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Game Developers Conference 2007現地レポート

「GDC 2007 Expo」Part.1
ブース面積が拡大するもE3中止の余波は無し

3月5日~9日まで 開催

会場:Moscone Convention Center

年々規模が拡大するExpoスペース(上写真はSCEAブース)
 「Game Developers Conference(GDC) 2007」会場内で、開発ツールなどを展示するスペース「GDC 2007 Expo」が5日から開催された。会場は、Moscone Convention CenterのWest Hall 1F、North Hall奥半分を使用。昨年はExpoに併設されていたリクルートコーナーはWest Hall 2Fに分けられた。よって、Expo、リクルートコーナーともに総面積が飛躍的に拡大している。

 当初、筆者はGDC 2007 Expoの規模拡大について「E3中止の流れを受けているのだろうか」などと考えていた。もし少しでも当たっているなら、GDC 2007 Expoは若干エンターテインメント色が強くなるはず……なのだが、両Hallをざっと見たところ、その影響は微塵も感じられなかった。

 WiiおよびニンテンドーDS用最新タイトルをプレイさせるNintendo Of America(NOA)、開発ツールの横にPS3「バーチャファイター5」、「鉄拳5」などゲームタイトルをプレイアブル展示するSony Computer Entertainment America(SCEA)、PC系タイトルが複数と、ほぼ例年どおりの内容。メインはあくまでも開発者向けのツールなど。規模は拡大しているが、それはあくまでも参加者(社)の増加に比例したもので、質的変化をともなったものではなかったようだ。

 こうなると、テクニカルライターではない“いちゲームライター”にすぎない筆者がGDC 2007 Expo会場で何ができるのかという話になるが、そこはエンドユーザーに限りなく近い立場ということで“フツーのゲームファン”のフックにひっかかりそうな事柄をピックアップして、写真とキャプションで順次ご紹介していこうと思う。なお、NOAブースに展示されていたWiiおよびDS新作と、Expoについては、後日あらためて別途ご紹介させていただく予定だ。

【SCEA】
一見するとTGSのゲームブースなどと見紛うばかりだが、実際には開発ツールなどがメイン。ただし、PS3、PSP、PS2タイトルが多数プレイアブル展示されているため、本来の目的(?)そっちのけでゲームに興じている人たちも多数見かけた

【mumbo jumbo】【SpeedTreeRT】【POWERUP GAMES】
カジュアルゲームを開発および販売している会社。PC、コンシューマ、モバイルなど多数のプラットフォームをフォロー。日本のトレードショウなどでは、こういった会社はあまり注目されない傾向にあるが、価格面などでアドバンテージが高いためかGDCでは相応のリアクションを得ている 3Dゲームに頻出する「樹木」の生成に特化した風変わりなツール。海外では知られたツールでGDCにも以前から出展されており、Biowareなど数多の導入実績がある。公式サイトには日本語ページも用意されているため、興味がある人はチェックしてみてはいかがだろうか こちらはゲームのテストプレイを専門に請け負う会社。日本のゲーム開発会社ではテストプレーヤーやバランサーは低く見られがちだが、海外では重要な仕事と位置づけられており、ビジネスとしてきちんと成立させている人たちが少なからず存在する

【ポリゴンマジック】
はるばるサンフランシスコまで来たのに、なぜか秋葉原で見かけるような可愛らしいメイドさんの姿が視界に入る。「俺、初日からあまり寝てないし、やっぱ疲れてんのかな……?」と思ったら現実で、そこは日本のコアなゲームファンに知られたポリゴンマジックのブース。弊紙でも記事として取り上げたことがあり、ご記憶の方も少なくないだろう。取締役の水島氏にお伺いしたところ、多数のデザイナーを抱える同社としては、携帯機コンテンツがランキング上位を占めるようになって久しい国内よりも、Xbox 360などハイパフォーマンスのハードが隆盛を誇る北米など海外ディベロッパー向けに間口を広げたいという思惑が強いようだ。ちなみに、なぜメイドさんがいるかといえば「会社が秋葉原にありますから、やっぱりメイドでしょう(水島氏)」とのこと。明らかに趣味っぽいが、それはさておき。このメイドさんたち、実はサンフランシスコ在住の日本人姉妹で、今回はアルバイトで雇われたという。「プロダクツと全然関係ないし、来訪者になんていわれます?」と質問したところ「カワイイっていってくれますけど、その次に『なんで(そんな格好してるの?)』っていわれます」とのこと。そりゃそうだろうなぁ……

【Career Pavilion】
ひらたく言えば、ゲーム開発者向けの転職斡旋ブース。今年は全65社と物凄い増加量。大手、中小と多数の会社が出展するが、ブース展開はさまざま。工夫を凝らすところもあれば、担当者をポツンと置いた飾りっけ無しのところまで三者三様。なかにはポップコーン製造機をブース内に設置していた会社も……

「Career Pavilion」入場口の手前左に設置されたSCEA提供の休憩スペース(写真左、上)と、最奥にある「Career Networking Bar」。休息スペースには、PS3、PS2、PSPの試遊台とノートPC12台が設置されていた。Barで酒を飲みながら転職話も大概だが、仕事探しの真っ最中にゲームで遊ぶのもどうかと。ただ、もしかしたら「こんな状況でもゲームから離れられないほど情熱を持った人材が欲しい」……ということなのかもしれない


□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
□関連情報
【3月6日】サンフランシスコにてGame Developers Conference 2007が開催
史上最大規模での開催。任天堂とSCEのキーノートに期待
初日のSGSキーノートにスクエニ乙部氏が登壇
http://watch.impress.co.jp/docs/20070306/gdc2007.htm
【3月6日】GDC2007 チュートリアルセッションレポート
顧客マネージメントの“Know Your Players”とゲームサウンドを扱った“Audio Boot Camp”
http://watch.impress.co.jp/docs/20070306/gdct.htm
【3月7日】モバイルゲームの明日を語ったGDC Mobile 2007
最大シェアを誇るゲームプラットフォームの課題と展望
http://watch.impress.co.jp/docs/20070307/gdc_mob.htm
【3月7日】Casual Games Summitレポート
制作の姿勢、メーカー戦略……独自の展開を模索するカジュアルゲーム
http://watch.impress.co.jp/docs/20070307/casual.htm
【3月7日】Game Connection@GDCレポート
100社を超える開発会社とパブリッシャーとのマッチングイベントに迫る
http://watch.impress.co.jp/docs/20070307/gc.htm
【3月7日】「Xbox 360 and Games for Windows Developer Showcase Suite」Part.1
ピーター・モリニューがXbox 360「Fable2」の魅力を語る
http://watch.impress.co.jp/docs/20070307/ss1.htm
【3月8日】SCEA、GDC2007の基調講演でPS3用の新作・サービスを発表
3DCGを使ったコミュニケーションサービス「Home」など
http://watch.impress.co.jp/docs/20070308/gdcps3.htm

(2006年3月8日)

[Reported by 豊臣和孝]



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