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アイドス、「トゥームレイダー 美しき逃亡者」を正式発表 |
価格:6,800円(予価)
アイドス・インタラクティブ株式会社は、「トゥームレイダー」シリーズ最新作「トゥームレイダー 美しき逃亡者」を2003年に発売すると発表した。英Eidos Interactiveからは、すでに昨年3月に「Tomb Raider: The Angel of Darkness」のタイトルで正式発表されているが、日本ではこれが初めての公式アナウンスとなる。発売プラットフォームは、現時点ではプレイステーション 2のみで、価格は6,800円を予定。同時開発されているPC版の日本での取り扱いは未定となっている。
「トゥームレイダー 美しき逃亡者」は、美貌トレジャーハンター ララ・クロフトの活躍を描いたアクションアドベンチャーゲーム。シリーズ通算でこれまでに全世界で2,700万本を売り上げた実績を持つ超人気シリーズだ。今作は6作目に当たり、シリーズ初のプレイステーション 2タイトルとなる。
弊誌では、昨年の制作発表会レポート以降、E3レポートやECTSレポートを通じて、たびたび最新情報をお伝えしてきたが、2度の発売延期を経て、作品の仕様も大きく変わってきている。そこで今回は、アイドスから公開された最新情報をもとに、同作の概要をご紹介したい。ゲームの紹介に入る前に、まずは先のEidos本社取材で未掲載だったDavid Roseインタビュー「トゥームレイダー編」を紹介しよう。
■ 「Tomb Raider: AoD」発売延期の真相 新要素について
我らが主人公ララ・クロフト。新しく追加された新アクションで、よりドラマチックな冒険が味わえることになりそうだ |
新キャラクタ「カーチス・トレント」。ララのようにプレーヤーが操作することができる |
David Rose(以下、D) 今年のEidosは強い。過去のEidosは「Tomb Raider」と「Championship Manger」という2本のシリーズもので引っ張ってきたが、今年からはそれが5本になる。
編 なるほど。残りの3本は何ですか?
D 「Hitman」と「Time Splitter」、そして「Deus EX」だ。今後は従来のタイトルも含めこれらの新作を定期的にリリースしていくことになるはずだ。
編 その筆頭はやはり「Tomb Raider」ということになると思うのですが、つい最近発売延期が発表されました。理由は何ですか?
D 一番大きな要員は、世界中で評価されるゲームにするために、もうしばらくの時間が必要になったということだ。現在はテストの段階に入っている。入念なテストを繰り返し、そのフィードバックを開発側に伝えて、再度開発し直すという作業だ。この行程は実際エンドレスなので、いつまでもやるわけにはいかないが(笑)
編 欧米での新しい発売時期はいつですか?
D 第4四半期。Eidosは6月決算だから4月から6月の間だ。
編 今現在の開発状況はパーセンテージで表すとどの程度なんでしょうか。
D ステージの開発に関しては100%だ。現在主に取り組んでいるのはゲームバランスの修正で、これは何パーセントということはいえない。器はできあがっていて、あとはクオリティの磨き込みの段階だ。
編 目標の発売本数はどれぐらいでしょうか。
D 私は開発の人間なので、求めるのはあくまでクオリティであって、本数を決めるのは別の人間の仕事だが、「Tomb Raider」シリーズは通算で2,700万本売れている。この記録に恥じない数字は出したいと考えている。
編 これまでの情報はすべてPS2版のみでしたが、PC版の開発はどうなっているのでしょうか?
D PS2版と同時開発している。発売日も同日を予定している。
編 今回の全体的なボリュームは、だいたい何時間ぐらいを想定していますか?
D 現在取り組んでいるゲームバランス次第によっては大きく変わる可能性があるが、私が想定しているのは「Tomb Raider」をプレイしたことのない初心者で、だいたい30時間というところだ。Tombファンがプレイすればこの時間はもっと縮まるだろう。
編 昨年の3月に制作発表を行なったときに、Kurtis Trentという新しい男のキャラクタの存在が明らかにされました。彼に関する情報はこれまでほとんど出ていないと思うのですが、最終的に彼は作品上でどういう役割を担うのでしょうか。
D Kurtis Trentはユーザーからの「もっと別のキャラクタを動かせないのか」という要望で追加されたキャラクタだ。詳しくは話せないが、ストーリーに深く絡む設定になっている。彼はLara Croft同様に、プレーヤーが直接操作することもできる。
編 Kurtis Trentは、どういうアクションが可能なのでしょうか?
D 最終決定ではないが、素手による格闘、そして銃器類が使える。そのほか彼ならではのスキルもあるが、現時点ではまだコメントできない。ただ、彼のそのスキルは重要な意味を持っている。
編 質問は変わりますが、同作ではザッピングシステムを採用しているのでしょうか。つまり、ひとつのレベル内で、Lara CroftとKurtis Trentを入れ替えてプレイしたりはできる?
D それはない。物語を進めていくと彼でクリアすべきシチュエーションも出てくるということだ。だが、あくまで物語の主人公はLara Croftだ。
編 一方、Laraのアクションはどのような内容になるのでしょう。
D 素手による格闘、二丁拳銃、あとはぶら下がったり、大ジャンプしたりといった従来のアクションが楽しめる。素手での格闘は、これもユーザーからの要望だが、銃器が無くても戦えるようにするための仕様だ。
編 昨年9月のECTSでひととおりプレイしたのですが、あれからゲーム内容は変わったのでしょうか?
D 大きく変わった。インターフェイス、カメラワーク、グラフィック、大きく変わった。ECTSバージョンは、とりあえずゲームの雰囲気を掴んでもらうために出展したものなので、ゲームとしての環境はほとんど整えられていなかった。たとえば、ある場面でジャンプして飛び移るというシチュエーションで、ユーザーはどのように動き、どう見せるのが一番プレイしやすいかといったことがまったく考慮されていなかった。
編 なるほど。実際に私もプレイしたときにカメラアングルが頻繁に固定され、しかもそれが非常にプレイしにくくて、いらいらしたのですが、そういった部分は完全に改良されていると?
D もちろん修正されている。カメラアングルについては、シーンによって視点を固定するという要素を変えるつもりはない。シリーズを通してやってきたことだし、カメラアングルを固定することによって、意図的にヒントを隠したり、あるいは敵との戦闘時に自動的に戦いやすく、また迫力ある視点に変えたりなど、利点が多いからだ。
編 システムについてですが、ECTSバージョンでは警察に捕まると即ゲームオーバーでした。この仕様は現在でも有効ですか?
D いや、あれはない。そもそも敵に捕まるとゲームオーバーというのは、ECTS用にこしらえた特別仕様だったつもりだ。
編 会話システムはどうなるのでしょう? 選択肢によってストーリーが変化することもある?
D ドラマチックに変わるわけではない。ただ、ゲームの進行において選んだ選択肢ならではの結果が生まれるだろう。それは実際にゲームをプレイして確かめてほしい。
編 ありがとうございました。
上記インタビューを一読すればわかるように、作品としてはまだ完成しておらず、現在、時間ギリギリまでゲームバランスの調整が行なわれていることがわかる。こういった理由から、原作「Tomb Raider: The Angel of Darkness」と日本語版「トゥームレイダー 美しき逃亡者」の具体的な違いなどはわかっていない。
現時点で判明しているのは、国内のプレイステーション 2で動作すること、ゲーム内の全テキストが日本語化されること、のみ。音声はどうなるのか、字幕の選択は可能なのか、ハードディスクへのインストールは可能なのか、オプションでのカスタマイズはどの程度自由が効くのか。こうした細かい内部仕様についてわかるまでには、もうしばらく時間が必要のようだ。それではさっそく最新情報をご紹介しよう。
■ 「トゥームレイダー 美しき逃亡者」のバックグラウンドストーリー
さて、「トゥームレイダー 美しき逃亡者」のストーリーは、日本語版のサブタイトルにも明示されているように、従来のトレジャーハンターではなく逃亡者として、ヨーロッパ中を旅することになる。
ララにかけられた容疑は、恩師フォン・クロイ殺害。だが、そもそもの旅のきっかけは、フォン・クロイから話があるという電話での呼び出しだった。しかし、パリの邸宅で彼と話をしている途中で何者かに襲われ、ララは気絶、フォン・クロイは殺害されてしまう。ララは身の潔白のために真犯人を捜すべくふたたび立ち上がる、というのがプロローグシーンになる。
フォン・クロイの足取りを追ううちに「ピーター・ヴァン・エックハート」という男の名前が浮上してくる。彼は、フォン・クロイに対し、15世紀の幻の絵画に関する情報を求めていた。エックハートの情報を探るうちに、謎の殺人鬼「モンストラム」にたどり着く。そして最終的にはパリをはじめとしたヨーロッパ全土に隠された裏社会の恐ろしい野望を突き止めることになるようだ。
【プロローグシーン】 | ||
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プロローグで描かれるフォン・クロイ殺害シーンと、その後展開されるパリ警察からの逃亡シーン |
■ 主人公ララ・クロフトの新アクション
ミステリーあり、アドベンチャーありの今作だが、作品の魅力の中心となるのはララのアクションだ。今回、プラットフォームをプレイステーションからプレイステーション 2に移し、グラフィックエンジンを一から開発し直したことにより、既存シリーズにはなかった新アクションがたっぷり追加されている。
【ララの新アクション その1】 | ||
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驚かされるのは、ララの滑らかな動き。移動は、歩く、小走り、ダッシュの3つを基本に、忍び寄り、ほふく、反転といったアクションを組み合わせることができる。また、攻撃も格闘技能を身に付けたことにより、ナイフや銃器を所持していなくても敵を撃退できるようになっている |
【ララの新アクション その2】 | ||
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ララお馴染みのアクションである射撃とジャンプも新しくなっている。射撃はジャンプ中に撃ったり、下がりながら撃つことが可能になっている。一方、ジャンプはダッシュジャンプ、小ジャンプ、大ジャンプなどが用意されている |
【会話シーン】 | ||
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今回は物語の途中で頻繁に会話シーンが登場する。場合によっては返答を迫られるケースもあり、アドベンチャー要素が高くなっている |
(c)Core Design Limited, 2002 Published by Eidos Interactive KK, 2003 Lara Croft Tomb Raider:The Angel of Darkness is a trademark of Core Design Limited Lara Croft is a registered trademark of Core Design Limited All Rights Reserved.
□アイドス・インタラクティブのホームページ
http://www.eidos.co.jp/
□「トゥームレイダー 美しき逃亡者」の公式ページ(英文)
http://www.tombraider.com/
□関連情報
【2002年3月21日】英Eidos、「トゥームレイダー」最新作を発表
「Lara Croft Tomb Raider: The Angel of Darkness」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020321/lara.htm
【2002年3月25日】「Tomb Raider」最新作の独占情報が満載!!
Eidos Interactive子会社Core Design訪問記
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020325/core.htm
【2002年5月22日】「トゥームレイダー」シリーズのEidosがE3前夜祭を開催!
「Lara Croft Tomb Raider: The Angel of Darkness」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020522/eidos.htm
【2002年8月31日】ECTSレポート ララ・クロフト、殺人容疑で逮捕さる?
「Lara Croft Tomb Raider: The Angel of Darkness」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020831/eidos.htm
(2003年2月8日)
[Reported by 中村聖司]
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