナログスティック先端に親指が触れる面積が広くなり、これもグリップ力を高めているポイントのひとつだ。
そして、5.6mmという装着後の高さは、方向キーアダプタと併用したときに最も理想的な高さと言える。方向キーアダプタを装着したときのキーの高さは6.8mmだ。アナログスティック装着後の高さが6.8mmよりも高くなると、方向キーアダプタの下方向を入力したときに、親指がアナログスティックの先端に干渉してしまう。PSPの方向キーとアナログパッドの操作性を同時に向上させたいのであれば、「ミドルタイプA」を使うのが最も適しているというわけだ。
以上のことから、今回は「Extra Button Kit」の「ミドルタイプA」に注目してみたが、指のサイズや操作方法は人それぞれ。様々なタイプのアナログスティックを試して、自分のプレイスタイルにマッチしたものを探してみて欲しい。
ただ、1つだけ注意してもらいたいことがある。アナログパッドはPS2のDUALSHOCK 2と異なり、「倒して入力」するものではなく、「スライドして入力」する。アダプタを交換して高さを確保すると、ついこのことを忘れて倒すように入力しがち。これでは、本来の使い方と違う力がかかるため、アナログパッドの基部にダメージを与えてしまうケースも考えられる。十分気をつけていただきたい。
【7月26日追記】パッド交換によるリスクが生じることについて追記いたしました。
「プレイスタンド DS Lite」と「Extra Button Kit」をレポートしてみたが、いかがだっただろうか。「プレイスタンド DS Lite」は、本体を持つ手の疲労緩和効果、そして「メトロイド プライム ハンターズ」における操作性の向上には驚かされた。
「プレイスタンド DS Lite」で少々残念だったのは、DSやDS Liteで動画を観賞できるようになるGBAスロット用カートリッジ「プレイやん」の使用が困難だったということだろうか。「プレイやん」を装着した状態でもスタンドに設置できないことはないのだが、DS/DS Liteの重量を「プレイやん」のカートリッジ部分で支えることになるため安定しない。また、イヤホン端子も塞がってしまう。
今秋発売予定の「DS地上波デジタル放送受信カード(仮称)」はDSカードスロットに挿し込むタイプとのことなので、こちらでは「プレイスタンド DS Lite」が役立ちそうだ。また当研究所で調べた限りでは、今回紹介した「プレイスタンド DS Lite」以外にもDS/DS Lite用のスタンドが2製品発売される予定となっている。入手次第レポートしていく予定なので楽しみにして頂きたい。
「Extra Button Kit」は、PSPの操作性を向上させたいという人には一度試してみて欲しい製品である。ただ、装着後の外観は気になるところかもしれない。担当所員は、ブラックカラーのPSPに方向キーアダプタを装着しているのだが、ホワイトカラーのPSPではブラックの方向キーアダプタはデザイン的に浮いて目立ってしまう。ホワイトカラーやクリアカラーバージョンの方向キーアダプタの登場にも期待したい。
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(2006年7月24日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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