【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

NTTドコモ新端末・新機能インタビュー
「iアプリオンライン」などでモバイルゲームはどう変わる?

11月27日 収録

会場:NTTドコモ本社

11月5日に開催された新端末発表会の様子
 株式会社NTTドコモは、11月5日に新端末発表会を開催した。この中で、21機種の新端末を発表するとともに、新たな型番のナンバリングルールと、ユーザーの利用スタイルに合わせた4つのシリーズを新たに設けた。従来は、90Xiシリーズがフラッグシップモデルというシンプルな分類になっていたが、今回は型番やシリーズから端末の性能を推測できない形になっている。

 端末選びの指針として1つ考えられるのが、新サービスである「iアプリオンライン」である。「東京ゲームショウ2008」において発表され、リアルタイム通信によるアクションゲームなどをアピールしていた。この機能が、11月19日から順次発売されている新端末の一部に搭載されている。

 では、今後は「iアプリオンライン」に対応する端末を買えば、ゲームは問題なく遊べるのだろうか? また過去のタイトルの互換性は確保されるのか? そもそも「iアプリオンライン」とはどんなものか? そういった新端末に関する疑問を、NTTドコモの担当者に尋ねてみた。お答えいただいたのは、NTTドコモ プロダクト部技術企画担当主査の神谷大氏、UI企画担当の村上圭一氏、技術企画担当の恩田靖氏。



■ 「iアプリオンライン」で“我々もようやく普通になった”

左から、恩田靖氏、神谷大氏、村上圭一氏
新端末発表会では、ハドソンの「対戦☆ボンバーマン+」を使った4人対戦をデモ
――まず、新端末が今までと変わった点について、ざっくりお話しいただけますでしょうか。

村上圭一氏 : 今回ゲームに関する機能として、「iアプリオンライン」、「iアプリコール」、「iウィジェット」の3つが新たに追加されました。またその下支えになるプロファイルを変えまして、503iから開始されたDoJaプロファイルから、Starというプロファイルになり、そこにこの3つの機能を載せています。

――わかりました。それぞれ詳細をうかがっていきたいと思いますが、まず「iアプリオンライン」とはどんなものなのですか?

村上氏 : 今までの通信は、使用できるプロトコルがHTTPとHTTPSだけでした。今回、TCPとUDPに対応するため、ネットワークやサーバーを大きく改造しました。これによってゲームでは、相手を指定してP2P(ピアツーピア、ユーザーの端末同士が直接通信する仕組み)で対戦できるようになっています。今の所はStarプロファイルで新しい通信プロトコルを対応させていますが、将来的にはムービーをUDPでストリーミングするなど、いろんな使い方ができると思っています。

神谷大氏 : 1つのiアプリから張れるTCP/UDPのセッション数は4つですので、P2Pで4人同時対戦が可能です。これにHTTPが別途1本で、計5本のセッションが張れます。もちろんCP(コンテンツプロバイダ)様が別途サーバーを用意して、そこを経由するような形になれば、それ以上の人数でも対戦できます。

村上氏 : ゲームメーカー様のご要望を何年も前から聞いてきましたが、やはりオンラインゲームの要望が強くありました。ただ、ゲームメーカー様の求められるスペックはかなり高く、なかなか応えられませんでした。今回、HSDPA(通信規格の1つ。サービスとしては「FOMAハイスピード」と呼んでいる)も下り7.2Mに上がり、ちょうどいいタイミングになったと思います。

 不安だったのは、無線のレイテンシでしたが、そこも1秒間2回以上というパフォーマンスを確保しました。他のキャリアさんは以前からTCP/UDPに対応されていて、ドコモが一番遅かったのですが、他のキャリアさんと比較しても、優れた無線とネットワークの品質でサービスを提供できていると自信を持っています。

恩田靖氏 : オンラインゲームは、コンシューマゲーム機やPCから、同じゲームを遊べるマルチプラットフォーム対応が多いですよね。その輪に携帯端末も加えていただくにはどうすればいいかを考えた時に、PCなどでは普通に使われているTCP/UDPを使えないというのは、大きな課題になります。そういうところも意識しました。

――仕組みについて、もう少しわかりやすく教えてください。TCP/UDPに使えるようになったことによって、何ができるようになるのでしょうか。

村上氏 : CP様にとっては、オンラインゲームでTCP/UDPを使って作られていたプロトコルを、HTTPに置き換えることなく、汎用的な形のまま提供できます。また、今までお客様同士の通信は、必ず特定のサーバーを介してやりとりしていましたが、「iアプリオンライン」ではお客様同士を直接繋げられるようになりました。

神谷氏 : CP様が元々作り慣れているというのもありますが、さらに自由にプロトコルを組んでいただければ、ゲームメーカーさんの好きな通りに使っていただけるのもいいところです。またHTTPだとヘッダーなどが冗長になるので、どんなに通信速度が速くなっても、どうしてもレスポンスが悪くなります。TCP/UDPだとそのあたりを省けるので、よりレスポンスが求められるゲームに向いています。P2Pについても、弊社は単なるトンネルとなるだけです。これでようやく通信対戦ゲームができる土壌になった、というのが一番大きいですね。

――ゲームと関係ないですが、CPがメーラーのアプリを作れば、一般のメールを受け取れるようなものも作れてしまうということですか?

神谷氏 : 作ろうと思えば作れます。TCPの上でPOP3やIMAPを自分で組めば。ほかにもFTPなどもできます。

村上氏 : ストリーミングのムービーなどで、リアルタイム性を追求した特殊なストリームのプロトコルがあるので、そういうものをアプリケーションで作っていただくことも可能です。

――なるほど。CPでできることの可能性が広がった、というわけですね。

村上氏 : 今までは頑張ればできたものが、頑張らなくてもできるようになった、というのが大きいと思っています。

恩田氏 : このような改善ですから、ユーザー様に対するメリットはどうしても間接的です。アプリケーションを開発していただくのが楽になって、結果的にアプリが増えて、ユーザー様も嬉しい、という形になるといいと考えています。

神谷氏 : 我々もようやく普通になった、という感じですかね。今までHTTPしか使えなかったというのが、遅れていたわけで。



■ 電話帳連携で携帯ならではの遊び方を提示する「iアプリコール」

呼び出し側は、携帯電話の電話帳から招待したい人を選ぶ
呼ばれた側には、誰の、何のアプリから呼ばれたかが通知され、応答するか拒否するかなどを選べる
――次に「iアプリコール」について教えてください。

村上氏 : いわゆるユーザーの招集機能で、ゲームをしている時に、一緒に遊びたい相手を電話帳から参照して、招待できます。招待された側の端末には、メール着信のように「アプリから招集がありましたよ!」というメッセージが待ち受け画面にポップアップします。それをクリックすると、特定のアプリケーションが立ち上がり、呼びかけた人と対戦ゲームなどができるという機能です。

神谷氏 : 携帯ならではの機能ですね。電話帳があるので、誰かと対戦したいと思ったら、そこから選ぶだけです。携帯電話は他の機器とは違い、個人情報がいっぱい詰まっています。それを利用して招集できるというのは、誰にでも使いやすい機能ではないかと思います。

恩田氏 : 機能的にはただ招集するだけでなく、その対戦アプリを持っていなかった場合にも、そのアプリをダウンロードできるサイトに誘導するという機能も入っています。PCなどのゲームですと、初めて対戦する場合には事前に話をしてソフトウェアをダウンロードしておいて、どこかロビーサーバーなどに集まって……という形になると思いますが、「iアプリコール」であれば、今たまたま、面白いなと思ったゲームから気楽に友人を誘えます。

 例えば、私が神谷に対して、神谷がそのアプリを持っているかどうかは関係なく、まず「iアプリコール」してみます。神谷がそれをやりたいと思ったら、そのままアプリのあるダウンロードサイトに行けます。1つの動線の中で、簡単にダウンロードして、そのまま対戦できるようにしています。携帯の気軽さを活かし、極力お客様の煩雑さを減らして遊んでいただける形にならないかと考えた結果、できあがったものです。

神谷氏 : ニンテンドーDSなどでも、Wi-Fiを使った対戦をされていますよね。あれも友達コードみたいなものを交換しておいて、何時にやろうと調整しておかないと、知った人同士がなかなかできません。「iアプリコール」だと、メールがくるかのごとく通知され、気軽に対戦できるのが、携帯電話ならではだと思っています。

――「iアプリコール」を導入しようと思ったきっかけは何でしょう?

村上氏 : 今まで、必ずお客様がアプリに対してアクセスしなければいけなかったものを、CP様やアプリ自体から能動的にお客様へメッセージを伝えたいと思ったのが始まりですね。

神谷氏 : CP様に話を伺った時に、「ミニゲームや対戦ゲームなどで、みんなで繋がっていると感じられるものをやりたい」という話が多くありました。それをどうしようかという話になったときに、「iアプリコール」や「iアプリオンライン」のアイデアがでてきました。これはゲームに限らず、同じ地図を見ながらお互いの歩いた場所が足跡で表示されるようなアプリもできます。そういった、いろんな用途を考えながら作った結果できたのが「iアプリオンライン」と「iアプリコール」です。

村上氏 : お客様の間だけでなく、CP様が「今からこういう大会を行ないます」という形でユーザーを招集する機能もあります。

神谷氏 : CP様や友達からの情報を能動的に取りに行かなくても、携帯電話にプッシュされますので、ハードルは低くなるかと思います。逆に迷惑というのもありますが。会議中なのに対戦ゲームの招集がきても「今出られないよ」と……そのときは無視しておけばいいのですけどね(笑)。

恩田氏 : 「iアプリコール」に応答できなかった場合のために、電話帳の着信履歴のような「iアプリコール」履歴も用意しています。ある程度時間が経ってから参加してもいいようなゲームであれば、履歴からそのままアプリを起動して参加できます。リアルタイム性の高いものに関しては、時間が経つと起動できないものもありますが。携帯電話は常に持っているとは言っても、応対できないときも多いので、そういったところもカバーできるようにはしています。

 また「iアプリコール」そのものではないですが、従来はブラウザ上でしかできなかったマイメニュー登録が、アプリから直接できるようになりました。例えば、私が神谷や村上を「iアプリコール」でゲームに招集して、体験版で遊んでもらって、2人が気に入ってたらそのままマイメニュー登録する、ということが可能になります。CP様はビジネスのチャンスが増えますし、お客様も実際に試してみてから買えるので、CP様、お客様ともに機会損失をなくせます。そういったものを複合的に組み合わせていただくと、世界が広がるかなと思っています。

――「iアプリコール」を受けた側がアプリを持っていなかった際の挙動には決まりごとがあるのですか?

恩田氏 : 携帯電話から携帯電話に対して呼びかけた際には、「特に何もしない」、「ダウンロードサイトに誘導する」、「iアプリを直接ダウンロードさせる」という3つの選択肢をCP様が自由に選べます。CP様から直接のプッシュでは、このうち後者2つ、ダウンロード誘導はできません。これは我々も悩んだのですが、「迷惑iアプリコール」というような、お客様の利便性をそぐものが万が一にも出てくる可能性を防いでいます。

――現状ダウンロードできるアプリには、体験版もあれば、有料版もあります。これについては、御社からCPに向けて何か話をしているのですか?

恩田氏 : 我々としては、あくまでiアプリの中からシームレスにマイメニュー登録できる仕組みを用意させていただいただけです。その機能を他の機能と絡めて、どういうビジネスをされるかは、完全にCP様の自由です。

――CPからの「iアプリコール」によるプッシュについては、メッセージ通知しかできないということでしょうか。

恩田氏 : アプリがダウンロード済みであれば、そのゲームを起動できますが、持っていない場合はそれ以上進めない形になります。

――CPからの通知が可能ということは、ゲーム内でしか知らない友人、つまり電話帳に登録されていない友人に対して、CP経由の「iアプリコール」で呼びかけることは可能ですか?

神谷氏 : CP様とアプリ次第ですね。ただ、安心して使えるように育てて行く必要があると考えています。1度変なイメージができるとお客様が遠のいてしまうので、そこは保守的に、徐々にやっていきます。

恩田氏 : 「iアプリコール」に関してもiモードメニューサイトに限定させていただいています。やはり社会に対してよくない影響を与える使われ方をされると困るので、制限せざるを得ないところは制限をしていきます。



■ 「iウィジェット」はゲームアプリとの連携を期待

1画面に8つのウィジェットを置ける「iウィジェット」
ウィジェットは小型のアプリ。「P-01A」にはその場で遊べる「ぷよぷよ! ウィジェット」がプリインストールされている
――「iウィジェット」はどんな機能でしょうか?

村上氏 : ウィジェット、ガジェットなどと言われている、小型のアプリケーションが実行できる環境です。他のキャリアさんでもいろんな見せ方で提供されていますが、ドコモの場合は、「iウィジェット」が実装されている端末には、ハードウェアキーに「iウィジェット」マークが設定されていて、それを待受状態の時に押すと「iウィジェット」の画面が出てきます。

 この画面には、最大8個のウィジェットを貼れます。ウィジェットは1個1個が単独のアプリケーションで、マルチタスクで動いています。一般的な、1画面で実行されるアプリの機能が全て使えるわけではなく、ある程度は機能を制限していますが、それらが同時に8個立ち上がる環境です。

 マルチタスクで全てが並列に処理されるので、例えばおサイフアプリが「iウィジェット」の起動時に残高を見に行って表示してくれますし、同時に株価やニュースなどのウィジェットがあれば、それらの情報も一気に通信して取得します。自分の欲しい情報を1つの画面の中で自分好みにカスタマイズして、一覧で確認できるのが「iウィジェット」の特徴です。

 ゲームについても、「P-01A」にはウィジェット単独で遊べる「ぷよぷよ! ウィジェット」が入っています。他にもウィジェットと何かのゲームアプリを連動させて、ゲームのステータス情報をウィジェットで取得して、その様子に応じてウィジェットから元のアプリを起動させる、といったことも可能です。

神谷氏 : 例えば「シムシティ」のようなゲームで、燃えていますよ、火事ですよとウィジェットで通知できたりとか、「風来のシレン」で救援の状態を見られたりといったことも可能です。ここを上手く使っていただければ、PCにもコンシューマゲームにもない入り口、広がりになると思っています。シミュレーション系のゲームでは割と相性がいいと思いますね。プログラム的にも、アプリと同じJavaなので、作りやすいのではないかと思います。

恩田氏 : iモードメニューサイトのゲームだけではなく、個人の開発者によるゲームが出てくることも期待しています。ウィジェットの企画段階で、iアプリのように誰でも簡単に作れることを重要視しました。気楽に表示できる画面ですし、シンプルなゲームや遊び心のあるツールなどを、一般の方々の多彩な創造性から色々なウィジェットが生まれると嬉しいですね。

――ウィジェットはJavaで作られているということですが、具体的にはどういう仕様になっているのでしょうか。

恩田氏 : 容量はロジック部分が50KB、スクラッチパッド(保存領域)が200KBです。

村上氏 : あとパレットサイズが決まっています。いわゆるQVGAサイズの240×320と320×240、横長のバーの形の80×440、正方形の160×160という4つのパターンがあります。

神谷氏 : QVGAの頃の我々のプラットフォームの容量が、だいたい30から200KBなので、昔のコンテンツ資産をそのまま活かせればいいなという発想で、多少余裕を持たせて50から200KBという大きさにしました。

恩田氏 : データの保存領域が200KBといいつつ、ここは工夫できまして、iアプリ本体とウィジェットの間で、元々iアプリにあるスクラッチパッドの先頭200KBを共有できます。この200KBに、ウィジェットで使うデータだけを入れるわけですが、どこかで自然な画面遷移をしながらiアプリ本体を起動して、その間に200KBのデータを入れ替えてしまえば、実質的に1つのウィジェットが使えるデータ量が増えます。例えば、プリインストールさせていただいている時計のウィジェットは、外見を変えるスキン変更ができるのですが、他のものにする時にその200KBを入れ替えて、なるべくリッチなグラフィックスのものを表示しています。ゲームなどでも企画次第ではいくらでも使い方があると思います。

神谷氏 : お客様は何か1つゲームをダウンロードしたら、お客様の知らないところでメインのアプリとウィジェットを同時にダウンロードさせて、自動的にウィジェットを貼らせることも可能です。「連携しますか?」といちいち出さずに、お客様に1つのものとして見せたいという狙いです。

――ウィジェットが通信するタイミングは、「iウィジェット」の画面を開いたときですか? それとも閉じている間もずっと動いているのでしょうか。

村上氏 : 開いたときだけです。それ以外はサスペンドをしているか、状況によっては終了します。基本的には、見えてないときに処理が行なわれることはありません。

神谷氏 : 知らない間に電池が切れているとか、ものすごい通信料になっているということはないですね。

村上氏 : ちなみに、ウィジェットはTCP/UDPを使えません。HTTPとHTTPSだけです。

――つまり、昔のiアプリが8つ同時に並ぶようなイメージですね。

村上氏 : そうです、そんな感じです。



■ 将来を見据えた新プロファイル「Star」。容量も2倍の2MBに

バンダイネットワークスの「機動戦士ガンダムONLINE」。「iアプリオンライン」に対応したリアルタイム通信対戦がウリだが、グラフィックスもクオリティが高い
(C)創通・サンライズ
(C)BANDAI NETWORKS
――今回、DoJaからStarにプロファイルが変わりましたが、ここでは他に何か変化があるのでしょうか?

神谷氏 : 容量が倍になりました。さすがに2MBあれば、大抵のものは入ると思います。

神谷氏 : 東京ゲームショウで「機動戦士ガンダムONLINE」って触られました? あれもグラフィックスでの驚きが大きかったですね。「こんなものができるんですか」と。まあ頑張ったのは我々ではないですが(笑)。やはり日本のゲーム会社さんは本当にすごいですね。しかもサクサクと通信対戦もできますから。

――DoJaとStarはいずれもJavaですが、中身はこれまでのDoJaのバージョンアップとは違うのですか?

恩田氏 : バージョンアップの定義も色々あると思いますが、基本的には全く新しいものとして作っています。過去のDoJaコンテンツを動かす際には、DoJaモードでVM(バーチャルマシン)が動いているので、StarとDoJaは別物ですね。

神谷氏 : VMが2つ乗っているというイメージです。

――ということは、新端末でも、今までのDoJaアプリは基本的に動くと考えていいわけですね。

神谷氏 : 大丈夫です。

――なぜプロファイルを新しいものにしたのでしょうか?

恩田氏 : 細かい理由は色々ありますが、大きな意味では将来の拡張性を確保するために、不要な部分は整理しました。

神谷氏 : 2001年に初めて携帯電話にJavaが入ってから、7年経ってスペックも相当変わったので、1回リフレッシュして将来に備えないと限界が見えてきていました。最初は10KBアプリだったものが、今は2MBになりましたし。将来のために1回作り変えたというわけです。とはいえ、これもまだ第一歩です。



■ 携帯電話をマルチプラットフォームの1つに。ゲーム端末選びは「PRIME」が基本

――発表では「iアプリオンライン」が目立っていましたが、今までのお話で、それ以外の部分もかなり変化しているのがわかりました。

恩田氏 : 多くの面で進化してはいますが、我々が本当に出せる付加価値というのはネットワーク周りにあるので、その辺りをきちんとするのが第一です。機能的にできる、というだけではなく、実際遊んでいただいて満足できる品質にできるっていうところに気を使ってやらせていただいています。

神谷氏 : ゲームメーカー様から、携帯電話がようやくゲームプラットフォームの1つに認知されつつあると感じています。携帯電話のAさんと、プレイステーション 3をやっているBさんが対戦できたらいいなと思います。我々はもうオープンにしているので、あとはCP様のサーバーさえ頑張ってもらえればできる状態です。マルチプラットフォームの対戦ゲームに携帯電話が入っていければいいなと思いますね。

恩田氏 : オンラインRPGでは、今しかできないイベントというのもありますから、とりあえず帰りの電車から携帯でやって、家に着いたら急いでPCを立ち上げて参戦、というくらい楽しめるゲームもやってみたいですね。

神谷氏 : DSやPSPがWi-Fiでライトなオンラインゲームを切り開いたと思うので、引き続き我々もやって、ゲーム業界を活性化できればいいなと思っています。

――では最後の質問です。今後発売される端末において、ゲーム向け端末が欲しいと思ったら、どう選べばいいでしょうか? 従来は90Xiシリーズを買えばよかったですが、命名規則が変わってしまい、機種名では判断できなくなりました。

神谷氏 : 「PRIME」シリーズが1番エンタメをやりたい人に向けて作っているので、基本は「PRIME」シリーズ。その上で、「iアプリオンライン」、「iウィジェット」対応だと間違いないと思います。今度の新端末でいえば、「N-01A」、「P-01A」、「SH-01A」がプリインストールアプリも面白いし、パフォーマンスもいいし、横にもなるしで、ゲームをやるにはいいと思います。

――最後に、読者に向けて一言お願いします。

神谷氏 : ゲームメーカー様もご覧になっていると思いますが、要望でもご指摘でも、何かある方はぜひお話を聞かせてください。ようやく我々もゲームプラットフォームの1つに入れてもらったと勝手に思っているので(笑)。ただ、まだまだ未熟だとも思っているので、ぜひ一緒に作っていって、ゲーム業界を盛り上げていきたいと思っています。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

□NTTドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/
□製品情報
http://www.nttdocomo.co.jp/product/
□関連情報
【11月19日】新機能「iアプリオンライン」対応端末登場
T2iE、元気モバイル、セガが対応ゲームアプリを配信
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081119/iapli.htm
【11月5日】NTTドコモ、新シリーズ・新商品発表会開催
「キングダム ハーツ」や「ロスト プラネット」がプリインストールで登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081105/docomo.htm
【10月13日】NTTドコモ ブースレポート その2
「キングダム ハーツ」、「デビル メイ クライ」など次世代作品が登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081013/doco2.htm
【10月12日】NTTドコモ ブースレポート その1
次期端末の「iアプリオンライン」対応アプリを各社が出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081012/doco1.htm
【7月31日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(後編)
携帯電話はゲーム機には近づかず、連携・共存を目指す
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080731/doco2.htm
【7月30日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(前編)
iアプリの歴史を総まとめ。ネットで先を行くモバイルゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080730/doco1.htm

(2008年12月22日)

[Reported by 石田賀津男]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.