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NTTドコモ、新シリーズ・新商品発表会開催
「キングダム ハーツ」や「ロスト プラネット」がプリインストールで登場

11月5日 発表会開催

会場:グランドハイアット東京

シリーズ構成が新たに4つに分類された。同時に型番の命名規則も変わっている
 株式会社NTTドコモは11月5日、同社の携帯電話の新シリーズ・新商品発表会を、グランドハイアット東京にて開催した。今回新たに製品が4つのシリーズに分けられ、計22機種が発表された。

 今回の新端末における最も大きな変化は、新たなシリーズ分けを導入するとともに、端末の命名規則を一新したことだろう。シリーズは4つに分けられ、ファッション性を重視した「STYLE」、エンターテイメント向けの多機能な「PRIME」、ビジネス用途も考えられた「SMART」、スマートフォンなど先進テクノロジーを組み入れた「PRO」となっている。

 製品名は従来どおりであれば、今回は907i/707iシリーズとなるはずだが、全く異なる名前になっている。「F-02A」という新端末を例に説明すると、最初の「F」は従来と同じく端末メーカーを示すもの(この端末であれば富士通製)、次の「02」は、各メーカーが発売する端末の通し番号、最後の「A」は発売された年度を示している。

 「F-02A」は「STYLE」シリーズの製品となっているが、型番からはどのシリーズの製品であるかや、どんな性能を持った端末であるかは、読み取れない形になっている。ことゲームユーザーの視点に絞って言えば、「最新のゲームをやりたければ、90Xiシリーズなどのフラッグシップモデルを買えばいい」といった従来の流れが通用しなくなるので、購入の際には、端末個別の性能をきちんと把握しておく必要がある。

 なお端末価格は、シリーズに関係なく設定される。4万円台と5万円台という2パターンがターゲットになっており、P906i/706iシリーズとさほど変わらないものになるとしている。

「STYLE」、「PRIME」、「SMART」、「PRO」の4つに分類された新端末。「お客様はライフスタイルに合ったものを選びやすくする」ということを目的として、製品コンセプトで分類されているが、性能はややばらつきがある



■ 「iアプリオンライン」がゲーム向け端末選びのキーになる

プレゼンテーションでは、「iアプリオンライン」については紹介する程度だったが、別途コーナーが用意されており、詳しい話を聞けた
 ゲーム向けの端末を選ぶ指針として1つ覚えておいていただきたいのが、今回発表された新端末から実装される「iアプリオンライン」である。これは10月に行なわれた「東京ゲームショウ2008」で発表された新サービスで、リアルタイム通信による対戦ゲームの実現と、そのゲームに友人を招待するという2つの機能が用意されている。

 今回発表された端末のうち、「PRIME」の6機種、「STYLE」の2機種、「SMART」と「PRO」の各1機種、合計10機種が「iアプリオンライン」に対応する。このバランスから見て、「PRIME」シリーズが最もゲーム向けのシリーズに見えるのだが、1機種だけ非対応のものがあるので、「PRIME」シリーズならば安心とはいえない。どちらかといえば、「iアプリオンライン」に対応しているかどうかで判断するといいだろう。

 「iアプリオンライン」対応ゲームは既に各社から発表されている。これらのゲームは、「iアプリオンライン」対応端末であれば動作するよう作られているという。これまでにあった「メガiアプリ」や「直感ゲーム」とは別のくくりではあるが、ある程度ゲームにも力を入れている端末とはいえるので、ゲーム向け端末を選ぶ際の指針には使える。

 続いて「iアプリオンライン」の仕組みについて説明する。まずリアルタイム通信については、従来は通信プロトコルとしてHTTPしか使えなかったものが、新たにTCP/IPとUDP/IPにも対応した。ちなみにこの通信方式は、auではBREWに標準搭載されており、ソフトバンクモバイルは昨年「高速オンラインゲーム」として同様のサービスを始めている。この分野に限れば、NTTドコモはようやく2社に追いついたという格好だ。

 友人を招待する機能は「iアプリコール」と名づけられている。「iアプリオンライン」対応ゲームのメニューの中から、「友達を呼ぶ」などを選ぶと、電話帳が起動する。そこから招待したい人を選ぶと、メールのような形で相手に通知される。同じゲームを持っていればその場で参加でき、持っていない場合は、通信対戦が可能な体験版のダウンロードや、製品版への誘導が行なわれる。相手が持っていない場合の挙動はコンテンツプロバイダに任されているが、NTTドコモとしては、体験版をダウンロードさせる仕組みを推奨しているという。

 会場ではハドソンの「対戦☆ボンバーマン+」を、4台の端末で同時にプレイするデモも行なわれた。キャラクタの移動や爆弾の爆発するタイミングは全ての端末で同時に見えており、対戦が問題なくリアルタイムに進められていた。また友人を招待するところも実際に見せてもらったところ、招待する側は電話帳から友人を選ぶだけ。招待された側も、了承するとすぐにゲームアプリが起動するという具合で、実に簡単に友人との対戦を始められる。

 担当者によると、PSPで人気の「モンスターハンター」シリーズの遊び方をイメージしているという。ゲームを立ち上げて、メニューから友人を招くと、すぐに友人がやってきて、リアルタイム通信で一緒に冒険できる……といった仕組みが用意されているわけだ。対応ゲームには、対戦ゲームのほかにも、多人数で遊べるMMORPGなどもラインナップされており、PCやコンシューマよりも身近に感じられるオンラインゲームの登場が期待される。

【iアプリオンライン/iアプリコール】
まずゲームから「友達を呼ぶ」を選ぶ 電話帳が開くので、呼びたい友人を電話帳から選ぶ 相手を選ぶと、「iアプリコールしますか」と尋ねられる
「iアプリコール」で呼ばれた側は、応答の可否を尋ねられる 応答すると、すぐにアプリが起動し、通信対戦に移る 「対戦☆ボンバーマン+」はリアルタイム通信による対戦を実現


 このほかゲームに関連する新機能として、「iウィジェット」が発表された。端末のウィジェットボタンを押すと、最大で8つの「iウィジェットアプリ」が表示された画面に移る。「iウィジェットアプリ」はコンパクトなiアプリといったもので、自動的に通信する機能を備えており、ニュースや株価などの情報を取得できる。

 シンプルなゲームならば動作し、「ぷよぷよ! ウィジェット」というアプリも用意されていた。他にもオンラインゲームの状況などを確認できるアプリなども配信される予定で、MMORPGなどでは親和性の高いサービスになりそうだ。

【iウィジェット】
落ちものパズル「ぷよぷよ」を遊べる「ぷよぷよ! ウィジェット」。画面が小さいのは、「iウィジェット」の仕様でウインドウ形状が4種類に指定されているため



■ 「キングダム ハーツ コーデッド」や「ロスト プラネット」がプリインストール

新端末の体験コーナー
 会場では全ての新機種を体験できるコーナーが設けられた。時間的に全ての端末は回れなかったが、前述の「iアプリオンライン」に対応した10機種はチェックできた。

 プリインストールアプリで注目されるのは、「P-01A」の「キングダム ハーツ コーデッド」だ。「東京ゲームショウ2008」に出展された際、開場まもなく2時間待ちの行列ができるという人気の高さで、滑らかな3Dアクションはも非常にクオリティが高かった。端末は縦横どちらにも開ける「Wオープンスタイル」を採用しており、ゲームは横開きにして遊ぶ。両手を使って操作できる、携帯ゲーム機に近いスタイルになる。

 プリインストール版では2つのゲームモードのうち1つがプレイできる状態で、アップグレードすると両方遊べるようになるとともに、ショートムービーも見られるようになる。最初からフルバージョンを入れていないのは、P906iの「レイトン教授と不思議な町」と同様、容量の都合だと思われる。ユーザーがSDカードを端末にセットすることで容量の問題が解消され、その上で改めてダウンロードするという形になっている。なお、他の機種にも対応した配信版も予定されているが、配信時期や利用料金は未定。

【P-01A】
縦横どちらにも開く「Wオープンスタイル」を採用した端末。横開きにすると、ボタンの文字部分がスライドするように動いて横向きになる「2WAYキー」を搭載する。ゲームは「キングダム ハーツ コーデッド」と、ナゾトキアドベンチャー「レイトン教授と不思議な町」をプリインストール。2008年11月発売予定

【キングダム ハーツ コーデッド】
スクウェア・エニックスとディズニーのコラボレーションで誕生したRPG「キングダム ハーツ」シリーズの、モバイルオリジナルタイトル。映像のクオリティは非常に高い
(C)Disney. Developed by SQUARE ENIX


 また「SH-01A」、「SH-03A」には、「ロスト プラネット for SH」がプリインストールされている。こちらも3Dグラフィックスを採用したアクションゲームで、指定されたミッションをクリアしていくスタイル。同名のコンシューマゲームを携帯向けにアレンジしたもので、ミッションはかなり短時間で終わるよう変更されている。こちらは「iアプリオンライン」に対応しオンライン対戦が可能な配信版が12月に登場予定。利用料金は月額315円。

【SH-01A/SH-03A】
8メガピクセルのCCDカメラを搭載したサイクロイドスタイルの「SH-01A」(上段左)と、タッチパネルを採用した「SH-03A」(上段中央)。アプリは共通の予定で、「ロスト プラネット」と、Bloetooth通信対応のトランプゲーム集「BT対戦トランプコレクション」をプリインストール。「SH-01A」は11月発売予定、「SH-03A」は12月発売予定


 その他の「iアプリオンライン」対応端末についても、基本的なスペックと主なプリインストールゲームアプリを順に紹介していく。

【F-01A/F-03A】
タッチパネルを採用した防水端末「F-01A」(上段左)と、ラウンドフォルムのタッチパネル端末「F-03A」(上段中央)。リズムアクション「太鼓の達人 もばいる4」と、脳トレゲーム「脳力ストレッチング2」をプリインストール。「F-01A」は11月19日発売予定、「F-03A」は2009年1月から3月発売予定

【N-01A/N-02A】
液晶が通常、90度、180度と3段階に回るように動くタッチパネル端末「N-01A」(上段左)と、「STYLE」シリーズに属するスリム端末「N-02A」(上段中央)。「iアプリオンライン」対応のテーブルゲーム「いただきストリートMOBILE」、3D格闘「TOBAL M」、タッチパネル対応の脳トレゲーム「Touch! 脳眼力総合トレーニング」、ボウリングゲーム「アバター☆ボウリング」をプリインストール。「N-01A」は11月発売予定、「N-02A」は11月から12月に発売予定

【P-02A】
「STYLE」シリーズに属するスライド端末。アクションパズル「スーパーパズルボブル」をプリインストール。2009年1月から3月発売予定

【N-04A】
「SMART」シリーズに属するamadanaとのコラボレーション端末。パズルゲーム「PLATINUM SURIKI」をプリインストール。2009年1月から3月発売予定

【SH-04A】
「PRO」シリーズに属するQWERTYキー搭載端末。発売が2009年2月から3月予定ということで、まだアプリは未搭載の状態で展示されていた


□NTTドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/
□製品情報
http://www.nttdocomo.co.jp/product/
□関連情報
【10月13日】NTTドコモ ブースレポート その2
「キングダム ハーツ」、「デビル メイ クライ」など次世代作品が登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081013/doco2.htm
【10月12日】NTTドコモ ブースレポート その1
次期端末の「iアプリオンライン」対応アプリを各社が出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081012/doco1.htm
【7月31日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(後編)
携帯電話はゲーム機には近づかず、連携・共存を目指す
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080731/doco2.htm
【7月30日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(前編)
iアプリの歴史を総まとめ。ネットで先を行くモバイルゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080730/doco1.htm
【5月28日】NTTドコモ、新型携帯電話「906i」シリーズなどを発表
「レイトン教授」などがプリインストールアプリで登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080528/docomo.htm

(2008年11月5日)

[Reported by 石田賀津男]



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