|
5月31日から実施される新レーティング制度では、従来の全年齢対象、12歳以上対象、15歳以上対象、18歳以上対象という表記から、「A:全年齢対象」、「B:12歳以上対象」、「C:15歳以上対象」、「D:17歳以上対象」、「Z:18歳以上のみ対象」といった表記に改められる。新レーティング制度での表記はアルファベット表記となるほか、色分けもされ、「A」=黒、「B」=緑、「C」=青、「D」=黄、「Z」=赤、と一目で見分けが付くよう工夫されている。 最も大きな変更点は、これまで18歳以上対象とされていたものが、「D区分」と「Z区分」に分けられた点。再審査においては特に“暴力表現”にポイントを絞り、審査していったという。さらに、これまではある意味表記のみで強制力がなかったが、今後、「Z区分」については業界として18歳未満のユーザーに対して販売の自主規制を敷くこととなった。販売店においては、場合によっては年齢の確認が行なわれ、18歳未満のユーザーへの販売は禁止される。 現在、従来のレーティングにおける18歳以上対象商品についての再審査が行なわれ、148タイトル中137タイトルの審査が終了。残り11タイトル中8タイトルはすでに日本を撤退したアイドスのタイトルだが、今後再審査を行なうことで進行中だという。またカプコンの「TRUE CRIME:STREETS OF L.A.」についてはすでに審査は終了しているが、ライセンス元に確認中の段階となっている。これらの再審査中11タイトルについては完了するまで一時的に「Z区分」として取り扱われる。
なお、今回「Z区分」として審査され18歳未満のユーザーへの販売禁止が決定したタイトルは以下の通り。なお、147タイトルの一覧についてはCESAのホームページにおいて公開されている (PDF形式)。
・MAX PAYNE PS2 エレクトロニック・アーツ ・Killer7 PS2 カプコン ・Killer7 ゲームキューブ カプコン ・グランド・セフト・オート・ダブル・パック Xbox カプコン ・グランド・セフト・オート・バイスシティ PS2 カプコン ・グランド・セフト・オート・バイスシティ カプコレ PS2 カプコン ・ゲッタウェイ (the Getaway) PS2 カプコン ・グランド・セフト・オート III PS2 カプコン ・グランド・セフト・オート III カプコレ PS2 カプコン ・ベルセルク 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇 聖魔戦記の章 PS2 サミー ・ゲッタウェイ ブラックマンデー PS2 セガ ・SIMPLE2000シリーズ Vol.61 THE お姉チャンバラ PS2 ディースリー・パブリッシャー ・SIMPLE2000シリーズ Vol.80 THE お姉チャンプルゥ ~THE姉チャン特別編~ PS2 ディースリー・パブリッシャー
CESAは販売店に対して、これらの対応をまとめたマニュアルを配布し、協力を求めている。発表会に出席した日本テレビゲーム商業組合の新谷理事長によれば「30日にもFAXを各店舗に送っており、周知徹底されていると思う」と発言している。さらに今後は、中古販売店、ネット販売店についても協力を強く求めていくようだ。 また、現在はコンビニなどでもゲームの販売が行なわれているが、日本フランチャイズチェーン協会は「コンビニエンスストアでは『成人向け雑誌・TVゲームソフト』取り扱いガイドラインを改訂し、Z区分のソフトについては販売しないことを決定した」と表明した。
先日CESAの会長に就任した和田洋一スクウェア・エニックス代表取締役社長は、「今回の仕組みは、ゲームを制作するメーカーと客観的な立場にあるレーティングする側 (CERO) 、そして販売店側と3者の役割分担をきちんと話し合えた。今後はシステムの周知徹底が重要。認知度を上げるためには公官庁などの広報活動などでも積極的に取り上げていただければと思う。また、新しい枠組みでの問題点については、今後も継続審議していきたい。次世代機の登場で表現力がよりリアルになれば、同じ内容でもプレイする側にとっては違った感じを受けるかもしれないし、ほかのエンターテイメントとの境目がなくなりつつあり、各所と調整していきたい」と説明した。
昨年10月に行なわれた協議会で都側は、「『表示図書類』として認定した上での表示を行なって欲しい」との意向を示していた。有害図書類への指定を強く希望していたようだがこの点については、「ゲームにおける事前のチェックは大変時間がかかる。なので、業界における今回のレーティングのチェックは機能していると思う。しかし、新レーティングにおける自主規制からこぼれるような形で条例に当てはまるようなソフトが出てくれば (有害図書類などの指定も) あり得るだろう」としている。 今後、同様の協議会が行なわれるかどうかについては、「今回自主規制のガイドラインが引かれたことで、暴力表現に関してはひとつの区切りがついたと思う。しかし、難しいところだが子供への影響など様々な問題がある。今後も他の自治体などとも連携を取って業界団体とも話し合いを続けていきたい」とコメントした。
今回の協議会には神奈川県、千葉県、さいたま市、横浜市、川崎市、千葉市の関係部局が参加するなど、注目度が高い問題であることを示している。子供達だけでなく、親などの買い与える側にもこれらのレーティング制度があることをこれまで以上に周知徹底させ、システムとして有効に運営されることを期待したい。 (2006年5月31日) [Reported by 船津稔]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|