|
会場:梅田芸術劇場
入場料:前売2,500円
1,800名限定の有料イベントというだけあって、新発表あり、ユーザーイベントあり、ミニコンサートありの非常にクオリティの高いプレミアムイベントとなったが、中でも注目を集めたのは、いよいよ11月22日に発売を控えた拡張ディスク第4弾「アルタナの神兵」に関する最新情報が数多く公開された「スペシャルトークセッション」。「ファイナルファンタジー XI」プロデューサー田中弘道氏を筆頭に開発/運営チームが勢揃いし、2部構成で実施されたこちらのイベントの内容に関しては別稿にて詳しく取り上げることにして、本稿では取り急ぎ「アルタナの神兵」の新情報の概要と、「ファイナルファンタジー XI アルタナ祭り in 大阪」の全体の模様をお伝えしたい。
■ 最後の新ジョブは、アビリティで魔法をブーストする新ジョブ「学者」! 踊り子、カンパニエの詳細も発表
今回発表された「アルタナの神兵」関連情報は、すでに存在が明らかにされているコンクェストやビシージに変わる大規模バトルコンテンツ「カンパニエ」と、新ジョブ「踊り子」、そして通算20種類目の新ジョブとなる「学者」の3点だ。 ・カンパニエについて まず、カンパニエに関しては、「アルタナの神兵」の舞台となる過去のヴァナ・ディールを舞台に繰り広げられる大規模バトルコンテンツ。プレーヤーは、サンドリア王国軍、バストゥーク共和国軍、ウィンダス連邦軍の3軍からなる“アルタナ連合軍”の一員として、対する獣人血盟軍との全面戦争を繰り広げていく。 コンクェストは戦局に影響を及ぼしている感覚が掴みにくく、ビシージはアルザビ限定で入場制限があるといった、過去の大規模バトルコンテンツの反省点をふまえ、完全新規のシステムを導入する。 カンパニエの基本的な流れは、コンクェストと同様に1週間サイクルで進行し、複数に区分けされたエリアの支配権を、アルタナ連合軍と獣人血盟軍の間で争奪しあう。支配権は、1週間単位で集計される各エリアの支配状況によって決まり、その結果によって翌週の支配勢力が確定する。支配権の有無によって、それぞれの勢力に有利、不利な状況が生まれる。具体的には、増援部隊の追加や、上位のカンパニエミッション(後述)が受けられるようになる。さらにプレーヤーは戦功に応じて、“連合軍戦績”と呼ばれる新たなポイントと経験値が獲得できる仕組みだ。 ゲームコンテンツとしてのカンパニエは、4つのコンテンツに分かれている。ひとつは「カンパニエバトル(仮)」。これは、対象エリアのどこかでランダムで発生するバトルのことで、前回公開されたスクリーンショットはこのカンパニエバトルのシーンのようだ。基本的には、ガリスンの大規模版であり、ビシージのフィールド版といった印象を受ける。 システム的には、シグネット、サンクションに変わる専用の魔法を受けることでデスペナルティがなくなり、ビシージのように戦闘の終了を待たずに、好きな時間に辞めて、それまでの活躍を持ってポイントや経験値の精算ができるなど、コアユーザーはもちろんのこと、ビギナーでも参戦しやすいシステムが整えられている。 2つ目は「カンパニエミッション(仮)」。これは、カンパニエを有利にするための遊撃的なコンテンツであり、カンパニエバトルがビシージとするなら、カンパニエミッションはアサルトに相当するコンテンツと言える。 その内容は、階級、戦況、作戦方針、国営方針、支配エリア、スカウト(後述)などに応じてさまざまな条件で実施される。対象ユーザーもアサルト以上にスケーラビリティの高い設計となるようで、レベル50、3人以上というアサルトの制限を超えて、ソロ用、低レベル用、短時間用、非バトル系など、アサルト以上のバリエーションが用意されるという。 システム的には、アサルトに準拠し、チケット制を採用するが、大きな違いはチケットを消費するのはリーダーのみとなっているところ。従って、6人パーティーの場合、単純比較してアサルトの6倍チャレンジできることになる。報酬は「名声値の向上」としており、まだ謎が多い。 3つ目は「スカウト(仮)」。読んで字の如く、特定のキャラクタをスカウトするというコンテンツで、フィールドやダンジョンに徘徊するアルタナ連合軍に所属しない個性的な NPC達と交渉し、交渉に成功することで、一定期間アルタナ連合軍に参戦させることができる。NPC個人が参戦するだけでなく、部隊を引き連れていたり、国や軍に良い効果をもたらすことがあるという。また、「意外なキャラクタのエピソードが垣間見えることもあるかも?」ということで、これまでの膨大なNPCリソースを活かした名コンテンツになりそうな予感だ。 4つ目は「アンケート(仮)」。これは、冒険者が国家の運営方針に対して自分の意見を出せるというシステムで、週に1度集計し、多数決によって、次週の国家方針が決まり、それがカンパニエバトルやカンパニエミッションに影響を及ぼしていく。アンケートには、「どのエリアを優先して攻めに行くか?」、「どんな戦術で攻めるか」、「どんな技術開発を進めるか」などがあり、自分の意見が国策に反映させられる嬉しいシステムとなりそうだ。
なお、このカンパニエの実装をふまえ、その予行練習的なイベント「現代水晶大戦」を11月8日より開催する。内容については不明だが、イベントに参加することで赤いサングラスが入手できる。3国間の争いに勝利することで、特産品がすべて販売されるという特典が付与される。また、ワールドレベルでもっとも高い成績を収めた国では3国テレポが全開放され、また個人に対しても「別のサングラス」がプレゼントされるという。冒険者はぜひ参加するといいだろう。
踊り子は、女性に加えて、待望(?)の男性用アーティファクト(ジョブ専用装備)や踊りモーションが種族別に4種類ずつ実装されること、そして気になるジョブ特性などが公開された。 AFは、女性キャラと同様に、黒と赤を基調としたタイトな衣装。女性衣装はそれっぽく見えるのに、男性はマジックショウに出てきそうな奇抜なショウ衣装にしか見えないのは何故だろうか。踊りのモーションは全4種類。踊りの内容や決めポーズは種族によって異なるという。 ジョブ特性は、味方に回復等のプラス効果を付与する「踊り」と、敵に弱体効果を付与する「ステップ」、そのステップによる付加効果を利用した「フラリッシュ」の3つ。最大の特徴は、これらのアビリティは基本的にTPを消費して発動する。つまり、最前線で敵を斬りつけてTPを溜めながら戦うことが必須となるジョブとなる。 踊りは、サンバ、ワルツ、ジグなどの複数のバリエーションがあり、ドレインサンバでHP吸収、ヘイストサンバでヘイスト効果といったデモを見ることができた。ステップとフラリッシュはワンセットになっていて、ステップを使うことで自分自身に「フィニシングムーブ」と呼ばれるボーナスステータスが付与される、この状態で使用できるスキルがフラリッシュだ。新しい用語ばかりで少々わかりにくいが、要するに踊りでパーティーメンバーにプラス効果を付与しつつ、ステップで敵を弱体し、ステップを装飾(フラリッシュ)して仕上げというのが踊り子の一連の流れであり、基本戦法となる。
フラリッシュの効果は、「挑発」効果やWS強化、TPに変換する、連携トスなど、前衛らしい立ち回りが可能で、状況に応じて動きに変化が付けられるのが大きな特徴だ。
学者は、後衛好きの冒険者にとって待望であり、かつ脅威の存在となりそうな、召喚士以来となるMP持ちの新後衛ジョブだ。水晶大戦中、各国の軍師として活躍した軍学者で、古の戦術魔道大典「グリモア」に精通し、状況に応じて白魔法と黒魔法を操る魔法のエキスパートという設定になっている。 基本となるのは「白のグリモア」、「黒のグリモア」という2つのアビリティで、これらを使うことで、白魔法か黒魔法のいずれかに特化した状態にすることができる。アビリティの効果時間は無限となっており、白魔法モードと黒魔法モードの2モードを切り替えながら戦うイメージ。ちなみに武器は、両手棍、片手棍などで、本はエフェクトにのみ姿を現わす。「ファイナルファンタジー III」の学者のように本で敵を殴ることはできない。 白のグリモアを使うと、白魔法の詠唱時間が短縮され、消費MPが低下し、回復/神聖/強化スキルが底上げされる。さらに白のグリモア中限定の魔法が使用可能となる。黒のグリモアは、その黒魔法バージョン。ペナルティとして、その反対系統の消費MPが少し増えて、詠唱速度も長くなる。グリモア時専用魔法には、「対象のパーティメンバーの天候を変化させる魔法」、「強力なスリップダメージを与える魔法」などがあるという。天候変化魔法は、実際の天候を無視して魔法の天候を優先させることができる。これにより天候依存の装備品の効果を常時受けることが可能になるというわけだ。 さて、グリモアの効果だが、これが非常に凄まじく、会場では「うおおお」とたびたびどよめきが発生していた。白グリモア時に専用アビリティを使用することでストンスキンを魔法詠唱ゲージ40%程度で詠唱を終え、黒グリモア時は、同じく専用アビリティを使用してグラビデがグラビガ(範囲内にグラビデ効果)になっていた。いずれも専用アビリティ併用時なので常時効果ではないが、それらが意味することは絶大だ。
もっとも、「白のグリモア」、「黒のグリモア」がサポートジョブに開放されるかどうか、また、バインド、ヘイスト、レイズ、スタン、古代魔法等に範囲効果がもたらされるのかどうかは現時点では未知数だが、いずれにしても「アルタナの神兵」を機に、後衛ジョブの立ち回りに大きな変化が生まれることは間違いなさそうだ。
■ 前売券が即日完売! 日本ユーザー待望のオフラインイベント
プログラムは、2部構成のトークセッションと、来場者参加型のスペシャルバトルフィールド、「FF XI」関連イベントには欠かせない存在であるスターオニオンズのミニコンサート。会場ロビーでは、「ファイナルファンタジー XI」オリジナルグッズも先行販売され、入場開始直後から長い長い行列ができた。ほとんどの来場者が並んでしまったことから、完全座席指定だったにも関わらずいきなり入場規制が行なわれたほどだった。 人気グッズは、先行発売アイテムであるサンドリアリング、バストゥークリング、ウィンダスリングの3種。開演前には完売してしまったが、これらは後日通信販売が行なわれる予定となっているので、買いそびれた参加者や行けなかった方は、そちらを利用するといいだろう。 来場者にはお土産として、「ファイナルファンタジー XI」オフラインイベントの名物となっているスペシャルバトル4種類の参加権が得られるシリアルコードと、ハロウィンイベントでお馴染みのパンプキンヘッドのリアルグッズ版が全員に配られた。
2部構成のトークセッションでは、「ファイナルファンタジー XI」プロデューサー田中弘道氏、同ディレクターの小川公一氏、同バトルディレクターの松井聡彦氏、同プランナーの権代光俊氏、グローバルオンラインプロデューサーSage Sundi氏、総合ディレクターの河本伸昭氏の6名で行なわれた。前述の「アルタナの神兵」新情報のほか、「ファイナルファンタジー XI」関連のさまざまな新情報や開発秘話が披露された。こちらは別稿にて詳しくご紹介したい。
■ 新スペシャルバトルフィールド「マーシナリーキャンプ」。ミリのヘキサに全パーティーが撃沈
ルールは、15分、レベル60制限、レイズ、リレイズ不可。5将軍はいずれもノンアクティブで、最初のターゲットはパーティー側が任意で決められが、一定時間ごとにランダムで、2人目以降の将軍が動き出すというもの。ジョブは、天蛇将ルガジーンがナイト、土蛇将ザザーグがモンク、風蛇将ナジュリスが狩人、炎蛇将ガダラルが黒魔道士、水蛇将ミリ・アリアポーが白魔道士という設定どおりのもの。といっても特別なキャラクタだけに、それぞれ専用のスペシャルWSを持ち、アルゴリズムにも若干の改良が加えられている雰囲気だった。 イベントでは、座席で指定された18人の幸運な参加者が壇上に上がり、6人ずつ3チームにわかれて五蛇将とのバトルを繰り広げた。結果を先に書いてしまうと、いずれも完敗だった。プレーヤー側は、戦士、モンク、シーフ、赤魔道士、白魔道士、黒魔道士という定番の6ジョブ。 ジョブは固定なので、後は戦術勝負となるが、なんといっても誰を最初に攻撃するかが大きな運命の分かれ目となる。多対多の一般的なセオリーは、最初に全員を眠らせて、範囲魔法を持ち比較的倒しやすい黒魔道士から片付けて、続いてアタッカー系、最後に堅く回復があるため長期戦となるナイト、同じく回復を持ち、女神の祝福がやっかいな白といった順番となる。 しかし、今回のバトルフィールドでは、2人目以降がランダムであるため、1人目に倒すのを誰にするかに迷いが生まれ、戦術にばらつきが見られた。1戦目はミリ(白)、2戦目はガダラル(黒)、3戦目はザザーグ(モ)。 1戦目はミリに回復で粘られた挙げ句、ヘキサストライクを食らって戦士が倒され、ザザーグ、ルガジーンという重量級が動き出して圧殺という内容。ミリを普通の白魔道士と誤解したのが敗因だろうか。 2戦目は、ガダラルから攻めて一気に撃破というセオリー通りのスタート。次に動き出したのがミリで、ここでもミリがヘキサストライクで大暴れし、戦、モ、白が倒され大勢が決した。3戦目は、ミスなのか、意図的なのかは不明だが、ザザーグから攻めかかり、ザザーグの夢想阿修羅を含む強烈な攻撃に耐えられず、いきなりほとんどのメンバーが倒され、ミリが動き出してトドメという展開に。
正面からぶつかるとどう考えても勝てそうにないというのが正直な感想で、盾役がマラソンしながら、強烈な攻撃をかわしつつ、効率的に削っていくという戦術が有効そうだ。ちなみに、このバトルフィールドは、来場者プレゼントのシリアルコードを使うことで実際にチャレンジすることができる。ぜひメンバーを誘って万全の布陣で挑んでみてはいかがだろうか。 ■ 「アルタナの神兵」の新曲が披露されたスターオニオンズコンサート
ミニコンサートでは、アトルガンの街のテーマを皮切りに、チョコボ育成のテーマ、「プロマシアの呪縛」メインテーマ(ピアノソロ)、「アルタナの神兵」フィールド曲(ピアノソロ)、闇王のテーマ(ピアノソロ)、アークエンジェルのテーマ、ジュノのテーマ(アンコール)の全7曲が披露された。 中でも圧巻だったのは、3曲連続での演奏となった谷岡久美氏のピアノソロ。「プロマシアの呪縛」メインテーマと闇王のテーマという名曲のピアノアレンジも良かったが、フィールドのテーマなのに、どことなく哀愁を漂わせる「アルタナの神兵」のフィールド曲も良かった。「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」の作曲など、スクウェア・エニックスを代表するコンポーザーとしての地位を固めつつある谷岡氏だが、ピアニストとしての実力も見せつけてくれた。
リーダーの水田氏は、「『アルタナの神兵』の曲は20年前の戦争を描いていることもあって、しっとりした曲が多い。すでにサントラはできあがっているが、ネタバレになるので、ゲームの発売後の来年初頭あたりに発売したい」と挨拶した。
(C)2002-2007 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2006年11月4日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|