|
価格:2,625円(税込)
発売日を考えるとややフライング気味ではあるが、すでに昨年の東京ゲームショウ2006において1人プレイバージョンは公開されているゆえに、首を長くして待っている「OMG(Operation Moon Gate=『電脳戦機バーチャロン』作中の作戦名で、ファンからはOMGと呼ばれている)」フリークに期待値を高めていただければと思い、インタビューとあいなった。
■ LAN経由での複数接続による対戦だけでなく、ライブモニターまでも再現したSEGA AGES版 ―― 「ギャラクシーフォースII」は「ネオクラシック」というリメイク手法を用いたわけですが、こちらの「バーチャロン」は“ネオクラシック”的なアプローチではないようですね?
最大4台まで接続可能で、4台つなぐと2台がライブモニターになる。1人でそんなにPS2を持っている人が、どれだけいるかわかりませんが……たとえば、古いPS2、薄型PS2、PS3とか。それに、TVが3台と、HUBやブロードバンドルータなどを用意してもらえば、アーケードと同じ環境が実現できますよ。ソフトも3枚買っていただいて(笑)。難易度が高いかもしれないけど、できたら嬉しいという(笑)。
奥成 それだったら最初から画面分割で遊べばいいんじゃないかと(一同笑)。あと、ランキングモード。これはサターン版にあったやつで、クリアしたときに評価点がもらえる。アサルトモードは、常にダブルロックオン状態……近接戦。チビキャラモードは、名前のとおり。頭デッカチなバーチャロイドで遊べます。 ―― 画面分割は、縦と横、両方選べるんですね。
奥成 あと、オマケで“クロス”というモードがあります。これは画面4分割で、右上がライブモニター、もう1つがインフォメーションになる。「PS2が1台しかないけどライブモニターが見てみたい」という人向けのモード。ただしさすがに、これを選ぶと30フレームになっちゃうんですけど。あとはエクストラセッティング。これはアーケードにない要素を色々つけてみました。色、視点の追加、“ダッシュキャンセル”を簡単にできるようにしたりとか。あと、爆風のメッシュを半透明にしてみたらどうか、ということで「ギャラクシーフォースII」同様のアルファチャンネルのオプションも入れました。
奥成 まだ収拾がついていないので、わかりません(笑)。あと、細かいところなんですが、以前発売されていたPS2用セガサターンコントロールパッドを使うと、サターンと同じ操作でプレイできるように作りました。サターンでこのゲームに初めて触れた人は、あれが結構プレイしやすかったんですよ。サターンパッドを持っている人は、それで遊びたいだろうな、と思って。標準操作と“シフトキー”という特殊操作があって、両方作りました。PS2「バーチャロン マーズ」で使われていた“TYPE-A”もアンケートで好評だったので、それも使えるようにしてあります。
奥成 かなりまとまってきたんですが、オリジナル版開発チームや当時の上級プレーヤーによる監修もあってさらに再現度を上げているところですので、70%くらいでしょうか? ―― これ、また「セガダイレクトでPS2用ツインスティックを出してくれ!」という話になるんでしょうねぇ……。
奥成 作って欲しいという声もずっと聞いていますし、実際ぼくも作りたかったので算盤だけは弾いたんですよ。このソフトが売れるであろう本数を想定して割り出して担当者に計算してもらったところ「1個●●●円くらいだったら出せるよ?」と次世代機の本体みたいな金額を言われて。あきらめました(一同笑)。
奥成 「頭でっかいだけじゃん」って言われれば、そのとおりなんですけど(笑)。こういうのは「第3次スーパーロボット大戦α」に出ていたので、わりと抵抗なく。 ―― そういえば、ジグラットも“チビキャラ”になるんですか?
奥成 ちびキャラにしてみたんですけど「よくわからない」というところがあって(一同爆笑)。やめました。ライデンとかベルグドルあたりはコロコロしていてかわいいですね。ドルカスの場合、あまり変わらないっていう(笑)。
奥成 最初は戸惑いますね(笑)。まったく弾が出ないわけではなく、センターウェポンに近接武器の設定ががない奴は、弾が出せるようになっています。
■ Model2を2枚分エミュレーションし、テクスチャも完全再現!? ―― エミュレーション的には、いかがでしょうか? 色々と再現までに逸話があったModel2タイトルですが。 奥成 ぼくはプログラマではないのでアレですけど、相当苦労してます。PS2のModel2エミュレーションのアプローチは、「バーチャファイター2」が最初で、その後「ソニック・ザ・ファイターズ」、「ファイティングバイパーズ」を引き続きAM2研で開発し、それと並行してM2さんが「セガラリー」の同梱ディスクをやっていたんですけど、その流れで「テクスチャをどれだけメモリのなかに収められるか」という効率化の部分は「ラストブロンクス」でほぼできたんです。でも「ラストブロンクス」は諸般の事情で看板を差し替えなきゃいけないという問題があった。「バーチャロン」に関しては、Model2のテクスチャデータがそのまま入っています。 ―― そのまま入っているということは、グラフィック的には完全再現と言い切れる? 奥成 そういってもらえるように現在頑張っています。現在の画面でもかなり良いところまで来たと思っていたんですが、オリジナル版のスタッフに見せると「まだ違う」ということで、さらに改良を重ねているところです。あと、今回の移植に際しては、「バーチャロン」には「2人でやらなきゃいけない」という、もう1つの問題があった。結果的に、Model2を2枚エミュレーションしなきゃいけない。 ―― PS2の演算能力で、それは可能なのでしょうか? 奥成 「たぶんできるだろう」という憶測のもとで始まったのが「バーチャロン」なんですね。去年の東京ゲームショウに出展した時点で、1人用は割とスムーズに動きました。1人用の部分を作り込みつつ、それ以外の部分「2人用ができるか?」、「HUBを介した通信対戦」を進めていて、ふと気づいたら1年経っていたという(苦笑)。 ―― 通信まわりを単純にエミュレーションするだけでも、結構手間がかかる気がするのですが。 奥成 元々、アーケード版が通信をやっているので、ある意味スムーズなんですけど。PS2というフォーマットにあわせた作りにしなければならないので、慎重にやっています。 ―― 遅延などは? PS2ではつらそうですが。 奥成 先日アーケード版の全国一位をとったプレーヤーたちにプレイしてもらいましたが、違和感なく対戦できているようです。 ―― アーケード版が、だいたい3フレームくらい遅れていました。それくらいでいけそう? 奥成 「かな?」っていう。アーケード版に近い部分まで、いってるんではないかなぁと思いますが、それは環境にもよりますので。 ―― 「バーチャロン」も「ギャラクシーフォースII」同様に16:9対応なんですね。 奥成 左右両脇のぶん、表示が増えています。「ギャラクシーフォースII」ほど大きな影響はないんですが、画面分割対戦のとき、1人あたりの表示面積が広くなるのでプレイしやすい。これなら、普通の人がソフト1本買って対戦するにも十分イケるんじゃないかな、と。
―― 一緒に見え……あ、首の角度とか、なんか違う!? 奥成 5月のマスコミ向けカンファレンスに出展したときにこっそりパネル展示していたんですけど、誰も気がつきませんでした。キャラクタモデルが最新版に差し替わっている。「違ってるんですよ」って言われないと、誰もわからない(一同爆笑)。 ―― またそういうマニア向けなことを……。
奥成 こういう“わかりづらい努力”が「SEGA AGES」ぽいっていう(笑)。それはともかく、ゲーム本編は「PS2でできるところまでやりました」という。まだまだ作らなきゃいけないところもあるんですけど、がんばります!!
(C)SEGA
□セガのホームページ (2007年8月2日) [Reported by 佐伯憲司/石井ぜんじ/豊臣和孝]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|