Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート「トゥームレイダー」シリーズのEidosがE3前夜祭を開催! |
会場:REGENT BEVERLY WILSHIRE HOTEL
ホテルの一角を借り切って行なわれた内覧会。プレスが開発者のデモを取り囲む |
中でも映画化が記憶に新しい「トゥームレイダー」シリーズ最新作「Tomb Raider: The Angel of Darkness」に注目が集まっていた。同作品は、PS2とPC両方での発売が予定されているが、今回の展示はPS2版のみ。デモンストレーションでは、水の中をララが泳いだり、かなり高さのある場所で柱から柱に飛び移ったりしていたが、全体的なゲーム性を前面に出したものではなく、テクノロジーデモに近いものであった。
世界的にも有名な開発者ウォーレン・スペクター氏自らがプレス関係者に「Deus Ex2」のデモを行っていた |
ジャンル:アクションアドベンチャー
発売時期:2002年11月
開発元:Core Design
今度のトゥーム・レイダーはもう一人プレーヤーキャラが用意されている。映画2作目に登場するか!? |
最新作のストーリーは、一連の殺人事件によって邪悪な錬金術師との争いに巻き込まれたララが、錬金術師が死に物狂いで手に入れたがっている14世紀の絵画をめぐって、新たな冒険に飛び込んでいくというもの。今回の彼女は、殺人事件によって逃亡者となってしまい、警察に追われ、裏切りや復讐のダークな世界に引き込まれてしまう。この理不尽な状況を破り、邪悪な力が世界に蔓延するのを止めなくてはならない。
今作での大きな特徴は、キャラクタの成長だ。プレーヤーがどんな風にゲームを進めたかによって、ララのアビリティが成長していくのである。どのようにしてパズルを解いたか、どう探索をしたか、といったことがララのジャンプ能力や頭脳、身体能力などに影響を与えていく。ゲーム内の他の登場人物たちに話しかけられ、会話の内容によってはゲームのストーリが分岐するという要素も盛り込まれているため、人によって冒険の内容に違いが出てきそうだ。ララ自身の動きも刷新されていて、素手による格闘も行なうという。
そして、ララ以外に第2のプレーヤーキャラクタが存在するのも大きなポイントだ。彼の名前(そう! 男性キャラクタなのだ)は「Kurtis Trent」といい、ララとは全く異なるアクション性を持っていて、プレイスタイルも大きく違ってくるようだ。デモを担当してくれた開発者の話では、このキャラクタについて、今年の6月か7月頃にもっと詳しいことが発表されるようだ。主人公のララ・クロフトの印象があまりに鮮烈なため、「トゥームレイダー」の登場人物は彼女以外まるっきり影が薄いのだが、そんな現状を打破するような強力なキャラクタらしい。
また、ララのトレードマークともいえるシャツにショートパンツの冒険者ルックだが、服が3~4着ほど用意されていて、着替えができるらしい。服装を変えられるのは、アクションや装備面での機能変化のためでなく、純粋に見た目での楽しさのためとのこと。どんなコスチュームが含まれるのかファンには大いに気になるところだ。
今作では、グラフィックに関しても、大幅なアップグレードが加えられている。初代トゥームレイダーのララが500ポリゴンであったのに対し、今回のララは5,000ポリゴン。グラフィックエンジンは一から作り直して、PC版ではプログラマブルシェーダーやバンプマッピングにも対応するとのことだ。エフェクト類はプラットフォームによって多少変化するらしい。
また、「トゥームレイダー」シリーズではララ・クロフトの邸宅を舞台にした練習用チュートリアルステージがおなじみだが、最新作には独立したチュートリアルはない。ゲームを始めると、徐々にキャラクタのアクションを覚えられるよう工夫されており、初心者にもプレイしやすい導入になるとのことだ。デモを見ていたプレス関係者からは「新しいグラフィックエンジンでララの家と執事を見たかった」と残念がる声も寄せられていた。
ゲーム的には、これまでのアクション性やパズル性の高さではなく、“アドベンチャー”の部分に焦点を当てて開発されている。見知らぬ場所を探検する楽しさ、冒険のワクワク感がよりいっそう高まっているとのことなので期待したい。
□Eidos Interactiveのホームページ
http://www.eidos.com
□「Lara Croft Tomb Raider: The Angel of Darkness」の公式ホームページ
http://www.tombraider.com
【Lara Croft Tomb Raider: The Angel of Darkness】 | ||
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ジャンル:アクションアドベンチャー
発売時期:2003年
開発元:Ion Storm Austin
元が古いバージョンでのUnrealエンジンとは思えないグラフィック。発売までにさらに磨きがかかる予定だ |
キャラクタの能力はプレーヤーが好きなように成長させていけ、それがミッションのクリア目標にも影響を与えるのが特徴。例えば敵が守りを固めた鍵のかかったゲートがあるとして、施錠能力に長けているなら敵を遠くから狙撃した後、ゆっくりと鍵を開ければいいし、重火器を扱う能力に長けているならロケットランチャーで敵ごと門をふっとばしてしまえばいい。キャラクタの能力によってフレキシブルに解決できる敵や障害の数々が、非常にプレイしがいある。
こんなゲームの続編ということで、いやおうなく期待は高まるのだが、今回出展されていたデモは、ゲームシステム的な部分に焦点を当てたのではなく、どちらかというと、新たなゲームエンジンのテクノロジーデモといった趣だった。
「Deus Ex」のグラフィックエンジンはUnrealエンジンを改良したものだったのだが、「Deus Ex2」では、そのDeus Ex1エンジンを元にして、様々な改良が加えられている。まずレンダリングエンジンはすっかり作り変え、物理エンジンはHavocからライセンシーを受けている。結果として、Unrealエンジンとはまったく別のものになっているのが面白い。「Deus Ex2」のグラフィックエンジンや見所については後日、西川善司氏が詳細レポートをお届けする予定なのでお楽しみに。
ゲームシステム面での具体的な内容はまだまだ見えてこないが、ゲームを構成する大事な要素であるグラフィックは、すでに準備万端といったところか。非常に人気が高いタイトルのため、Xbox、PCのほか、PS2や任天堂ゲームキューブなどでの展開も考えていきたいとのこと。引き続き注目していてほしいタイトルだ。
□Ion Storm Austinのホームページ
http://www.ionstorm.com/
□「Deus Ex」の公式ホームページ
http://www.deusex2.com/
【Deus Ex2 PC版】 | ||
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「Deus Ex2」のPC版スクリーンショット。ライトマップはなく、すべてリアルタイムで処理している |
ジャンル:アクションアドベンチャー 発売時期:2002年9月 開発元:IO Interactive(http://www2.ioi.dk/Frontpage/Welcome.shtml)
ヒットマン(殺し屋)が隠密に行動しながら、敵を倒していくというゲーム性に人気が集まった前作だったが、今作ではゲーム全体のグレードアップが図られると共に、敵に見つからないように工夫しながら、もしくは敵の目を欺むきながらといったスニーキングの要素をもう一歩推し進めた内容になっている。
今回のストーリーは、前作の後に引退した凄腕の元ヒットマンが、世話になっていた神父の誘拐事件をきっかけに再び銃を手に取り、テロリストやマフィアのボスなどと対決するというもの。
ゲームはミッションクリア型のアクションアドベンチャーで、そのミッションごとの目的を遂行するため、ある時は物陰から消音銃で見張りを倒し、ある時は死体からはぎとった郵便屋の服で変装して敵アジトに忍び込みといったように、単に敵の真ん中につっこんでいかないよう、頭を使いながら任務を遂行していかなくてはならない。
死体を見つけた敵キャラが、あわてて他の仲間を呼び寄せたり、屋敷内の警報装置を鳴らしたりといったことがあるため、銃をぶっ放すだけではなく、頭を使った行動と素早い判断、そして的確な射撃が求められるのである。
この作品は、ゲームエンジンにオリジナルの「Glacier」というものを使用しており、PC版、PS2版、Xbox版すべてでこのエンジンを使用しているという。複数プラットフォームで共通のゲームエンジンを使用すると開発効率が良いため、このようなスタイルになったようだ。デモンストレーションでも、3つのプラットフォームを次々切り替えながらゲーム内容を紹介していた。
□IO Interactiveのホームページ
http://www2.ioi.dk/Frontpage/Welcome.shtml
□「Hitman 2: Silent Assassin」の公式ホームページ
http://www.eidosinteractive.com/games/embed.html?gmid=118
【Hitman 2: Silent Assassin PC版】 | ||
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PC版のスクリーンショット。「FPSというと建物の中のテクスチャとかいい加減なものが多いけど、Hitman2は細かいところまで作ってるよ」とは開発者の談 |
【PS2版】 | 【Xbox版】 |
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(2002年5月22日)
[Reported by 西尾ゆき]
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