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【連載第189回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ドラえもんが頭上のプロペラで空を飛ぶ!
太陽工業「R/C空とぶドラえもん」

「R/C空とぶドラえもん」
発売 エポック社 (販売:太陽工業)
価格 5,754円
電源 9Vアルカリ電池×1 (別売)
単2アルカリ電池×8 (別売)
発売日 発売中



 今回は夏の行楽地で遊ぶのにピッタリの「空とぶドラえもん」を紹介したい。ドラえもん自体はいまだ根強い人気を集めているので、キャラクタ商品も続々と発売されているのだが、今回のトイは筆者にとって特別なもの。なにしろドラえもんが頭の上につけたプロペラを使って、空を飛ぶラジコンなのだ。「なにっー! ということはタケコプターが現実に完成したのか!」という読者の驚いた声が聞こえてくるようだが、まあ落ち着いてください。

 今回の「空とぶドラえもん」の動力は、頭の上に付いていることから、ついタケコプターと思い込みがちだが、あくまでプロペラ。劇中のタケコプターのようなコンパクトなサイズではなく、ヘリコプターのラジコンに搭載されているような大きさだ。おそらくドラえもんのモデルを飛ばすには、これだけのサイズのプロペラが必要なのだろう。

 とはいえ、筆者としては、やっぱりこれはタケコプターだと夢想している。ドラえもんがタケコプターで飛んでいる姿をこの目で見られる、と思うだけで幸せな気分になれるではないか。そんな夢にあふれた商品なのだ。


送信機までに行き届いたドラえもんへの愛情

パッケージ。かんたん操作が謳われている
ドラえもん本体。頭上に2枚のプロペラがある
 これは、“夢”だけでなく、ラジコンとしても優秀な商品だ。だれでも手軽に“飛行モノ”を操作できる面白さを味わえるのだ。

 商品は、ドラえもん本体と送信機本体、そして充電器の3つから成り立っている。パッケージを開けて最初に目を奪われたのが、送信機や充電器のデザインだ。ドラえもんが四次元ポケットから取り出す未来の道具のようなイメージで統一されているのだ。ラジコンの機器なので無骨なデザインでもよさそうなところを、こだわりを持って作り上げている。「さては作り手も相当のドラえもん好きなんだな」と思えて、自然と笑みがこぼれる。

 送信機は、ごくごくシンプルな設計だ。筒のような本体の表面にスタートボタンがあり、裏面に上昇ボタンがあるだけ。これならば、ラジコンに不慣れな人でも臆することなく、気軽に楽しめる。

 さて、肝心のドラえもん本体の出来栄えだが、これが素晴らしい。まるで漫画やアニメの中から出てきたような仕上がりだ。ドラえもんの特徴はすべておさえ、なおかつ立体物としても破綻していない。机や棚の上に置けば、そのままインテリアとしても楽しめるクオリティだ。

 本体の大きさは、プロペラ部分を含めて、34.5センチ。素材は、EPS(発泡スチロール)と、ABS樹脂の組み合わせ。EPSの採用は、軽量化を図るためだろう。持ち上げてみると、30センチ強のトイとは思えないほど軽く、拍子抜けするほどだ。

 充電は、充電器から伸びたコードを、ドラえもんの後頭部にあるポートにさすだけ。こうすると充電器に収納した8本の単2アルカリ電池の電力が、ドラえもん本体に供給される。約4分間の充電で、約1分間の飛行が可能になる。

造形物としても一級のクオリティを誇る 素材はEPS製。表面に気泡はあるが、安っぽさは感じない 飛行させるときは、このようにプロペラの形を整える
送信機は、作中に登場する未来の道具をほうふつとさせるデザイン 充電器。LEDランプが点灯し、充電の進行を表示する 充電に要する時間は約4分間。1分間の飛行が可能になる



たった2つのボタンで、ドラえもんの飛翔をコントロール!

【ムービー】
上昇から下降まで
(MPEG-1、887KB)
 「空とぶドラえもん」の飛行範囲は、上昇と下降のみ。左右への旋回は行なえない。この仕様に物足りなく感じる人も多いだろうが、筆者にはむしろしっくり来た。“飛行モノ”のラジコンは、操作に習熟が求められる。また、飛んでいくという特質から、広い場所も必要になってくる。そうした特徴はおもしろさに直結しているが、若干のストレスにもつながる。しかし、上昇と下降だけならボタンを押すだけで遊べるし、場所もさほど選ばない。この気楽さが何より心地よいのだ。

 操作方法は、まず送信機のスタートボタンを押す。すると、ドラえもんの頭上のプロペラがパワーは70%で回転し始める。

 次に、送信機の上昇ボタンを押すと、プロペラのパワーは100%にまで上がり、ドラえもんが上昇する。飛翔中に、スタートボタンは押したままで上昇ボタンだけを離すと、ドラえもんはゆっくりと下降していく。

 仕事場で少しばかりの練習をしたあと、外に出て、本格的な飛行を楽しんでみることにした。送信機を操作すると、ドラえもんは気持ちいいくらいに一気に飛び上がった。たちまちのうちに筆者の頭上を越え、2メートル、3メートルと高度を上げていく。若干の風が吹いているため、垂直には上がらず、遠くへ遠くへと流されていくが、それ以上に上昇していく様子がパワフルで頼もしい。「ああっ、いま“飛行モノ”のラジコンで遊んでいるのだなあ……」という興奮もかみ締められる。

 下降のコツは、最後までスタートボタンを離さないこと。上昇ボタンだけを離して、着地するまでスタートボタンを押したままにする。これを守れば、比較的スムースな着地も行なえる。台風一過の透き通った空の下を飛ぶドラえもんの勇姿を眺めたくて、何度も何度もフライトを楽しんだ。

送信機は、両手でしっかり握って操作する 遊ぶ際は、ドラえもんと4~5メートルの距離が必要だ


 本体がEPS製なので、壁や木々と接触すると本体の一部が欠けてしまう、などの問題はあるが、あのドラえもんが空を飛ぶという面白さには代え難い。価格もラジコンとしてはお手ごろだ。興味のある人は、ぜひこの夏の天気に恵まれた日に、青空の下で飛ばしてみてください。

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK
(C) 2005 EPOCH CO.,LTD.


□エポック社のページ
http://www.epoch.gr.jp/
□太陽工業のページ
http://www.taiyo-toy.co.jp/html/mainframe.html
□「R/C空とぶドラえもん」のページ
http://www.taiyo-toy.co.jp/html/doraemon.html
□関連情報
【7月19日】「東京おもちゃショー2005」開幕
iPodなどを意識した“音楽系”おもちゃも登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050719/toy-s.htm


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(2005年7月28日)

[Reported by 元宮秀介]


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