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会場:Los Angels Convention Center
とはいえ、タイトルが充実していないわけではない。各社の試遊台が並ぶSHOWCASE PAVILIONでは、今回発表されたばかりの「Wii Music」や「Wii Sports Resort」などを出展している。SHOWCASE PAVILIONの入り口正面という位置のよさもあり、常に人だかりができていた。
一部のタイトルについては既にラウンドテーブルなどでもお伝えしているが、ここでは改めて試遊した感触を交えてお伝えしたい。
■ Wii「Wii Music」
楽曲は全部で50曲程度収録するそうだが、今回は「Twinkle Twinkle Little Star (きらきら星)」や「Yankee Doodle (アルプス一万尺)」、「スーパーマリオのテーマ」など5曲が用意されていた。 まずは楽器の中から使いたい楽器を選択。試しに、カンファレンスで宮本氏が実演していたヴァイオリンを選んでみた。ヌンチャクを持った左手を伸ばし、Wiiリモコンを弓に見立てて……と構えたところで何気なくボタンを押すと、あっさりヴァイオリンの音色が鳴った。おや? と思い、ヌンチャクとWiiリモコンのいろいろなボタンを押してみると、どれを押しても音が出た。弓に見立てて動かすと音色が変わったりするのかもしれないが、周囲がやや騒がしかったためか、これといって違いは感じられなかった。 ただ、こうしていろいろなボタンを押している間も、音楽に合わせて自動的に調整された音程で音が出た。リズム的にはずれて聞こえるものの、あえてリズムを気にせずバラバラに押しても、せわしない感じの「きらきら星」が流れるという感じで、音楽としては全く破綻しない。「きらきら星」はかなり簡単な曲だが、難しい曲をやればやるほど楽しくなるのではないかと思う。 ほかにもいくつかの楽器を試してみると、どれもボタンを押すか、Wiiリモコンとヌンチャクを振るかといった程度で、音を出すだけなら非常に簡単。そしてこれがこのソフトのほぼ全てである。このソフトは、誰でも簡単に気持ちよく演奏ができる、というのがウリのソフトなので、同じ楽曲でも楽器を変えれば雰囲気も変わり、ただただ楽しく演奏ができる。
演奏中も演奏終了後も、特にスコアが出たり、何かをクリアするといったような表示はない。ただ演奏するだけのソフト、といってしまえばそれまでだが、何人かで一緒にやるとまた面白いのではないだろうか。何せ、こんな簡単に遊べて、ゲームオーバーもないのだから、パーティーゲームとして見ても十分に楽しい。上手かどうかはプレーヤーが判断して、それをネタにして楽しめばいいわけだ。
両手両足を使用するので、これだけはお手軽にというわけにはいかない。しかし逆に言うと、きちんと操作方法を覚えれば、本物のドラムとなんら変わらないドラム演奏も可能になるはずだ。トレーニングプログラムは用意されているそうなので、真面目にドラムを叩きたい人でも楽しめそう。本作を操る凄腕ドラマーが、互いに演奏データを交換して腕を競い合ったり、動画共有サイトで演奏の腕を披露したりと、普通のゲームにはないエンターテイメントが生まれてきそうな予感がする。 北米では2008年のホリデーシーズンに発売予定。
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■ Wii「Wii Sports Resort」
まずは、フリスビーを投げる「Disc Dog」。まず、犬がくわえているフリスビーにWiiリモコンのポインターを合わせてAボタンを押し、フリスビーを手に取る。最初、「何でこの操作がいるの? 最初から持っていればいいのに」と思ったのだが、どうやらこの操作によって、Wiiリモコンを正しく画面に向け、位置情報をリセットしているようだ。このおかげで、Wiiリモコンを持つ角度が、正確にMiiが持っているフリスビーに伝わる。 フリスビーは現実と同じく、腕を水平からやや高めに振りながら手首のスナップを効かせて投げる。投げる瞬間に手首が返って下を向くと、当然フリスビーはすぐ下に落ちる。また手首が水平になっていないと、左右に大きくずれて飛んでいってしまう。本当にフリスビーを持って、まっすぐ投げるつもりでやると、まっすぐ綺麗に飛ばせた。これは見事な再現性だと思う。 試しに手首を動かさずに腕だけ前に出してみたが、フリスビーを投げてくれない。逆に軽くでも手首をひねるとその場で投げてしまう。 次に、水上オートバイを操る「Power Cruising」。Wiiリモコンとヌンチャクを、バイクのハンドルを握るつもりで水平に構える。そして左右に傾けると、そちらに曲がるという仕組みだ。ゲームとしてはかなりシンプルで、ゲートをくぐっていくだけ。感度調整がうまくできており、初プレイでも曲がりすぎたり、曲がらなかったりという違和感がほとんどなかった。ちなみに普通はやらないが、真横を向くほど大きく傾けると、Miiが水上オートバイから落っこちて沈んでいく(ものの数秒で自動的に復帰するが)。 最後は「Swordplay」。Wiiリモコンを画面に向けてAボタンを押すという操作は「Disc Dog」と同じ。後は見たまま、Wiiリモコンを振った角度で剣を振れる。ゲームが始まると、水上に浮かんだ丸いフィールドの上で、1対1のチャンバラバトルを行なう。剣が当たるとのけぞって下がり、その勢いで相手を水に落とせば勝ちとなる。 剣は大きく振りかぶって叩けば威力も増すようで、数多く振れば強いというわけではない。剣は振るだけでなく、突きも可能。また当てた角度によってのけぞる方向が違い、横から叩けば相手を横に移動させられるので、特に水際の攻防では叩く角度も重要になる。逆に危ないときには、移動したい方向に剣を向けておくと、ゆっくりながら移動してくれる。 また剣を振るだけでなく、Bボタンを押せばガードも可能。相手が振ってきた軌跡に、Bボタンを押しながら自分の刀を合わせると、相手の攻撃を弾ける。弾かれた相手は少しのけぞり、さらに隙を狙われるのでかなり危険。ただガードそのものがかなり難しく、ただ正面に向いてBボタンを押しているだけでは、剣のないところを叩かれるとガードできない。上級者同士の戦いになると重要な要素になるのかもしれないが、なかなか思ったようにはいかない。 とりあえずは何も考えず、Wiiリモコンをブンブン振り回して対戦するのが一番楽しいのは確か。会場で国も言葉もわからない相手と対戦し、3戦目までもつれ込んだ後にがっちり握手。互いに健闘を称え合いたくなる辺りは、まさにスポーツそのものといった印象だ。 北米では来春発売予定で、パッケージには「Wii MotionPlus」と、装着時のWiiリモコン用ジャケットが1個ずつ同梱される。「Wii MotionPlus」の単品販売も予定されている。
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■ Wii「Animal Crossing City Folk」
SHOWCASE PAVILIONに出展されていたものを見ると、画面のデザインがニンテンドーDS用「おいでよ どうぶつの森」とほとんど変わらないのがわかる。これはDS版のデータをWii版に移行できることを考慮した結果なのかもしれない。ただWii版で加わった街などの新要素についてはその限りではない。操作はヌンチャクスタイルを使用し、ヌンチャクのスティックで移動する。 会場で1つ目に付いたのが、USB接続のキーボード。本作には「Wii Speak」というマイクデバイスを用いてボイスチャットする機能も搭載されるが、それとはまた別に、キーボードでのチャットにも対応する。つまり「Wii Speak」が必須というわけではない。 北米では2008年のホリデーシーズンに発売予定。「Wii Speak」は29.99ドルで別売りされる。
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■ DS「Rhythm Heaven」
前作のゲームボーイアドバンス用「リズム天国」は、十字ボタンとA、Bボタンを使ってさまざまなリズムを刻んだが、DS版となる今作はタッチスクリーンを使用する。またDS本体は横向きに持ってプレイする。右利きであれば、右にタッチスクリーンが来る形だ。 今回プレイできた3つのゲームでは、いずれもスクリーンにタッチするか、タッチして素早く弾くように動かすかという操作を使用。ボタンは全く使わなかった。具体的には、3人の合唱の3番目を担当し、1番目と2番目の歌声にタイミングと長さを合わせてスクリーンからペンを離す(離しているときだけ声を出す)。時折大声を出す指示があるので、そこではペンを弾くといった具合。弾く操作は、前後左右どちらでもよく、またタッチスクリーンのどこを始点にしても構わない。 操作にボタンを使わないというのは思い切った決断だが、そこに戸惑いを感じるのはほんの一瞬だけ。前作のファンとしては、「これはこれでアリかな」と思える形には仕上がっていると感じられた。タイミングの判定は相変わらずシビアなので、今回もフルパーフェクトを狙うにはかなり苦戦させられそうだ。
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(2008年7月19日) [Reported by 石田賀津男]
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