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会場:JCBホール
入場料:3,000円
本イベントではいくつかのステージイベントや催しが開かれているが、本稿ではその中でも最も注目されているであろう、開発者によるトークセッションの内容をお届けする。今回もプロデューサーの田中弘道氏を始め、ディレクターの小川公一氏、バトルディレクターの松井聡彦氏、プランナーの権代光俊氏と藤戸洋司氏、グローバルオンラインプロデューサーSage Sundi氏が登壇した。
■ 「モブリンメイズモンガー」を初公開!
まず大きな発表として、公式サイトでも公開されていたプライベートダンジョンシステム「モブリンメイズモンガー」の詳細が発表された。説明を行なった藤戸氏は、まずこのシステムのコンセプトについて、「1人から6人で気軽に素材を集められるもの」と語った。プレイの流れとしては、まず迷宮の遊び方とルールを決め、その迷宮に入り、クリアすれば報酬を得られる。 システムのポイントとなるのは、やはり最初の迷宮の設計である。まず公式サイトにも登場している、メイズモンガー社の社長から、設計に必要な基本セットを入手できる。次にその中から「メイズタビュラ」というアイテムを使用する。その中でルールや目的が設定されている「メイズバウチャー」という項目がでてくるので、好みのものを1つ選ぶ。 続いて、5×5の盤面に、「メイズルーン」をはめ込んでいく。「メイズルーン」はいくつかの形状があり、はめ込んだパネルの位置に特殊な条件を付与できる。条件には、モンスターの強さを基準から上下させる、MPの多いモンスターを出やすくする、補給物資が入った宝箱を置くなど、さまざまなバリエーションが用意される。ただし形状は決められているようで、盤面の形状に合わないものや、既にはめ込んだ「メイズルーン」に重なるものは配置できないようだ。 こうして設計した「メイズタビュラ」をもとに、ダンジョンが生成される。そのダンジョンをクリアすると、報酬として宝箱と専用のポイントを入手できる。宝箱から出るアイテムは、設計したダンジョンのデザインによって変化する。ポイントは新たな「メイズルーン」や、オリジナルのオシャレ装備と交換できる予定だという。
設計図は複製して他人に配布でき、複製した設計図は回数制限付きながらダンジョン生成に利用できる。またダンジョンのルールには、単純に敵を倒していくだけでなく、合成スキルを鍛えられるものも用意されており、60くらいまではスキルを鍛えられる。ここには特に合成アイテムを持ち込む必要はなく、手ぶらで入っても問題ないという。「競売などの市場を混乱させないため」とも話しており、あくまでスキルを上げるだけの仕組みになるようだ。
■ 低レベル向け施策や学者レリック装束など、次回バージョンアップ内容を発表 12月上旬に予定されてるバージョンアップについての話題も展開された。まず低レベル向けの施策として、「フィールド・オブ・ヴァラー」と「Treasure Casket」の2つが発表された。 「フィールド・オブ・ヴァラー」は、アウトポスト周辺に置かれる「フィールドマニュアル」から指令を受け、クリアすると経験値とギルをもらえるというもの。普通にプレイしていて経験値がもらえるモンスターを倒すので、それにプラスアルファされる形になる。指令を受けられるのは、ヴァナ・ディール時間で1日1回。松井氏は、「パーティで倒した敵に関してもカウントされるので、レベルシンクを使ってみんなで使って欲しい」と話していた。
「フィールドマニュアル」は当面は初期エリアに導入される。これについては、「現在はアトルガン地方の効率がよく、冒険者が集中している。モンスターのバランスや配置を変えると混乱を招くので、こういったものをエリアの付加価値として追加して対応していきたい」と語っている。
次に「Treasure Casket」については、「コンシューマゲームで敵を倒したら宝箱が出る」というイメージを持ち込んだもので、敵を倒すと稀に宝箱が出るようになるという。入手できるアイテムは、テンポラリの薬品系が多く、稀にここでしか取れない装備品などのアイテムも出現するという。こちらもまずは初期エリアに導入され、徐々に広げていきたいという。
続いては学者と踊り子に関する話題。次回バージョンアップで、メリットポイントのグループ2と、レリック装束が導入される。このうち踊り子については、再来週開催される米国でのイベントで発表するとし、今回は学者について紹介された。 学者のメリットポイントのグループ2は6種類。「不惜身命の章」は、白のグリモア戦術魔道書アビリティで、次に使う白魔法の命中率をアップする。「一心精進の章」はその黒魔法版。「天衣無縫の章」も白のグリモア戦術魔道書アビリティで、こちらは次に使う白魔法の敵対心を下げる。「無憂無風の章」はその黒魔法版。この4つはいずれもChargeを2消費する。 「大悟徹底」は、その時のグリモアに関わらず、次の1回だけ白、黒両方の補遺の魔法を詠唱できるもの。再使用時間は10分。「陣頭指揮」は、陣に天候の属性に対応するステータスアップ効果を付与する。初期値は+3。
レリック装束は、学者のビジュアルが公開されている。出現場所はアトルガンジョブと同じくデュナミスとなる。
既存の要素に関する調整の話題も少し触れられた。先日実装された「レベルシンク」では、装備品の一部のステータスしか引き継がれない形になっているが、次回バージョンアップにおいて、「回避」、「敵対心」、「ヒーリングHP/MP」を有効にするという。今後もレベル帯の装備品を殺さないよう考慮しながら調整したいとしている。また「レベルシンク」中、基準となるプレーヤーがレベルアップした際に、強化魔法やTPが失われないよう変更するとした。
このほか、五蛇将のガダラルのクエストがついに実装されることや、アイテムの預かり料を一律半減にするといった発表もあり、会場からは拍手が起こった。またトークの中で田中氏が、「肉は食べられないけどスシでは命中が上がる……」と語りだしたところで、小川氏が「それはまだちょっと」と止める場面もあった。食事のシステムにも新しい要素が加わるのかもしれない。
■ RMT対策ツール「いもづる君」などを紹介したスペシャルタスクチーム活動報告
対策ツールも一部公開された。お金を管理する「Bankキャラ」からその他のキャラクタの関係を洗い出して一網打尽にする「いもづる君」。RMTはお金にしないと話が始まらないだけに、かなり強力なツールとなっているようだ。あわせて、「Bankキャラ」が一定額を持った瞬間に強制退去させる「ギルを抱えて永眠君」もあるとか。 釣り対策の1つとしては、「太公望の釣竿」の完成直後、ないし完成間際を狙ってアカウントを凍結するという施策をとっているという。これによって30万以上の「掘ブナ」と、50本近くの「太公望の釣竿」を押収したそうだ。他にも釣りの仕組みを見直し、ゲームスタート直後で低レベルのキャラクタは、疲労度の蓄積が非常に早くなるといった仕組みも導入するとした。 このほか、「自動Jail機能」も用意しているという。従来は24時間のログをチェックして、その行動からRMT業者を割り出す作業をしていたが、現在はフリーアカウントを使って、24時間以内に裁かれてしまうため、リアルタイムにチェックする機構が必要になったという。 このほかRMT業者からの広告メッセージが多数送られていることについては、数日後にPlayOnlineのバージョンアップを行ない、フレンド以外のメッセージを飛んでこないようにできる仕組みを入れるとした。
不正アクセスが横行していることについては、「ワンタイムパスワードを導入したい」と述べた。システム的にかなり大規模なものとなるが、ユーザーにとっても大きな改変となるので、今後の動向には注目しておきたい。
■ 「グローリークラウン」の効果や今後のジョブ調整など、注目の話題を紹介
田中氏からは、先日行なわれた「モグボナンザ」の統計が発表された。最も多かったのが「77777」で、以下も通し番号などが続いていたそうだ。次回の開催については、「開発に持ち帰って検討する。形を変えてやるかもしれない」としている。 召喚士関連では、新たな召喚獣についての話題があり、「次に入れるものは決まっている。そろそろ動きたい」とした。また「契約の履行」の範囲が狭いという質問に対し、「『プロテア』と同じくらいには広くしたい」と今後修正することを明言した。 白魔道士について、そろそろ調整はないのかという質問では、「バ系の2を追加するとか。レジスト率だけでなく、ダメージも減らせるというのはどうか」と検討中のネタを披露。他にも「アビリティが少ないので、足せば楽しくなるかと思っている」と、調整に関して前向きな姿勢を示した。 続いて獣使いについても、「呼び出しペットに、竜騎士のワイバーンのように成長要素を入れる。ウサギは回避がどんどん上がるなど、種類ごとに色を変える」と方向性が示された。また「『ほんきだせ』で本当に有効な技だけを出すようにするなど、徐々に調整を加えたい」とも語った。 食事関連では、3時間効果でスタックできない食べ物を、「クァールサンド」のように30分効果でスタックできる形にしたものを増やして欲しいという意見があった。これに対しては「使ってもらえるものなら入れたい。『イエローカレー』を『カレーパン』にするようなものも考えたい」と、こちらも前向きに検討する姿勢を見せた。
開発者に向けた質問コーナーは、時間が押した都合でいくつかの質問ができないまま終わってしまった。残りの質問については、公式ブログ「クリエイターズボイス」に掲載するとしている。特にジョブ関連の話題が少なかったので、こちらで何かしらの回答があることを期待したい。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2008年11月23日) [Reported by 石田賀津男]
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