【特別企画】

「PS5」ついに1周年!!  抽選販売や転売問題など、コロナ禍での次世代機発売の軌跡を振り返ろう!

【プレイステーション 5】

2020年11月12日 発売

価格:
54,978円(税込、PS5)
43,978円(税込、PS5 Digital Edition)

 本日11月12日で、発売から1周年を迎えたプレイステーション 5。初めてその存在が正式に発表されたのは2年前の2019年10月8日になる。そこから1年後の2020年11月12日に発売され、ちょうど今日で1周年だ。

 PS5は1年経った今でも抽選形式での販売が行なわれているほか、通販サイトでの先着順販売は即完売。PS5を買いたいのに買えないという人も多いはず。本稿では、そんなPS5の発表から発売、そして発売から本日11月12日までの1年間を弊誌に掲載された過去の記事を元に振り返っていく。

PS5の発表は2年前。ロゴ公開や発売前の抽選販売まで、発表から発売までの流れ

 PS5が正式発表されたのは、2年前の2019年10月8日。「プレイステーション」シリーズの次世代機の名称がこれまでの流れをくんで「プレイステーション 5」であることのほか、2020年の年末商戦期に発売されることや、本体・コントローラーのおおよそのスペックが公開された。

 この発表の時点で、PS5の目玉ともいえる新コントローラー「DualSense」のハプティック技術や、L2・R2ボタンに抵抗力を感じさせるアダプティブトリガーも発表されていた。また、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 社長兼CEOのジム・ライアン氏によるコメントなども公開されている。

 次に発表されたのは、PS5のロゴデザインだ。2020年1月7日にラスベガスにて開催中の電子機器見本市「2020 International CES」にて公開された。

 そこから毎月1回程度の割合でPS5に関する新情報が公開されるように。新ワイヤレスコントローラー「DualSense」は2020年4月8日に、PS5の本体デザインやPS5用タイトルなどの発表は6月12日に行なわれた。

 PS5の本体デザインは、PS2からPS4まで続く“伝統”の黒をメインカラーとしたデザインではなく、白と黒のツートーンカラーに変化。今でこそ馴染んでいるが、発表された当初は多くの反響があった。SNS上では、PS5に似たデザインの家電をPS5に見立ててツイートするという流行も生まれた。

 そこからオフィシャルで発売される周辺機器の発表などもあったが、ついに2020年9月11日にソニー公式ストア内にてPS5の商品販売情報に関するメール登録が開始された。この時点ではまだ予約販売の詳細な情報は出ていなかったが、公式による販売情報の第一報ということもありメール登録は応募殺到。アクセス集中により一時中止となった。

 そしてその約1週間後となる2020年9月17日。PS5の発売日が2020年11月12日であることが発表された。あわせて予約受付が9月18日より順次開始されることも発表され、多くの店舗が予約販売の事前告知を開始。今でも続く“抽選販売地獄”の幕開けである。

多くの店舗が抽選形式での販売を告知

 来たる9月18日には各店舗にて抽選受付が開始された。この時期もコロナ禍真っ只中ということもあり、PS4やPS3の発売日のような人混みをさけるためにオンラインによる応募受付がほとんど。先着順でもないので落ち着いて応募できるため、自粛期間中に騒動が起きるようなことはなかった。

 しかし、オンラインでの販売になれば、オンラインならではの新たな問題が浮き彫りになる。それは“転売問題”だ。Amazonでは、予約受付が開始されたばかりの9月18日よりすでに、定価の数十倍にもなる値段で販売されている転売が多発。Amazonマーケットプレイスでの出品が一律停止される事態となった。PS5の転売の中には、398,000円や498,000円での転売といったケタを誤認して購入を誘う悪質な事例もあり、転売という行為の悪質さも目立っていた。

 また、申込が殺到することからサーバートラブルによる問題が発生した店舗もみられた。ヨドバシカメラの最初の抽選予約では当選倍率が最大91倍になるなど、PS5の注目度を伺えた。

 抽選販売が実施されるなか、公式によるプロモーションはもちろん継続された。PS5発売の約1カ月前には、メディアやインフルエンサー向けの先行体験会が開催されたほか、PS5を分解する映像、ホーム画面での新機能の紹介する映像などが公開された。

 さらに、発売約2週間前には、PS5本体がGAME Watch編集部に到着。開封レポートを掲載した。

 多くの店舗では、発売前に複数回にわたって抽選予約販売が実施された。11月5日には、発売日に販売されるPS5本体はすでに予約分で完売となっていることに加え、新型コロナウイルスの影響を考えて店頭販売が行なわれないことも発表。発売日にPS5を手に入れるには、高い倍率から抽選で選ばれるしかなかった……。

PS5ついに発売!現在まで抽選販売が続くが、店頭販売では警察沙汰も

 そしてついに発売されたPS5。発売日には店頭販売が行なわれないので、ゲームショップや電気屋に人があふれかえるようなことはなかった。ある種の“お祭り感”はなかったが、抽選販売で勝ち上がった人は発売日当日にPS5を遊ぶ楽しさを味わえたはずだ。

 また、発売日前日のことになるが、東京神田の神田明神では11月11日18時より24時までの短い期間でグローバルローンチイベントがゲリラ的に開催された。PS5のロゴやおなじみの「△○×□」記号などがプロジェクションマッピングで投影され、和とPS5が融合したイベントとなっていた。

 そんな中、「メルカリ」や「ヤフオク!」といった大手フリマサイトでは、PS5の高額な転売品が多数出品され問題に。基本的には抽選形式での販売となったため、いわゆる“転売ヤー”による買い占めは起こりづらいが、家にいながら簡単に様々な店舗で抽選予約を行なえるという状況もあり、PS5の転売は後を絶たなかった。

 そのため弊誌では転売品に関する注意喚起を行なう記事も掲載した。

 ちなみにGAME Watch編集部のスタッフで、PS5を発売日周辺で手に入れることができたのは1人だけであった。その頃熱心に抽選予約を行なっていたスタッフもいるが、12回連続で落選したという記録を打ち立てている。それだけどこの店舗も競争率の高い抽選販売になっていたのだろう。

 さらに、PS5を販売しているかのように装う偽の通販サイトが立ち上げられる自体にもなっていた。SIEはこれを受け、PS5を購入する際には慎重に判断するように注意を促している。

 そこから約1.5カ月が過ぎた2021年1月1日。まだまだほとんどの店舗が抽選販売を行なう中、ヨドバシカメラでは先着順での店頭販売を実施。少しずつ、本当に少しずつだが、店頭販売を行なう店舗も増えていった。また、ヨドバシカメラでは、1家に1台まで、クレジットカード機能のついたヨドバシゴールドポイントカードを持っている人のみを対象に販売するなどといった転売対策も行なわれていた。他の店舗でも、こうしたカード会員限定の抽選販売などが実施され、ある程度の転売対策がされることは基本だった。

 なお、1月30日には、ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaにて行なわれたPS5の店頭販売で警察が出動する騒ぎにもなっている。弊誌が掲載した記事によれば、開店と同時にゲーム売り場に人が殺到し、カウンターは破損、結局PS5の販売は行なわれなかったようだ。もちろんまだコロナ禍であることは言うまでもない。

 そうした中、PS5の中国展開が正式発表され、生産体制強化に一定の目処がついたかのように思われた。しかしその後もビックカメラやゲオ、ドン・キホーテ、エディオン、ブックオフ、ソフマップなど様々な店舗で抽選販売は継続された。

 飛んで4月には、PS5初となる大型システムアップデートが配信された。このシステムアップデートでは、PS5用タイトルを本体ストレージよりUSB拡張ストレージへ移行することが可能になったほか、PS5とPS4間のユーザー同士でのシェアプレイに対応した。しかし、この時点ではM.2 SSDの対応は見送りとなっていた。

 続く5月には、「DualSense」初となるカラーバリエーションの「ミッドナイト ブラック」、「コズミック レッド」が発表された。これまでホワイト1色であった「DualSense」に、「プレイステーション」シリーズらしい高級感のある黒色と、大人らしさを感じられる赤色が追加。6月10日に発売された。

 また9月には、M.2 SSDに対応する大型システムアップデート第2弾が配信。対応するM.2 SSDをPS5に装着することで、PS5用タイトルの新たなインストール先としてM.2 SSDが活用できるようになった。

 そして1周年となる2021年11月12日に至るというわけだ。発売から1年経った今でも抽選形式での販売はなくなっていない。さらに、Amazonや楽天ブックスといった通販サイトでの先着順での再販売が行なわれ際には、再開から5分しないうちに完売となる状況も続いている。まだまだPS5は簡単に手に入らない状態で、ユーザーの手に行き届いているわけではないようだ。また、フリマサイトの「ヤフオク!」を確認すると、PS5本体の高額出品も見受けられる。1.5倍から2倍の価格が相場のようだが、入札されているものも多い。

※11月11日撮影

 執筆現在ではまだ、新作タイトルであってもPS5/PS4の両対応で発売されているタイトルが多い。これから「FINAL FANTASY XVI」などのPS5専売となるビッグタイトルが発売されるときや、新作タイトルが次世代機にのみ対応して発売されるように移り変わるときには、好きなタイミングかつ正規の価格でPS5を手に入れられるようになっているだろうか。

【PS5】