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2月26日実装予定 「Angel Love Online」は2D見下ろし型のオンラインゲーム。当初のWindows版に加え、2008年9月からPS3でもサービスが始まっている。今回の大規模アップデートでは、メインストーリーの第5弾、レベルキャップの開放、新エリア、新アイテムの追加などとともに、ハウジングが実装される。また同時に新ワールドが公開される。
今回、運営のキューエンタテインメントにお邪魔して、「忘却の都」のさまざまな楽しみ方について、執行役員兼オンライン事業本部本部長の森健志氏、運営部マネージャーの君塚靖征氏とゲームディレクターの大泉公司氏のお三方に聞いてきた。たっぷりの情報とともにインタビューをお届けしよう。
■ 家具を作る楽しみを増やしたくて……。新仕様、ハウジングシステム導入秘話
ハウジングシステムは、ワールドの中に自分のハウスを持てる、まったく新しいシステムだ。家具を飾って自分だけのハウスを作り、そこに他のプレーヤーを招待できるほか、戦闘や生産に役立つ多くの機能を有している。配置する家具の多くは、新レシピによって生産できるのも特徴だ。これまで本作では約半年ごとに大規模アップデートが入っていたが、今回は8カ月というスパン。その遅れの理由は、ハウジングシステムの調整によるものらしい。実はこのシステムは、日本からの提案で作られたものなのだ。 ハウジングシステムの提案をしたオンライン事業部本部長の森健志氏はその過程を以下のように語った。 「私がこの『Angel Love Online』を見つけたときに、ハウジングのシステムが欲しいと言ったのがきっかけです。契約の前ですからもう2年以上前になります。生産というシステムが入っているゲームである以上、このシステムを使って物を作り出せるようにしなければいけないと思っていました。それはゲーム内の食べ物であったり、武器や防具であったりするんですが、さらにハウジングの家具が作れるようになると、もっと楽しみが広がるんじゃないかというところから要望を出したんです。日本からの要望がなければ、きっと入らなかったシステムじゃないでしょうか」(森氏) そんな森氏の熱い思いを受けて開発が始まったが、台湾では家具の大部分が課金アイテムとして実装され、生産で家具をという日本の意図とは少し違ったものになってしまった。 「日本以外の国では課金の家具がほとんどで、残りのほんのちょっとを生産で作れるようなシステムだったんです。そこで交渉して、6割くらいの家具を生産で作れるようにしてもらいました。そのためにスタッフがレシピ自体から作ることになり、家具を作るための材料や、生産スキルは何が必要か、ということをすべて洗い出して、開発スタッフに送ったんです。今回遅れたのは、交渉1カ月、開発1カ月というのがざっくりとした理由です(笑)」(森氏)
今回のハウジングシステムは日本スタッフの想いと、汗と涙の結晶なのだ。
■ 複数の手段を駆使し、「魔力値」をためてハウスレベルを上げる それでは実際にハウジングシステムはどのようなシステムなのか、詳細を紹介しよう。ハウジングの機能には、大きく分けて家具を配置して設置するまでのデザインと、設置後の使用という2つにわけられる。
家はキャラクターのレベルに関係なく、すべてのプレーヤーが所有することができる。家の設置場所は、各所属国とエンジェル学園などの街エリアのNPCと被らない場所。種類は(1)ミニハウス、(2)ビューティーハウス、(3)ゴージャスハウスの3種類。ミニハウスはゲーム内のNPCからガチャガチャで購入することができるが、残り2つはアイテムモールのガチャガチャから手に入れなければならない。屋敷の大きさは家具を置ける上限に関係している。
家具の数は、家を持つユーザーのステータスなどに影響を及ぼす。家には「魔力値」という値が設定されており、初期状態では魔力値0、ハウスレベル1だ。この家に家具を配置することで魔力値が上がり、魔力値の値によってハウスレベルも上昇する。 「ハウスレベル1で使えるのは個人のアイテム倉庫です。このハウスレベルが上がると、どんどんやれることが増えていきます。家具は配置を決定したところから基本30日間の使用期限がカウントされます。取り外しは可能ですが、取り外してもカウントは進みます」(大泉氏)。 家具には床、壁、机などいくつかの種類がある。同じものを複数配置するより、違う種類のものをたくさん配置したほうがボーナスが多くなる。今回実装される家具は約140種。生産や、アイテムモールなどから入手することができる。「台湾ではいま700くらいあるので、日本でも最終的にはそのくらいにするつもりです」(大泉氏)ということなので、これからもどんどん増えていくようだ。 ハウスは長期間放っておくと汚れて「清潔度」が落ちてくる。放っておいて清潔度0になると、ハウス機能が使えなくなるので定期的に掃除が必要だ。掃除はNPCから買った洗剤をメイドさんに渡せばやってくれる。 「清潔度は1度の掃除で10上がります。100が上限でボーナスがつくんですが、アイテムモールで売っているすごく強力な洗剤を使うと清潔度を500まで上げることができます。こうしておくとしばらく掃除をする必要がなくなるし、90から段階的にボーナスもつきますので、需要によってどちらかを選んでください」(君塚氏) さらにエンブレムウォー終了後に、領地を獲得したギルドメンバーのハウスは、魔力値が5%アップされる。 ハウスには各町にある掲示板から自由に入ることができる。人のハウスが気に入れば、投票してポイントを入れることができる。ランキングの上位に入ると人気指数がアップし、ワールドのランキングで200位以内に入ると基本魔力値が順位によってアップする。ただし投票するには制限がある。
「複数のアカウントを作成して無理やりランキングをあげるのを防ぐために、投票は自分もレベル3以上の家を持っていないとできないようになっています。また、1日5回までという投票制限もあります」(君塚氏)
■ ハウスの便利な機能を一挙紹介 ではハウスレベルを上げると何ができるのかを紹介しよう。今回の実装ではハウスレベルのキャップは10となっている。レベルによる特殊機能は以下の通りだ。
・採集・生産 いままでモンスターを避けて危険を犯して行っていた採集が家の中でできるようになる。また生産や、納品も家の中でできる。
・ペット育成 いままではモンスターと戦わせて育てていたペットを、部屋のなかで自主練習という形で育成できるようになる。また、いままではレベルアップに合わせて手動で選んでいた3つの飼育の方向性を、最初から設定することができる。今回のアップデートでは、最大4匹まで同時に家の中で育てられるようになる。 「一番最初のペット飼育に使うというよりは、2匹目、3匹目を育てている間、他の事もやりたいという時に便利な機能です。今は最大4匹ですが、今後のアップデートで最大数は解放されていくと思います」(君塚氏)
・ラッキーアップ 強化カナヅチ、星槌の確率を短時間アップすることができる。ハウス内で、星槌、強化カナヅチを使用する場合にのみ効果を発揮する。 「失敗しないように、製作の成功率を上げることができるので、これで悲しい思いをしている高レベルの方も多少は救われるんじゃないかと思います」(君塚氏) ・傭兵の召喚 メイドさんからもらえる「傭兵の石版」を利用すると、8時間の間モンスターを傭兵として呼び出せるようになる。呼び出せるモンスターのレベルは、傭兵召喚Lv1だと、自分と同等かそれ以下のレベルのモンスター、Lv2だと自分より強いモンスターが現われる。モンスターは固有技能を持っているが、ペットのように指示はできず、ひたすらプレーヤーが進む方向にいる敵を攻撃する。死んでも3分たてばまた呼び出すことができる。
・ダンスパーティー
主催者は集まった人数に応じて経験値がもらえる。また、集まった人たちと主催者には2時間の間ステータスがアップするキャンディがもれなくもらえる。呼べる人数や開催頻度はハウスレベルによって異なる。 「街角にある掲示板から、設置場所にかかわらず飛ぶことができます。狩りの前や、対人戦の前に開くような感じになるかもしれないですね」(大泉氏)
多様な機能を備えたハウジングシステム。家を持つのにレベルの制限はないが、基本的には「プレイになれてきて、ひと通りは経験したあと、じゃあそろそろ家を持とうかなという流れになっていくのではないかと思っています。ハウスレベルが6になれば、だいたい一通りのことはできるようになりますね」(大泉氏)というように、ゲームに慣れたプレーヤーのための遊びという位置づけになっているようだ。入手難易度もなかなか高いので、レベルの高い家を持つのは、かなり大変かもしれない。
■ 砂漠に広がる幻想の都が、忘却の彼方から姿を現す!!
ストーリーの舞台となる「砂漠」は、メインストーリー第5話として実装される新エリアだ。7つのフィールドマップと、新インスタンスダンジョン、メインストーリーを含めて46個のクエストが追加される。
「インスタンスダンジョンはパーティーが前提で、適正レベルは115以上を考えています。月牙峡谷とサンドサーキットは、レベル80から90くらいのプレーヤーがソロで狩れるくらいの難易度です。ただ、前回の緑の聖域マップよりも敵のHPが多いので、ちょっとだけ辛いかもしれません。そのぶんもらえる経験値は増えているので、ポーションを使う量が増えるかもしれませんが、経験値が多い方がいいという方に向いていますね」(大泉氏) サンドサーキットはアイテムの出し入れや修理など、街の機能を備えているので、ここを拠点にして動くことになりそうだ。また、インスタンスダンジョンはパーティー専用。中でクエストを受けて、攻略していくことになる。 「クエストは魔法のランプのイメージで、願いをかなえるランプを持ってきてくれと頼まれます。今までにはないギミックとしては、ボスから押し付けられる3つのアイテムから必ず1つを選ばなければならない究極の3択などがあります。選ばないと弱体化されたり、選んでも運が悪いと弱体化されてしまいます」(君塚氏) 新マップに合わせて、25種類以上の新グラフィックスのモンスターも登場する。どのモンスターもターバンを巻いているものや、ランプの魔神ぽいものなど、アラビアンムードたっぷりだ。
■ 満を持してついに登場、パンダ機甲! さらにお風呂も? 乗り物も新たに4種が追加される。特に新しいパンダ機甲に注目したい。 「どうしてパンダの機甲がないんだっていう要望がユーザーさんからも、うちのスタッフ内からもあったんです。そこで、砂漠とは関係ないのですが入れようと。これはレベルが105以上になります。アイテム課金ではなくて、ボスドロップです。今回のインスタンスダンジョンのボスとか、そういったレベルの敵が落とすので手に入れるのはかなり難しいかもしれません」(大泉氏)
また乗り物としては、ダチョウとラクダが追加される。ラクダは物理攻撃アップ、ダチョウは魔力アップの効果がつく。
■ レベルキャップが120→130へ。新装備は砂漠にちなんだデザインで登場
なお、大型アップデートの実装に合わせて、6番目のワールドとなる「アテナ」が追加される。ワールドオープン時には、キャラクターレベルの上限は50に設定され、今後段階的に開放されるので、いまからゲームを始めてみようという人にはぴったりだ。度重なる新ワールドの追加について、森氏はこう語る。
「おかげさまでお客様は増えています。特に去年のPS3が起爆剤になりました。提携先からのお客様も増えていっきに伸びました。私もオンラインゲーム業界は8年目になりますが、2年たってもアクティブアカウントや同時接続が伸びるゲームってなかなかないんです。また、台湾版とはシステムそのものを変えるというのは今回が初めてです。日本のスタッフも台湾のスタッフも苦労していますので、日本独自に入れた部分を楽しんでもらえば、それが何よりの励みになります」(森氏)。
(C)2006-2009 UserJoy Technology Co., Ltd. (C)2006-2009 Q Entertainment Inc.
(2009年2月20日) [Reported by 石井聡]
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