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会場:kodak theatre / hollywood & highland center
同社は先日、開発中の次世代ゲーム機「REVOLUTION (レボリューション)」の正式名称を、「Wii (ウィー)」と発表したばかり。これまでは本体のモックアップや、独特な形状のコントローラが公開されているものの、ソフトウェアはほぼ未公開だった。今回のカンファレンスでは、サードパーティ製ソフトを含む多数のWii用ソフトが発表された。
カンファレンスでは最初に、任天堂の宮本茂氏がWiiのコントローラを持って登場。スクリーンにはCGのオーケストラ隊が映し出され、宮本氏がコントローラを指揮棒のように振る動きにあわせて、演奏のテンポが自在に変わるという、Wiiのプレイデモが行なわれた。
このムービーの最後には、「2006」という文字が書かれており、発売時期が2006年になるということを表している。Fils-Aime氏はこれについて、「発売日と価格の発表は、もう少し先に延ばしたい。今のところは、2006年10月から12月の間に発売すると申し上げておく」とした。時期的には、11月11日に発売されるSCEの次世代ゲーム機「プレイステーション 3」とかなり近いタイミングになりそうだ。価格については、「より少ない対価で、より大きな楽しみを提供する」としたのみで、具体的な価格帯は明かされなかった。
サードパーティからも、バンダイナムコゲームスの「DRAGONBALL Sparking! 2」、コーエーの「Sengoku Action」、セガの「Sonic Wild Fire」、Electronic Artsの「Madden」などが登場。こちらはムービーのみ紹介され、詳しいゲーム内容は明かされなかった。しかしE3会場では27タイトルをプレイヤブルで出展するとしており、これらを含むさらに多くのタイトルが試遊できるものと思われる。こちらは後日、ブースレポートとして情報をお伝えする。
本体と同時に発売されるタイトルの数はまだ発表できないとされたものの、「The Legend of Zelda: Twilight Princess」と、「Wii Sports」の2タイトルが同時発売になることが明らかにされた。 「The Legend of Zelda: Twilight Princess」といえば、昨年のE3ではニンテンドーゲームキューブ用としてプレイヤブルで公開され、同社のブースでも圧倒的な人気を集めたタイトル。GC版がキャンセルされたわけではなく、新たにWii版が加わった形で、北米地域ではGC版とWii版の2つのバージョンがWiiと同日に発売されることになる(日本国内では未発表)。
Wii版の基本的な操作は、アナログスティックとボタンを用いる。一見するとGC版と大きな変化はないが、新たにポインタを使った操作が加わっている。たとえば弓を射る際、コントローラを画面に向けると、ポインタの向けている場所がターゲットマークで表示される。これを弓で狙いたい場所に合わせてボタンを押せば、その場所に弓を射るという仕組みになっている。いわゆるガンシューティングに似た仕組みだが、見ているだけでも非常に直感的でわかりやすい。
また、「Wii Sports」のデモプレイでは、宮本氏とFils-Aime氏、さらに同社社長の岩田聡氏が壇上に上がり、来場者の中から抽選で選ばれた1名のプレーヤーを加えて、テニスゲームをプレイした。グラフィックス的には何の変哲もないテニスゲーム(キャラクタの顔が各人のものになっているというお遊びはあったが)だが、コントローラを持ってスイングすると、その動きを感知し、キャラクタがその動きに応じたスイングをしてみせる。たとえばコントローラを上に振り上げるとボールをあげ、ラケットを振るようにコントローラを振るとサーブ。このあとのゲームの展開もまるで本当のラケットを振るようにコントローラでゲームをプレイしていた。これも一目見れば何をしているかわかるほど直感的で、シンプルな体感ゲームとして楽しめそうだ。
このほか、Ubi SoftのFPS「Red Steel」のデモプレイを、同社の開発者が自ら実施。ポインタを使った射撃などは「The Legend of Zelda: Twilight Princess」でも見られたもの。さらに途中で武器が2本の刀に変わると、ヌンチャクコントローラで左右の手の動きを感知。敵が斬りつけてくる刀をさばきながら切り返すといった動きを、ほぼそのままゲーム中で表現していた。
Wiiについては、コントローラやバーチャルコンソールのほかの魅力として、起動時間の短さを挙げた。「ゲームを始めるのに、30秒以上もかかるのでは待ちきれないこともある。これはコアゲーマーにさえ受け入れられないことで、それをマス層に広げることは不可能だ。WiiではバーチャルコンソールやOperaブラウザなど、フラッシュメモリ上のアプリケーションは、数秒で起動できる」と語った。 またWiiは、電源を落としているときにもさまざまなサービスを提供できる「決して眠らないシステム」を目指して設計されているという。これは「Wii Connect 24」と呼ばれるもので、豆電球1個分程度の電力で、Wiiをスリープ状態で動かすというもの。ネットワーク機能は生きた状態で、インターネットに常時接続され、いろいろなデータを自動的に受信できる。 これにより、たとえば「どうぶつの森」のようなゲームでは、電源を落としている間に友達が自分の村に遊びに来て、メッセージやプレゼントを残していく、といったようなことも可能になるという。ネットワークコンテンツはこれまで、プレーヤーが能動的にコンテンツを取りに行くものだったが、Wiiではプレーヤーが意識することのない、受動的なアクションも可能になる。具体的なビジョンは明かされていないが、アイデアを生かした新しいネットワークサービスが生まれる可能性はありそうだ。
最後に岩田氏は、「私達は、ゲームをする人としない人の間にある壁を崩していきたい。ゲーム経験に関わらず、Wiiは誰でも理解でき、誰に対しても新鮮な体験を提供できる。誰にとっても、毎日何かが新しい。これが私達の答えです」と述べた。DSによって新たなゲームユーザーを発掘し、層を広げてきた任天堂だが、Wiiでもさらにその流れを加速していきたいという狙いがあるようだ。
今回はあくまで「見る」だけだったが、Fils-Aime氏は「みなさんには明日からnext leap(次の躍進)を体験していただけます」と繰り返し述べた。体感ゲームのような要素を強く持ったWiiのコントローラは、やはり実際に触ってその感触を確かめてほしいというのが本音のようで、今回は文字通りブリーフィング、本番はE3ということになりそうだ。もちろん弊誌でもWiiタイトルのプレイレポートを掲載するので、続報にご期待いただきたい。 □任天堂のホームページ http://www.nintendo.co.jp/ □「E3 2006」出展情報のページ http://www.nintendo.co.jp/n10/e3_2006/ □関連情報 【5月10日】Nintendo of America、E3直前のプレスカンファレンス開催 「Wii」対応ソフト「Wii Sports」を実際にプレイしてみせる http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/nin1.htm 【4月28日】任天堂、「レボリューション(仮称)」の正式名称を「Wii(ウィー)」に決定 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060428/wii.htm (2006年5月10日) [Reported by 石田賀津男]
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