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日産、銀座ギャラリーにて山内一典氏のトークショーを開催

3月27日 開催

会場:日産銀座ギャラリー

入場料:無料

トークショーはNISMOのプロデュースによる、チューニングエンジン「S1」搭載のコンプリートカー フェアレディZ S-tune GTをバックに行なわれた。ちなみにS-tune仕様のフェアレディZと、スカイラインクーペは日産本社のギャラリーにて展示されている
 日産自動車株式会社は、東京・銀座の日産ギャラリーにおいて3月31日まで開催中のイベント「NISSAN STYLE WEEK」にて、ドライビングシミュレーター「グランツーリスモ(GT)」シリーズを制作した株式会社ポリフォニー・デジタル プレジデントの山内一典氏をゲストにトークショーを開催した。

 山内氏のトークは、「GT」の開発経緯からスタート。現在開発中の「GT4」に関して、「『GT』のコンセプトである、“理想に向かってゲームを作っていく”という作業には終わりがない。ただ、その時代、期間のなかで自分たちができる一番ベストなことをやっていこうということで作っている。『GT4』はさまざまな部分を進化させている。“リアルなドライビング”という部分も初代以来大きな進化をさせてこなかったが、『GT4』では一気に進化させている。リアルの車と同じ仕様の車をサーキットで走らせると、ほぼ同じタイムが出せるようにしている。“そこまでこだわる必要があるのか?”という意見もあると思うが、自分自身の考える“リアルドライビングシミュレーター”としての理想はそこにあった。今回、ドライビングに関してはやっとここまでこれた」と紹介した。

 また、「ハンドルコントローラでプレイするのがベストですか?」と質問された氏は、「ハンドル、標準コントローラ(DUALSHOCK2)どちらでも楽しめる。“本物感”という意味では、やはりハンドルとペダルでプレイしてもらったほうがいいと思うが、自分たちが制作しているうえで一番大事にしているのはDUALSHOCK2での操作系。これでちゃんと走れないとダメ」とこだわりを披露。

 操作感に関連した話として、車とチューニング要素を充実させることで発展してきた「GT」が、「GT4」でサーキットを多数収録したことに関して、「今までは筑波サーキットなど、実車が好きな方々が身近に感じるサーキットを入れるのは怖かった。“実際に走らせたタイムと違うじゃないか”といわれるから。『GT4』ではシミュレーション精度が上がったことで、積極的に世界中の本物のサーキットを入れようとスタッフががんばっている」とシミュレーション精度の自信を裏付ける発言を行なった。

 「グラフィックもPS2でできる新しい表現を行なっている。『GT』は初代から、車があってコースがあって、そこを走って楽しむ、という部分に集中してきた。でも、車の楽しみはそれだけじゃない。車を好きな人はドライビング中はもちろん、例えば車を降りてぱっと振り返ったとき、そこにある車を眺めるだけで幸せが満ちてくることがある。だから、ドライビングだけではない車の面白さ、楽しさを表現できれば……ということを考えている」と、改めて新要素が盛り込まれることを公言した。

 「GT4」は、500種類以上の車が収録されることが明らかにされているが、「チューニングパーツもたくさん収録したい。その組み合わせは膨大な数になると思うので、実際に組み合わせて走らせて楽しんでいただきたい。今、死に物狂いで制作している。本当に大変でなかなか完成しないが、PS2でやりたいことを全部詰め込んでいる。やれることは全部やろうと思っているので、今のレースゲーム、車ゲームの一番最前線がざっくり見せられると思うので、ぜひ期待して待っていてください」と締めくくった。

 ちなみに、フォーミュラマシンの収録に関しては「F1カーの収録は契約上難しい。だが、フォーミュラタイプの車を収録してほしいというニーズがあることは承知している。自分自身もサーキットをフォーミュラで走ってみたいという興味もあるので、フォーミュラタイプの車はおそらく収録されるだろう」と、ファンにはうれしいコメントもあった。

車との付き合いに関して問われると、山内氏の楽しそうな笑顔が
 NISMOとのコラボレーションに関しては、「日産自動車さんといろんな関わりを持たせていただいているが、NISMOさんとのコラボレーションで制作したエアロパーツ(フェアレディZ、スカイラインクーペのS-tune)のデザインを手がけさせていただいた。幸いにも好評をいただいている。どうせ作るなら売れるものを作りたい。普段作ったゲームを店頭で誰かが遊んでいるのを見るのは幸せだが、今回デザインしたエアロを装備した車に街ですれ違ったときに、ゲームを作っているときと違った幸せを感じた。車がすごく好きだから、極々一部でも、自分たちがそれを作ったことはとても楽しい」と、ゲーム制作とは違う楽しさを体験しているようだ。

 S-tuneの開発は、「NISMOさんは実際に空力パーツとして効果があることに非常にこだわっていた。自分たちも、ともすると自由なデザインになってしまうのだが、風洞実験を繰り返しながら形を決めていくのは大変だったが、すごく面白い作業だった。デザインを依頼されてから約6カ月ほどかかった」となかなか興味深いプロダクトだったようだ。「GT4」にもS-tuneは収録される。

 山内氏は以前のレポートでもお伝えしたように、自身もフェアレディZを所有しているが、「実はZは2台目も持っている」ことを明かした。最初の1台は、S-tuneを装着しているそうだ。Zとの付き合いについて「Zが世の中に出る前に何年か前のデトロイトショーに見に行って、製作スタッフとお話させていただいたときに購入を決意した。ようやく発売になったときに確認した車台番号が1003だった。1番は博物館行き、2番目の車は日産のゴーン社長のものなんですよ」と嬉しそうに語っていた姿が印象に残った。

 また、「Zは素性のいい車で、チューニングのしがいもある。日産車のイメージは、まず丈夫なこと。タイヤハウスを見てもらえばわかるが、大きなタイヤをすんなり収められてしまうように最初から作られている。おそらく車を製作されている方も、どうやってチューンするかということまでイメージされて設計されているのではないかと思っている。僕自身、今2台目のZのチューニングコンセプトを決めたところで、今車はバラバラの状態。自分の好きなチューニングメニューは、一見ノーマル然としているが、細かな部分でドライブして楽しい車」とのこと。3歳から始まったという氏と車の付き合いは、公私ともにまだまだ長くなりそうだ。

日産ギャラリーには多数の車ファン、「GT」ファンが駆けつけた ポリフォニー・デジタルの手がけたNISMOとの共同開発によるエアロパーツ「S-tune」。Z33(フェアレディZ)とCPV35(スカイラインクーペ)の2タイプがある


□プレイステーションのホームページ
http://www.playstation.jp/
□製品情報
http://www.playstation.jp/scej/title/gt4/
□日産のホームページ
http://www.nissan.co.jp/
□日産銀座ギャラリーのページ
http://www.nissan.co.jp/GALLERY/HONSHA/
□NISSAN MOTORSPORTS INTERNATIONAL(NISMO)のホームページ
http://www.nismo.co.jp/
□関連情報
【3月23日】日産、銀座ギャラリーにて
「グランツーリスモ」山内氏のトークショーを3月27日に開催
http://watch.impress.co.jp/docs/20040323/nissan.htm
【3月3日】SCEJ、PS2「グランツーリスモ4」TOYOTA・MTRCバージョンをジュネーブモーターショーに出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040303/gt4.htm
【2003年10月22日】SCEJ、モーターショーに「グランツーリスモ 4」の試遊台を出展 山内氏が「GT4 “プロローグ”版」をプレゼンテーション
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031022/gt4.htm
【2003年10月7日】オーデマ・ピゲ、F1レーサーJ.P.モントーヤ来日記念イベント開催。モントーヤ氏「グランツーリスモ4」で好タイムをはじき出す
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031007/piguet.htm

(2004年3月27日)

[Reported by 佐伯憲司]


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