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キューエンタテインメント株式会社は、Windows/プレイステーション 3用MMORPG「Angel Love Online」のアップデートを10月16日に実施する。 「Angel Love Online」では先日、PS3版のサービスが開始された。Windows版と同じサーバーでプレイできることもあり、ゲーム内は一層活気を帯びている。
このアップデートでは、新たなキャラクタボイスが実装される。今回参加する声優陣では、たてかべ和也さんがボスモンスター「ベシップ」と新しいナレーションを担当。また渕崎ゆり子さんがNPC「南国少女」と、ボスモンスター「セルン」役を演じている。収録後、それぞれの役についておふたりにお話を伺った。
■ ベシップ役/新ナレーション・たてかべ和也さん
たてかべ和也さんは、長年、アニメ「ドラえもん」でジャイアンを演じてきたことで知られている。こちらの役は、2005年のキャスト入れ替えで既に降板しているが、たてかべさんの声を知らないという人はまずいないであろう。年齢は74歳ということだが、声の若々しさは変わりない。またナレーションは、とてもイメージできないほど格好よく読み上げていた。プロモーションムービーで使われると思われるので、完成した際にはぜひチェックしていただきたい。
たてかべ和也さん : いや、僕はかなり色々なのを入れていると思いますよ。ゲームの仕事は、非常に楽なんですよね。思ったことをやらせてもらえるし、時間もかからない。あんまり時間のかかるようなものをやれる歳じゃないんでね。今日の役割は敵方、相手は天使だというような中で、どれだけ敵役をやっていけるのかなと思っても、そんな事考える暇もない内にOKになっちゃってると(笑)。 ゲームがどういう風にできあがっていくのかはわからないけど、ただこうやってほしい、といわれたことでやっていく。やりやすいキャラクタってのはあるね。大体、仕事はやりやすいキャラクタで来るんですよ。今日はやりやすいキャラクタと、あまりやったことのないナレーションね。ナレーションはちょっと緊張もしていたんですよ。俺でいいのかい? ってね。キャラクタでやるナレーションはどうってことないんだけれども、かっこいいナレーションってのはどうかなと思って。でもね、OKだということで、非常によかったなと思いましたよ。 僕はゲームってのはやったことがないから、すぐにはイメージできないわけですよ。でも何よりも、ユーザーの人たちが喜んでくれればいいなと。そういう声の持ち主だということは、自分自身ありがたいと思っていますよ。過去、いろんなことをやってきた、アレを使えばいいじゃないか、と言われるのはとっても嬉しいことですよね。 ――設定の中にも、「ジャイアンの声で」とはっきり書いてありますね。 たてかべさん : これね、今、意識して触れないようにしていたんですよ。もしかして雑誌で触れない方がいいのかと思ってね。 ――大丈夫だと思います(笑)。 たてかべさん : 自分に合ったとか、楽だったとか濁してたんですけどね。これはやっていて気持ちいいですよ。そりゃ26年やってたんだから。まあでもね、こういうことで呼ばれるのは割と多いんでね。どこかでそれらしいものを入れてほしいと。そういう役を持ってる運のよさってことで。 ――逆にプレッシャーになったりするのかと思ったりもしました。 たてかべさん : 全然! ほかのテレビ番組でも、時々そういうところを、脚本を書いてる人がいたずらで入れたりする。だからそういう時は面白いですよ。 ――後半のナレーションがいかがでしたでしたか? たてかべさん : 気持ちよくやらせてもらいましたよ。いいですね、いいですね、って言われりゃね。写真撮られるとき、いい笑顔ですね、って言われるのと同じでね。今日、別の仕事で声を張るような仕事をやってきていたので、声も出てきて、丁度いい時間帯で声を出せているような気がする。肩に力が入らなくてよかったなと思っているんですよ。 ――「こういう風にしてください」といった指示もあったようですが、その辺りはいかがでしたか? たてかべさん : それは作る側の注文じゃないですか。僕がこうしましょう、ああしましょうって、何もわかってない男が決められるわけじゃないから。それはもう、作る側がこうして欲しいと言ったら、僕もそれでやらなきゃいけないと思っているから。それは苦労でもないし、当然のことだと思っているから。 ――収録を聞かせていただきましたが、最後などすごく格好よく締めていて、とてもいい感じだったと思います。 たてかべさん : これがね、自分では格好いいのかどうかわからない。僕の悪い癖なんだけれども、いつもちょっと自信なさげなんですよ。大丈夫だったのかなと。だから今みたいに、格好よかったですよって言われると、「あ、よかったんだ」と。そういう言葉がね、これから生きていく一番の力になると思うな。若い人たちはね、どうぞこの年寄りをいたわるのには、優しい言葉をかけてくれればいい。長生きします。 ――元気づけてほしいと仰られてましたが、最後のタイトルコールなどでは、若いユーザーが逆に元気づけられそうでした。 たてかべさん : 僕らの仕事って、そういうことだと思うんですよね。人様にね、喜びだとか笑いだとか、あるいはパワーをあげるというね。逆にもらう時もあるだろうし。イベントやっても、芝居やっても、そういうパワーの行ったり来たりがあるから、こうやってやっていけるんだと思うんで、両者にとって相互関係っていうのかな、そういうのも大事なことだと思うし、それがやってて面白いんですよね。 ――いずれゲームで声を聞くことになる方々に向けて一言、メッセージをお願いできますでしょうか。 たてかべさん : ちょっと待ってくださいよ、急にこういう質問がくるんだ(笑)。僕ね、元気ということが1番なんですよ。そして2番に勇気。3番に人気ってことなんですよ。元気はわかりますよね、健康でなくちゃいけないし。それから勇気ってのはいろんなことに挑戦していく、チャレンジャーじゃないといけない。
ただ、人気ってのは何だっていうと、例えば若いアイドルがワーッと人気が出たよっていうのとは違って、人の気持ちにどれだけなれるかっていうことなんですね。かなり前から、僕はこれを座右の銘にしているんですよ。ですからね、皆さん元気のない人も、これを見て元気になってもらって、こういうことで勇気を出していってもらいたい。で、友達と仲良くやろうじゃないかと。そういう事で、ゲームを楽しんでもらえればと思いますよ。
■ 南国少女/セルン役・渕崎ゆり子さん
渕崎ゆり子さんは、これまでに数多くのゲームで声を演じてきており、こちらも読者にはおなじみといっていい声優だろう。特に少女や少年といった若いキャラクタを演じることが多く、今回も「南国少女」を担当。しかしもう一方のボスモンスター「セルン」は、設定年齢30歳の女王様タイプということで、少々イメージが異なるので、ここも聞きどころだ。ちなみに渕崎さんは、キューエンタテインメントのパズルゲーム「ルミネス」が大好きで、自分でも信じられないほど遊びこんでいるそうだ。
渕崎ゆり子さん : 南国少女の方はとにかくハキハキと、元気一杯な、太陽の匂う女の子を。あまり考えすぎずに、単純に明るくいければいいなと思ってやりました。セルンは高飛車な感じで。ただ気になったのは、「美声」って書いてあったので、どうかな私? と思ったんですれけど。 ――いえいえ、大丈夫です(笑)。 渕崎さん : 女王様タイプということなので、気高くなるようにやってみました。「跪きなさい!」というものがあったので、力を込めて、「これで跪いてくれるように」と思いながら演じました。 ――渕崎さんとしては、今回やった2つのキャラクタはどちらがやっていて楽しかったですか? 渕崎さん : 意外と南国少女ですかね? ヒネた男の子の役とかが多いので、こういうカラッと明るい可愛い系というのが、やっていてすごく楽しかったです。でもやりやすいのはセルンだったりするんですよね。割と心地いいですよね、こういう役って。どちらも好きですよ。 ――南国少女は割と普通の台詞が多いように思うのですが、どういった形で演じられましたか? 渕崎さん : 例えば「ありがとう」とか「ばいばい」というのは、本当に色々な取りようがあるので、伺いながら、もし解釈と違ってたら言ってくださいと申し上げてやりました。でも基本的には、割と何も考えずに元気にやりました。 ――収録中もかなりスムーズに終わられましたね。 渕崎さん : そうですね。でも1つ、南国少女の「ばか~っ!」という台詞で、ものすごく大きく「ばか~っ!」と言ったら、「もう少し抑えてください」とオーダーがありました。 ――渕崎さん自身がオンラインゲームをされることは? 渕崎さん : 家族がやっていたりするのを横目で見ていると、面白そうだなと思うんですけれど、パソコンが何年も経っちゃっているようなものなので難しそうです。でも今、色々と資料を見せてもらって、すごく多彩だなと思いました。そそる物がいっぱいありますよね。悪人だろうと思うんですけど、悪人じゃなさそうに見える人たちがいっぱい。本当に和やかな、ほのぼのとした世界観を感じました。 ――では、次にまた何か別のキャラクタをやるとしたら、どんなものをやりたいですか? 渕崎さん : 今、すごく気になるっているのが、このガテン系の、人参だか大根だかのこの子。ハチマキをしているのがとてもキュートですよね。他にもクリオネみたいなやつとかね。ペット系が面白そうですね、かなり。 ――ペットも喋るようですよ。 渕崎さん : 喋るんですか! これからもペットは出てきますか? キュー担当 : そうですね、追加の分の声がまたあれば、収録はしたいと思います。 渕崎さん : ペット分はまだ声の枠があるの? 是非! でも、悪役もかなりキュートですよね。私がやったセルンは結構怖そうだけど、モンスターがすごく可愛いです。 ――セルンはやはり、クールな感じで演じられたのでしょうか? 渕崎さん : はい、クールというよりは逆に暑苦しいくらい高飛車な感じで。わかりやすいほうがいいのかなと思ってやってみました。年齢設定を見過ごしていましたけれど、30歳なんですね。いい感じですね。格好いい。 ――では、今後ゲームの中で渕崎さんの声を聞くであろうユーザーに向けて、メッセージをお願いいたします。
渕崎さん : 南国少女は海のシーンで登場ですか? ぜひ行って会ってみて、どうだったか聞かせていただけたら嬉しいです。セルンはちゃんと、暑苦しい高慢ちきになっていたかどうか聞かせてください。
□キューエンタテインメントのホームページ (2008年10月14日) [Reported by 石田賀津男]
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