「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」2日目レポート
プライベートダンジョンなど新構想が披露、谷岡氏の「Awakening」はスタンディングオベーションで絶賛
11月16日~17日開催(現地時間)
会場:Anaheim Hilton
入場料:85ドル(前売り)
米国カリフォルニア州アナハイムにて開催されている「ファイナルファンタジー XI」の北米ユーザーを対象にした大規模オフラインイベント「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」が、現地時間の11月17日、閉幕した。
イベントには、事前応募の1,800名と当日枠の100名弱のユーザーを中心に、関係者やボランティアなども含めて2000人超が参加。2日目は、初日に引き続き、同イベント2度目となるデベロッパーズパネルをはじめ、コスチュームコンテストやコンサートなどが開催され、会場は初日に勝る盛り上がりを見せた。前日に引き続き、2日目の模様をダイジェストでお届けしよう。
■ 田中氏が突然プライベートダンジョン構想を発表。ついにUCCを導入か!?
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デベロッパーズパネルでは昨日同様、田中氏をはじめ6人のスタッフが登壇した
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さりげなく重大発表を行なう田中氏。プライベートダンジョンが実装されれば、遊びの幅がさらに広がることになりそうだ
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礼拝堂に潜むスウィフトベルトのNMは、種族別となっているが、ガ系の精霊魔法とアストラルフロウを持つタルタルが一番強い。これを弱体化して倒しやすくする
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合成職人なら設置しておきたい「サインボード」。合成スキルを上昇させる効果をもたらす
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それではまず最初にデベロッパーズパネルの情報からお伝えしていきたい。2日目のデベロッパーズパネルは、細かいバージョンアップ情報やヒントの披露といった小ネタが中心だったが、「プライベートダンジョン」構想なども発表され、「ファイナルファンタジー XI」の将来性を感じさせてくれる内容だった。ここでは概要のみの紹介とし、細かい内容については別稿にてお伝えしたい。
デベロッパーズパネルでは、まず最初にスペシャルタスクチームの最新情報の報告が行なわれた。発表内容は「アルタナ祭り in 大阪」とまったく同一で、ここでは繰り返さないが、RMTを行なっている規約違反者を根絶させていくという方針に拍手喝采が起きた。やはり北米でもRMTははっきり「No」という意見が大半を占めるようだ。
続いてバージョンアップ関連の情報が公開された。今回発表された内容は以下のとおり。
・スウィフトベルトをドロップする礼拝堂のNMがタルタルバージョンだけ強すぎるという意見が多いため、強さを調整する(弱くする)
・恵比寿釣り竿の性能を大幅強化。これと同時に伝説の魚も追加。
・指定生産品クエストの報酬に調度品「サインボード」を追加。モグハウスに合成仲間を招待して、合成工房的な演出が可能に。
・チョコボレースのC3、C4レースの参加費を大幅に引き下げ、レース周期を3日に1回から1日に1回に見直す。これにより、チョコボレースでお金を稼ぐという遊び方が可能に。
・チョコボレースのギャンブルユーザー向けに、勝鳥投票所および観客席に配置されているNPCに話しかけることで、レースに出走するチョコボ情報の一覧表示が見られるように。
・C1、C2レースの解禁。C1、C2レースに勝利すると賞金に加え、トロフィー(調度品)が獲得できる。
この後、プロデューサーの田中弘道氏から唐突に「プライベートダンジョン」導入構想が披露された。まだ完全に構想レベルで、企画もまだ固まっておらず、「本当にできるかどうかわからず、場合によっては実装を中止するかもしれません(笑)」とのことだが、基本コンセプトとしてUCC(User Created Content)の一種として、ユーザー側が自由にダンジョンをデザインでき、それを第三者に提供したり、仲間内で楽しめるようなものを考えているようだ。遊びの内容やビジネスモデルなども不明確だが、「FF XI」自体の仕様拡張プランのひとつとして今後期待したい要素だ。
【チョコボレース】 |
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次回のアップデートでは、チョコボレースが大幅拡張される。C1、C2の新レースの実装と、C3、C4の参加費の値下げ、出走一覧表示機能の追加などが行なわれる。チョコボレースで生計を立てられるかも知れないというところがひとつ大きなポイントだ
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【恵比寿釣り竿&伝説の魚】 |
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釣り関連では、久々にコア向けのアップデートが実施される。恵比寿釣り竿を狙う人が増えそうだ
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■ 熟練コスプレーヤー達の夢の競演「コスチュームコンテスト」
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20組のコスプレーヤーが出場したコスチュームコンテスト
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数々の競合を抑えて優勝したのはシドのコスプレーヤー。アイディアの勝利といった感じである
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コンテスト以外にも会場には無数のコスプレーヤーがいた。中でも完成度が高かったのが、ツインテールタルタル♀の赤魔道士さん。パニックモーション完備
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「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」を日本のオンラインゲームイベントと比較して一番大きく違うのは、コスプレーヤーの多さだ。日本ではどちらかというと、扱いとしてステージ衣装に近いが、北米の場合は普段着の延長線上のようなノリで、コスプレ衣装のままで終日イベントに参加し、食事し、カメラを向けられればポーズを取るといった具合でまことに屈託がない。やはりハロウィンで仮装に慣れている国だと痛感させられた。
その内容は、ミスラやタルタル、エルヴァーン、ガルカといった種族コスプレから、最新ジョブの学者までほぼ全ジョブが網羅されたジョブコスプレ、それからカムラナート、シド、プリッシュ、アフマウといった著名NPCまで多種多様だ。コスプレのクオリティの日米比較は、十分な知識があるわけではないので難しいが、体型や身長を意識した正統派のコスプレから、逆にそれをまったく無視した無茶系のコスプレまで、日本より深い濃度でコスプレを楽しんでいることだけは間違いない。
具体的には、親子連れの参加者で、子供がタルタル赤魔道士のコスプレをしていて、即興でパニックモーションのパフォーマンスを始めたり、コスプレーヤーみんなで集まって、その場に倒れ込んでパーティー全滅のパフォーマンスを始めたりと、「これは勝てないな」と勝手に負けを認めたくなる濃度なのである。
さて、2日目のステージイベントでは、自慢のコスプレの出来を競う、コスチュームコンテストが開催された。審査員は田中氏、Sage Sundi氏、SEIでコミュニティーサービス部のプロデューサーを務める黒澤尉志氏の3名。
20組のコスプレーヤーたちが次々に登壇し、自前のパフォーマンスを繰り広げながら自身のコスプレをアピールした。コスチュームに非常にこだわったからくり士とマトンのコスプレコンビ、大きな体格を活かして夏祭り用浴衣に身を包んだガルカ、もともとエルヴァーン似のエルヴァーンコスプレ、大ブーイングを心地よさげに受け止める悪役の代名詞カムラナートなどなど、「FF XI」をプレイしている人なら思わずニヤリとしてしまうような、スパイスの効いたコスプレが目立った。
入賞したのは、会場の大歓声に後押しされたシド、ガルーダ、ガルカの3人。中でもシドは上半身裸にエプロン、そしてヒゲというシンプルなコスプレだが、シドというネタ自体の斬新さが高い評価を受けた。日本のコスプレは若い女性が優勢だが、中年男性が優勝してしまうところに、北米コスプレ界の深さを感じた。
【コスチュームコンテスト】 |
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個人的に目を引いたものをピックアップしたい。左上のからくり士は、マトンとセットで出場。マトンの中の人が大変そうだった。右上のカムラナートは、憎たらしさも含めて見事にロールプレイ。大ブーイングを心地よさそうに受け止めていた。左下のエルヴァーンは、コスプレというものを考えさせられるようなインパクトがある。右下のファンシーなコスプレはカーバンクル。女性専用奥義といえそうだ
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【コスプレーヤーさんたち】 |
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コスプレをする人は基本的にコスプレ衣装のままイベントに参加する。終日コスプレの格好というのは疲れそうだが、撮影、取材対応やパフォーマンスまで、エンターテイナーとしてのプロ意識のようなものが感じられる
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【ヴァナ・ディールクイズショウ】 |
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2日連続の開催となった「ヴァナ・ディールクイズショウ」。最初に5人の幸運な回答者を選び出し、競売相場当てクイズの勝利者が、「Athlon64 X2」をかけて、時間制限付きの高難易度クイズにチャレンジするという、TVショウ仕立ての内容である。2日目で一番盛り上がったのがGMが鬼のかくれんぼゲーム。観客には両方の動きが見えており、プレーヤーの一挙手一投足に怒号と歓声が飛び交った
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【アトモスチャレンジ】 |
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アトモスチャレンジはテストサーバー「Atomos」を使って、初期状態でどこまでキャラクタを育てられるかを競うゲーム。中には勝負を諦めて、低レベルでジュノを目指す組や、NM狩りを楽しむ組みも。2日間、合計13時間で、最高レベルは13、最高獲得金額は21,445ギルという結果に。きっちり作戦を練ればまだまだ上を目指せそうだ
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■ フィナーレはコンサート。谷岡氏「Awakening」でスタンディングオベーション
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「See you again in "Vana" Heim!」とお別れの挨拶を述べる田中氏。Anaheimをもじった表現だが、heimとはドイツ語で家や家庭を意味し、意訳すると「僕らのヴァナでまた合おう」といった感じだろうか
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コンサートのメインを務めたのはSmash Brothers。バイオリンを混ぜた変則的な編成。個人的には主旋律をバイオリンが務めたセルビナのテーマが一番良かった
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「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」のフィナーレはやはりコンサートだった。コンサート冒頭で田中氏が登壇し、「See you again in "Vana" Heim!」(ヴァナ・ディールでまた合いましょう)とお別れの挨拶を述べた。その後、垂れ幕が落ち、コンサートがスタートした。
「アルタナ祭り in 大阪」ではスターオニオンズコンサートだったが、「Fan Festival 2007」ではアマチュアバンドの「Smash Brother's」がその役を担い、ロック、フォーク、カントリー&ウェスタン風など、さまざまなアレンジで全8曲の演奏を行なった。
アマチュアバンドということで、時折、不協和音を響かせるやや大味な演奏だったが、それでもムバルポロスのテーマやセルビナのテーマ、ロンフォールのテーマなど、カントリー&ウェスタン風アレンジがバッチリハマった曲は見事な出来映えだった。また、ロックアレンジの飛空艇のテーマも飛翔感とスピード感が感じられ、なかなかよかった。
また、コンサート中盤で、スペシャルゲストとして「ファイナルファンタジー XI」のコンポーザーである水田直志氏と谷岡久美氏が登場。スターオニオンズメンバー関都剛氏らの新作制作が佳境に入っており、今回来られなかったため、スターオニオンズとしての演奏は聴くことができなかったが、ピアノはプロ顔負けの腕前を持つ谷岡氏が、ピアノソロを3曲披露。
曲目は、「アルタナ祭り in 大阪」とまったく同じ、「Distant Worlds」(「プロマシアの呪縛」エンディングテーマ)、「Awakening」(闇の王のテーマ)、そして「アルタナの神兵」フィールド曲。「Distant Worlds」から会場の反応は上々だったが、谷岡氏自らが作曲、編曲を手がけた自信作「Awakening」は、演奏終了後スタンディングオベーションが発生。惜しみない拍手が贈られた。
無事終幕した「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」だが、海外イベントを担当するSage Sundi氏によれば、Fan Festivalの定期開催を考えているという。前回1,000人、今回2,000人と順調に規模を拡大しているものの、開発者との直接対話できる距離感を大事にしているということで、5,000人、10,000人といった大規模イベントの開催は考えていないようだ。
今回、大阪と米国アナハイムの両方のオフイベントを取材してみて、それぞれの国民性、文化、風土に合わせてよく練り込まれたイベントだったと感じた。新情報の発表は大阪が秀で、体験イベントはアナハイムが秀れていたなど、ネタの配分にも細心の配慮が感じられ、それぞれ甲乙付けがたい内容だった。新コンテンツ発売前の仕込みとしては極めて優秀な内容だったと思う。
今週は、いよいよゲームコンテンツそのものが動き出す。20日に「アルタナの神兵」事前バージョンアップ、22日にパッケージが全世界で発売される。「アルタナの神兵」発売に合わせて、「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」期間中に開発チームへのインタビューも行なったので、掲載までもうしばらくお待ちいただきたい。
【谷岡久美氏】 |
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「スクウェア・エニックスの秘密兵器」と呼称したくなる谷岡氏。スタンディングオベーションのあと、「ヨクデキマシタ(日本語で)」と声を掛けられ、笑顔で「ありがとよ」と返す。演奏もうまいが、切り返しもうまい。しかし、スタンディングオベーションの最大の理由は「Awakening」の名曲さゆえであり、これに続く新たなバトルテーマの作曲にも期待が掛かるところだ
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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/
□「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」のホームページ
http://www.ffxifestival.com/
□関連情報
ファイナルファンタジーXI連載 ~ヴァナ・ディール“近東”見聞録~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/rensai/ff11ren2.htm
【11月17日】「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」初日が開幕
既存ジョブの調整発表に大フィーバー、第3の盾は獣使いか!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071117/fanfes02.htm
【11月16日】スクエニ、「FINAL FANTASY XI Fan Festival 2007」を明日より開催
前日から長蛇の列、「アルタナの神兵」試遊台やデベロッパーズパネルに注目
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071116/fanfes01.htm
【11月5日】「FF XI アルタナ祭りin大阪」トークセッション完全収録!
「学者」のサプライズ発表から、踊り、戦い、癒す「踊り子」そしてマクロパレット大増量まで
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071105/god4.htm
【11月4日】スクエニ、「ファイナルファンタジー XI アルタナ祭り in 大阪」を開催
新ジョブ「学者」発表、アルタナ新情報やコンサートに約2,000人が熱狂
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071104/ff11off.htm
【8月10日】スクウェア・エニックス、MMORPG「ファイナルファンタジー XI」
オフィシャルイベント「アルタナ祭り in 大阪」開催決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070810/ffxi.htm
【10月26日】スクウェア・エニックス、「FF XI アルタナの神兵」最新情報を公開
各戦線で繰り広げられる大規模バトル「カンパニエ」を初披露
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071026/god3.htm
【5月14日】「ファイナルファンタジー XI」ブース 5th Anniversary レポートその2
新情報、知られざる豆知識、秘話が満載だったトークセッション総集編
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070514/ff115th2.htm
【5月12日】「ファイナルファンタジー XI アルタナの神兵」を正式発表
時空を超え過去のヴァナ・ディールを旅する拡張ディスク第4弾
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070512/ff11god.htm
(2007年11月19日)
[Reported by 中村聖司]
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