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会場:Los Angeles Convention Center
■ METROID PRIME 3 CORRUPTION
操作はヌンチャクスタイルが基本。ヌンチャク付属のコントロールスティックでサムスを前後左右にコントロール。十字ボタンが付属するWiiリモコンが、ターゲットカーソル兼サムスの向きを変える役割を果たす。使い方は、会議室などで使用するポインタそのまま。文字どおり直感的に方向を変え、攻撃ポイントを指示することができる。 攻撃方法は、ターゲットカーソルを敵にあわせてAボタンを押すだけ。長押しで強力なダメージを与える“溜め”を作ることもできる。溜め攻撃は、通路上の障害物を破壊して取り除くときにも役に立つ。 筆者は右利きなので、左手にヌンチャクを持ち、右手でWiiリモコンを持ちプレイ。役割分担がはっきりしているから、ターゲットカーソルの移動量などが身体に馴染みはじめた頃には、もうすっかり本作のとりこ。 面白いのは、ところどころで出現するギミックや謎解きのアプローチ。体験版につき内容はシンプルだ、たとえば取っ手つきのスイッチを操作するときは、取っ手をZトリガで指定したら、持ったまま引っ張る+ひねる+押し込むといった一連の動作を、プレーヤーがリモコンでそのまま実行することになる。 特定の障害物をどけるときも「Fire Grapple」と呼ばれるムチ状の電磁アンカーのようなものをヌンチャクで投げつける動作をし、ひっかけたらコントロールスティックで引っ張る動作をするといった具合。画面の内容と操作に違和感がないので、これひとつとっても、ゲームに対する没入感が全然違ってくる。
FPSはコアなファン向けのものが多いが、Wiiタイトルらしい斬新さと抜群の操作性を持った本作は、幅広い層に十分な満足感を与えられる作品になりそうだ。
■ EXCITE TRUCK
本作では、リモコンをクルマのハンドルに見立ててプレイする。左右に傾けると、それぞれ左右にハンドルを切った状態になる。前後でジャンプ中のクルマの仰角コントロール。前後については、往年の名作「エキサイトバイク」のジャンプ中における動作とほとんど同じ感覚だ。 ボタン類は、2ボタンがアクセル、1ボタンがブレーキ。パッと見でわかるとおりシミュレーター路線ではなく、爽快感を重視した爆走スタイルが身上。はためには地面を滑っているように見える車体の動きも、コントローラーの振動機能と画面の起伏が身体のなかでシンクロする頃には、微妙なデコボコまで感じ取れるようになるから不思議。 障害物によるクラッシュや大幅なコースアウト時は、Bボタン連打でコースに復帰。普遍的なレースゲームでは大きなクラッシュ後の復帰は一瞬気が抜けた状態になってしまうことがしばしばだが、本作は“ボタン連打”という仕掛けがあるため、クラッシュ直後から復帰までの流れでテンションが途切れないのがいい。 最初のうちはおっかなびっくりで、手首や二の腕だけでチョコチョコとリモコンを操作してしまうのだが、それだとコースを捉えきれず、樹木や岩などに激突することが多かった。個人差が大きいかもしれないが、筆者的には二の腕だけでプレイするよりも、身体全体を使って、それこそハンドルを切るような気分で操作したほうが圧倒的にプレイしやすかった。
リモコンを握れば誰でもすぐに遊べるとっつきやすさがある一方で、コースどりなどの戦略性も高くコアなファンにも十分な訴求力を持っている。個人的にはWi-Fiに対応していてくれたら最高なのだが……もし可能なら、ぜひともお願いしたい。
■ PROJECT H.A.M.M.E.R.
割とスタンダードなアクションゲームかと思いきや、画面にポインタを向けると赤い点が出てくる。この状態で、ポインタを下から上、さらに下へ動かすと、ハンマーを地面に叩きつけるような攻撃を仕掛ける。また右か左に素早くポインタを動かすと、そちら側をハンマーで払いのけるように攻撃する。 普通にボタンを連打しているだけでも、連続攻撃になるので十分気持ちがいい。そこでさらにポインタを使ったアクションを加えることで、より強力な攻撃で敵を吹き飛ばせる。数発殴りながら敵の群れに突っ込み、払いのけて敵を一掃するといった、爽快かつ戦術的なアクションが楽しめる。
主人公を含めて非常にメカニックな世界設定や、グラフィックスの美しさも注目に値する。デモバージョンではただ敵を倒していくだけでやや単調ではあるが、ポインタにアクションのバラエティを増やしたり、ステージを作りこむなどしていけば、爽快で楽しいアクションゲームになってくれそうな期待は持てる。
■ MADDEN NFL 07
従来のNFLゲームとの最大の違いは、やはり操作系に集約される。E3出展バージョンはチュートリアルから開始されるのだが、まずチュートリアルでやることが違う。パスを出すときは、対象となる選手を十字キーで指定しながら、そのままリモコンでパスを投げる動作をする。キックは、動作開始直後、同様にリモコンをトスアップするような感覚で動かすといった仕組み。 コンシューマであれば方向キー+ボタン、PCであればキーボードにマウスといったものが、動作が直感的になることで、これまで「客観的なポジションにいたプレーヤー」が、ある意味「選手と肩を並べる位置にいる」といったイメージ。ボールコントロールにまつわる諸動作が直感的にできるようになったため、ある意味「Wii Sports」タイトルと同じ感覚で楽しめるわけだ。
「プラットフォームの操作系にあわせただけ」と悪口を言う人がいるかもしれないが、それでもヌンチャクスタイルでプレイするという一点だけで、過去にリリースされたどんなNFLゲームにもない独自の魅力が醸し出されるあたり、「Wii」というハードを世に送り出した任天堂の底力には素直に脱帽するほかない。“直感操作”のNFLゲームは、今後の同系統作品に大きな影響を与えそうだ。
■ DRAGONBALL Z BUDOKAI: TENKAICHI 2
グラフィックスや操作性は、GCやPS2などで多数リリースされている同シリーズと大差ない。トゥーンシェードのクオリティは高く、原作のイメージがきちんと踏襲されている。 操作についても大胆なアレンジはなく、Cボタンを押したままヌンチャクをトスアップ動作の要領で行なうジャンプをのぞけば、それ以外は従来作品とほぼ同じ。コントロールスティックでキャラクタを移動させ、リモコンのAボタンで飛び道具(気合弾)、Bボタンで打撃(連続入力でコンボに発展)、十字キーで瞬間移動などの特殊能力といった具合。 ただし、本作には“これぞドラゴンボール!”という唯一無二のシステムがある。それは、カメハメ波の撃ちかた。気合ゲージを最大にしたら、ヌンチャクのZボタンとリモコンのBボタンを押したまま、両コントローラーを前後に素早く撃ちだすように動かすと、画面内のキャラクタがカメハメ波などの強力な必殺技を繰り出す。
「なんだそれだけかよ、ばかばかしい!」と思うなかれ。こうした“なりきり”要素は、キャラクタゲームにとって重要なポイント。原作をきちんとトレースしてシステムに実装できたのは、まさに「Wii」の操作系があったからこそ。動作自体は素早く行なわなければならないため、原作のように「カ・メ・ハ・メ……」などとタメを作る暇はないが、なりきりたい人にとって、これ以上のツールは存在しないだろう。
■ Elebits
ビームは当てたものを掴む特性がある。たとえばフライパンにビームをあて、そのままポインタを動かすと、その方向にフライパンを移動させられる。物体の大きさは関係ないようで、台所にあるものならば、冷蔵庫も掴んで投げ飛ばせるし、外に出れば隣の家まで持ち上げてしまう。放り投げた物体は物理計算によって、滑らかな動きで崩れ転がっていく。 他にも扉を開けたり、蛇口に当ててポインタを回すようにすると蛇口が開いたりと、非常にインタラクティブ性の高い3D空間を再現している。ポインタのアイデアと、次世代機でトレンドとなっている物理演算を取り入れることで、シンプルかつ斬新なシステムになっている。一昔前に「バーチャルリアリティ」として、3D空間にあるものを自在に動かすというものがあったが、それを家庭でお手軽に体験できるといった感触だ。
今回のバージョンでは、3分間でどれだけのElebitsを集められるかというゲームになっていたが、それも半分忘れて、部屋のあちこちを動かすことに夢中になってしまった。ゲームというにはまだまだ不完全ではあるが、Wiiの持つ可能性を確かに感じる1本だ。
■ SD GUNDAM
Wiiならではの特徴は、操作にモーションセンサーを取り入れている点。右手に持ったコントローラを振り下ろすように動かすと、装備している武器を使って攻撃する。キャラクタの移動は左コントローラのアナログスティックを使用。 武器は複数のセットから選択できるが、基本装備となっているのはハイパーハンマー。右のコントローラを振り回していると、ガンダムも概ね同じようにハンマーをぶん回して、周囲の敵を吹き飛ばしていく。敵だけでなく、敵の拠点にある建物、森にある木、道中にある岩なども、ドカンドカンと壊しながら進んでいける。小難しいことを考えず、敵に突撃してコントローラを振り回しているだけでも相当楽しい。
Wii用ソフトのアイデアとしては直球ど真ん中といった印象だが、小学生以下の層もカバーするSDガンダムという題材を扱うならば、それもひとつの手といえるだろう。ゲーム好きな大人に対しても、Wiiのモーションセンサーを垣間見る素材としてはなかなか良好な作品だ。
■ NECRO NESIA
アクションにモーションセンサーを多用しており、ボタンを押しながら右スティックを振ると攻撃。ボタンを押さずにどちらかのコントローラを横に振ると、その方向に転がるようにして回避行動を取る。 デモではマップで示された地点へ移動するが、ゲームを開始してすぐ、足元に巨大なムカデのような虫が大量に発生している地点を通る。この虫はすぐにプレーヤーキャラクタの体を這い上がってきて、あっという間に数匹の虫にまとわりつかれる。「うわあ、気持ち悪い!」と思わず声に出してしまうプレーヤーも多く、無意識にコントローラを振り回してしまうほど。ちなみにこの操作で虫が落ちるようになっているのはなかなか秀逸。
手に持った棒で虫を叩くと、グチャッと気持ちの悪い音を立ててひっくり返る。その後も巨大なカマキリに襲われるなど、生理的嫌悪感をもよおす世界観がよくできている。Wiiならでは、というにはやや弱いが、この手のテイストが好みの人は今後に注目していただきたい。
Wiiのソフトは全体的に、まだコントローラをどう使うかというアイデアの試行錯誤の最中、という色が濃い。思えばニンテンドーDSも、今でこそタッチスクリーンやマイクを生かしたソフトが多数出ているが、発売前の一般公開時には、ゲームとしての詰めの甘さが目立つものも多かった。
Wiiも、今回出展されたものがハードの限界ということは決してなく、これからさらに作りこまれ、新たなアイデアが盛り込まれることだろう。今のところは、「Wiiではこんなこともできる」というひとつの例として見る、というレベルに止めておくくらいでちょうどいいだろう。次に公の場に出るのがいつになるかは不明だが、そのときにはまた、今とは違ったものが見られることに期待したい。
□任天堂のホームページ http://www.nintendo.co.jp/ □「E3 2006」出展情報のページ http://www.nintendo.co.jp/n10/e3_2006/ □Electronic Entertainment Expoのホームページ(英語) http://www.e3expo.com/ □関連情報 【5月11日】任天堂、宮本茂氏と桜井政博氏によるRoundTableを開催 「スマブラX」制作秘話と、宮本氏の考えるWiiの理想形 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060511/ninr.htm 【5月11日】任天堂ブースレポート その1 Wii本体とコントローラ、注目ソフト情報をピックアップ http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060511/wii.htm 【5月10日】任天堂、E3 2006 Media Briefingを開催 「Wii」発売は2006年10~12月。通信機能の新仕様も公開 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/nin2.htm 【5月10日】Nintendo of America、E3直前のプレスカンファレンス開催 「Wii」対応ソフト「Wii Sports」を実際にプレイしてみせる http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/nin1.htm 【4月28日】任天堂、「レボリューション(仮称)」の正式名称を「Wii(ウィー)」に決定 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060428/wii.htm Electronic Entertainment Expo 2006 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/e3link.htm (2006年5月12日) [Reported by 豊臣和孝 / 石田賀津男]
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