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Game Developers Conference 2003レポートPS2の新しいインターフェイスは身振り手振りに! |
会場:San Jose Civic Auditorium
■ USBカメラを使った新しい遊び「EYETOY」が発売秒読み段階に
GDCのコンファレンスでもセッションが設けられていたパフォーマンス・アナライザー「DTL-T15000」は、Linuxとツールのコーナーでデモが行なわれている |
まずひとつは、今回のGDCでもセッションが設けられていた、デベロッパ向けのパフォーマンス・アナライザー「DTL-T15000」、そして「PlayStation 2 Linux Kit」の1.0版を紹介する、主にLinuxや開発ツールをテーマとするコーナーである。
そして、昨年8月末にヨーロッパで開催されたPlayStaiton Experienceでも展示されていたSCEE London Studio開発の「EYETOY」が、完成度を増して展示されている。
「EYETOY」は、コントローラの代わりにUSBカメラを使った画像認識によって、プレーヤーの身振り手振りから入力を行なうインターフェイス。ボクシングやお手玉風など、いくつかのゲームが実際に体験できる形で出展されている。
画面に登場するオブジェクトに、身振り手振りで対応する新しいインターフェイス「EYETOY」。USBカメラでとらえた手や体の動きなどを画像認識して、ゲームへと反映させる |
操作自体も単純なものばかりなので、小さな子供でもプレイできる。画面に自分が登場する楽しさに加えて、ギャラリー側もテレビ画面と肉眼で見て楽しむという、新しいプレイスタイルを生み出せるものと期待されている。
ちなみに「EYETOY」にはビデオメッセージ機能もある。録画したビデオメッセージをメモリカードに記録し、他のPS2で再生することもできるという。
また、接続されているUSBカメラがこれまでの展示と比較してもPS2本体とマッチするデザインへとブラッシュアップされており、製品化への準備が整いつつあることをうかがわせる。まずは最初の「EYETOY」製品でUSBカメラの同梱版を用意するなどして、USBカメラと「EYETOY」のAPIを認知させて、次なる対応ソフトやキラーソフトを模索していくという戦略になると予想される。
実際、日本で先日発売されたゲーム「オペレーターズサイド」のように“声”で進める新しいタイプのゲームが生まれてきたのも、まずUSBヘッドセットのような周辺機器と、そのPS2用APIが提供されていたという背景がある。
「EYETOY」のUSBカメラにも、そんな展開が期待される。GDCに出展することで、訪れた多くのデベロッパに何らかのインスピレーションを与えることができれば、いずれUSBカメラと「EYETOY」のAPIを使った、さらにユニークなタイトルが生み出されるかも知れない。
その「オペレーターズサイド」は、米国で大ヒット中の「SOCOM:US NAVY SEALS」と並んで周辺機器のコーナーに展示されていた。デモに利用されているのは日本語版のため、実際にプレイするにはカタコトながらも日本語での発声が必要。
かたわらには、プレイ画面に合わせたメッセージの英訳と、そこで発声すべき“言葉”をアルファベットで記したプレイ指南書が用意してあった。訪れたデベロッパ達は、悪戦苦闘しながらも、そのプレイ感を確認するように声を発し続けていたのはさすがである。
4つめのコーナーは、オンラインに特化したエリア。ここには日本語版の「ファイナルファンタジー XI(FF XI)」と、先月米国で発売されたばかりの「EverQuest Online Adventure」が並んでデモされていた。「FF XI」は、日本国内で稼働している実際のゲームサーバ“Qujata"に接続したプレイが行なわれており、展示会場内のATIブースやNVIDIAブースでデモされているPC版のキャラクタと同じサーバー上でパーティを組んでプレイできることが紹介されていた。
この「FF XI」では、まだ一般のユーザーには利用できない“名前に初心者マークを付ける”プレイが行なわれていたこともあって、時折すれ違う一般のプレーヤーキャラから次々に声を掛けられるなど、高い注目を集めていた。米国での運用開始時期については、ハードディスクユニットの提供開始時期などの兼ね合いもあって正式なアナウンスこそまだ行なわれていないものの、年内のサービスインが計画されているようだ。
「EYETOY」を使ったボクシングゲームの画面。相手キャラのガードをかいくぐってパンチをヒットさせる。格闘ゲームのように、相手のヒットポイントを削っていけばKO | ゲームの開始や遊び方のインストラクションも、このように画面に表示されたエリアを手の動きによって認識させることで選択が可能 | PS2本体にマッチしたデザインになって、製品化が近づいたことをうかがわせる「EYETOY」のUSBカメラ |
■ 米国でもモバイルゲームが新たな市場としてクローズアップされる
GDCでのコンファレンスにおけるトピックのひとつは、携帯電話などを使ってプレイする、いわゆる“モバイルゲーム”のトラックが今回から新設されたことだ。会期初日にはNTTドコモの夏野剛氏が基調講演を行なっているほか、NOKIAやMotorolaのスポンサードで数多くのセッションが用意されていた。
展示ホールのNOKIAブースでは、「N-Gage」を中心にしたモバイルゲームのデモが行なわれている。来場したデベロッパには、入場登録バッジのスキャンと引き替えにデベロップメントキットが次々と配布されていた。
「N-Gage」本体を実際に手にしてみると、横長で下に丸みのあるボディはゲーム機の雰囲気も漂わせてはいるものの、やはり本質は携帯電話であることを実感させられる。他の携帯とアプリケーションの互換性を重視したと思われる縦長の液晶画面も携帯電話然としているのが印象的だ。
デモでは、カートを使ったレーシングゲームをはじめ、「パズルボブル」、「ソニックアドベンチャー」そして、「トゥームレイダー」などお馴染みのゲームを体験することができる。iアプリなどのゲームで苦労する縦長のボタン配置による操作の厳しさは、スクリーンの左右に十字キーとテンキーが配置されている「N-Gage」では感じられない。プレイ感はなかなか快適といえる。
まだソフトウェア部分に問題は残しており、搭載されてるMP3プレーヤー機能を起動させると、まれにフリーズするなどのトラブルは散見されるが、NOKIAとしては、当初発表の2003年末を前倒しする形で欧米市場に投入したい構えを見せている。
また、Motorolaブースでも同社の携帯向けJavaアプリケーションの開発キット「Motocoder」の紹介と、対応ゲームのデモが行なわれていた。
Motoloraのブース。開発キット「Motocoder」の紹介とゲームのデモが行われている | THQによる「MotoGP」の画面。 | 「Fox Sports On-Court Live Basket Ball」 |
□「Game Developers Conference 2003」のホームページ
http://www.gdconf.com/
□関連情報
【3月5日】Game Developers Conference開幕
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030305/gdc03.htm
(2003年3月10日)
[Reported by 矢作晃]
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