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「ファイナルファンタジー XI プロマシアの呪縛」体験会レポート |
会場:スクウェア・エニックス本社
いよいよ発売まで1週間を切った、「ファイナルファンタジーXI」拡張データディスク第2弾「プロマシアの呪縛」(英題:Chains of Promathia 以下、CoP)。CoPは、一つ前の拡張データディスク「ジラートの幻影」とは違い、主にエリアとシナリオの追加に重点を置いた内容となっている。また、CoPの発売と同時期に大規模なバージョンアップも予定されており、これを機にヴァナ・ディールは大きく変貌を遂げる。
そんな中スクウェア・エニックス本社にて、国内メディア向けのCoPの内覧回が実施された。これは同社内のテストサーバーに接続して、GM主導の元CoPの新エリアを体験するという内容である。内覧回は約90分間という短時間で駆け足の進行だったが、キャラクタの足で実際に探索することで、これまでにない様々な情報を得られた。本稿では、その際のレポートをお届けしよう。
読者の中には、本誌がこれまで紹介してきた情報を元に、まだ見ぬCoPでの冒険に心を馳せている人もいるだろう。本誌の既報情報と併せてみることで、CoPをより明確にイメージしてもらえれば幸いである。なお、本稿の掲載画像はPS2版を元にしており、解像度等の面で少々見づらい点はご了承願いたい。またCoPのバランス調整作業は現在も続いているため、正式導入されるまでの間に名前等の仕様が変わる可能性もあるので注意して頂きたい。
遠くに見えるのはオープニングムービーで見られた旧タブナジア候国の遺跡 |
それでは、まずはCoPにて追加される新リージョンから紹介していこう。まず最初に紹介するのは、プロマシアストーリーのメインステージになるであろう「タブナジア群島」。かつてクリスタル大戦において、大規模な獣人勢力によって滅ぼされた、旧タブナジア候国を中心とするエリアで構成されている。
このリージョンの中では、「ルフェーゼ野」というエリアに触れることができた。ラテーヌ高原に近い景観で、一部では巨大な崖も見受けられる。タブナジア群島は、以前は大きな島だったものの、クリスタル大戦時に用いられた兵器によって地形を完全に変えられた過去がある。恐らくこれらの崖は、大戦時の名残なのだろう。崖の岩肌は現在では森林が立派に生い茂っており、大戦からの長い年月の経過を感じさせる。
エリアに出現するモンスターは、大羊族や巨人族に加え、恐竜のような生物を確認できた。実際に戦闘を行なった感触としては、恐らくレベル30前後のパーティであればバランスのよい戦闘を満喫できるだろう。BGMの曲調がのどかな点も相まって、どちらかというとこの近辺は初級者向けの冒険ないし観光用に適したエリアという印象を受けた。
と、ここでGMの手によって同エリア内の別フィールドに移動してもらったのだが、敵の構成ががらりと一変したのに驚いた。まるでHNMと見間違えるかのような、大羊や大鳥が多数闊歩しているのだ。しかもこれらはアクティブモンスターで、レベル60の戦士の被ダメージが時として380を超える程の強敵である。ひとつのエリア内で、難易度がここまで急激に変わるのはとても珍しい。2つの区域間をどうやって移動するかにも今後要注目だ。
実はCoPの追加エリア用の戦闘曲は、公式サイトのプロモーションムービーにて聞くことができる。興味をもった読者訪れてみてはどうだろうか | 恐竜とサイのあいのこのような姿をした獰猛な生物。巨大な角を振り回すようにして攻撃を繰り出してくる |
一部には海岸線もあるが、周囲には強力な大鳥がうようよいる。この危険な場所では、いったいどのような魚が釣れるのだろう | 画面のエルヴァーンはLサイズ。それと比較すると羊のおよその大きさがわかる。大羊が通常モンスター扱いなのには驚いた |
・ムバルポロス旧市街【Oldton Movalpolos】
ムバルポロスの足場は迷路のように入り組んでいる。下の階層へはどうやったら行けるのだろうか? |
今回この中で訪れたエリアは「ムバルポロス旧市街」。薄暗いダンジョンで、板による足場が張り巡らされた階層構造となっている。また鉱石を運ぶための線路やトロッコも見受けられた。キャラクタが鉱石を採掘できる「Mining Point」も数カ所確認でき、どちらかというと市街地というより鉱山に近い第一印象だ。
出現するモンスターは、様々なジョブのモブリンと、モブリンが作業用の奴隷として使っているバグベアが中心である。我々が足を踏み入れた第1階層の敵の強さはそれほどでもなく、位置的に近いエリアのパルブロ鉱山とほぼ同じぐらいのレベル帯であると見られる。
レベル60のキャラクタから見るとすべて「練習相手」だったのだが、試しにモブリンの眼前でヒーリングを行なうと襲ってきた。つまり本エリアのモブリンは、我々と敵対するアクティブモンスターである。「旧市街」という名称から、キャラクタと交渉を行なうモブリンの存在に期待したが、どうやらこのエリアには居ないらしい。隣接する「ムバルボロス新市街」も気になるところだ。
バグベアは手がとても長く、これを振り回すようにして攻撃を行なってくる。近づいてみるとかなり迫力がある | ムバルポロスの入口でいきなりトレインを発生させてしまった。全体的に道幅が狭いエリアなので逃げる際は要注意 |
バグベアはモブリンの作業用奴隷という設定。その背中には作業用と思わしき工具を沢山背負っている | 外見が異なることを除けば、モブリンとゴブリンの違いは見受けられなかった。モブリンならではの特殊能力はあるのだろうか |
■ レベル制限が設けられたエリア「プロミヴォン-ホラ、デム」
まったくもって不思議な光景である。この頭上にも別階層が設けられており、往来の方法が気になるところだ |
ただ、「ホラ」というのは言うまでもなく、ラテーヌ高原にあるゲートクリスタルのことだ。エリアの位置関係を確認しようとしても、リージョンマップに本エリアは表示されなかった。もしかすると虚ろというのは、ヴァナ・ディールの大陸中に実在するのではなく、クリスタルラインに関係した異次元のようなエリアなのかもしれない。
そしてプロミヴォンで最も注目すべきは、エリアへ入る際キャラクタのレベルに上限が設けられることだ。獣人印章を用いる「バーニングサークル(BCNM)戦」では、同様にレベル制限が設けられているが、これはあくまでも限られた区域内で冒険するプライベートエリアである。しかしプロミヴォン-ホラは、通常のフィールドエリアと同様の広さを持ち、なおかつレベルが制限されるのだ。この要素がCoPにおける最大の特徴の一つとなることは、まず間違いない。
キャラクタのレベルに制限が課せられるということで、エリアに出現するモンスターも相応の強さとなっている。ざっと調べてみると中レベルのキャラクタから見て、「ちょうど」以上「とてつよ」未満であった。ということは、1パーティ弱程度の戦力による冒険に適しているだろう。筆者は景観やモンスターなどの雰囲気が近いこともあり、裏世界「デュナミス」のような世界を連想していたのだが、プロミヴォン-ホラはアライアンス以上の戦力でなくとも冒険を楽しめるエリアのようだ。
プロミヴォン-ホラ内を実際に探索してみると、以前は知的生物が住んでいた生活臭さがあるものの、ダークパワーとでもいうのだろうか、何らかの悪の力によって浸食された土地という印象を受けた。画面を見てもわかるように、エリア内は物理法則を完全に無視した地形構造になっており、所々ではワープポイントらしきものも幾つか見受けられる。仮に地図を入手しても、このエリアの地理を把握するのは骨が折れることだろう。
今回訪れたプロミヴォンは、ホラとデムの2カ所だけだったが、とくればメアも存在するだろうし、それ以外のゲートクリスタルにも対応したエリアが存在する可能性は高い。しかし虚ろに関しては、総ての情報を再度見直し想像力を駆使しても、余計に謎が深まるばかりだ。レベル制限が設けられるというゲームシステム面、それとヴァナ・ディール内の各地を取り込むというストーリーの両面において、虚ろはいまだCoPの最大の謎である。
「FF XI」はBCNM戦にレベル制限を設けることで、参加する総てのキャラクタにとっての難易度を一定に保ち、緊張感のあるコンテンツへと成長させた。ここからは筆者の憶測になってしまうが、プロミヴォンにおいては、エリア内の目的地を目指すようなプレイスタイルと結びつけることに期待したい。特定の場所に陣取って経験値やアイテムを稼ぐ「キャンプ」ではなく、仮にダンジョンの攻略に主眼を置いたコンテンツが導入されれば、またひとつ「FF XI」ならではの凄みが増すことだろう。
プロミヴォンに出現する大半のモンスターは、中心にコアのようなものがある。コアの色は何種類かあり、これはクリスタルと何らかの関係があるのだろうか |
プロミヴォンに出現にするモンスターは、見た目や攻撃方法が従来のファンタジーの世界からは逸脱している。探索中は、このエリアは異世界なのだということを強く実感した |
プロミヴォンで確認できるオブジェクトはどれもが謎で、短時間の探索ではよくわからなかった。本稿で触れた他にも、新要素はまだまだあると思われる |
CoPの新エリアは、既にあるリージョンの中に追加される形式のものも多い。これらの景色は同一リージョン内の既存エリアに近く、すんなりとイメージできる読者も多いだろう。リージョン内に追加されるエリアの大半は既報でも取り上げており、新たに判明した点についてここでは触れていこう。
ザルカバードの北側には怪しげな穴がぽっかりと空いている。どのようにしてCoPのエリアへと移動するのかを想像するのも面白い |
ウルガラン山脈は、いくつかの段差によって区切られた雪原地帯で、ボスディン氷河に近い景観である。出現するモンスターはTiger系の他に、白い毛皮のウサギ、氷属性のボム、それと分厚い毛皮をまとった牛のような生物を確認できた。これらの強さはレベル60から「楽」以上で、難易度としてはザルカバードと同程度だと思われる。
このエリアの中には、キャラクタが滑り落ちることができる場所があった。写真を見てもわかるように、かなり急な角度をスキーのように滑り落ちることができる。滑っている最中は左右のみ移動を行なえ、傾斜の途中にある横穴への待避も可能。横穴からは細長い通路が迷路のように幾本も伸びていた。きっと、特定の横穴からしか行けない場所もあるのだろう。
雪原地帯の生物らしく、白い毛皮につつまれたウサギ。アビリティなどの能力面は通常と同じでも、姿が違うだけでなんとなく新鮮に思える | 時には後ろ足だけで立ち上がり、麻痺や病気の効果が付随した特殊攻撃を行なってくる。キャラクタに食い掛かるかのようなモーションが怖い |
斜面はかなり急で滑り落ちる際は緊張する。あらかじめパーティ内で、どの横穴へと入るかと打ち合わせておく必要がありそうだ | 斜面を滑り降りた地点には、これまた初登場の氷属性とおぼしきボムが居た。隣にいるTigerも含め総てアクティブモンスターのため難易度は高い |
・ビビキー湾【Bibiki Bay】
ビビキー湾では次期バージョンアップで導入予定の「潮干狩り」イベントを体験することができた。手順を説明すると、特定のNPCに500ギルを払うことによって「潮干狩りセット」を借り、エリア内に点在する「Clamming Point」を掘ることで貝などを得られる。そしてこれをNPCに渡すと、別のアイテムと交換してくれるシステムだ。
現実の潮干狩りと同様に、Clamming Pointは海岸線に沿って砂浜に点在している。採掘や伐採のシステムを思い浮かべてもらうとわかりやすいだろう。ビビキー湾は時間の経過による景観の移り変わりが実に素晴らしく、これらを横目に見ながらの潮干狩りは癒される気分であった。まったり派のプレーヤーにとって、特に人気が出るエリアとなるだろう。
ビビキー湾にいる潮干狩りセットを貸してくれるNPC。レベルを問わず楽しめそうな新要素だ | 新たなエリアを探索するのは、その景色を観るだけでも十分に楽しめる。実際に訪れる際は、時間の経過による景色の微妙な変化に注目してほしい |
桟橋ではバイソン装束とリラコサージュを身につけたミスラが出迎えてくれる。定期航路の距離は短めのはずだが、運行間隔はそれなりに長いようだ | このモンスターが繰り出す範囲攻撃は、忍者の「空蝉の術」を消す効果があった。次期バージョンアップの内容が反映されていたのかは不明だが興味深い |
このようにClamming Pointは砂浜に点在している。潮干狩りセットは"だいじなもの"扱いのため、ターゲットするだけで掘ることが可能 | どうやら採取した貝の量によって、交換してくれるアイテムのグレードが変わるようだ。このジャックナイフは、キャラクタが食べることができるアイテム |
大きないかだのような船に乗って運河を渡る。船上には植物のようなモンスターも出現するが、アクティブ系ではない |
ギルド桟橋はジャグナーの雰囲気に近いエリア。モンスターもオーク族が中心。また、空中を漂う植物のような新モンスターも確認できた。冒険時の難易度も、恐らくジャグナーとほぼ同じだろう。
このギルド桟橋は、隣に位置する「ファノエ運河」と密接に繋がっている。運河内ではいかだの船が定期的に運行しており、桟橋の数カ所を結ぶ役割を担っているのだ。いかだに載っている間は魚とおぼしき水しぶきが頻繁に見受けられ、同じ船とはいえセルビナ-マウラ間の航路とは大分違った印象を受けた。いかだで川下りを行ないながらの釣りも、なかなか趣がありそうだ。
左下に水しぶきがあがっているのが分かるだろうか。穏やかなBGMと川を流れる音が心地よい | ギルド桟橋の「主水路:北桟橋」地点に到着。ここはフィールドエリアであるため、下船するやいなやモンスターに襲われる可能性がある |
夜間で見通しが効かないためトレインを作ってしまった。どうやらAntlion同士はリンクするらしい< |
最後に紹介するのは、アラゴーニュ地方に追加されるアットワ地溝である。既に公開されている情報から推測する限りでは、地溝というだけあって、かなり深い谷底にあるエリアを想像していたのだが、実際の海抜はメリファト山地とそれほど違わないような印象を受けた。恐らくメリファト山地にある谷の底ではなく、隣に隣接するエリアなのだろう。ただし筆者が訪れた際の時間帯は夜であったため、見通しが悪かった点を追記しておく。
エリアに出現するモンスターは、既報でもお伝えしたAntlionやCorseが主に出現する。FFシリーズの熱心なファンであれば、Antlionの姿形が「FF V」に登場した同名モンスターとそっくりなのがわかるだろう。
それと、Antlionの亜種であるPit Antlionの登場方法が印象的であった。このモンスターは最初は地中深くに潜っていて姿が見えず、冒険者が近づくといきなり飛び出て襲いかかってくる。通常のAntlionよりも幾分弱めであったが、もしかするとレアなアイテムを持っているのかもしれない。
Antlionはクワガタにも似た巨大な牙を、挟み込むようにして襲いかかってくる。一人称視点で戦うととても怖い | Pit Antlionは通常のAntlionと同様にかなり大きい。これが突如として土煙と共に地中から這い出てくるのは、知らない人は非常に驚くはずだ |
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□スクウェア・エニックスのホームページ
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□「ファイナルファンタジーXI」のページ
http://www.playonline.com/ff11/
□「プロマシアの呪縛」のページ
http://www.playonline.com/ff11/promathia/
□関連情報
【8月27日】スクウェア・エニックス、「FF XI プロマシアの呪縛」の最新情報を公開
真龍の王バハムートついに登場!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040827/proma6.htm
【7月23日】スクウェア・エニックス、「FF XI プロマシアの呪縛」の最新情報を公開
モブリン、アントリオンなど10種類の新モンスターを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040723/proma5.htm
【6月28日】スクウェア・エニックス、「FF XI プロマシアの呪縛」の最新情報を公開
新エリア4カ所と重要NPC2名の存在が明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040628/proma4.htm
【5月28日】スクウェア・エニックス「FF XI プロマシアの呪縛」の最新情報を公開
新エリア2カ所と「虚ろ」なるものの存在を明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040528/proma3.htm
【5月11日】スクウェア・エニックス、「FF XI プロマシアの呪縛」の最新情報を公開
映像初公開、謎の少年少女や暗黒の新世界!? などを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/proma2.htm
(2004年9月10日)
[Reported by 川崎政一郎]
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