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会場:Los Angeles Convention Center
Wiiコーナー内部は、ぐるぐると回りながらも1本道になっており、ウォークスルーのアトラクションのように、途中にWii用ソフトの試遊台が並んでいた。昨日のMedia Briefingで「27タイトルをプレイアブル出展する」と話していたが、実際は複数台の試遊台がある注目タイトルもあったため、試遊台の数はその数倍にもなる。しかも1つ1つ、Wii本体が透明なケースに入れてこれ見よがしに置かれており、とても半年先に発売予定のハードには見えない展開だった。 ではまずゲームの前に、本体や周辺機器の展示を紹介しておこう。Wii最大の注目ポイントであるコントローラは、白、青、黒の3色のカラーバリエーションを展示。また、これまでにも発表されていた、左右の手に持って使う「ヌンチャクスタイル」のほかに、スーパーファミコン用のコントローラにアナログスティックを加えたような形状のコントローラを繋いだ「クラシックスタイル」、先端にコントローラを取り付け、光線銃のように仕立てた「ザッパースタイル」(開発中デザイン)が展示されていた。 コントローラは、試遊台にあるものを実際に手にとって見ると、意外と軽く感じる。振動機能やスピーカーを搭載したワイヤレスコントローラとなれば、それなりにずっしりしたものになると想像していたのだが、特に重さを意識することはなかった。テレビのリモコンを連想させる形状が、ゲームコントローラであることを意識させないことも、一因としてあるのかもしれない。 本体のデザインは、「レボリューション」として初めて発表されたときからほとんど変わっておらず、斜めの台座やスロットインのディスク挿入口などはほぼそのまま。本体前面のロゴだけはWiiに変更されていた。展示されている本体には開発中を示すような説明はなかったので、どうやらこれで決定となったようだ。
このほか、テレビの前や上に置く棒状のセンサーも展示されていた。コントローラのリモート機能で使われる。
■ Super Mario Galaxy
操作の特徴は、ポインタを使った攻撃。コントローラを画面に向けて左右に振るようにして動かすと、マリオが腕を横に伸ばして回転。自らが一瞬、竜巻のようになって、敵を攻撃できる。そのほかの操作については、移動はアナログスティック、ジャンプはボタンと、基本的には従来のシリーズから変わっていない。
ゲーム的には、ちょっとした謎解き要素が盛り込まれていた。たとえば別の星へ渡るための星型のゲートが壁に覆われているような場所では、マリオに追尾してくるキラーをぎりぎりで交わし、壁にぶつけて壊すというアクションが必要になる。こういったちょっとした仕掛けが、ステージの随所にちりばめられている。「ゼルダの伝説」シリーズほど手の込んだものではないが、アクションアドベンチャーと呼んでいいようなテイストが感じられた。
■ The Legend of Zelda: Twilight Princess
GC版は昨年のE3にも出展されているが、大きな違いはターゲット要素。弓やブーメランの狙いは、GC版ではアナログスティックを使用していたが、Wii版ではポインタで指し示すようになり、より直感的になった。ほかにも、画面内の調べたい場所にポインタを合わせてボタンを押すと調べられるといった機能もある。 ポインタは最初、なかなか思ったところに当てられず、やや慣れが必要だと感じた。とはいえアナログスティックにしても慣れが必要なのは同じことで、直感的に操作できるWii版のほうが、導入的にも最終的にも優秀なデバイスとなり得るだろう。 コントローラの振動やスピーカーの機能が最もはっきり感じられたのもこの作品。周囲が騒がしいこともあって、音はあまり聞こえなかったが、振動は操作の邪魔にならない程度の強さで、それでいてきちんとゲームを盛り上げる演出として効果を発揮していた。
グラフィックスについては、昨年出展されたGC版に比べると、ワイドスクリーンになり、ざらつきがなくクリアになった印象はある。しかし開発が進んでいることや、出力方法が異なると思われることから、逆に言えば「GC版と一線を画す」といえるほどの差はない。ゲームの本筋に関してはおそらく同じものになると思われるので、とにかく遊びたいという人には手元にあるGCで、Wiiを一緒に購入してもいいという人はWiiでと、予算や好みに合わせて検討するといいだろう。
■ Wario Ware: Smooth Move
基本的なゲームの流れは、これまでのシリーズと同様、次々と出題されるミニゲームをクリアしていくというもの。本作の特徴は、問題(プレーヤーへの指示)の前に、コントローラの持ち方が指示されるところ。「腰に当てて握れ」と指示が出た後、「フラフープを回せ!」という問題が出たりする。フラフープを回すつもりで腰を回すと、ちゃんとゲームの中のキャラクタのフラフープも回るという仕組み。しかもこの指示は問題ごとに変わるので、今まで以上に気が抜けない。 新ハードの特性をいろいろな形で生かしながら、ゲームとしても楽しませるというコンセプトは、前作のDS用「さわるメイドインワリオ」と同じ。「Wiiではどんな操作ができ、どんなゲームが遊べるのだろう」ということを知るためのデモソフトとしては、実に優秀な一本といえる。もちろん、シリーズ独特のバカバカしいテイストは今作でも健在だ。
発売時期など詳細は未定だが、邦題でどんなタイトルが付くかも気になるところ。「まわる」、「さわる」ときて、次は「うごく」にでもなるのだろうか?
■ Wii Sports
会場ではそれぞれのゲームモードをプレイできたが、いずれも非常にシンプルなゲームシステムになっている。まずテニスは、自分のキャラクタとボールの位置を見ながら、コントローラをタイミングよく、テニスのスイングをするように振るだけ。その動きにあわせてゲーム中のキャラクタもスイングする。キャラクタの移動は自動で操作不要。スイングだけを考えていればいいのだが、スイングのタイミングによって返球の角度が変わるなど、きちんとスポーツ的な要素も押さえている。 野球はホームラン競争をプレイできた。ピッチャーが投げたボールに合わせ、バットに見立てて握ったコントローラをスイングするだけ。玉のコースという概念はなく、タイミングとスイングスピードだけを見ているので、深く考えずスイングするだけでいい。ゴルフはクラブに見立てたコントローラの動きの大きさが、ゲーム内のスイングに反映され、その強弱でカップを狙う。
誰が見ても一目瞭然、説明不要というシンプルさが特徴。しかしそれだけに、初心者同士での対戦プレイはかなり盛り上がりそう。「今までゲームをしたことがない人にも遊んでほしい」というメッセージを強く感じるタイトルだ。
■ RED STEEL
基本的には銃を使うFPSで、ポインタを使って射撃の狙いをつける。キャラクタの操作は左手のアナログスティック、視点を右手のポインタで切り替える(ポインタを画面外にやると、視点がそちらに動く仕組み)。これも「The Legend of Zelda: Twilight Princess」と同じく、ポインタ操作には慣れが必要だが、慣れてしまえばアナログスティックよりも楽に感じるはず。家庭用ゲーム機でのFPSとしては、画期的といっていいインターフェイスだ。 出展されたE3バージョンでは。FPSのシーンもあるが、途中で刀を握って戦うことになる。敵も刀を持ったものが登場するが、こちらは左手に短刀を持った二刀流スタイルで、左のコントローラを動かすと短刀で敵の攻撃をはじき返せる。その隙に、右手の刀で敵に斬りつけて攻撃する。このメリハリのある戦いが楽しく、「ゲーム全部が刀での戦いでもいいんじゃないか」と思うほど。
ちなみにステージは日本をイメージしたものだが、いわゆる「米国から見た日本」的なつくり。羽織袴の敵と木刀で殴りあったかと思うと、いきなり屋外での銃撃戦になり、続けてやくざ相手に真剣での斬りあいになるという、不可思議な世界感がある種独特で面白い。
■ VIRTUAL CONSOLE
コントローラは、ハードの部分で紹介した「クラシックコントローラ」を使用。スーパーファミコン用として発売された「スーパーマリオワールド」をプレイしてみたところ、画面の動きは実機との違いが感じられないどころか、テレビや接続方式がよくなったためか、当時よりも綺麗に見えるほど。
具体的な配信タイトルや価格が明らかにされていないという不安要素はあるものの、動作に関しては問題ないどころか、より快適になっているかもしれない。レトロゲームファンの方の期待に答えられるクオリティで出てくることは間違いなさそうだ。
(2006年5月11日) [Reported by 石田賀津男]
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