|
会場:秋葉原コンベンションホール
イベントには代表取締役キム・ヨンマン氏、キム・ハッキュ氏そしてスペシャルゲストとして本作に参加する二人の日本人クリエイター、小林 智美氏と久保田 修氏が出席。βテストの結果発表や、アートコンテスト「暁のArtista」の表彰式、キム・ハッキュ氏のユーザーとのトークセッション、そして第2次βテストの内容が紹介された。 第2次βテストは正式な募集要項が明らかにされるのが9月上旬、募集人数は正確には明らかにされていないが、「500人前後にはしたい」とのこと。前回のテストではモンスターと戦う展開が中心だったが、今回はPvP要素が中心となる。募集対象は、前回のテスターと、アートコンテストの受賞者、そして前回のテストで選に洩れたユーザーの他、一般応募枠も用意される。テスト自体は10月くらいからは開始したいとのこと。 「グラナド・エスパダ」は日本ではまだ7月22日から24日の限られた時間帯、合計時間で25時間という非常に短時間のクローズドβが行なわれた作品である。体験したプレーヤーはHUEに選定された400名ほど、多くの人は現在、本作を遊びたくてもできない状態である。そういった時期でユーザー向けカンファレンスを開催するというのはかなり異例だといえるだろう。 韓国ではこういったイベントも行なわれているとのことだが、日本ではあまり例がない。こういった事情にも関わらず、会場には招待者を含む100名近くの来場者が集まり会場を一杯にした。本作に関するユーザーの関心の高さを改めて感じさせられた。 クローズドβテストの結果はGMチームの河島由美子氏から発表された。テスターは、男性が70パーセント以上で、年齢層は20~29歳のユーザーが全体の65パーセントを占める。全部で25時間開催されたβテストの内、ユーザーの平均のプレイ時間は13時間、24時間以上プレイしたユーザーは5人いたという。 人気のキャラクタはウオーロックの女性と、マスケッティアの女性で、MMCの組み合わせとしては、ウォーロック、マスケッティア、ファイターの組み合わせが人気だった。限られたプレイ時間で最も熱心なプレーヤーは、キャラクタを57レベルまで育て上げたという。表彰式で57レベルまで育て上げたこの最優秀プレーヤーは、「狙っていたから受賞できてうれしい、次のテストでも最高レベルを目指します」と語った。 キム・ハッキュ氏とユーザーとのトークセッションでは、氏は制作側に常に意見を出し制作を厳しく指導している姿勢や、幼いころ毎日のようにゲームセンターに通い、現在の人生に大きく影響を受けたことを話した。 ユーザーからの、「ロースペック向けのクライアントのテストは?」という質問や、「もっと多くのテスターが参加できるようになってほしい」という質問には、両方とも現在は未定であるという答えだった。また、第2次βテストで予定されているPvPはギルド的な役割を担う「党」で戦うトーナメントや、大規模戦を前提にしていることが明らかにされた。 今回のイベントの最大の見所は、なんといっても久保田氏の新曲演奏だった。演奏されたのは、「Aria de Coimbra」、「temptation」、「Ols Speckled Reel」の3曲。最新機器によりバックミュージックを流し、ピアニカでメインの旋律を奏でたり、時には笑みを浮かべて、時には眉をしかめて情感たっぷりに行なわれた演奏は非常に聴き応えがあった。 メーカーが行なうユーザーセッションで来場者が単純に「来て良かった」と思える演出が入っていた、という点で高く評価をしたいところだ。久保田氏の曲は中国のオーケストラにより演奏され、今後のゲーム内で組み入れられる。MMORPGの曲でオーケストラ演奏というのはあまり例がない、ぜひゲーム内で聴いてみたい。 小林氏はキャラクタのイラストを担当。ファイターの男性、ウィザードの女性、スカウトの女性など5人のキャラクタを新規にデザインした。彼女のデザインからかきおこされたキャラクタは今後ゲームに登場する。小林氏のウィザードの女性は花をイメージしてデザインしたことや、マスケッティアの男性はベルサイユ宮殿にかけられていた戦士の絵に影響を受けた、といったエピソードを紹介した。
今後はどんな絵を描いていくかという質問に、小林氏は「このゲームのイメージを見せてもらったときに、“綺麗どころ”が多くて優美な感じだったので、その路線で行こうと思いました。今後もかっこいい男性やかわいい女性を描いていきたいですね」と答えた。
イベントの終盤に、事業推進部長である平田雅一氏から今後の計画が発表された。今後予定されている第2次クローズドβテストでは、ギルドやクランに近い意味を持つ「党」による、トーナメント戦がテーマになる。このため、参加者は党を結成し、専用フィールドでのPvPを体験することが前提になるという。
トーナメントと党システムの他は、ユーザーインターフェイスの見直しが行なわれ、新たなフィールド、新たなモンスターが追加される。また、第1次βテストでイベントとして戦ったボスモンスターは弱点を修正されて再びユーザーの前に立ちふさがるという。また、ゲーム内である条件を満たすと特別なカードを入手でき、NPCが招聘可能になるとのこと。これらの詳細は、テスト開始直前に明らかになると言う。 「このゲームまだプレイしてないんですけど、受賞できて良かったです」。この言葉は、「暁のArtista」の1人の受賞者のものだ。会場を訪れた来場者のほとんどもこのゲームをまだプレイしていない。今回第2次のβテストのスケジュールの詳細は明らかにならなかったが、やはり小規模で、しかも期日は10月以降になる。 「暁のArtista」は500点以上の作品が応募されたという。大航海時代のモチーフに、魔法世界、そして3人のキャラクタを扱うというゲーム性がファンを魅了しているからこそ作品を作らせ、100人近いユーザーがイベント参加のために秋葉原に足を運んでいる。 なぜこれだけテスト参加者を絞るのか、と言う質問にスタッフは、ただゲーム内容を皆に見せるのではなく、ちゃんとテストしたいためと答えた。厳密に、管理した上で参加者を絞り、テストをするためで、選ばれた人にプレミア性を意識したりするものではないという。 この理由は納得できるものがあるが、その一方でユーザー数を極端に絞りすぎな印象がある。HUEは今後もこうしたユーザーを招くイベントやコミュニティーへの働きを積極的に行ない、ファンの心をつかんでいくとのことだが、コアであるゲームをプレイできる人がいなければ、魅力は伝わりにくいのではないだろうか。 平田氏は多くのユーザーがゲームに参加できる機会を、可能ならば年末くらいを目標にしたいと今回の発表会の最後で語った。この時期までにユーザーの気持ちをどう盛り上げていくか、期待したい。
ゲームの内容でも気になったところがひとつある。それは本作で、「ギルドやクランのような集団」として紹介された「党」というネーミングである。やがてゲーム内に政治要素を盛り込む、というのが本作の大きな特徴であり、そのための翻訳であるとは思うのだが、「党」と名乗る存在が、戦い、武器を手に持ち直接の戦いに明け暮れるというのは、個日本語の上で人的に大きな違和感を感じた。一度、ユーザーにネーミングを公募するなどしてもいいのではないだろうか。
(C)2003-2005 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Co.,Ltd. All Design and specifications are subject to change without notice.
□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ (2005年8月29日) [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|