【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Game Developers Conference 2003レポート

2大グラフィックチップメーカーが最新グラフィックカードを展示

3月4日~3月8日(現地時間)

会場:San Jose McEnery Convention Cente

 今回のGDCでは、NVIDIAとATI Technologiesという2大グラフィックチップメーカーが、GDCに合わせて最新グラフィックチップを発表したこともあり、双方のメーカーともにExpo会場に大きなブースを構え、最新グラフィックチップ搭載カードを展示していた。通常GDCのExpoでは、基本的にグラフィックスワークステーション向けのハイエンド製品を中心とした展示となるのだが、今回ばかりは最新製品を発表したばかりということもあってか、双方ともコンシューマ向け最新製品の展示が中心となっていた。

 NVIDIAでは、GeForce FXシリーズのハイエンドモデルである「GeForce FX 5800 Ultra」を搭載したPCを、ブースの最も目立つところに多数用意。そして、それらマシンでおなじみのデモソフトや最新ゲームソフトをそれらPCで動作させながら、パフォーマンスの高さをアピールしていた。また、各マシンともケースの側面が透明のアクリルパネル仕様となっており、取り付けられたGeForce FX 5800 Ultraを目立たせるように内部を緑色にライトアップするという凝りようだった。もちろん、グラフィックスワークステーション向けの「Quadro FX」シリーズや、グラフィック言語「Cg」に関する展示スペースも用意されてはいたが、それらはブースの内側でひっそりと展示されており、今回に限ってはGeForce FXシリーズに主役の座を奪われた感じであった。

 この傾向は、ライバルメーカーであるATI Technologiesでも全く同じであった。展示スペースの多くを、発表したばかりのコンシューマ向けグラフィックカードの中でもハイエンドモデルにあたる「RADEON 9800 PRO」を搭載するPCで埋め尽くし、複数の最新ゲームソフトを動作させていた。しかも、こちらでもケースの側面が透明アクリルパネルになりケース内部が見えるマシンが用意されていたり、グラフィックスワークステーション向けの製品である「Fure GL」シリーズがブース内側に追いやられているなど、まるでNVIDIAと示し合わせたかのような展示方法となっていた。

 GDCの来場者はゲーム開発者が中心であるが、ゲーム開発者は同時にヘビーゲームプレーヤーでもある。となると、来場者に製品のパフォーマンスをアピールするには、実際にゲームソフトを動作させて来場者にプレイさせるのが最もわかりやすい。しかも、今回は展示内容がコンシューマ向け製品が中心だ。そういった意味では、双方のメーカーの展示方法は非常に利になかったものであると言っていいだろう。

 ところで、双方のブースでデモが行なわれていたゲームソフトの中に、スクウェアが発売しているMMORPG「FINAL FANTASY XI for Windows」が含まれていたのにはやや驚いた。動作していたのは双方とも日本語版で、プレイステーション 2ブースで稼働していたPS2版「FINAL FANTASY XI」も含めて、実際に日本で稼働している同じサーバに接続され、それらのマシンのプレーヤーキャラーでパーティが組まれた状態でデモが行なわれていた。係員の話では、ソフト自体はもちろんのこと、プレイステーション 2とPCとの間で同じサーバーに接続してプレイできる、マルチプラットフォームという部分にも注目が集まっているそうだ。すでに北米版の発売も決定しており、今年中に発売する予定になっているそうなので、近い将来、北米のプレーヤーとパーティを組んでプレイできるようになるだろう。

NVIDIAブース。発表会直後ということもありコンシューマ向け製品中心の展示内容となっていた GeForce FX 5800 Ultra搭載PCが多数用意され、おなじみのデモソフトや最新ゲームソフトなどを利用したデモが行なわれていた 利用されていたPCは、ケース側面が透明となり、内部が見えるようになっていた。ちなみにGeForce FX 5800 Ultraの騒音は、周囲がうるさいためかほとんど気にならなかった
NVIDIAの現行製品一覧。nForce2やQuadro FXシリーズも含まれていた 発表されたばかりのGeForce FX 5600 Ultra。メインストリームモデルで、NVIDIAが最も力を入れている製品だ こちらはローエンドモデルのGeForce FX 5200 Ultra。クラス初のDirectX 9.0対応カードとして注目される
RADEON 9800 PROカード。ビデオメモリはDDR SDRAMを256MB搭載。 空冷ファンはRADEON 9700 PROと比較してもそれほど大きなものではない ストラテジーゲームやレースゲーム、FPSなど様々なジャンルの最新ゲームを利用してデモが行われていた ケース側面が透明アクリル板になり、内部が見えるPCを用意している点もNVIDIA同様だ。ただ、グラフィックカード側面に吸気ファンが取り付けられている点を見ると、RADEON 9800 PROもかなりの熱を発するものと思われる
NVIDIAブースに展示されていた「FINAL FANTASY XI for Windows」。日本語版が利用され、実際に稼働しているサーバーに接続してデモが行なわれていた ATIブースでも「FINAL FANTASY XI for Windows」が稼働していた。接続サーバーはNVIDIAブースのデモ機と同じ。英語版は今年中に発売を予定しているそうだ こちらは、プレイステーション 2ブースで稼働していたスクウェアの「FINAL FANTASY XI」。NVIDIAブースとATIブースのデモ機と同じサーバーに接続され、時には展示機どうしでパーティが組まれていた


□「Game Developers Conference 2003」のホームページ
http://www.gdconf.com/
□関連情報
【3月5日】Game Developers Conference開幕
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030305/gdc03.htm
【3月8日】「Game Developers Choice Awards」授賞式開催
特別功労賞に故横井軍平氏。大賞はメトロイドプライム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030308/gdc2.htm
【3月8日】鶴見六百氏と長谷川亮一氏、日本におけるゲーム成功の秘訣を解説
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030308/gdc3.htm
【3月8日】GBAでJava対応ゲームをプレイ可能にするキットが出展される
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030308/gdc4.htm

(2003年3月8日)

[Reported by 平澤寿康]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.