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Game Developers Conference 2007現地レポート

「GDC 2007 Expo」Part.2
Nintendo of Americaブースで最新タイトルを体験

3月5日~9日まで 開催

会場:Moscone Center

 開発ツール関連が大多数を占める「Game Developers Conference(GDC) 2007」会場内で、唯一コンシューマタイトルのみプレイアブル出展しているNintendo of America(NOA)ブース。魅力的なコンテンツ、さらにはWest Hall 1F入口という立地条件も重なって、多くの来場者がNOAブースに立ち寄っていた。

 今回は、そうしたプレイアブル出展のなかから、日本未発売タイトルを順次ご紹介していこう。


■ Wii「Big Brain Academy(邦題:Wiiでやわらかあたま塾)」

 子供から大人まで、誰でも遊べる脳力トレーニングソフト。使用するのはWiiリモコンとAボタンだけというシンプルな操作系が特徴。ブースでは、数あるミニゲームのうち「Drop-Blocks」、「Master Pieces」、「Mallet Match」のみ出現するGDC出展バージョンがプレイできた。

 ひとりでもプレイできるが、筆者はブーススタッフの方に対戦プレイをお願いしてみた。難易度はEasy、Normal、Hardの3段階から選択可能。18問を先にクリアしたほうが勝ちになるが、両方とも同じ順番でゲームが出現するとは限らないのがポイント。

 「Drop-Blocks」には、上に表示されたブロックと同じものを選ぶものと、画面下のブロックを一部崩して画面上と形を合わせる2パターンがある。ブロックを崩すパターンのときは、下に空白ができ、なおかつ上のブロックが動く状態だとストンと落ちてくる点に注意が必要。難易度Normalまでは瞬時に判断がつくが、Hardになると相当厳しくなってくる。

 「Master Pieces」は、間違い探しや画面内を横切るいくつかの絵柄をマッチングさせていくミニゲーム。バリエーションはいくつかあるが、個人的には4分割からひとつだけ間違いを探すものが意外に難しく、4つとも形が同じ船なのに波に揺れて上下するタイミングが一隻だけ違っていたりと、一見簡単そうだが実は侮れない問題が続出。「どこが違うんだろう?」と画面の前でしばし凍りついていると、「ホラホラ、ここだよ、○×が違うでしょ」とスタッフの方に助け舟を出される始末。VSモードで対戦相手に助けられることほど悲しいものはない。

 「Mallet Match」は、画面右上に表示された数字と、4つあるブロックに記された数字の合計が同じになるようブロックを壊すものや、画面内に出現する鳥やボールなどを数えるというミニゲーム。英語のため、最初に出現したときは何のことかわからず、仕組みを理解したとたん「あれ、もしかして今『その歳で足し算も満足にできない人』って思われた!?」などと被害妄想に陥ってしまった。

 思考回路が人よりも鈍い筆者はともかく、初対面の人とでもルールを瞬時に把握して楽しく遊べてしまうのが「Big Brain Academy」のいいところ。対戦モードはスピード勝負になるため、18問があっという間に過ぎていくテンポの良さが好印象。恐らくは、最大人数の8人(チームプレイでは最大4チーム)同時プレイでも待たされるストレスを感じることはなさそうだ。Wii本体で作成できる似顔絵キャラクタ「Mii」にも対応。国内では4月26日に発売が予定されている。

【スクリーンショット】


(C)2007 Nintendo


■ Wii「Super Paper Mario(邦題:スーパーペーパーマリオ)」

 2Dと3D、Wiiリモコンの使い方など、さまざまな工夫が施された謎解きタイプのアクションアドベンチャー。GDC出展バージョンはほぼ完成版のようだが、ここではブーススタッフに「そこのお前、いい歳こいていい加減にしろ!」と叱られる寸前までプレイできた範疇のインプレッションを、簡潔ながらお届けしたい。

 英語の会話テキストがずらりと表示されたが、とりあえずはスキップして最初のステージに突入。コントローラはクラシックタイプの使い方が基本で、ボタンでジャンプしながら敵や障害物を乗り越えていく。このあたりは、まさに「スーパーマリオ」そのままのノリ。美しく温かみのあるトゥーンシェードグラフィックが、軽快な動きとマッチして実に心地いい。良質のアクションゲームでのみ味わえる“リズミカルな波長をつむいでいくプレイ感覚”が、全身に歓喜の波となって押し寄せてくる。

 本作の特徴は、なんといってもAボタンを使った2Dと3Dの切り替え機能だろう。通常は「スーパーマリオブラザース」のような2D視点のアクションだが、Aボタンを押すと画面の“奥行き部分”が手前にくる3D視点に切り替わる。一見先に進めないような状況でも、Aボタンを押すことで「2D画面奥の足場を進む」、「隠された地形やスイッチを利用する」といった解決策が模索できる。

 通常、こうした仕掛けは難しくなりがちで「こんなの解けないよ」となってしまいかねないのだが、チュートリアル的な導入部分と、モチベーションをかきたてられる適度な難易度の上昇カーブがプレイする人を常に惹きつけてやまない。このあたり、任天堂らしい丁寧な作りこみが心憎い。年齢うんぬんではなく「発想が柔軟な人」ほど楽しめるギミックが満載で、良い意味で「子供向け」といえる。アタマの固い筆者などは若干つまづき加減だが、それでも面白い部分が圧倒的に勝っているため、やはり先が気になってガンガンプレイしたくなってしまった。

 2Dと3Dの利用は、謎解きだけでなくステージ演出にもふんだんに使われており、ワイヤーのようなギミックで手前や奥に自動で運ばれていく演出など、随所でニヤリとされられる。たまに出現するポインタを使った操作、ミニゲームの数々も、道中のいいアクセントになっている。経験値を溜めることでマリオがレベルアップするRPG的な成長要素もあり、長く楽しめる作品になりそう。国内では4月19日発売予定。

【スクリーンショット】


(C)2007 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


■ Wii「Mario Strikers Charged」

 GC「スーパーマリオ ストライカーズ」の流れを汲む作品。操作にはWiiリモコンとヌンチャクを使用する。最大4人までの同時プレイが可能。

 GDC出展バージョンでは、メインキャラクタはマリオ、クッパ、ピーチ姫、ドンキー・コングの4種類のみ。他にシルエットで8キャラクタぶんが用意されていることが確認できた。通常のサッカーと異なり、メインキャラクタとサブキャラクタ3人の4人でチーム。サブキャラクタのメンバーはメインキャラクタとセットになっているようだ。

 WiiリモコンはAボタンがパス、Bボタンがシュートに対応。敵キャラクタが近くにいるときにWiiリモコンを素早く縦に振ると攻撃が可能。この攻撃により爆弾などのさまざまなアイテムが出現する。ヌンチャクはスティックがキャラクタの移動、Cがアイテム使用、ZがAボタンと同時押しでロブのパス、Bボタンと同時押しでロブのシュートになる。

 基本的にはボールを持ったキャラクタを動かしていく一般的なサッカーゲームと変わりないが、プレイフィールドと人数の関係がうまく整理されているため、ビデオゲームらしいスピーディかつメリハリのきいた展開が楽しめる。パスをうまくつないでいき、どこでラフプレイをしかけて突破口を開くか。突如振ってくる落雷などのランダム要素も含め、VSプレイではこのあたりの駆け引きがとても熱い。

 アレンジされたサッカーゲームらしく「メガストライク」と呼ばれる必殺シュートが用意されている。Bボタンを長押しして一定時間が経過すると、画面に半円状のゲージが出現。Bボタンを押してパワーを決め、振り子の要領で戻ってくるゲージを、これまた緑色で指定された範囲を目安にBボタンで止めてシュート。タイミングがきちんと合えば多数のシュートが連続で放たれる(筆者が確認できた範疇では2~5発)。

 メガストライク発動後、ゴールキーパーはシュートブロックにチャレンジできる。これは、正面から飛んでくるボールに対し、キーパーグローブをはめたカーソルを重ねてタイミングよくAボタンを押してシュートを弾いていくというもの。ボールの軌道が一瞬変化するためブロックはなかなか難しく、失敗するごとに1点を献上。メガストライクに成功すれば、1回のシュートで2点以上を叩き込むことが可能になるわけだ。ちなみに、メガストライクを使えるのはメインキャラクタのみで、サブキャラクタが溜めてシュートを打った場合は、ただ単に力強く速いシュートが飛んでいく。

 こう書くと何やら大味なスポーツゲームに思えるかもしれないが、Bボタンで溜めを作っている最中はラフアタックの標的になりやすく、これがそう簡単に狙えるものではない。よって、プレイするごとに“対戦相手との駆け引きがいかに重要か”ヒシヒシと実感させられることになる。余談ながら、短い対戦プレイにおいてNOAスタッフが接待プレイの狭間でチラリと匂わせる“鋭い動き”を探るべくジックリと様子をうかがっていたのだが、実は王道的な駆け引きが重要かつ効果的だったりと、このあたりは実に悩ましい。日本における発売時期は未定。

【スクリーンショット】


(C)2007 Nintendo


■ DS「THE LEGEND OF ZELDA PHANTOM HOURGLASS」

 シリーズ初のDSタイトルとなる作品。昨年のGDCで発表されて以来、心待ちにしていた人も多数おられるだろうが、そんな人たちに申し訳なく思いつつも一足お先にプレイさせていただいた。

 GDC出展バージョンで、「バトルモード」がプレイ可能だった。バトルモードは迷路状のステージでリンクを操り、随所に落ちているトライフォースをたくさん集めたほうが勝ちという戦略性の高いゲーム。ターンバトルになっており、リンクを操作するときはライバルが動かす3体の“お邪魔キャラ”を回避しつつ、自分の陣地までトライフォースを持ち帰る。

 一方のライバルは、リンクの動きを予測しながら3体のお邪魔キャラをコントロール。お邪魔キャラはタッチペンでなぞったラインに沿って動いていく。リンクが攻撃範囲に入ったら、剣を振って攻撃。これがヒットすれば攻守交替となる。

 攻撃側、防御側ともにタッチペン1本でキャラクタを動かすため、お邪魔キャラで追い込む側は最初のうちは混乱しがち。リンクは普通に歩いているときは足が速いが、いざトライフォースを持つと、その重さで一気に足が鈍重になる。このとき、NOAスタッフから「拾った瞬間、行き先にトライフォースをぶん投げて素早く移動するのがコツだよ」と効果的なテクニックを伝授される。

 拾い上げたトライフォースは、タッチペンで素早く二度叩いた場所にドロップする(投げる)ことが可能。これを進行方向のなるべく遠くで繰り返し、ドロップした瞬間そのままタッチペンでリンクに素早く拾いに行かせると、重量によるスピードの低下が補えるというわけだ。

 お邪魔キャラから逃げている最中はさすがに厳しいが、これをあちこちで繰り返しながら、少しずつトライフォースを自分の陣地に寄せていくのがポイント。真ん中にある安全地帯と画面上下にあるワープゾーンを効果的に使えれば、なおのこといい。ちなみに、自分の陣地にトライフォースを置いたからといって安心してはいけない。置いているトライフォースはなんでも拾うのがリンクの習性(?)とばかり、相手陣地のトライフォースを盗むことも可能なのだ。

 トライフォースには重さのバリエーションがあり、重いほど陣地に置いたときのスコアゲージ上昇率が大きく、持ったときの移動力低下が著しい。小さいものはスコアはそれほどあがらないが、移動力への影響が小さいといった具合。これらの要素を常にアタマに入れながら戦っていると、自然と時の経つのを忘れてしまうほど熱中している己に気づかされる。

 シングルモードがプレイできなかったのが残念だが、バトルモードにはそれを補って余りある楽しさがギッシリ詰め込まれていた。シリーズ作品を制覇している人は言わずもがなで、知らない人にも安心しておすすめできる良作となりそう。日本国内では2007年発売予定。

【スクリーンショット】
シングルモード
バトルモード



(C)2007 Nintendo

□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
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(2006年3月8日)

[Reported by 豊臣和孝]



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