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【連載第183回】 あの、おもちゃを徹底レポート




体を使ってポケモンゲットを体験できる!
トミー「ポケットモンスターズ DXモンスターボール」

トミー「ポケットモンスターズ DXモンスターボール」
発売 トミー
価格 3,129円
電源 ボタン電池(内蔵)
発売日 発売中



 7月に劇場映画「ポケットモンスターアドバンスジェネレーション 波導の勇者 ルカリオ」を公開。続く8月にはゲームキューブ向け新作RPG「ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア」を発売し、熱い盛り上がりをみせるポケモン。さらに夏休み期間中に全国9会場でイベント「ポケモンフェスタ」を開催したり、来年に向けてニンテンドーDS向けの新作「ポケットモンスターダイヤモンド・パール」の開発が進んでいたり、と話題は尽きることがない。

 そんな熱に対応するかのように、トイの世界で優れもののアイテムが発売された。トミーの「ポケットモンスターズ DXモンスターボール」だ。

 どんなトイかといえば、モンスターボールを手にして、ポケモンをつかまえらえるアイテムだ。TVアニメの主人公サトシの気分をまるごと味わうことができる。ターゲットはTVアニメに夢中の小さな子供なのだが、大人の視線から見ても「これなら小さな子供たちはきっと満足するだろうなあ」 と感じさせる充実した内容になっている。


きめ細かなドット絵で、ポケモンたちが描かれる

 「ポケットモンスターズ DXモンスターボール」の本体は、モンスターボールの形をしている。TVアニメと同様にフタを開閉することができ、開けると液晶画面が顔を出す。  液晶画面の下には4個のボタンが並び、それぞれ「OKボタン」と「キャンセルボタン」、「UPボタン」に「DOWNボタン」と、シンプルな役割が割り当てられている。

ポケモンをつかまえるトイであることを示すかのように、パッケージ内ではボールのフタが開いている TVアニメに登場するモンスターボールを忠実に再現。後方には事故防止用のストラップも付属
フタを開けると液晶画面を見られたり、ボタンを操作できたりする 小さな子供向けの商品のため、大人の手で握ると小ぶりな印象だ


 電池は内蔵されており、準備は絶縁シートを引き抜くだけだ。電源がオンになると、液晶画面にドット絵が映し出される。ポケモンたちを描いたドット絵は、玩具のものとしてはきめ細かく、丁寧に描かれている。TVアニメのキャラクタイラストを元にドット絵を作成しており、ゲームボーイアドバンスの「ポケットモンスター」シリーズとは少し異なるポケモンたちの姿を楽しむことができる。

 遊べるモードは、大きく分けて「ゲットモード」、「バトルモード」、「タイムアタック」の3種類だ。これらに加え、ゲットしたポケモンをチェックできる「ゲットリストモード」と、サウンドや映像の微調整を行なう「オプションモード」がある。


真剣に遊ばないとクリアできない、手ごたえのある難易度

 「ゲットモード」、「バトルモード」、「タイムアタック」を遊びには、2種類の動作が必要になる。ひとつ目は、「投げアクション」。「DXモンスターボール」を手のひらでしっかり握って、遠くへ投げるような動作をするものだ。ふたつ目は、「振りアクション」。握った「DXモンスターボール」を上下に振る動作をするものだ。両方のアクションを試してみると、単純な動作ながらも、まるでサトシになったような気分で、ついつい腕に力がこもる。これは小さな子供なら熱狂するだろうなあ……。

「投げアクション」では、ボールを遠くへ飛ばすような動作をする 「振りアクション」では、ボールをひたすら上下に振る


「ゲットモード」で野道を歩く主人公のサトシ
 「ゲットモード」は、野生のポケモンをつかまえるモードだ。液晶画面にサトシが道を歩いている映像が表示されたら、「DXモンスターボール」のフタをいったん閉める。このあとに「振りアクション」をすると、液晶画面は見られないが、サトシは道を歩き続け、歩数を表す「ピッ」、「ピッ」、「ピッ」という音が鳴る。しばらくすると「デデ~ン」という派手なサウンドが鳴り響く。これは野生のポケモンと遭遇した合図だ。

 野生のポケモンと遭遇したあとは、いったんフタを開ける。液晶画面を見ると、どのポケモンが出現したかがわかる。ポケモンの確認を終えたら、ふたたびフタを閉める。すると、ポケモンゲットの合図を図るサウンドが鳴り始める。「ピィピィピィ……」と断続音のあと、ひときわ高い音で「ピー」という連続音が鳴る。このときに「DXモンスターボール」を握ったまま、「投げアクション」を繰り出すとポケモンをつかまえることができる。しかし、「投げアクション」を放ったタイミングがズレていると、ポケモンに逃げられてしまう。

 筆者ははじめ「音にあわせてモンスターボールを振るだけなら簡単だろう」とタカをくくっていたのだが、いやはやこれが意外と難しい。ポケモンゲットのチャンスを告げる「ピー」という連続音が鳴るタイミングがわからず、いざ鳴ったと思ってもアッという間に鳴り止んでしまう。タイミングがシビアなのか、筆者の動作が鈍いのか、あるいはその両方なのかもしれないが、何度も何度もポケモンを取り逃し、悔しい思いをさせられた。その反動からか、ポケモンの1匹であるワンリキーをつかまえたときは小躍りするくらいの嬉しさを感じた。自分の腕を振ってモンスターボールを投げる動作をした、という興奮も重なっている。

 その後はタイミングを会得して、ゲットしたポケモンを2匹、3匹と増やしていったか、というとさにあらず。タイミングは変わらず難しく、ポケモンを目の前で逃してばかり。この辺のさじ加減が「ゲットモード」を熱いものにしている要因なのだろう。  ちなみに「ゲットモード」に出現する野生のポケモンの中には、フシギダネやイーブイといったポケモンも含まれており、新鮮な気持ちで楽しめた。これらは原作にあたるゲームボーイアドバンス「ポケットモンスター」シリーズでは、野生としては出現しないのだ。ポケモンマニアは、これだけで「うわあ~、このポケモンが野生として出現するのか!」と楽しむことができずはずだ。

ドット絵はポケモンの特徴をよく捉えており、玩具としては十分の出来 「投げアクション」が成功し、ワンリキーのゲットに成功した! つかまえたポケモンのデータが自動的に記録されていく


 「バトルモード」は、ゲットしたポケモンを使って、バトルを楽しむモード。バトルに出すポケモンを選ぶと、同じようにサトシが道を歩く様子が映し出される。すると、どこからか野生のポケモンが飛び出してきて、バトルがスタートする。バトルを始めたら、「DXモンスターボール」のフタを閉め、ひたすら「振りアクション」を行なう。バトル終了の合図が鳴るまでに、「DXモンスターボール」を振れば振るほど勝ちやすくなる。筆者は「ゲットモード」での反省もあり、ここは全力を尽くして「DXモンスターボール」を振った。そのためか、初戦からバトルで勝利を収めることができた。しかし、2回戦から気を抜いて、手を振る速度を少し緩めたら、とたんに負けてしまった。「ゲットモード」と同様に、真剣に遊ばないと成功しない難易度になっているようだ。

「バトルモード」。戦わせるポケモンを選ぶと、アニメでおなじみのセリフが! 若干見づらいが、ポケモンバトルの一進一退の様子がグラフで表示されている 「タイムアタック」は、とにかく短い時間を競う


 最後の「タイムアタック」は、「振りアクション」の極みといえるモードだ。3~10体のポケモンたちといかに早く遭遇できるかを競う遊びなのだ。どれだけ早くポケモンに会えるかは、「振りアクション」の速度によって変わる。腕がちぎれそうなくらいに激しく動かしていると、どんどん気持ちがハイになってくる。

 この商品の開発コンセプトは、「TVアニメのファンの子供たちが、もっとも望んでいることを形にする」ということだろう。それはすなわち、サトシになりきること。子供たちの夢を叶えるという意味では、満点に近いアイテムだといえる。

(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon


□トミーのページ
http://www.tomy.co.jp/
□関連情報
【1月28日】ついにポケモントレーナーになれる……「ポケモンゲットだぜ!!」
「ポケットモンスターズ DXモンスターボール」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050128/tomy.htm


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(2005年5月19日)

[Reported by 元宮秀介]


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