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PS2「アーバンレイン」発売記念特集その5
動画で見る「アーバンレイン」基本システム解説[Part2]

9月29日 発売

価格:7,140円

 Part1の記事では主に基本の打撃技、投げ技について触れた。今回は、スペシャルアーツ(SPA)、武器の話などを中心にシステム解説の続きをお届けしよう。前回同様、サムネイルをクリックしてもらえれば、Windows Media Video9形式の動画が再生されるようになっている。

■ 「部位破壊」の影響について補足

 まず、1回目の記事の補足からスタートしよう。「部位破壊」についてだ。

 上半身を破壊されると武器を落としやすくなり、破壊された部位に攻撃を受けると、その部位への攻撃はダメージが上がってしまううえ、「行動不能」に陥りやすくなるという影響に関して1回目に記述したが、この「ダメージの上昇」によって、やられモーションが変化するという違いが抜けていた。実際に検証した動画を掲載しておこう。

【通常/下半身負傷/下半身破壊時のやられの違い】
ベインの↓+○、○、○のコンビネーション。下半身×2、上半身×1のコンビネーション。3発食らっても倒れることはないが…… 負傷した場合、エフェクトが青の稲妻に変化し、ダメージが少し上がる 部位破壊されると、2発目後によろけダウンに変化し、3発入ると最後は浮いてしまう


 ベインの↓+○、○、○は下半身×2、上半身というキックのコンビネーション技だが、通常時、そして負傷時(部位ゲージ下半身が黄色)では、まずエフェクトが異なる。負傷時は青い雷のエフェクトが付いていることが動画でおわかりいただけると思う。

 さらに、「部位破壊」されると(部位ゲージ下半身が赤)、2発目を食らうと、食らった相手は足元を押さえるようにしながらダウンしてしまう。2発止めならそこから投げと打撃の2択で攻めやすくなるわけだ。このやられの変化によって、3発目まで連続で出した場合、3発目の膝蹴りで相手は浮かされてしまうようになる。通常時、負傷時とは大きな違いとなるわけだ。

 この変化は、ダメージの上昇に起因するものだと思われる。格闘ゲームのお約束として攻撃モーション中に攻撃を受けるとダメージが上昇する「カウンター」があるが、「アーバンレイン」にもこのカウンターシステムが導入されている。負傷以上の状態で、このカウンター状態になると、一撃で行動不能状態に陥ることがままある。攻めるときにも、攻撃を食らっているときにも覚えておいて欲しいポイントだ。やられが変わる=攻めるときに押さえておきたいポイントであると同時に、攻められると厳しいということにつながるのだから……。

 また、対戦において効果を発揮するだけではなく、CPU戦時にも戦略の1つとして覚えておいて欲しい。一般的に、身体のどこが耐久力が低いかを確認できるようになっている(パラメータは「マルチプレイ」や「エクストラ」の「プラクティス」でキャラクタセレクト時に確認できる)ので、対CPU戦であっても、そこを狙って戦っていくと効果的なのだ。かといって同じ攻めを繰り返すとあっさり返されたり投げ抜けされてしまうので、弱点部位の破壊を目標として、攻撃を散らしていくのがセオリーとなる。

■ 武器によるメリット、デメリット

【武器を拾う/投げる/キャッチする/飛ばす】
武器を投げたり、キャッチしたりと一連の動作をまとめてみた
 「アーバンレイン」の特徴の1つは、素手だけでなく、武器を持って戦えるということ。落ちている武器を拾うのはL1、手放すのもL1だ。武器を拾うときには隙ができる。怖がらずに攻撃していきたいところ。そして、□+×で武器をロックオンした相手に投げることもできる。方向キーまたは左スティックを入力しながらL1を押せば、武器を前に捨てることも可能。そのとき攻撃を当てれば、武器を飛ばすことができる。

 武器が飛んできたら、□ボタンでキャッチするか、方向キーまたは左スティックでかわすことができる。飛んできた武器も攻撃を当てれば吹き飛ばせるが、これはなかなか難しい。△+○のスペシャルアーツ(SPA)で飛ばすのが安全かも。

 さて、武器による変化だが、武器を装備したときの攻撃はモーションが素手とは異なる。武器によっても、キャラクタによっても攻撃モーションが変わるので、いろいろ試してみるといいだろう。武器にもよるが、ナイフのように直線的だが技の出がそこそこ早いもの、日本刀のように出が遅くなるが、ホーミング性能に優れ、ダメージが上昇するものといったように、動作が大きくなるといったものが多い。ただし、その分リーチがあるものが多く、一撃で崩れダウンになるなどヒット後の硬化時間が長くなるものが多いので、間合いの変化には気をつけたい。

 武器を持っていても、足技に関しては変化しないものもある(例えば、ブラッドの↑+○、↓+○など)。それと、武器の中には壊れるものもある。武器を持ってあわてないように、プラクティスで確認しておきたいところだ。

【武器攻撃】
武器を持つと攻撃モーションが変わる。持った武器によっても変わる
同じ武器でもキャラクタによって攻撃モーションが変わる。ダウン効果も異なったりするので気をつけたい

 武器による攻撃を避ける、返すという動作は、通常と同じ操作で、□ボタンを押せばいい。ただし、素手とリズムが違う、動作が違う、ダメージが違う、ヒット後の効果が違うといった違いがあるので、武器を得意とするシュンインなどのキャラクタを相手にしたときは、ジャスト避け(返し)が難しいと感じるかもしれない。食らう前に□ボタン連打で初弾をなるだけ食らわない努力も必要だ。硬直中に食らったら、あわてないで3発目辺りを狙って避けてみるといいだろう。

【武器攻撃を回避】
攻撃モーションが変わるぶん、避けやすかったり避けにくかったりする。持った武器によっても変わるので、特にジャスト避けを狙うなら、相手の手を良く見よう

■ 最大の攻防の要、「スペシャルアーツ(SPA)」

【スペシャルアーツを絡めた攻防の例】
SPAを絡めた攻防はタイミングの計りあいとなることが多い。SPAによって無敵の時間が違うため、タイミングをうまく合わせないとせっかくのSPAゲージが無駄になることも
 本作の最も強力な技と言えば、この「SPA」だろう。レビューにも触れられているが、SPAは(↑、←or→、↓+)△+○と、4つの入力で異なったものが出せる。その特徴は、

・発動には規定量のSPAゲージを消費
・発動後無敵時間がある
・□ボタンで避けられない
・通常技をキャンセルして発動できる
・「行動不能」状態から出せる
・ダウン中も出せる

 という共通した強みがある。一番のポイントは「□ボタンで避けられない」ということ。つまり、SPAはSPAで返すしかないわけだ。SPAゲージがたまっていなければ甘んじてSPAを食らうしかない。使い方の具体例としては、例えば、行動不能状態にしたら、そこにSPAを置いておくように出すと効果が高いということになる。例えば、相手を壁に叩きつけたところにSPA発動、となれば、相手はSPAを出す以外は回避できないので、ゲージが2目盛り分なかったら確定、ということになる。

 ←or→+△+○を出された場合の返し方だが、このタイプのSPAは攻撃時間が長く、無敵時間も長い。こちらのSPAゲージに余裕があるなら、同じく←or→+△+○を出せば問題なく打ち勝てるが、ゲージ量に余裕がないときは、ある程度食らってから△+○で反撃しないと、こちらの無敵時間をうまく生かせないので注意が必要だ。

 また、SPAは地上でしか発動できないので「空中にいる相手にヒットさせれば」確定。また、←or→+△+○のSPAのみ、SPAでキャンセルができる。贅沢な使い方だが、地上で←or→+△+○のSPAを連続ヒットさせると、△+○のSPAで返そうとする相手には有効だ。

【スペシャルアーツ】
スペシャルアーツは行動不能状態をキャンセルして発動できる ダウン中にも△+○でスペシャルアーツが発動できる
←or→+△+○のSPAは無敵時間が長いので、後から←or→+△+○を出すか、多少食らうのを覚悟で、△+○をひきつけてから出さないと、相手の攻撃が終わるまでにこちらの無敵時間が切れてしまうので注意したい。↓+△+○のSPAなら、発動直後に相手のSPAを止めてしまう効果を持つので、早めに出していい


 ちなみに、SPAゲージの消費に関してだが、

・△+○……2目盛り
・↑+△+○……3目盛り
・←or→+△+○……4目盛り
・↓+△+○……5目盛り

 と、SPAの種類によって異なる。

 SPAゲージは、相手の攻撃を食らったり避けたり、そして攻撃を当てることで蓄積される。攻撃を避けられたり、投げ抜けされるとSPAゲージが減る。基本的に、攻防を繰り返すことでゲージはどんどん蓄積されるので、戦いにおいて重要なのは、相手のSPAゲージを極力減らすことを意識して戦うこと。

 最も相手のSPAゲージを減らすには、「SPAを空振りさせる」のが一番。←or→+△+○は技の出ている時間が長いものが多いので、なかなか避けにくいが、△+○、↑+△+○などはリーチもあまりないので、空振りさせるにはもってこい。とくに、△+○はダウンした後や行動不能状態に陥ったあと、簡単に出せるのでついつい使ってしまいがちだが、相手のSPAゲージを良く見て、攻撃するフリをして空振りさせるのが最もお手軽。

 また、こちらの攻撃がヒットしているときも、地上ヒットであれば、相手のゲージ量を確認し、ゲージが2目盛り以上たまっているようなら、わざと途中止めしてから相手から離れるように歩いてみたりするのも有効だ。その際、R1のロックオンをはずせば、歩きの移動量が大きくなる。相手と反対の方向+×ボタンで走り、□ボタンで前転移動するのもいいだろう。

 そして、「ジャスト避け/返し」も、慣れてきたら積極的に狙っていきたい。成功すればSPAゲージ目盛り1つ分は減らせるうえ、こちらのSPAゲージが増加する。コンビネーションの3発目などはきちんと抜けられるようになりたい。投げ抜けも同様だ。攻めているだけでなく、きちんと避ける、抜けるという防御行動も、ことSPAゲージのことを考えれば、攻めの1手であることは間違いない。

 それともう1つチャージ方法がある。「行動不能」状態の際に、左アナログスティックもしくは方向キーをグルグルと入力し、ボタンを連打することで急速にSPAゲージをチャージできる。ダウンしたときはまずこれを覚えておきたい。○ボタンと△ボタンを連打しながらグルグルとやれば、チャージ後即SPAが出せる。

・↓+○+△で出せるSPAの特徴と弱点

 ↓+○+△で出せるステータス系SPAは、SPAゲージの消費量が大きい分、その効果はなかなか強力だ。まず、発動時に構えのポーズをとるが、これが完全に無敵で、わずかながら相手にダメージを与える判定を持っている。地上でも空中でもヒットするのもポイントで、ゲージに余裕があるときに相手の攻撃に割り込むように使うことができる。また、このSPAの効果時間中(SPAゲージの色が効果時間中のみ変化する)には、攻撃を成功させる、もしくは攻撃されると増えるSPAゲージの増加量が通常よりも増大している。

 そして、このSPAによる効果は、いくつかのタイプに分けられている。

1.パワーアップ
[特徴]赤のエフェクト。攻撃力が1.5倍にアップする。重ねて発動が可能。効果は一定時間で消失(通常対戦時で約20カウント)。
[弱点]とくになし。

【パワーアップ】
ダメージが1.5倍になる


2.集中力アップ
[特徴]青のエフェクト。一定時間の間、打撃回避、投げ抜けを自動で行なう。効果は一定時間で消失(通常対戦時で約10カウント)。
[弱点]SPAのみヒットする。また、攻撃動作中には攻撃を受ける。

【集中力アップ】
打撃、投げ技は自動的に回避する


3.スーパーアーマー
[特徴]黄色のエフェクト。一定時間の間、打撃、SPAによるダメージを軽減し、よろけ、ダウンがなくなる。効果は通常対戦時で約15カウント継続。
[弱点]投げ技のみ通常と同じ効果を持つ。

【スーパーアーマー】
打撃技、SPAのダメージを軽減。転倒しなくなる


4.奥義
[特徴]緑のエフェクト。通常時と同じコマンドで別の技が出せるようになる。効果は通常対戦時で約30カウント継続。
[弱点]とくになし。

【奥義】
カドナシの場合、→or←+○、○のコンビネーションは、奥義発動中に→or←+○、○、○、○まで繰り出せるようになる


5.複合タイプ
[特徴]紫のエフェクト。1~4の能力の複合タイプ。

【スーパーアーマーの弱点】
ステータスSPAの弱点をうまく攻めていかないと、追い詰められるだけだ。ステージが狭いところは困難だが、時間切れまで逃げるというのも1つの手段
 「メインモード」をプレイしていて一番脅威なのは、やはり3のスーパーアーマーだろう。うっかり打撃技をヒットさせると転倒しないばかりか、確実に反撃を食らってしまうし、打撃技を当てれば当てるほど、SPAゲージが増えてしまうので、さらにスーパーアーマーを発動させられてしまうこともよくある。そこで、なんとか相手の打撃を回避したいため、□ボタンをつい押してしまいがち。SPA発動側は、そこを狙って投げてくる、という悪循環に陥るわけだ。

 そこで重要になるのが、投げ技の項で解説した「複数投げ抜け」だ。ここでは抜けコマンドだけで考えていこう。基本的にNつかみは掴まれるだけなので、即ダメージがあるわけではない。これを除外して、↑、←or→、↓のいずれかの左アナログスティックor方向キー+□ボタンを数回、わずかな時間に入力しておくのだ。運悪く打撃が来ても、避けボタンと投げ抜けボタンは□で共通なので、□ボタンを押せば攻撃避けが発動する。

 打撃をもらったあとなどのよろけ中に入力するときは、□ボタンを連打してしまうと打撃を回避できなくなるので、しっかりと相手の動きを見ながら左アナログスティックor方向キーを1方向だけ入れ、□ボタンを攻撃がヒットする直前に入力することを忘れずに。投げが来たら、その後に複数方向に入力し、再度□ボタンを入力しよう。こちらは投げ抜けの忙しさが増え、抜ける率も下がってしまうだろうが、何もしないよりはましだ。

 スーパーアーマーに対しては、これ以外にも、有効時間の間、逃げ回るという手段もシンプルながら効果的。対CPU戦では、×ボタンで走って逃げるのが最もいいだろう。

■ システムを理解していけば、楽しみも広がってくる

 ここまでいろいろと解説してきたが、ダッシュ攻撃、ダイビングコンボなど、このゲームにはいろんなアクションが用意されている。1人で遊ぶにしても、複数人で対戦しても、このゲームのシステムを有効に活用することで、単なるタイミングだけの攻防にはとどまらない奥深さが感じ取れるだろう。ゲームを手に取った方はぜひ、とくに友達との対戦をぜひ堪能してもらいたい。遊び始めたらすぐに数時間が経過している、ちょっと麻薬的なひとときが味わえるだろうから……。

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(2005年10月4日)

[Reported by 佐伯憲司]



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