EAJ、「SPORE クリーチャークリエイター」体験レポート
本日発売!! 製品版で判明したゲームの遊びどころをご紹介
6月18日発売(ダウンロード版)
6月27日発売予定(パッケージ版)
価格:990円(ダウンロード版)、1,575円(パッケージ版)
エレクトロニック・アーツ株式会社は、PC用シミュレーションゲーム「SPORE」のキャラクタクリエイトツール「SPORE クリーチャークリエイター」を6月18日より同社ECサイトの「EAストア」にてダウンロード販売を開始すると同時に、無料体験版を公開した。価格は990円で、「SPORE」本編が10%割引きとなるクーポンが同梱されている。
「SPORE クリーチャークリエイター 完全版」は、9月7日に発売が予定されているPC用シミュレーションゲーム「SPORE」に登場するクリーチャーを作成できるというもので、作成したクリーチャーはゲーム本編で使えるようになるほか、公式のUGCサイト「スポアペディア」にて公開してユーザー間で共有することができる。
「SPORE」は、「シムシティ」や「シムズ」シリーズの生みの親として名高いゲームデザイナーWill Wright氏の最新作だ。そのゲームコンセプトはユニークで、微生物の生態をアクションゲームとしてプレイする生命誕生のフェイズから、生命が進化して陸上に上がってからの狩りや繁殖のフェイズ、やがて知能を獲得して文明を作って宇宙に飛び出していくフェイズまで、ダイナミックにゲームの様態が変化していくというのが最大の特徴だ。
また「SPORE」はゲームデータをプログラム的に生成するというプロシージャルな手法をありとあらゆる側面で導入したゲーム史的にも極めてチャレンジングな作品でもあり、ゲーム中に登場する生命体はユーザーが自由にデザインしたり、異なる生命体を掛け合わせて新たな生物種を誕生させることができる。
今回公開された「SPORE クリーチャークリエイター」は生物のデザイン機能を単体のアプリケーションとしてパッケージ化したもので、「SPORE」の雰囲気を先行して楽しめる1本だ。公開開始に先立ち、EAにて実際にプレイすることができたので、そこで判明した本作の特徴をお知らせしたい。なお、記事の最後に体験版を掲載しているので、一読して興味を覚えた方はぜひお試しいただきたい。
■ お手軽操作で奇想天外な生物をどんどん生み出せる、これまでにない面白さ
作成したクリーチャーは様々な方法で配信・共有が可能
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9月に発売予定の「SPORE」から、クリーチャー作成機能を単体パッケージ化したのが本作「SPORE クリーチャークリエイター」だ |
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思い思いの生物を作り出す。技術的にはビックリするほど高度だが、それを感じさせないお手軽さが見事 |
「SPORE クリーチャークリエイター」は、微生物のミクロ世界から銀河系宇宙のマクロ世界までをカバーする「SPORE」の中でも重要なフィーチャーである、ユーザー独自の生命体をデザインする機能を単体のアプリケーションとして盛り込んだものだ。操作は非常に簡単で、まるで粘土細工を作るかのような雰囲気で新たな生命体を次々に生み出すことができる。
ゲームを開始すると、「クリーチャーをロードする」、「クリーチャーを作成する」の2項目を選べる。「クリーチャーをロードする」を選択すると、ローカルマシンに保存されているクリーチャーの一覧「スポアペディア」にアクセスでき、初期状態では開発元であるMaxisの作品を閲覧したり、再編集することが可能だ。「クリーチャーを作成する」を選択すれば、完全にゼロから新たなクリーチャーをデザインできる。
クリーチャーの作成では、まず基本となるボディを複数のテンプレートから選択するところからスタートする。気に入った形のものを選び抜き、マウス操作でいじっていくという方法で好みの形にしていくところから始まる。このボディは、クリーチャーの「胴体」となり、背骨に相当するボーンが設定されている。これをマウスを使って伸ばしたり、歪めたりすることによって、直立型の生物から、地を這うトカゲのような生物まで、どのような形態でも柔軟に作り出せるわけだ。
こうして作成した胴体に加える生物の基本パーツは、「口」、「目」、「手」、「足」、「角」、「デコレーション」というカテゴライズになっており、各パーツはマウスドラッグで自由にくっつけていくことが可能だ。くっつけたパーツも、マウス操作で大きさや角度を変えたり、拡大比率を変更するなどの方法で自由に形状を変化させることができる。
クリーチャーは地球の人間型や動物型のデザインを大きく外れることも可能で、口が3つあったり、足が5本あったり、目が10個あるような生物も簡単につくれてしまうあたりが面白い。とんでもない形状を作っても、自律歩行の能力はきちんと持つことができて、プレビュー画面では適切なモーションで歩いてしまう。これは技術的にとてつもないことをやっているはずなのだが、難しいことは抜きにして、この果てしない自由度は驚きだ。
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基本となる胴体を変形して自由な形を作っていき、そこに目や口や手や足をつけて生物としての機能を付加していく。何も考えずに作ってもそれなりの生物ができてしまうお手軽さが面白い |
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作成したクリーチャーは、プレビュー画面でいろいろなアクションを取らせることができる |
各パーツはその生物の能力にも関係しており、パーツ毎に設定されているパラメータがその生物に付加されていく仕組みである。その代わりに、各パーツには「DNAポイント」と呼ばれるコストが設定されており、高い能力を持つものほど高価だ。例えば捕食に関係する口、移動に関係する足のそれぞれに高性能なものをつけた場合は、手や角で安価なものを選択しないといけないケースもありうるわけだ。
最終的に構成される生物の能力が、実際の「SPORE」本編でどのように作用するかは、現時点では不明だ。したがって、今回の「SPORE クリーチャークリエイター」では、能力を抜きにして、いかにクリーチャーのデザインを楽しむかが鍵である。操作方法はじつに簡単で、無料体験版を触ってもらえれば10分ほどで生物を誕生させることができるだろう。
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筆者の作成したクリーチャー。それぞれの基本的な編集には5分もかかっていないが、いろいろと凝り始めると時間を忘れてハマってしまった。自由度の高さが本当に素晴らしく、シンプルなアプリケーションでありながら、何かを作りだす楽しみを存分に堪能できる |
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形状だけでなく表面の質感やペイントも簡単操作で調整していくことができる。「これだ!」というクリーチャーを作成できたら、これまた簡単な操作で全世界に公開できるので、是非他のユーザーと共有してみよう |
・ 画像からクリーチャーを復元できる機能や「YouTube」連動機能で共有支援
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こちらはローカルの「スポアペディア」。作成したクリーチャーがカテゴリ毎にリストアップされる |
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PNG画像の形式でクリーチャーのデータが流通する。こちらは今回筆者が作成してみたデータだ。右クリックでローカルに保存して、PNGファイルをそのままゲームにドロップすれば使用できる |
作成のコツを覚えて面白い生物を作れるようになれば、他のユーザと共有してみたくなるというもの。その点で「SPORE クリーチャークリエイター」は万全の態勢であり、沢山の共有支援の仕組みが搭載されている。そのひとつは、ゲームに統合されている「スポアペディア」だ。これは一種のライブラリ機能で、ローカルマシンに保存したクリーチャーが一覧で表示されている。ここでクリーチャーを選択して公開ボタンを押すと、グローバルの「スポアペディア」にクリーチャーが登録され、全世界のユーザーがこれを利用することができるようになる。
グローバルの「スポアペディア」は、Webブラウザでアクセスできるサイトだ。ここでは全世界のユーザーが公開したクリーチャーが一覧でき、ここから簡単な操作でローカルの「スポアペディア」に追加することができる。ここで非常に面白いのは、ダウンロードするクリーチャーのデータがPNG画像の形式を取っている点だ。
ブラウザ上では128×128サイズのサムネイルにしか見えないクリーチャー画像をゲーム画面にドラッグアンドドロップすると、即座に実際のクリーチャーが動き出すという魔法のような現象が起きる。これはPNG画像のメタデータとしてゲームデータを保持するという仕組みによるものだ。この形式のおかげで、クリーチャーの流通は「スポアペディア」上だけでなく、普通の画像掲示板でも可能である。草の根レベルでの共有が盛んになりそうだ。
体験版の公開時点で既に1万体を超えるクリーチャーが登録されているので、自分でクリーチャーを作成するのが苦手なユーザーは、面白そうなものをピックアップして試してみるのもいいだろう。2足歩行の人間型クリーチャーから、どこの星のものともつかない奇想天外なものまで、その動きを見てみるだけでも結構楽しい。
また「SPORE クリーチャークリエイター」に動画撮影機能が搭載されているのも面白いところだ。ゲーム中のクリーチャープレビュー画面では、クリーチャーに様々なアクションを取らせることができるのだが、ここで動画撮影ボタンを押すと、数十秒のミニムービーが作成される。これはゲーム中からそのまま「YouTube」にアップロードでき、ほんの数回のクリック操作だけで動画の公開ができてしまう。
面白いクリーチャーを作成できたら動画で広めるもよし、「スポアペディア」でデータを共有するもよし、はたまた画像データの形で、草の根の掲示板で交換するもよし、様々な方法でクリエイティビティを広げていくことができる。こういった「SPORE クリーチャークリエイター」の機能は、もちろん「SPORE」そのもののコンセプトを反映したものだ。「SPORE」の最終フェーズである宇宙は、各ユーザーが作ったコンテンツを共有していくことで作られていくとされている。その雰囲気を先行して体験できる「SPORE クリーチャークリエイター」を是非試してみてほしい。
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「YouTube」アップロードの手順。まずは動画撮影ボタンを押し、撮影が完了したらアップロードボタンを押す。ゲーム内からYouTubeへのログインを完了すれば、アップロードが実行される。ユーザーコミュニティでの盛り上がりが楽しみな機能だ |
【「SPORE クリーチャークリエイター トライアル版」ダウンロード】
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ダウンロードを開始するには、 左の画像をクリックしてください。 ファイルサイズ:185MB |
(C) 2008 Electronic Arts Inc. All rights reserved.
□エレクトロニックアーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/
□「SPORE」の公式サイト
http://www.japan.ea.com/spore/
□EAストアのホームページ
http://eastore.ea.com/store/ea/DisplayProductDetailsPage/ProductID.96890600/
□関連情報
【6月12日】EA、日本語版を海外と同時期に発売決定
「SPORE」と「SPORE クリーチャー クリエイター」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080612/spore.htm
【5月23日】EA、日本語版を海外と同時期に発売決定
「SPORE」と「SPORE クリーチャー クリエイター」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080523/spore.htm
【4月28日】EA、「SPORE クリーチャー クリエイター」をリリース
「SPORE」のクリーチャーを作成可能なクリエイティブツール
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080428/spore.htm
【4月22日】EA、ウィル・ライト氏の最新作「SPORE」
日本語版ティザーサイトオープン
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080422/spore.htm
【2月13日】EA、ウィル・ライトの最新作「SPORE (スポア)」を9月に全世界で発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080213/spore.htm
【2007年3月12日】世界に先駆けて「Halo 3」と「SPORE」のAI構造が公開!!
「Three Approaches to Halo-Style Behavior Tree AI」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070312/gdc_halo.htm
【2006年5月14日】Electronic Arts、超弩級シミュレータ「SPORE」プレビュー
微生物から銀河系までをカバーしたプロシージャル世界
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060514/e3_spore.htm
【2006年3月26日】Will Wright氏キーノート「What's Next in Design」
「SPORE」への熱い想いとゲームリサーチの重要性とは?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060326/gdc_will.htm
【2005年5月25日】Electronic Arts、「SPORE」の公式サイトを正式オープン
5点のスクリーンショットを初公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050525/spore.htm
【2005年3月13日】ウィル・ライト氏が未来構想を語る「The Future of Content」
ライト氏のライフワーク「SPORE」で実演したプロシージャルな世界
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050313/gdc_will.htm
(2008年6月18日)
[Reported by 佐藤カフジ]
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