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会場:マイクロソフト代田橋オフィス1F
本作は、「テイルズ オブ」シリーズ13年目の作品で、初のXbox 360、かつHD解像度に対応したタイトルとなる。ベースはRPG+アクションバトルで、どちらかというとアクション性の強い作風であるところは「テイルズ オブ」シリーズらしいところ。キャラクタはトゥーンシェードをベースにしつつ、描き影などを入れて作られており、手描きのアニメを見ているような仕上がりになっていた。スムーズに躍動するキャラクタの姿は一度体験版などで確認してほしいと思う。 体験会では席にマニュアルのコピーも置かれていて、“プレスなんだから大体わかりますよね。2時間放置します”という雰囲気。こちらとしてもインストラクターにガッツリ張り付かれているのは落ち着かないので、ありがたい。プレイ用のセーブデータはプレイタイムが30分程度のものと、6時間ほど進められた状態の2種類が用意されていた。 まず、Xbox 360を再起動させ、タイトル画面からオープニングアニメーションムービーを起動させる。「プロダクションI.G」によるオープニングアニメの尺は1分20秒弱で「このキャラはこんな感じで戦うんだな」という雰囲気が伝わり、ゲームへの期待感が膨らむ丁寧な仕上がりとなっている。バックに流れるのは、BONNIE PINKの「鐘を鳴らして」。ゆるやかな曲調のやさしい歌で、戦闘などの動きのあるシーンが多いアニメに対して、激しい曲を持ってこないという変化球はなかなか効果的であると思った。 ゲームの冒頭にも少し触れることができた。貴族と平民の超格差社会である帝都ザーフィアスの下町で暮らす青年ユーリ。ある日、下町で住民の生活を支える水道魔導器(アクエブラスティア)が暴走を起こす。魔導器の要である魔核(コア)が抜き取られていることに気付いたユーリは、相棒で犬のラピードと共に、修理を請け負ったという人物を追って貴族の館に潜入するが、袋叩きにされて城の牢屋に投獄されてしまう。
隣室の胡散臭い男レイヴンの協力で脱獄に成功したユーリは、城内をさまよううち騎士に追われる少女エステリーゼに遭遇。彼女が親友フレンの名を口にしたことから、咄嗟に助けてしまう。ユーリは、フレンに会いたいという彼女を部屋まで連れて行くが、フレンは既に旅に出た後だった。そこにフレンを狙う暗殺者ザギとその一味が乱入、なんとかこれを退けたユーリは、どさくさに紛れてエステリーゼと共に城を脱出する……というのが序盤のストーリー。この間に世界観の説明やバトルチュートリアルが用意されている。街では画面が切り替わるごとにローディングが入るが、その時間はとても短く、ストレスを感じることはないだろう。
■ バトルは難易度調整が可能--オーバーリミッツLv4は合成アイテムが必要 マップ画面で敵シンボルに触れると、ガラスが割れたようなエフェクトで戦闘画面に移行する。バトルは味方キャラクタが最大4人まで参加し、そのうちの1人を操作して戦い、それ以外のキャラクタはあらかじめ設定した作戦にしたがって自動的に戦う。戦闘前後のローディングはほとんど感じず、バトル中に処理落ちで遅延することもなく快適に遊ぶことができた。 操作キャラクタは自分と攻撃対象の間にある見えないラインに沿って前後に動くが、左トリガを引きながら左スティックを動かせばフリーランとなり、見えないラインに関係なく自由にフィールドを動き回ることができる。最初のバトルからフリーランができたので、スキルセットは特に必要がないようだ。また、セレクトボタンを押すことで、マニュアルからオートバトルモードに切り替わる。オートバトルは作戦通りに動き、コンボなどもきちんと出してくれる。レベル上げと合成さえフォローしておけば、戦闘が苦手という人でもオートバトルで先に進めるように配慮されている。
「TOV」のバトルシステムは「テイルズ オブ アビス(以下、TOA)」のように、Bボタンで通常攻撃3段を入れてからAボタンのTP消費技「特技」につなぐ特技連携を使うことで、敵からの反撃を少なくすることが戦闘の肝となっていた。逆に特技連携ができないと雑魚戦ですら苦戦しがち。×ボタンで発動する「ガード」アクションは通常ガードの他に、バックステップ、クリティカルガード、マジックガード、リカバリングとほぼ「TOA」と同じガードアクションを用意。通常ガード以外は「バックステッパー」といった対応スキルの実装が必要となっている。
なぜかゲージはLV4までためることができなかったので、郷田プロデューサーに聞いてみたところ、LV4までゲージをためるには特定のアイテムの合成(一度作ってしまえばOK)が必要になるとのこと。Lv4のオーバーリミッツは無敵時間があり、技の変化や強力な技の秘奥義が使用可能となるため、なんとしても合成したいアイテムといえる。
モンスターを一撃で倒せる「フェイタルストライク」システムがどうやっても出すことができなかったので、樋口プロデューサーにお願いしたところ「体験会に用意したパーティーが強すぎて、フェイタルストライクが出ないみたい、申し訳ないです」とのこと。後に放映されたコンボムービーと口頭説明を元に考察してみると、すべての敵は赤、青、緑の3種類のフェイタルストライク耐久値がある。術技を当て続けFS耐久値を減らしていき、0になると赤・青・緑のいずれかの術式が浮かびあがる。術式が消える前に術式の色に対応したコントローラのボタンを押すことでフェイタルストライクが発動し、モンスターの残りHPに関係なく一撃で倒すことができるようだ。 ■ 「ブロガーズミーティング」の模様をレポート
プレス体験会の後は、Xbox 360ユーザー40名を招待したブロガーズミーティングが開催された。招待されたプレーヤーもプレス体験会とまったく同じ環境で「TOV」をプレイしていた。
Q.「テイルズオブ」の戦闘は技が多いという印象がありますが、没になった技はどのくらいあるのでしょうか? A.技のボリュームを考えるとき、従来の「テイルズ オブ」作品を参考にします。今回の場合は1キャラについて3から5くらい必要の無い技があったと思う。 Q.バトルではコントローラをいくつまで使えるのか? A.4人まで参加可能です。 Q.アクション要素があって面白いんだけど、けっこうバトルが難しいなと思いました。その辺はどのようにお考えなのでしょうか? A.たしかに「TOV」のバトルは少し難しめに作ってあります。また通常技を3回出してから特技を出すというコンボに慣れるまでが大変だ、という声が多いのは理解しております。Xbox 360というハードを選んだので、(Xbox 360ユーザーである)皆さんは数多くのゲームを遊ばれている方だと思います。私たち自身もXbox 360ユーザーですので、そういうところを考えて難しめにしてあります。コンフィグでバトルの難易度は調整できるので、イージーなどにしてもられば、バトルに慣れてもらえると思います。また、手ごたえが欲しいという人はハードにして楽しんでもらいたい。今作では戦闘ごとに難易度を変えられますので、「ちょっと勝てないぞ」という敵が出てきたときはイージー、っていうのもありでしょう。 Q.今回のバトルは非常に練り込まれていると感じます。難易度ですが、イージー、ノーマル、ハードとその上はあるのでしょうか? A.まあ、断言しないほうが面白いんでしょうけど、期待通り……かなと(笑)。戦闘の難易度変更というと、パラメーターが変化するだけという風になりがちなのですが、ルーチンとまではいかないまでも、敵のモードがきちんと変わりますので、歯ごたえが感じられるものになっていると思います。 Q.スキットがちょっと……雑な感じを受けたのですが、これは開発途中のバージョンだからということでよろしいのでしょうか? A.今皆さんにやっていただいているものはほぼ製品版のものです。 Q.プレイ集でジュディスが空中ダッシュや高いジャンプを駆使していましたが、あれはキャラ固有の物なのでしょうか? それともアイテムの効果なのでしょうか? A.武器に付いているスキルで変わるものと、ジュディス固有の能力というものもあります。ジュディスに関してはジャンプ中に下を入力すると早く落ちるとか、上に入力すると滞空時間が長くなるという能力があります。探してみてください。 Q.今回Xbox LIVEで通信バトルとかできないんでしょうか? A.やりたかったですけど、今回は断念しました。遅延の問題もありますし、まずはスタンドアローンのお客様を優先すべきであろうというスタンスでやろうと思いました。後は結局、Xbox LIVEでバトルだけ4人プレイにしても、ゲームとしておかしい感じになると思いました。やるんだったら、きちんとしたオンラインゲームを作ったほうが変な感じにはならないと思い、今回は断念しました。 Q.シェーダーモンスターマシンであるXbox 360というハードで作るということで、グラフィックスの方向性でも苦労されたのかな、と個人的に思いました。トレーラーではバンプマップが使われているような表現があったように見えたのですが、実際見てみると、そういう部分はあまり多くないという印象を受ける。スタッフの間でもそういう方向性はだいぶ揉めたというか、議論をされたのでしょうか? それから苦労されたところは? A.たぶんその辺りを話すと一晩くらい時間がかかるかと(笑)思うので、簡潔に。苦労はありました。壁とか地面は、バンプマップを使ったハードのパワーで表現が良くなるということで、流行りというか、使いたいということもありましたね。僕らは手描きのテクスチャにすごくこだわっていまして、結果的に言うとバンプマップを使っているところは1カ所もありません。一番苦労したことは、トゥーンシェードのグラフィックスのゲームがたくさんある中で、どうやったら差別化が図れるのかということに注力しています。他のトゥーンシェードを採用している製品とは、ちょっと違った印象を受けていただけると思います。描き影や光源処理などから始まって、いろいろ苦労はしました。
プレーヤーの生の声を直接聞くという貴重な体験に対し、樋口プロデューサーは「Xbox LIVEで配信した体験版はどちらかというと『テイルズ オブ』シリーズのファンに向けて作ったもの。今回の完成版に近い『テイルズ オブ』を初めて遊ぶ人がどんなリアクションをするかはとても興味がありました。ユーザーを集めていただいたマイクロソフトさんに感謝です。ブロガーの皆様の声は今後の「テイルズ オブ」に活かしたいと思います。『TOV』をよろしくお願いします」とコメント。プレス体験会&ブロガーミーティングは無事終了した。
□バンダイナムコゲームスのホームページ (2008年7月28日) [Reported by 福田柵太郎]
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