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大規模アップデート「ヨーグルティング2学期」は、武器系統ごとの新スキルの追加や、既存のMMOフィールドを有効活用したMMORPG的要素の導入、“源石”を使ったアイテム強化システムなど多岐に渡る。 今回はテストサーバーにて、制作を担当している開発本部コンテンツ制作部第二制作課課長 鳥山主税氏の解説を受けながら、新要素を体験することができた。鳥山氏によれば、これらのアップデートは「ヨーグルティング」が新しく生まれ変わるための第一弾であり、今後もより充実したゲーム性を実現させるためにアップデートを継続していく方針だという。本稿では新要素の詳細と、新しいゲームの感触をお伝えしたい。
■ 新スキルシステムとフィールドモンスターにより、MMO要素が大幅強化
特に初心者プレーヤーは仲間を得るのに苦労する。エピソードは途中参加不可で、時間制限などもあって失敗すると、経験値が得られないため、うまくプレイを続けられない可能性もある。また、キャラクタのレベルを上げる手段が、エピソードしかないため、必然的に、何度も同じエピソードをプレイする必要があった。オンラインゲームなのに、他のプレーヤーとの接点が少ない。これが同作の最大のウィークポイントだ。 今回のアップデートでは、そうした部分が綺麗に解消される。具体的には、エピソード以外でモンスターが出現する場所が設定され、ここで戦闘を行なうことが可能になる。戦闘フィールドは従来のエピソードのマップを利用したものが多いが、新規マップ、新モンスターも用意されている。戦闘フィールドでは、MMORPGのように敵を倒す度に経験値が入手できるようになっており、ここでキャラクタのレベルを上げてエピソードに挑む、あるいはここで仲間を探しながらソロプレイをする、というプレイが可能になる。 ちなみに、戦闘フィールドとエピソードでは入手アイテムが異なる点は注目したいところだ。エピソードではコスチュームや武器、そしてクエストアイテム等が入手でき、フィールドでは後述する“源石”を手に入れることができる。このため、手持ちのアイテムを強化しようと思ったら、必ず戦闘フィールドでレベル上げをする必要があるわけだ。 また、今回のアップデートではプレーヤーキャラクタのスキルも大きく見直されることになった。「ヨーグルティング」ではブレード、グローブ、ミューラ、スピリットという4つの武器が存在しているが、これに熟練度とスキルの概念が導入された。これにより、武器の個性が強化された一方で、プレーヤーはより武器を使い分けることの意味と重要性が増すことになった。 具体的にはブレードは防御力強化の特性を持ち、グローブは攻撃力重視、ミューラは回復力と支援要素、スピリットは速度上昇などの攻撃支援系となっている。キャラクタはレベルを上げることでスキルポイントを入手できる。新しいスキルを得るためには武器の熟練度を上げる必要がある。スキルは初期状態では効果が弱く、スキルポイントを消費して、スキルのレベルも上げていかなくてはいけない。こうなるとすべての武器を使い分けるのは大変だ。最初から使用武器を2種類ぐらいに絞り込む必要がありそうだ。 ちなみに、エスティバー学園ではブレードスキルとミューラのスキルが、宵月学院ではグローブとスピリットのスキルを学ぶことができる。このため、場合によっては、新スキルを学ぶためを学校を行き来する必要がある。エスティバー学園の生徒はブレードとミューラのスキルを覚えやすく、宵月ではグローブとスピリットが有利だ。しかしこの違いは武器選択に影響を及ぼすほどではないので、プレーヤーは自分のセンスで武器を選択していくのがいいだろう。
新しいスキルの存在は、それぞれの役割を明確化させる。特に補助系のスキルは仲間達の力をまとめてアップさせられるため、ゲームの展開が有利になる。新要素が導入されることで仲間との連携がより楽しくなるだろう。今後はフィールド戦闘を考慮したパーティーシステムも導入されるという。パーティーを組み、戦闘フィールドを進んでいくのは、まるでダンジョンを進んでいくかのような体験をプレーヤーにもたらす。「ヨーグルティング」に新しいゲーム性が追加されたことを実感できるだろう。
■ アイテムの強化ルールを一新、お好みの装備を自由に強化させることが可能に
武器に関しては、武器が持つ「必殺技」で違いがでるものの、以前のように「各学年での最高装備はコレ」といったシステム側での強制は存在しない。プレーヤーがこだわることで「木刀」を最強に仕上げることも可能になる。既存のリソースをうまく活用したルール変更だと言えるだろう。 源石は、武器、制服の上下装備、そして靴のスロットにそれぞれはめ込むことができる。源石のはめ込みは従来の武器強化を行なっていたNPCが担当する。現時点では源石は攻撃力と防御力しかパラメーターがないが、今後は移動速度や攻撃速度といったパラメーターがアップする源石が用意される予定で、装備のスロットも追加される予定だという。より細かいカスタマイズが可能となるわけだ。「敵が多い場合は攻撃速度の速いこの装備」、「ボスには攻撃に特化したコレ」というように、状況に応じた装備の使いわけにも期待したい。 今回の体験会では、今後発売されるスターアイテムも体験することができた。今後のスターアイテムのラインナップには、両方の学校で着られる制服や、今までエピソードを通じて入手できることがあった一部の武器や新しい武器をレンタルできるようになる。これらの新装備の特徴は、源石が「解除」できるところだ。通常のアイテムは源石を「破壊」するだけだが、スターアイテムは取り外すことで、他の武器や装備に源石を付け替えることが可能になっている。同じスターアイテムを借り続けるだけでなく、その月ごとに装備を変えて性能を維持する、ということも可能なのだ。
ゲームがアップデートされたときには、源石を必ずはめ込むことを忘れないでおきたい。筆者はウクレレサーバーを初めて体験した時、敵の攻撃力の高さに驚かされた。実際には、敵の攻撃力が高いのではなく、装備に源石をはめ込まずに防御力0のまま戦っていたためだ。アップデート後は、現在の装備に換算された源石や、レベルに応じたスキルポイントが与えられている。しっかりとカスタマイズして、新しい戦いに挑みたいところだ。
■ よりアクション性の強くなったゲームルール、今後もまだまだ大きな変化が
たとえば、ブレードでゲージを貯めてスピリットで必殺技を使う、といった新しい戦術に加えて、スキルと必殺技で連続攻撃をたたき込む、という戦い方も可能だ。必殺技はゲージを消費し、スキルはクールタイムで使用制限がかけられているので、タイミングを合わせて効率的に使っていこう。なお、ショートカットボタンを直接クリックしてもその機能が発動しないのは、他のMMORPGと比べて違和感を感じた部分。キーボードショートカットの活用は必須と言えるようだ。 さらに、今回フィニッシュブローという技も追加された。これはキャラクタのHPゲージが光ったときにタイミング良くスペースキーを押すと発動する技で、敵を一定確率でスタン状態にできる。ゲージは結構頻繁に光るので、戦闘中スペースキーを連打するというお手軽な方法もある。 ちなみにこのスタン技は敵も使ってくる場合があり、キャラクタの背後から攻撃を受けると気絶する確率も高い。このため、不用意に敵に後ろを取られないように今まで以上に敵との位置取りを気をつける必要がある。 「ヨーグルティング 2学期」では、5年生エピソードも追加される。今回の追加エピソードは、エスティバーと宵月共通のものだ。プレーヤー達が追い求める“謎”がいよいよ核心へと近付き、2つの学校で同じストーリーが展開するようになったのだ。クライマックスに向けて盛り上がるエピソードはどんなものになるだろうか。実際に高レベルキャラで挑戦してみたが、どちらもユニークで、かつ歯ごたえたっぷりのエピソードだ。 この他にも様々なポイントが新システムに合わせて変更されている。現在、開発チームは今回提示したゲーム性をより深め、かつ進化した形を目指しているという。現時点ではまだ明らかにされていないが、日本側が提案したシステムの実現など、まだまだ楽しみな要素は多そうだ。 筆者が感じているのは、「ヨーグルティング」は、プレーヤー間のコミュニティーの薄い部分があるのではないか、というところだ。ギルドに当たる「同好会」という繋がりは存在するが、上位レベルの先輩が下位レベルの後輩を助けるためのシステムが存在しない。個人的に「学校」の面白いところは、先輩と後輩の関係だと思っている。学校というクローズドな世界だからこそ、1年、年齢が違うだけで頼ったり頼られたりする。先輩は頼られる責任を不完全かもしれないが、期待に応えようと頑張る。ここにゲーム的なうまみが詰まっているように思う。 MMORPGにもそういう要素が多分にあると思う。現実の地位や年齢を超えた、閉鎖空間の中での関係を楽しむ感覚、だからこそ奇妙で独特の、強い連帯感が生まれる。そして学校をテーマにした「ヨーグルティング」では、そのロールプレイがよりしやすいのではないだろうか。今回のMMO要素の強化で、同レベルのプレーヤーが狩り場で共闘するという横の繋がりは強化される。縦の繋がりへのアプローチも期待したいところだ。
学園ものというテーマと、世界観、ゲームシステムにおいて、「ヨーグルティング」は強いオリジナリティーを持った作品である。鳥山氏の言葉の端々から、本作をより一層面白いゲームにしていこうという意気込みも強く感じられる。鳥山氏は最後にユーザーへ「今回、まだまだ荒削りな部分はありますが、『ヨーグルティング』は大きく変わることになります。アップデートが実装されてからも、その内容に関しては、どんどん意見をいただいて、リファインも行なっていこうとも思っています。お楽しみに」とコメントしてくれた。今後、さらに本作がどう変わっていくか、期待を持って見守っていきたい。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのページ (2006年11月21日) [Reported by 勝田哲也/中村聖司]
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