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ゲームの年齢別新レーティング制度、5月31日から実施
東京都、「新制度は画期的な取り組みとして評価している」

5月31日 実施

これまでの「18歳以上対象」は「Z:18歳以上のみ対象 (上記写真)」と「D:17歳以上対象」に分けられる
 東京都 青少年・治安対策本部は5月30日、東京都庁において「平成18年度第1回『テレビゲームと子どもに関する協議会』」を開催した。今回の協議会には社団法人コンピュータエンタテインメント協会 (CESA) を始め大手ゲームメーカーが参加し、5月31日から実施されるCESAの新レーティング制度の説明が行なわれた。

 5月31日から実施される新レーティング制度では、従来の全年齢対象、12歳以上対象、15歳以上対象、18歳以上対象という表記から、「A:全年齢対象」、「B:12歳以上対象」、「C:15歳以上対象」、「D:17歳以上対象」、「Z:18歳以上のみ対象」といった表記に改められる。新レーティング制度での表記はアルファベット表記となるほか、色分けもされ、「A」=黒、「B」=緑、「C」=青、「D」=黄、「Z」=赤、と一目で見分けが付くよう工夫されている。

 最も大きな変更点は、これまで18歳以上対象とされていたものが、「D区分」と「Z区分」に分けられた点。再審査においては特に“暴力表現”にポイントを絞り、審査していったという。さらに、これまではある意味表記のみで強制力がなかったが、今後、「Z区分」については業界として18歳未満のユーザーに対して販売の自主規制を敷くこととなった。販売店においては、場合によっては年齢の確認が行なわれ、18歳未満のユーザーへの販売は禁止される。

 現在、従来のレーティングにおける18歳以上対象商品についての再審査が行なわれ、148タイトル中137タイトルの審査が終了。残り11タイトル中8タイトルはすでに日本を撤退したアイドスのタイトルだが、今後再審査を行なうことで進行中だという。またカプコンの「TRUE CRIME:STREETS OF L.A.」についてはすでに審査は終了しているが、ライセンス元に確認中の段階となっている。これらの再審査中11タイトルについては完了するまで一時的に「Z区分」として取り扱われる。

 なお、今回「Z区分」として審査され18歳未満のユーザーへの販売禁止が決定したタイトルは以下の通り。なお、147タイトルの一覧についてはCESAのホームページにおいて公開されている (PDF形式)。

    DRIV3R (ドライバー3) PS2 アタリジャパン
    MAX PAYNE PS2 エレクトロニック・アーツ
    Killer7 PS2 カプコン
    Killer7 ゲームキューブ カプコン
    グランド・セフト・オート・ダブル・パック Xbox カプコン
    グランド・セフト・オート・バイスシティ PS2 カプコン
    グランド・セフト・オート・バイスシティ カプコレ PS2 カプコン
    ゲッタウェイ (the Getaway) PS2 カプコン
    グランド・セフト・オート III PS2 カプコン
    グランド・セフト・オート III カプコレ PS2 カプコン
    ベルセルク 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇 聖魔戦記の章 PS2 サミー
    ゲッタウェイ ブラックマンデー PS2 セガ
    SIMPLE2000シリーズ Vol.61 THE お姉チャンバラ PS2 ディースリー・パブリッシャー
    SIMPLE2000シリーズ Vol.80 THE お姉チャンプルゥ ~THE姉チャン特別編~ PS2 ディースリー・パブリッシャー

CESAの新会長として補足説明を行なったスクウェア・エニックスの和田洋一代表取締役社長
 販売店に対しては、5月10日にポスターなども配布し啓蒙に努めているほか、CESAからPOPなどが配布され区分陳列なども行なうように依頼。たとえば「Z区分」の商品についてはCESAの“区分陳列POP”でわかりやすく仕切り、棚も地面から目安として150cm以上の高さに設置することで、子供が手に取りにくいよう工夫するなど依頼されている。店頭でのデモについても自粛を呼びかける。

 CESAは販売店に対して、これらの対応をまとめたマニュアルを配布し、協力を求めている。発表会に出席した日本テレビゲーム商業組合の新谷理事長によれば「30日にもFAXを各店舗に送っており、周知徹底されていると思う」と発言している。さらに今後は、中古販売店、ネット販売店についても協力を強く求めていくようだ。

 また、現在はコンビニなどでもゲームの販売が行なわれているが、日本フランチャイズチェーン協会は「コンビニエンスストアでは『成人向け雑誌・TVゲームソフト』取り扱いガイドラインを改訂し、Z区分のソフトについては販売しないことを決定した」と表明した。

 先日CESAの会長に就任した和田洋一スクウェア・エニックス代表取締役社長は、「今回の仕組みは、ゲームを制作するメーカーと客観的な立場にあるレーティングする側 (CERO) 、そして販売店側と3者の役割分担をきちんと話し合えた。今後はシステムの周知徹底が重要。認知度を上げるためには公官庁などの広報活動などでも積極的に取り上げていただければと思う。また、新しい枠組みでの問題点については、今後も継続審議していきたい。次世代機の登場で表現力がよりリアルになれば、同じ内容でもプレイする側にとっては違った感じを受けるかもしれないし、ほかのエンターテイメントとの境目がなくなりつつあり、各所と調整していきたい」と説明した。


東京都青少年・治安対策本部長の舟本馨氏
 今回の会議ではゲーム業界側からの新レーティング制度の説明で終始したが、東京都側としてはどう捉えているのかを東京都青少年・治安対策本部長の舟本馨氏に尋ねたところ、「従来のレーティング制度と違い、画期的な取り組みと評価している。これまではレーティングがあっても目安にすぎず、子供が販売店で買いたいと思えば買うことができた。今回は業界として明確に18歳未満には販売しないという意思表示がされている」と評価。

 昨年10月に行なわれた協議会で都側は、「『表示図書類』として認定した上での表示を行なって欲しい」との意向を示していた。有害図書類への指定を強く希望していたようだがこの点については、「ゲームにおける事前のチェックは大変時間がかかる。なので、業界における今回のレーティングのチェックは機能していると思う。しかし、新レーティングにおける自主規制からこぼれるような形で条例に当てはまるようなソフトが出てくれば (有害図書類などの指定も) あり得るだろう」としている。

 今後、同様の協議会が行なわれるかどうかについては、「今回自主規制のガイドラインが引かれたことで、暴力表現に関してはひとつの区切りがついたと思う。しかし、難しいところだが子供への影響など様々な問題がある。今後も他の自治体などとも連携を取って業界団体とも話し合いを続けていきたい」とコメントした。

 今回の協議会には神奈川県、千葉県、さいたま市、横浜市、川崎市、千葉市の関係部局が参加するなど、注目度が高い問題であることを示している。子供達だけでなく、親などの買い与える側にもこれらのレーティング制度があることをこれまで以上に周知徹底させ、システムとして有効に運営されることを期待したい。

□東京都のホームページ
http://www.metro.tokyo.jp/
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□CEROのホームページ
http://www.cero.gr.jp/
□ニュースリリース (PDF形式)
新レーティング制度導入に伴う、既発売「CERO18歳以上対象」作品の再審査結果報告
http://www.cesa.or.jp/news/2006/060530.pdf
□関連情報
【2005年10月19日】東京都、第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」開催
業界はCEROレーティングをアピール、都は「表示図書類」表示を提案
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051019/tokyo.htm
【2005年7月21日】マイクロソフト、Xbox 360に「保護者による設定機能」搭載
CEROレーティングによるアクセス制限を実現
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050721/xbox.htm
【2005年7月19日】CESA、「年齢別レーティング制度」を活用した
販売自主規制を開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050719/cesa.htm
【2005年6月7日】カプコン、神奈川県のゲームソフト有害図書類指定に
遺憾の意を表するコメントを掲載
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050607/capcom.htm

(2006年5月31日)

[Reported by 船津稔]



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